____<管理局最上階・指令室>_____
指令室にて行われていた秘匿会議。何人たりとも入室を禁じられていた部屋の扉が突如開かれた。入って来たのは柴条局長の側近を務めている男と、防衛軍副指令袴田の補助として付き添ってきた若い軍人の2人だった。それぞれが自らの上司に耳打ちをしている間、唯一独りぼっちになったBI防衛軍支部長官は静かに顔をしかめた
袴田「来るのかい?例のビビッドチームが、ここへ?情報が漏れたとでも言うのか?」
びっくらこいた、という表情を隠さずに呟いた副指令のお陰で長官も今何が起きているのかを知ることができた
長官「彼らは正しい行いだと考えたのでしょう。副指令」
袴田「いや、僕としては情報が漏れた事に対して憤っているのだけど」
柴条「非常に言いにくいことなのですが、防衛軍副指令殿。この部屋は少々壁が薄いもので。たまたま指令室の前を通った者が小耳に挟んだのかもしれません」
袴田「君達は……正気かい?黒騎れいの処遇については我々防衛軍だけではなく、情報を持っている各国の首脳陣も賛同しているんだ。彼女を助け出せたとして、その行いに加担した者は世界を敵に回したと思われても仕方がない」
柴条「私達が何を考えているのか解らないのであれば、まぁ……直接話されてはいかがですか?」
柴条は懐から取り出したタブレット通信機を数回タップし、副指令の前に置いた
『失礼。一色健次郎じゃ』
直接話したことはないが、この世界で〈権力者〉を名乗る者であればその名を知らないものは無い。
袴田「___防衛軍副指令、袴田です。ご高名はかねがね……」
健次郎『あの無礼な兵士たちは君達が送り込んだのか?』
袴田「彼らが無礼だと感じさせる態度を取ったのであれば、我々の指導不足です。申し訳ない。しかし接触したという事は、朝倉君達の話は聞かれたのですね?」
健次郎『クソみたいな暴言混じりにヤツが吐いた情報によれば、君達は黒騎くんによくない事をしようとしているらしい』
袴田「処刑を、考えています」
健次郎『諸君らのそれは、テロリストの要求に屈するということじゃ。相手のスケールにごまかされ、冷静な判断力を欠いておる。あんないかにもな悪者に踊らされて恥ずかしくないのか?』
袴田「どうであれ、それが世界の意志ですよ博士。黒騎れいは処分するべきです。例えそれで事態が好転しなかったとしても、少なくとも試す価値は十分すぎるでしょう」
健次郎『今更女の子1人生贄にして収まる問題な訳なかろう』
喧嘩腰に割って入ったのは天城であった
天城『お言葉ですが。あなた方の判断の最大の問題は倫理観どうこうより、ビビッドチームを敵に回すことにあるます』
袴田「君は?」
天城『BI防衛軍航空隊所属、天城二尉です』
袴田「君のそれは……脅しのつもりなのかね?」
天城『お言葉ですが。これまでアローンとネウロイという未曽有の大災害を撃退してきたのは彼女達です。彼女達には、この世界の行く末に口を出す権利があるでしょう。それを力づくでどうにかできるだけの力も備えています』
袴田「ふむ。驚異の脅威だね。なら彼女達がこの部屋に来て私の目の前に立ったなら、私の副指令の椅子に賭けてでも総司令を説得してみせよう。世界を担うに相応しいだけの力を世界に見せてくれ」
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岬『あかねちゃん!露払いはこっちでやるから、どんどん突っ込んでいって!ミーナさん、ウィッチの皆さんも船の守りは結構ですからあかねちゃん達の方へ!』
あかね「うん!わかった!」
返事をしながらブーメランを投擲し、前方2キロ先にいた戦闘機型ネウロイを真っ二つにする。あかね達はその気になればあらゆる障害を無視して管理局の中へ直接瞬間移動する事も出来た。しかし、現時点でそれに意味は無い
れいを助け出すという事だけに焦点を絞るのであれば最適解なのかもしれない。しかしあかねはそれと違う方法を選んだ。正面から殴り込み、力で圧倒するという方法だ
管理局へ飛行するあかね達に向けて放たれる弾丸もミサイルも、全て彼女達の足止めにもならない事を証明しなくてはならない。健次郎との通信を聞いていたあかね達は己の立ち居振る舞いをどうするか決めていた
ひまわり「スキャン完了。こっから管理局までの間にいるのは全部ネウロイ。中に人いないし、ぶっ壊してオッケーだね」
わかば「ならお構いなし!天元理心流・桜花落雷斬!」
全力で振るわれた一刀が極大の斬撃波を放った。遥か彼方まで届く斬撃から逃れることは出来ずネウロイが撃墜されていく
あおい「しかし、本気で私達の足止めをしたいならあのカラスが出て来ないのはなんでだろう?そもそも、カラスってれいちゃんが倒してなかった?」
喋りながら片手間にあおいが振るうハンマーは嵐を起こす。暴風に巻き込まれたネウロイは枯れ葉のように制御を失って海面に叩きつけられ爆散する
あろん子「あのカラスは〈観測者〉の分身の一体に過ぎない。本体はこの次元から離れた場所にある。示現力の塊みたいな本体が直接この世界に入ってくることはできないから……」
あかね「なんでできないんだっけ?」
あろん子「示現力の塊だから、この世界に触れただけで呑み込んで一体化してしまうのよ。我々を偉そうに試してる立場にある以上、私達を自分の一部にするなんて嫌がるでしょうね。それに、もう試練が終わったというのにこの世界に居座る理由が解らないわ」
わかば「きっとれいの所にいるわ。私達が来るのを待っているでしょう」
彼女達は真っすぐ管理局へ向けて飛んだ。道中何度もネウロイが襲い掛かってきたが、その悉くが一撃で瞬殺されあかね達に傷の一つも付けることはできなかった
家を飛び出してから数十分足らず。あかね達は管理局を空から見下ろしていた。いつもの周波数で飛んでくる通信は警告と注意と罵声だったが、その中に僅かながらいつものオペレーターさんの声も混じっていた。れいが地下にいる事と、それを教えるのを邪魔しようとする男の人が怒鳴り声を上げるのが聞こえる。聞き間違えでなければ数発の弾丸が発せられた銃声がおっかけて耳に飛び込んできた
ひまわり「指令室周りでも揉めてる!そっちも助けないと!」
バルクホルン『そっちのゴタゴタは我々が介入する!君達は宮藤達と地下へ行け!』
後方から迫っていたウィッチ達がそのまま管理局最上階の指令室の窓をぶち破って中へ突撃していく。通信機越しに聞こえる悲鳴は、人間を遥かに凌駕する身体能力による圧倒的仲裁が少々痛みを伴うものだからだろう
宮藤「追いついた!行こう、あかねちゃん!」
ペリーヌ「わたくしも同行しますわよ」
リーネ「お邪魔でなければ……」
わかば「助かるわ。手を貸して」
ひまわり「あの中二病ちゃんに説教かましに行こっか」
あかね「よーし行くよ!」
あかね達は正面ゲートの扉を蹴り破って内部へ突入した
更新は夜中に限るなぁ!!!!!