ビビッド&ウィッチーズ!   作:ばんぶー

85 / 95
あと2週間で2020年が終わります。今年中に達成したかった目標が終わってない方は自分を追い込んでいきましょう。ぼくも自分を追い込んでいます


第84話 「黒い翼の天使」

黒く淀んだ空気があっという間に部屋を満たしたかと思うと、それは瞬時にドロリと液体のような物に変化してあかね達を呑み込まんとする

 

 

あかね「みんな近くの人と手繋いで!離さないで!!」

 

 

あかねはれいを、あおいはリーネと手を繋ぐ。わかばはペリーヌとひまわりを両手に掴んで抱き寄せた。芳佳とあろん子は背中を預けるように身体をくっつける

 

 

わかば「なんなのこれは!?出口はどっち!?」

 

ひまわり「まっすぐ上!天井ぶち破って退避!!」

 

あおい「上ってどっち!?」

 

ひまわり「___!」

 

リーネ「声が聞こえない!通信が……!」

 

 

 

あおいの疑問は最もだった。闇に呑まれた瞬間彼女達の方向感覚は完全に失われてしまった。というより、密着している友達を以外の仲間達の気配を感じ取れなくなった。行動に移るより早くどこからか凄まじい風が吹いたかと思うと、辺りを覆っていた闇が薄まっていく

 

 

ひまわり「わお。マジ?」

 

ペリーヌ「驚きですわね……」

 

 

周囲をぐるりと見渡せばここが既に室内でない事は容易に解った。どこまでも灰色の空が広がっている。さらに困った事に、上も下も空だったのだ

 

わかば「また面倒な事になったわね……」

 

 

呆れたように呟いて周囲を見渡す。別の空間で、あかね達も同じような景色に囲まれていた

 

 

 

_______________________

 

 

 

ミーナ「何が起きたの!?」

 

「ビビットチームの反応が全て消失!宮藤さん達とも連絡付きません!」

 

健次郎「直前のエネルギー反応を見るにディメンションゲートに似たような現象が一瞬発生しておる!彼女達は違う次元に飛ばされたのじゃろう」

 

ミーナ「不味い事態ですね」

 

健次郎「相当マズイじゃろうな。あかね達の今の力があれば次元の跳躍は可能じゃろうが、そう簡単に事が運ぶかは怪しい。仕掛けてきたのは高次元生命体じゃ」

 

 

健次郎が唸った直後、晴風を衝撃が襲う。正体は管理局上空から放たれたエネルギー反応だ

 

 

岬「警戒!」

 

「なんだあれは……!」

 

 

艦橋に取り付けられた巨大モニターが映し出したのは、途方も無く大きい黒い靄の塊だ。曖昧ながらも徐々に明確な形を取り始める。一枚の布をドレスのように纏った人間に見えるが、頭の部分が存在せず天使の輪のようなものが3つ重なって浮いていて不気味に明滅している

 

背後にはボロボロの翼が左右不ぞろいに広がり、胴体の脇から生える腕は骨だけでできているような不格好で細長いものだ。その指先から白い熱線が放たれ、近くに待機していた防衛軍艦隊の一部が消し飛んだ

 

 

「やばくない!?」

 

岬「各員対空戦闘準備を!ミーナさんも出撃をお願いします!」

 

ミーナ「解ったわ!」

 

 

ミーナが走りだし艦橋のドアを蹴飛ばすように開く。勢いよく飛び出そうとするが、視界の下に桃色の何かが映り込み反射的に足を止めた

 

 

「わわっ!」

 

ミーナ「え、ももちゃん!?なんでここに!」

 

ひっくり返って尻もちをつきそうだったももの腕を掴んで引き起こし抱きかかえる。罰が悪そうにももは指をこねこねとしながら視線を左右に走らせた

 

 

もも「あのー、あのーえっと!ついてきちゃいました!」

 

健次郎「もも!ええい、家で待っておれと……いや、ここに居た方が安全か!?岬くん、この大バカ者をここに置かせてくれい!」

 

岬「は、はい!ももちゃん、こっちにいい椅子あるから!」

 

もも「い、いえ!おじいちゃんを抱っこして立ってますから!」

 

健次郎「何故来たもも。いや、大体察しは付くが」

 

もも「お家になんていられないよ!何にも手伝えないけど、最後くらい一緒にいたい。だめ?」

 

健次郎「いや、かまわん。……ましろは?」

 

もも「お母さんなら途中で調理場の人達がてんてこ舞いなのを見かねて炊き出し手伝ってるよ」

 

健次郎「ああんもう、家におれっちゅうのに!」

 

岬「晴風浮上!」

 

「艦長、作戦は!?」

 

岬「全火力を叩きつけて!相手の攻撃をこっちに引き付けて、防衛軍の人達を守らないと!」

 

「いいねぇ派手だねぇ!!じゃあなんちゃって波動砲いってみようかー!!」

 

「全く……私達の晴風を好き勝手改造してくれたものだ!元の世界に帰った時どうするんだ!?」

 

岬「あはは……。まま、とにかく今を乗り切らなきゃね?」

 

__________________

 

 

 

バルクホルン「宮藤達はどうなったんだ!?」

 

エイラ「わかんね!でもよそ見してられないぞ大尉!」

 

 

大空を闇が覆っている。その全てから敵意が伝わってくるのだ。歴戦のウィッチ達もたまったものではない

 

 

ミーナ「こちらミーナ、ただいま現場に合流するわ!」

 

坂本「来てくれたか!どうする、ミーナ!」

 

 

指揮官の合流により部隊は落ち着きを取り戻した。しかし、あっさりと解決に辿り着ける訳ではない。未知の現象、想定外の敵。次元を超越する存在を相手取るのに気負わないというのは無理があるだろう。しかしミーナも坂本も、部下を率いる立場である彼女達はどこまでも冷静であろうとしていた

 

 

ミーナ「どういう攻撃をしてくるかは解りません。距離を取って様子を見ます!」

 

ルッキーニ「芳佳達を助けにいかないのー!?」

 

ミーナ「まずは相手の情報を集める事に専念しましょう!あかねさん達も一緒にいるはずですから、自力で脱出してくる可能性も高い。私達は自分達の身を護る事に集中しなければなりません!」

 

 

『最早あなた方に用はありませんが……今まで邪魔をしてくれた罰を与えなければなりませんね』

 

 

次元に裂け目が産まれ、そこからネウロイが現れる。最早見飽きた光景だが、出現したネウロイは5体。薄く丸い円盤を模したネウロイだ。サイズは精々4m程だが、これまで相手にしてきたネウロイとは一線を画すものであることは一目で解った。ミーナは鳥肌が立つ感覚を覚えながらも瞬時に指示を出す

 

 

ミーナ「これまでとは格が違う敵であると思われます!各自警戒を!」

 

坂本「相手にとって不足はない!いくぞ!」

 

 

 

円盤から放たれる破壊光線をひらりとかわし魔女達は空を駆ける。飛び出してきた円盤の一体にすかさず銃弾を集中させ、動きが鈍くなった円盤を坂本の刀の一閃が襲い真っ二つに両断してみせた

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。