ビビッド&ウィッチーズ!   作:ばんぶー

91 / 95
実家に帰ったりするので、ただいまという言葉を言う事はあれど、おかえりなさいは中々言う機会が無くなってしまいました。1人って侘しいですね


第91話 「おかえりなさい」

宮藤「パーティです!!!!」

 

 

宮藤芳佳の怒号のような叫びが晴風の艦橋を揺らした。岬はびっくりして落っことした帽子を拾ってかぶり直し、おずおずと尋ねた

 

 

岬「えっと、打ち上げってことかな?」

 

宮藤「そうですよ明乃さん!」

 

 

大島の海岸で待機していた晴風の下に一色家から黒騎れい帰還の連絡があった。色々と事態が落ち着いたということでミーナ、坂本、バルクホルンの前に座らされ説教タイム寸前の状態だった宮藤芳佳は、その知らせを聞いて我慢できず説教部屋を抜け出して艦橋に突撃してきた、という訳だった

 

 

「いいねぇ、やろうよ艦長!慌てて帰らなきゃって訳でもないんだし!」

 

岬「うん、いいね!シロちゃん、艦内放送で呼びかけてくれる?今日の夜ご飯はみんなでお疲れ様会をやろうって!」

 

「全く……。いや、流石に今回はいいです。私も賛成ですよ艦長」

 

 

堅物で通っている晴風副長も今ばかりは肩の荷を下ろしたい気分だった。通信機で呼びかければ、船のあちこちから歓声が上がる

 

「ただし!それぞれ与えられた仕事を終えるのが条件だからな!夕方になるまでには修理も情報整理も終わらせるように!わかったな!」

 

 

各部署から大きな声で返事が返ってくる。晴風副長、宗谷ましろはやれやれと言いながらも楽しそうに通信機を置いた

 

宗谷「艦長、伝えました。みな張り切ってますよ」

 

岬「ふふ、よかった。それじゃあ何人かあかねちゃん達の所にいって簡単な打ち合わせをしてきてほしいかな。芳佳ちゃん、メンバーの選出任せていい?」

 

宮藤「お任せ下さい!」

 

ミーナ「その前に___宮藤さん?上官のお説教から逃げてはいけない、なんて初歩的な事をもう一度教えてあげる必要があるみたいね?」

 

 

しまった、と身を強張らせるも首根っこを掴まれてからではもう遅い。振り返らずとも、般若の心を優しい笑顔で覆うミーナの姿が想像できてしまう

 

 

宮藤「お、お慈悲を……」

 

ミーナ「だいじょうぶ。時間は一瞬よ。___あなたにとってはそうじゃないかもしれないけれど」

 

宮藤「ごめんなさあぁぁぁぁい!」

 

岬「あはは……」

 

 

 

______________________________________

 

 

 

 

健次郎「うむ。よく戻ってくれた!おかえりじゃ、れいくん」

 

れい「本当にご迷惑をおかけしました」

 

健次郎「いいんじゃ。終わってみれば、最高の結果と言える。君の行動も必要なものだったということじゃよ」

 

 

深々と土下座をするれいに駆け寄り、優しくその頭をぽんぽんと叩いた

 

あかね「おじいちゃん、そういやなんで元の身体に戻らないの?」

 

健次郎「今ワシの身体改造しとるから。それ終わったら戻る予定じゃ」

 

あかね「へー」

 

 

 

ましろ「初めまして、黒騎れいちゃん。お話はももからもあかねからも」

 

れい「あの、私___」

 

尚も謝罪を続けようとするれいを強引に抱きしめた。ぎゅっと抱え込んで、目を白黒させるれいの頭をゆっくりと撫でる

 

ましろ「本当に、がんばったんだね。えらいよ」

 

れい「……」

 

ましろ「あかねとももと、友達のみんなを助けてくれてありがとう」

 

れい「うぅっ……はいっ……」

 

 

母の腕の中で泣きじゃくるれいをそっとしておこうと、あかねは立ち上がって玄関から外に出た。陽はまだ高く、お昼ご飯までもちょっと時間がある。大きく伸びをして散歩でもしようかという所にプロペラ音が聞こえて来る。見上げればウィッチ達が空からやってきていた

 

 

エイラ「おーい、アカネー」

 

あかね「エイラさんにペリーヌちゃん!リーネちゃんも!」

 

 

3人は一色家の庭に備え付けられたストライカー用のスペースに降下し、下から飛び出してきた機材にストライカーを固定した後に足を引き抜いて地面に降り立った。これは健次郎がウィッチ達が生活しやすいよう前に作った物だった

 

 

ペリーヌ「これも、もう使わなくなるのでしょうかね」

 

あかね「……そだね」

 

リーネ「あっ。ちょっとペリーヌさん、そういう話は……」

 

ペリーヌ「仕方がありませんでしょう。わたくし達は元の世界での戦いが残っているのですから。……別に、わたくしも寂しさを感じない訳ありませんわよ?あかねさんの家には随分と思い出ができてしまいましたもの」

 

 

数ヶ月。春から夏にかけて、短いようで長い。ペリーヌは縁側の柱をそっと撫で、あかねの方を振り向いた

 

 

ペリーヌ「あかねさん。顔を上げてくださいな。あなたにそんな顔をされては、今夜も盛り上がりませんわよ?」

 

あかね「え、夜?なにかあるの?」

 

エイラ「ミヤフジのやつがさ、みんなでパーティやろうって。そんでその打ち合わせに私達が来たんだよ」

 

リーネ「肝心の芳佳ちゃんは今お説教中だから、しばらくしたら来ると思うけど……」

 

あかね「パーティ!?うわーっ!楽しそう!!ちょういいねぇ!!!どこでやる!?ウチでやろうよ!お庭全部使えばかなり広いし!」

 

ペリーヌ「それも合わせて打ち合わせをしましょう。中に入らせてもらってもよろしいですか?」

 

あかね「もちろん入ってよ!ここはペリーヌちゃん達のお家でもあるんだからさ!これからもずっと!」

 

 

別れは避けられない。だが、友であり仲間であり、家族である。その事実が消えて無くなるわけではないだろう。あかねに明るい笑顔でそう言われたペリーヌは照れたように小さく笑い、リーネとエイラも温かい気持ちになった。悲しさを消すためでなく、楽しい思い出を増やすための打ち合わせをするために彼女達は家の中へ戻った

 

 

そしてれいがめっちゃ泣きながらましろに甘えている様子を見たエイラ達は気まずそうに苦笑いをし、れいは顔を真っ赤にしながら部屋から飛び出していった

 

 

 

ましろ「あら、逃げられちゃった。撫で足りないのに」

 

もも「もーお母さんったら。ペリーヌさん達もお昼ご一緒されますか?まだ作り始めなので今ならご用意できますけど」

 

ペリーヌ「せっかくですからいただきますわ。お昼のメニューはなんですか?」

 

もも「おうどんと唐揚げです!」

 

エイラ「おー。宮藤のヤツ、昼飯までに間に合うかな」

 

 

 

その後ギリギリで間に合った芳佳はれいと抱き合って2人共わんわん泣きまくり、その後鼻を赤くしながら一緒にご飯を食べながらの打ち合わせは大層盛り上がった

 

 

そして夕陽が一色家の庭をオレンジ色に照らす頃、打ち上げに参加する全員が一色家に揃った

 

 

 

 

 





あかね「そうめんは食べ飽きたけどおうどんならセーフ!」

あおい「ましろさんの唐揚げめちゃくちゃ美味しいです……!」

ましろ「マヨネーズに合いそうな料理はかなり練習したからね!まああかねはなんにでもかけちゃうけど!」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。