GOD EATER  mixed blood   作:98zin

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とりあえず記憶の奥底から引っ張ってきたジュリウス達の口調ですが元作品との差異は気にしないでください




ブラッド隊

「あ~、疲れた~」

廊下に響き渡る声の主は腕を頭の後ろに組み

ズカズカと大股に歩いているカジュアルな服装の青年に

「もぉー、ロミオ先輩ってばさっきの作戦棒立ちじゃなかった~?」

ジト目でのぞき込むのは猫のような髪型をした少女だ

「ナナッ!そんなことないよ!俺のあの華麗な一撃をみただろうっ!?」

そんな2人に苦笑しながらブラッド隊長、ヒロは

「ほらほら2人とも、もうすぐ榊博士の部屋に着くよ?」

「ヒロも言ってくれよー、俺ちゃんと働いてただろ?」

「んー、そうだねぇ。シエルはどう思う?」

ピンッと背筋を伸ばしつかつかと歩いていた少女は不意に呼ばれたことに動揺せず

「はい。ロミオの動きは悪くなかったと思います」

「ほらぁ~!」

大げさにナナを指差し自慢げに言い張る

「ですが、ここ一番の誤射が目立ちましたね。ジュリウスのヘルプがなければ危ないところでした」

「うげっ」

ナナのさらなる深みを帯びたジト目を受け思わず後ずさるロミオ

「心配することはない、ロミオ。次はうまくいくさ」

さわやかな笑顔でフォローに入るジュリウスに続き、赤いフードをかぶった白髪の少女は

「ロミオ、今度はミスしないように後でミーティングしよう」

「お、おう。ありがとうリヴィ」

「おい、お前ら、さっさと報告に行くぞ。ねみぃ」

目をこすりポケットに手を突っ込み歩くギル

一行は榊博士の研究室の前にたどり着き、ヒロが代表してドアノブに手をかける

 

「「「失礼します」」」

 

ヒロたちが足を踏み入れるとカチャカチャとなっていたパソコンキーの音が鳴りやみ特徴のある声が響いた

「やぁ、よく来たね。相変わらず君たちはなかがいいね」

糸目の博士はニコニコしながらブラッド隊員を見渡す

「君たちの盛り上げはやっぱりロミオ君かな?」

「ええ、彼がいるといつも場が和みますよ。、、これが今回の作戦の記録です」

そう言いながらヒロは懐をごそごそとあさり、ある写真を取り出す

「ほう、、これまた面白い喰われ方をしてるね。明らかに人の歯形だよね」

その写真に写っているのは、アラガミの死体

だがその死体に残された捕食者の痕はまるで人の口サイズで噛み千切ったかのようだった

「でも食べるために殺したわけではなさそうだね」

やっぱりというのは、前回出撃したミッションでも同様の痕が残っていたり、四肢だけが無残に斬られたコンゴウだったり、とコアが搾取されていない状態で見つかる死体がここ最近頻出しているのだ

 

アラガミ同士がお互いを襲い合うことは珍しくもない

が、大抵はその「コア」が破壊、捕食され「オラクル細胞」が霧散し、姿形は跡形もなく消えていくはずなのだが

形が残る死体は珍しく、厄介なことに死体が残るとそれを捕食せんと複数のアラガミが集まり

コアを喰らい強化された個体が、群がったアラガミを喰らうという一種の食物連鎖が起きてしまう

こうなると一般のゴッドイーターには手に負えないアラガミが生まれてしまう

そしてつい先日この調査に抜擢されたのがブラッド隊というわけだ

 

「うーん、いったいどんなアラガミがこんなことをしているのかな?そもそもアラガミなのか怪しいとこだけどね」

確かにアラガミの犯行では説明がつきにくい証拠ばかりが挙がっている

「絶命したアラガミの処理を行っているときも、群れたアラガミの中にも特段見かけないアラガミや、強化されたアラガミは発見できませんでした」

シエルが淡々と報告を続け、もう一枚の写真を取り出す

「これを見てください。今回襲われていたシユウなのですが、噛みきり後のほかに右翼だけ引きちぎられた状態で発見されました。切断痕ではありません。これらは同一の作戦対象ではないのでしょうか」

隊長、副隊長、博士で議論がなされる中

「まーアラガミが減ってくれるんなら何でもいいんじゃねって俺は思っちゃうけどなぁ」

「そーだよねー、けど強くなっちゃうアラガミがいるのはこまるかなぁ」

ロミオとナナは能天気にそんな会話を繰り広げる

「とりあえずこの件については長丁場になりそうだから引き続き調査をお願いするよ。ブラッド隊」

博士は写真をまとめうっすらと目を開きそう告げた

 

「「「了解!」」」

 

 

 

 

 

後日、新しく発行されたミッションにより招集されたブラッド隊

ヒロがロビーに向かうとそこには極東支部所属のゴッドイーター、エミールとエリナがいた

「あ!先輩!これから一緒にミッションに行きませんか?」

エレベーターから降りてきたヒロを見つけるや満面の笑みで駆け寄ってくるエリナ

ヒロが事情を説明しこれからブラッド隊でミッションがあることを告げると

「むぅ~、じゃあしょうがないよね、、、」

頬を膨らますエリナに傍らにいたエミールが

「落ち込む必要はないさ、わが友ならすぐに帰ってくる。そうだろうっ!?」

いつものごとく物凄い声量のエミールにヒロはたじろきつつ返す

「う、うん。このミッションが終わったら今度行こうね、エリナ」

その言葉に膨らましていた頬をゆるりと綻ばせるエリナ

「やくそくだよっ!私の成長したところ見せてあげるんだからね!」

彼女たちとのやり取りを続けているとヒロは人影が視界に入りそちらへと目を向ける

そこには彼らが会話していた間に集まっていたほかのブラッド隊員がいた

「ほらぁーヒロー、行くよー」

ナナが手を振りながらゲートの場所で仲間たちと待っていた

「じゃあ行くね」

ヒロはおもむろにエリナの頭に手を伸ばし軽く撫でてからゲートへと歩を進めた

エリナは先ほどとは違った意味で頬を膨らまし尊敬する先輩たちを見送るのだった

 

 

 

 

 

ブロロロロ、、、

 

広い荒野の中、ブラッド隊を乗せた2台のバギーは砂煙を巻き上げ、低い重低音を響かせながら走りぬける

「なぁ、なんでコアを喰わないアラガミがいるんだろうな」

バギーの後部座席に乗っているロミオが彼の神機を抱えながらふと口にした言葉

「あぁ、大体アラガミは食べ残しをしない」

ガタガタゴツゴツの道を器用に運転しているジュリウスが返す

彼らがこの騒音の中会話が成立しているのは全員が装着しているトランシーバーのおかげだ

もう1台のバギーを運転するヒロはトランシーバーから流れてくる会話について黙考する

今回の調査は対象の正体が確定していない

アラガミを倒せるのはアラガミかゴッドイーターだけ

しかしアラガミにしては小さすぎる歯形や、食べ残し

ゴッドイーターにしてもコアの採取忘れなどあってはならない

榊博士もおそらくは人型のアラガミ、もしくはそれに近しい存在がいるとふんでいるだろう

極東支部では人型のアラガミ「シオ」、腕輪を失くしオラクル細胞に侵食され一時期アラガミとなってしまった「リンドウ」

どちらの例もあってしまうので、そういった判断もできるのだろう

ジュリウスも似たようなものだったしね

考え事をしながら運転していると思わぬ段差にハンドルを取られバギーを大きく揺らしてしまった

「どうかしましたか?」

隣、助手席に乗っているシエルから声をかけられヒロは苦笑いしながら答える

「ごめんごめん、何でもないよ。ロミオの言ってることについて考えてたんだ。ちゃんと集中して運転しなくちゃだね」

「そうですか、気を付けてください。いつアラガミがあらわれるか、、あ、言ってるそばから。北東5キロほど先にアラガミの群れです」

また無線機器を用いて支部のオペレーターと連絡を取りアラガミとの交戦許可を得る

ちなみに現在はオペレーターの支援をあまり受けることができない

バギーには最低限の電波装置しか設置しておらず、通信のみに限り行える

広い荒野の詳しい地形や、細かいアラガミ情報を得ることはできない

直接視認するほかないのだ

やっぱりすごい力だなぁ、「血の力」って

改めて自分たちに宿る力を認識したヒロ

「みんな、北東の方向にうっすら見える固まり、見える?」

トランシーバーを使い仲間たちに確認をとる

「みえるよ~。あれ全部アラガミ?いっぱいいるね!全部おびき寄せる?」

無線から響く元気な声の主は血の力「誘引」をもつナナ

「いやっ、!?あの量はシャレにならないからやめてくれ!?」

やりかねないナナの言動に慌てふためくは「対話」の力をもつロミオ

「お前の力なら仲良くなれるんじゃねぇの?」

シャレを飛ばすのは「鼓吹」の力を持つギル

「あぁ、そうだな。ロミオならできるさ」

言葉をつなげるのは「慈愛」の力を持つリヴィ

「あの量と友達になるのは骨が折れそうですね、ロミオ」

真顔で告げるはアラガミの群れを見つけた張本人で「直覚」の力を持つシエル

「冗談はそれくらいにして、どうするんだ?隊長?」

呆れた声で、しかし楽しそうな顔の「統制」の力を持つジュリウス

「じゃあ、ロミオだけあそこにおいてこようか」

こんな賑やかな家族のような空間に思わず笑みをこぼし返すのは

このブラッド隊をまとめる「喚起」の力を持つヒロ

「ちょ!ヒロまでそんなこと言うのかよ!」

ロミオいじりが止まらない彼らは目標を北東のアラガミに設定し進路を変え進んでいく

 

 

いよいよ目標との距離も近くなってきた辺りでヒロはトランシーバーに声をはる

「あの群れの先に「食べ残し」があるかもしれないし、あれを片付けたら周辺探索をするよ!今日のミッションは残り数時間だから手早くいくよ!」

そう言ってヒロはアクセルを強く踏み込む

「ジュリウス!二手に分かれて前後から挟み撃ちにするよ。そっちはナナの力でおびき寄せながら陽動してくれ!引き気味でいいからね。僕らが後ろからたたくから!」

「了解だ。ナナ、行けるか?」

「もっちろん!」

トランシーバーから聞こえてくる頼もしい声

「よし!じゃあ作戦開始!」

今までよりも豪快な音をあげ、二手に分かれたバギーはアラガミの大群の頭と尻尾にむかって進んでいった

 

 




誰がどのセリフ言ったか分かるようにとセリフの前後に説明入れるのは変ですかね
思ってたより文章書くのは難しくて頭の中の妄想を披露するには語彙力が足りないことを痛感する日々です
改行のタイミング、句読点の有無、、、なんかテストしてるみたい

ちなみにバギーの乗車の割合は
ジュリウスバギー ジュリウス、ロミオ、リヴィ、ナナ
ヒロバギー    ヒロ、シエル、ギル
こんな感じです

次は初めての戦闘描写
バトル小説とか読むと「袈裟切り」とは何ぞや、というレベルの筆者が書く戦闘を乞うご期待!

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