GOD EATER  mixed blood   作:98zin

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オリ主登場?


邂逅

ここはドコなんダロう

 

カラダが熱い、いヤ寒い?

 

イタイ?

 

なにもカンじなイ?

 

ピチャ

 

 

濡れてる、ナニデ?

 

あカイ、血?

 

ダレの、ボクノ?

 

ワカラナイ?

 

オレがダれかモ

 

イマ、食べテルモノが何だったカモ

 

ただ、食欲ダケがボクをシハいスル

 

 

「ここは、、」

 

「ひどい有り様だね」

 

「こんなところに村があったなんて、信じられないよ」

 

「おそらくフェンリルの保護下に入れなかった者たちが寄り添い集まったのだろう」

 

 

コエがスる

 

けどボクは喰らイツヅける

 

 

「隊長!あれっ、、」

 

「なんだ!アイツ!?」

 

「アラガミか?」

 

 

アラガミ?

 

 

「人を喰ってるぞ、、」

 

 

ヒトをクウ?

 

アラガミ、ヒト、クウ、、

 

、、ミンナ食べらレタ

 

アノ紅いアラガミに

 

「ゴァァァァ!!!」

 

カラだがカッテにウゴく

 

オレのチにマミレタ視界にウゴク人がウツッたシュンかん、ボクは走った

 

イヤ、オレじゃナイ

 

ホンライノおれじゃダセない速さデ地をカケル

 

ホンライノボク?

 

ボクって一体ナンなんダロウ

 

 

 

 

そんな朦朧とした意識は、目の前に迫りくる白銀の一閃ととともに斬り捨てられてしまった

 

 

 

 

 

ボロボロと崩れ落ちる外骨格、異形のアラガミだと思っていたそれの中から出てきたのは体中を真っ赤に染めた少年だった

「なっ!?人間!?」

中から出てきた白髪の少年は一切の抵抗なく地面に倒れこむ

土煙をあげ倒れ伏した直後、その少年の体からドクドクと血を流れだした

これは不味い、僕が斬りつけた刃が中の少年まで届いていたのだ

彼を治療しようと僕が動く前に躊躇い無く彼を抱き起し、治療を開始したのはリヴィだった

「傷はそこまで深くないが、消耗が激しい。このままでは命が危ないぞ」

テキパキと手持ちのポーチから包帯や薬を取り出し治療していく

「お、おいリヴィ。そいつ、アラガミじゃないのか?」

ロミオがビビりながら2人を見下ろす

「、、たとえそうだとしても、今はどう見ても人間だ」

もともとリヴィはゴッドイーターがアラガミ化した時の処理を担当していたので、今の彼はアラガミではないと踏んでの行動だろう

「そうだね、彼はアラガミなのか人なのか、今の僕たちじゃ何も分からない。かといって無暗に殺すことは違うとは思わないかい?」

僕はそういってリヴィを手伝う

背丈は150センチくらい、ほっそりとした体には血で染まっているにもかかわらず傷らしきものは先ほど僕が斬りつけた左肩の傷しか見当たらない

しかしその傷も目に見える速度で収縮しすでに塞がりかけていた

「、、、、」

アラガミ化した人間

人の姿をしたアラガミ

そんな単語が頭をよぎった

どちらも極東支部で前例がある、ひとまずサカキ博士の見解を聞きたい

 

「極東支部へ戻ろう」

 

僕達がバギーに乗り込んだ時、さっきまで降っていなかった雨が降りだした

 

 

 

 

 

 

~サカキ博士研究室~

 

「僕達が廃村に着いた時には彼以外の人は見当たりませんでした」

アラガミの群れを掃討した後、バギーに乗り込みしばらくすると見えてきた廃村

そこにたどり着くと辺りはまるで災害にでもあったかのような有様だった

バギーを降り警戒しながら進むと聞こえてきたのはクチャクチャという咀嚼音

音のほうへ向かうと現れたのが彼だった

とっさの対応で切り払ったのだがそれはアラガミなのか人間なのか判断しかねる存在だった

 

「なるほどね、、まず事実からいこう」

報告を終えて、サカキ博士から彼の検査の結果を聞いた

現在はサカキ博士の研究室の奥で深い眠りに落ちている彼

「彼はアラガミだよ。八割」

予想通り、、なのか分からない結果に声は出なかった

人間であってほしかったのか、はたまたアラガミであってほしかったのか僕自身分からない

「彼は体にはオラクル細胞が含まれている。君たちゴッドイーターのようにね。ただ違うのはその量と質だね。」

サカキ博士はそう言ってパソコンのデータを読み始める

「体の八十パーセントはオラクル細胞、残りはヒトの細胞。今はオラクル細胞の侵食は行われていないみたいだね」

「オラクル細胞がヒトの細胞を全部食べっちゃったらそうなるんですか?」

おそるおそるといった様子でナナがたずねる

「ん?もちろん完全にアラガミになって周りのものを喰らいつくすだろうね」

ニッコリ当たり前だろうといった顔で榊博士は返した

その答えにすっかり顔を青ざめさせるロミオとナナ

アラガミ化、どうしてゴッドイーターでもない人間が、、?

どこからオラクル細胞を得たのだろう

それにあの村にはなぜ彼だけ、、

様々な疑問にとらわれもう少しで頭がパンクしそうになっていると

「で、次は憶測。腕輪もついていない、ゴッドイーターでもない彼がオラクル細胞を持っている理由。まず考えたのがナナ君のようにゴッドイーターチルドレンである」

ゴッドイーターチルドレンとは親がゴッドイーターで先天的にオラクル細胞をその体に所有している者の呼び名

ブラッド隊ではナナがそうだ

青かった顔をさらに青くさせ悲鳴をあげるナナ

「え、じゃあ私もアラガミになっちゃうってこと!?」

ロミオと2人でギャーギャー騒ぎ出し、呆れたギルに頭を軽く小突かれる

「んなわけねぇだろ。俺たちゴッドイーターは調整された偏食因子を投与されて、体内のオラクル細胞を制御してるんだ。滅多なことがない限り大丈夫だろ」

「う、うん。そうだよね」

冷静な言葉に小突かれた額を軽く押さえおとなしくなる

「ギルバード君の言う通りだね。君たちゴッドイーターがアラガミ化することは滅多にない。そして彼がゴッドイーターチルドレンであるということはまずない。そもそもゴッドイーターが外部の人間として生活していくことがないんだ。引退後、というか引退するまでに殉職したり、引退しても各支部で後輩の育成にあたるからね」

「じゃあ、彼はいったい?」

「おそらく、アラガミを食べたのだろう。村がアラガミに襲われて極限状態に陥った。どうやって助かったかは分からないけどね、飢えた彼はそこにあったアラガミを食べたんだろう」

「そこにあった、、って、ゴッドイーターでもない人間がアラガミを倒せるのか?」

「憶測といっただろう?そして仮に彼がアラガミを食べたとしよう。摂取したオラクル細胞はヒトの細胞を取り込み、喰らい、増殖し彼の体を侵した」

「どうして最期まで喰われなかったんだ?オラクル細胞に」

初めての出来事に疑問が尽きないギル

同じことを思っていたので特に制することなく話を聞く

「これも憶測。満足したんだろう、単純に」

「え、お腹がいっぱいになったってことですか?」

「そういうことだね。これは私にも全く理解しがたいことだよ。ただ実際彼の体に対する侵食は今は行われていない」

有り得ない事象にサカキ博士も頭を抱えているようだ

今は彼の容態が回復してから会話を試みるしかない

「で、今回他に収穫はあったかい?」

「はい、こちらです」

そう言ってシエルが手持ちの袋から取り出したのは緋色の破片だった

「これは廃村のいたるところに落ちていたものです。明らかに建材などではなくオラクル細胞でできたものだと思います」

シエルが取り出したそれは光沢を放ち禍々しさまで感じる

「うーん、今回は食べ残しも見つからなかった、というか彼が食べていたかもしれないし、分からないことが多いからね。追々調べて何か分かり次第連絡するよ、ひとまずお疲れ様。今日はゆっくりと休んでくれたまえ」

博士に促され、僕達はわだかまりを抱えたまま研究室を後にした

 

 

 

 

 

各々休息をとるために自室へ帰り、僕も自室に戻り一息ついた

帰りに雨が降ったので体が濡れて少し冷えるのでシャワーを浴びようとバスルームへ足を運ぶ

濡れた上着を籠にいれ、上半身裸になった時ふと備え付けの鏡が目に入った

そこに映るのはもちろん自分の姿、人間だ

だけどその中身は?

半裸になってもなお身についている、いや外せない右腕の腕輪に目をやる

人工的にオラクル細胞を摂取して超人的な力を得たゴッドイーター

一般人からすればアラガミとゴッドイーターは似たような存在と思われてるかもしれない

姿形が違うだけ、実際に僕達ゴッドイーターはアラガミを殺すし、アラガミもゴッドイーターを殺す

中身は同じ

じゃあ発見された彼は?

始めの姿はアラガミ、今は人間の姿

今の彼を見てアラガミと言っても信じてくれる人はいないだろう

何か大事なことを考えているようで、しばらく思考の海に浸っていたが完全に体が冷えてきて

「へっくち!」

と情けないくしゃみが出たので急いで服を全部脱ぎすてシャワーを浴びに向かった

 

 

 

お風呂にお湯もはりゆっくり浸かってからホカホカの状態でバスルームをあとにする

着替えてから自分のベッドの上でゆっくりしようと腰を下ろした瞬間

ズキっと頭に鋭い痛みが走りベッドに横たわってしまう

「いたたた、、」

走った痛みは一瞬ですぐに何ともなくなったがなぜか懐かしいような痛み、、というか感覚だった

「、、疲れてるのかな。早く寝よう」

ここ最近「食べ残し」狩りなどで遠出が多かったのでいつの間にか疲労がたまってたのだろう

そうさ、ゴッドイーターだって人間だ、疲れもするさ

寝ようと決めた瞬間から瞼が急に重くなり直ぐに深い眠りについてしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは、、?

 

気が付くと僕は暗いところにいた

さっきまで自分が何をしていたか思い出せず、さらに動けないでいた

詳しく言うと動かそうと思っても、動かすものがない

腕、と思ったところを動かそうと思っても腕が無いのか何も成果は得られない

どうなってるの?

声も出ない

ていうか目も開いてないんじゃないかな

暗いのはそのせいかな

そんな何もできないただただ暗いと感じることしかできない空間にいるにもかかわらず、不安な気持ちはこれっぽっちも出てこなかった

まぁ、どうでもいいか

やる気というやる気を失い再び意識を手放そうとした時

 

「ヨコセ、、」

 

そんなどす黒い声が僕の中で響いた

 

 

「っ!?」

勢い良く体を起こし、ハァハァと肩で息をする

僕の体にかかっている布団に僕の顎やら髪の毛の先から汗がしたたり落ちるのが見える

、、見える?

汗を拭くために腕を持ち上げる、、

腕を、、持ち上げてその腕を凝視した

じんわりと毛穴から噴き出た汗が腕を覆いこの部屋の天井に付いている電灯の明かりを跳ね返す

手もあるし、目も見えるし、熱いし、汗ヤバイ

「じゃあ、さっきのは夢?」

声も出る

自分が生きていることを確認しつつ周りを見渡す

自分が乗っているのは簡素なベッド

壁には子供が描いたような落書きがあるのにところどころ壁が剥がれ落ちてたり、穴が開いてる

どんだけやんちゃな子がいたんだよ、、

天井にはスピーカーもありどこかの施設を思わせる作りだ

「とりあえず出るか」

真っ赤なドアを見つけ、布団をはがしてベッドを降りようとした瞬間

バンッとドアが勢いよく開き、銀髪で糸目で眼鏡をかけていて、いかにも博士な人が入ってきた

「どうやら起きたようだね!ふむ。安定しているようだし問題ないかな!」

スタスタとこちらに近づき僕を観察しだした

「あ、あのー?」

そのなめまわすような視線に耐えかねて、声を出す

「やぁ、私はサカキ。君の名前を教えてくれないか?」

ずいっと顔を近づけられ眼鏡の奥の瞳としっかり目が合う

知らない人に名前を教えちゃいけないんだけどな、言わなきゃダメかな

けど言わないとどいてくれなさそうだ

 

 

「ぼ、僕の名前は、シオンです」

 

 

その言葉にサカキと名乗った人の糸目がわずかに開いたように見えた

 




なんか、こうじゃ無い感しかない

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