善逸が転生者を倒してから数日後、士郎たちはリアスに呼ばれて、駒王学園のオカルト研究部にやってきた。
その内容は。
「政略結婚?」
「えぇ、フェニックス家の悪魔とね。
けど、私はこの政略結婚には反対してるけど、向こうが納得してくれなくて。
それで破棄するかどうかは今度レーティングゲームで決めるかって話になってるのよ」
「ふぇ、レーティングゲーム?
それは一体何なんですか?」
「切歌ちゃん知らないの?
ルールはものによって違うけど悪魔が眷属を使って競い合うゲームのことだよ」
「あれ、けどそれならあたしたちってリアスさんの眷属じゃないデスよ?」
「だとしたら、俺たちの出る幕なんてねぇんじゃねぇのか?」
「けど、それを知ってる上で俺たちに頼みがあるってことなんだろ?」
「そうね。
まだゲームの内容は決まってないし、提案の段階でだけど…」
『?』
士郎たちは疑問を抱きながら、リアスの提案を聞くことにした。
そして数日後。
会場に集まったリアスと一誠たち眷属、そしてリアスの婚約者であるライザー・フェニックスとその眷属たちが睨み合っていた。
「よぉリアス、これで勝ったらお前は俺の女だ」
「何度も言わせないで、私はあなたの女になるつもりはないわ!」
「はいはい、どうせ俺が勝つんだからそう言うのは後で聞くぜ?
…で、そっちのゲームはどんなものなんだ?」
「ふっ」
リアスが指を鳴らすと、空間が変わり、まるでレースの会場のような場所になる。
「…っ、これは!」
「私たちが提案するのは、レースよ!」
『!?』
「ほぉレースとは意外だな?
だが、お前の眷属は俺よりも少ないぞ?」
「そこは心配しなくても良いわ。
こんなことがないあろうと、代理を呼んだもの」
「あ?」
すると、何か乗り物が走ってくる音が聞こえ、振り向くと、士郎たちの魔進が走ってきた。
「あんたらがフェニックス家の悪魔か?
俺たちはリアスに頼まれて来た代理人だ」
「はっ、何だよ。
代理人って聞いたからどんなんかと思ったらただのガキじゃねぇか」
「おいおい、あんまり侮ってると後悔するぞ?
これは一応あんたの婚約が関わってるからな」
「ふっ、まぁいい。
んで、俺の眷属が乗るのはどれなんだ?」
「それならもう用意しているぜ?
…師匠、イリヤ、頼む!!」
「アイアイサー!!」
「オッス!」
士郎の言葉に、大河とイリヤが宝石を持って走ってきた。
そしてそれらを投げると宝石が変形してスポーツカーになる。
「おぉ、こいつは!」
「こいつは俺んとこの神様が持ってた宝石を俺が改造したんだ。
一応レース用に高性能になるようにしてるから、不正はないはずだぜ?」
「はいはい、そうさせてもらいますよっと。
んで、ルールは何だ?
見たところ、車の数が合ってないみたいだが?」
「そこは私が説明するわ」
割って入るようにリアスが説明する。
レースのルールは。
①一チーム四台、合計八台の地面を走る乗り物でレースを競う。
②その際一台につき二人ペアになって走ってもらう。
ただし、いろはと武の魔進は空を飛ぶのでスカイメイジとして合体した上で走ることになるので、強制的にいろはと武はペアとなる。
③走ってる最中の妨害は有りで、コースアウトしてその時に再起不能ならばその場で失格となる。
そしてゴールに最初に着いたチームが勝利となる。
④なお、各チームでペアを作る際、くじ引きで決める。
「にゃっはー!
それでは皆様くじ引き開始しまーす!」
「すみませーん、くじ引きお願いしまーす!」
説明が終わった後、大河とイリヤが各チームの元へと向かい、くじ引きを促しペアを作った。
ライザーには15人の眷属がいたので、その中から8人を選抜してペアを組んだ。
リアスたちグレモリー家のチームは、士郎と一誠、善逸と小猫、切歌と木場、武といろはととなる。
「あんたは兵藤一誠だな?
よろしく頼むぜ!」
「お、おう!
こちらこそよろしく頼むぜ!」
「え、えーと…小猫ちゃん?
こんな俺だけど、よろしく、ね?」
「こちらこそ。
あと何か気持ち悪いので、あまり近寄らないでください」
「やだっごめんね!?」
「あたしのペアは木場さんデスか!
よろしくデース!」
「えぇ、こちらこそよろしくお願いします」
『おぉ、君がリアス・グレモリーの眷属の木場くんか!
切歌をよろしく♪』
「ちょっマッハ!?
壁からキャンディ放り投げんなデス!」
「武くん、強制的に私たちペアになったけど、お互い頑張ろうね!」
「おう、任せてくれ!」
士郎たちはそれぞれで挨拶を終えて、それぞれの配置に着く。
『さーてぇ、これから始まるはリアス・グレモリーとライザー・フェニックスの婚約を掛けたレースが始まります!
実況はわたくし大河がやらせてもらいますっガオゥ!』
『えー解説はイリヤがやらせてもらいまーす!』
『それでは、レディー・ゴー!!!』
大河の掛け声でスタートし、八台が一斉に走り出す。
そしてその八台の中で一台が突出するように走る。
『おーっと開始早々切歌ちゃんと木場くんペアが先頭に踊り出ました!!』
『切歌お姉ちゃんたちが乗ってるのは魔進マッハですので、他の車よりも突出した速度を誇ってますので先頭に出るのは当然ですね』
「ちょっ切歌さん!?
これ飛ばしすぎじゃあ!」
「ふっふーんご心配無用デス!
あたしとマッハの速度に、誰も追い付けないデース!」
『…その、切歌?
彼の言うとおりにしたらどうなんだ?」
「むっ、何でデスか?」
『実はこの先に急カーブするところがあってな?
これ以上の速度を出されると、曲がれないんだ俺』
「…ふぇ?」
「切歌さん、前前っ!!」
「デース!?」
呆気に取られていた切歌は曲がることが出来ずそのまま派手にコースアウトし、マッハの車体が吹き飛んでしまう。
「切歌たちが吹き飛んだ!?」
『この人でなしぃ!!
初っぱなから大波乱です!』
『うぅ、いきなり何してんのあの人ぉ!?』
「木場くん、大丈夫かしら?」
「はっ、まぁこれで邪魔者のペアが一つ消えたな」
切歌と木場のペアが脱落し、他のペアは急カーブを曲がって次の場所へと向かう。
そこへ士郎と一誠のファイヤの隣を一台のスポーツカーが並び、ドアを開けてチェーンソーで妨害しようとする。
『うおっ、この俺にそれで傷をつけようなんざ十年早ぇんだよ!!』
「正当防衛だ、悪く思うなよ!」
ファイヤがその大きな車体をスピンして回転してそのスポーツカーを大きくはね飛ばした。
「きゃっ!」
「うぐっ!」
『おーっとぉっ士郎・一誠ペアのファイヤがイル・ネルペアのスポーツカーを弾き飛ばしましたぁ!
あれでは再起不能も同然です!』
『でも、起き上がれないよう車体をひっくり返しただけみたいなので再起不能になってもあの人たちは大した怪我はないみたいです』
「これであなたのところから脱落者が出たわねライザー」
「ちっ、あの二人にあれは荷が重かったか…」
だがその直後に、一台のスポーツカーがファイヤに追い付いてきた。
しかもその車体の上には大剣を持った女性が乗っていた。
そう、あれはライザーの眷属のカーラマインとシーリスの乗るスポーツカーだった。
それにそのスポーツカーがかなり早い速度で近づいてきており、しかもただならぬ闘志を二人とファイヤは感じた。
「おいおい何かやべぇのが来てるぞ士郎!?」
「わかってる!
ファイヤ、これ以上のスピードは出せるか!?」
『そうしたいのは山々だが、生憎今の俺は消防車だからな!
これ以上速度出せねぇぜ!』
「もらったぁ!!」
「くっ!」
飛びかかってきたシーリスの大剣にファイヤの車体は大きく揺れバランスを崩し、そのまま壁に激突してしまう。
「いってー、おい一誠大丈夫か!?」
「な、何とか…」
『あの騎士女ども舐めた真似しやがって~!』
「士郎くんたちがやられた!?」
「くっ、何かめちゃくちゃヤバイのに遭遇しちまったぜ!」
士郎たちが壁に激突したのを見て戦慄を覚えたいろはと武は必死にスカイメイジを走らせる。
そうして走ってると今度は場外が崖になってるコースへと出てきた。
「カーラマイン、もっと速度を出せるか!」
「ふふっ、心配しなくても追い付くわ。
それに今勝利の凱旋の曲を流してるし」
善逸・小猫ペアがどこにいるかわからなかったが、少なくとも先頭を走るいろは・武ペアを脱落させればフェニックス家の勝利も同然と思ったのか、スポーツカーに入ってた曲を流し余裕の表情を浮かべるカーラマイン。
だが、その直後で巨大な大岩が二人のスポーツカーに直撃し、そのままコースアウトして崖へと落ちてしまう。
「…っ!」
「カーラマイン!」
しかもその時に曲が切り替わったのか、どこか悲しい曲へと変わりながら落ちていきどことなく悲劇性を感じてしまうものだった。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」
シーリスはカーラマインが乗る、落ちていくスポーツカーを追うように一緒に落ちていった。
「…何か、悲しい曲が流れてたね」
「というか、どこから攻撃が飛んで来たんだ…!」
飛んで来た方向を見ると、そこには善逸と小猫が乗るショベローが突き進んできた。
「善逸、小猫!?」
「どうやってここまで来たの!?」
「ショートカットしてここまで来ました!
それに足が遅いなら遅いなりに考えがあります!」
「ふぇ~でもだからって何回もコースアウトしすぎだよ~!」
『どうやっ、俺の馬力の強さにお前も泣いたか!』
「いえ泣きませんよ」
『何やて!?』
そうしてショベローとスカイメイジは並走しながら走っていると、後ろから強烈な爆撃が襲い掛かる。
「うおっ!?」
「なっ、何!?」
「うっ、後ろだ!
後ろから炎の攻撃を仕掛けてるんだ!」
後ろを振り返ると炎の力で加速したスポーツカーが炎を放っていた。
『おーっと、あの燃え盛るスポーツカー!
あれはもしや、ユーベルーナ・レイヴェルペアのスポーツカーか!?』
『きっとユーベルーナ選手の炎の力で加速して、不死鳥の力を持つレイヴェル選手がそれに耐えながら運転してるようです!』
「ふふふ、ようやくこのスポーツカーの扱いにも慣れてきたわ。
レイヴェル様、操縦はあなたにお任せします」
「わかってます!」
「まずはそこの黄色いの、これでも喰らいなさい!」
「ぎゃあーーーーー!!!」
「きゃっ!」
『うおっ!?』
ユーベルーナの炎の爆発により、ショベローの車体が吹き飛び、崖に落ちようとする。
『ぬん!』
だがショベローがアームを使って道路の端にしがみつく。
『よし、後はこれでよじ登れば…!』
力を込めた途端、ショベローが掴んでいた道路の端の部分がパカッと割れてしまった。
「あっ」
「あ」
『あ…、堪忍な?』
『うわぁぁぁぁぁぁ!!!!』
ショベローと善逸と小猫はそのまままっ逆さまに崖から落ちていった。
「ふふっ、さて後はあなたたちだけね!」
「くっ、こいつはやべぇな。
ジェッタとヘリコは行けるか!」
『まだまだ行ける、とは言いたいけど、これ以上の速度は走れないね』
『せめて、空を飛ぶことができれば…』
「いえ、この人たちを足止めしていただければ、あとは私たちが行きます!」
『え?』
皆が振り返ると一台ののスポーツカーが爆走して、そのままスカイメイジとユーベルーナ・レイヴェルのスポーツカーを引き離した。
「あれは!」
『あーっと!
ここで番狂わせの如く現れたのはミィ・リィペアのスポーツカーです!
何という速さでしょうか!』
『小猫さんとは別の猫の獣人としての力がスポーツカーを加速させてるのでしょうか』
「にゃっはー、これで勝利はライザー様の物だね!」
「じゃあ、もっと加速させちゃおう!
ひゃっほーう!!」
瞬間、二人を乗せたスポーツカーはガードレールを突き破り、そのままお空の彼方へと飛んで行った。
「…ごめん、飛ばしすぎた」
「ニャー、オウチ、カエル」
「…ねぇライザー、あれ何なの?」
「き、気にするな、あれは多分コースの妖精ってやつだろうよ、ははは…」
今の出来事に、皆が呆気に取られるのであった。
だがそれでもレースは続き、最後の直線コースに入った。
「ふっ、中々楽しめたわね。
けどあなたたちじゃ私たちには勝てないのよ!」
「へっ、行ってろ!
いろは、俺たちも負けねぇからな!」
「うん!」
『おっと、勝手に話を進められても困るなぁ?』
『っ!?』
後ろを振り返ると、壁にぶつかりタイムロスしていたはずの士郎・一誠ペアのファイヤだった。
『俺、参上!!』
「ファイヤか!
よくここまで来れたな!」
「バカな、一体どうやってこんな短時間に!?」
するとファイヤの中から一誠の声が聞こえており、何だかものすごくテンションが上がってるようだった。
「う、うぉぉぉぉぉぉぉすげぇぜぇ!!!」
「な、何がすごいんだ?」
「さっき善逸たちを拾うときに善逸が持ってたエロ本を借りてそれを一誠に読ませてるんだ!
善逸、これが終わったら、ちゃんと返すからなぁ!!」
「ひゃっほーーーーー!!!!!!」
瞬間、一誠の叫び声と共にファイヤがドラゴンのオーラを纏い更に加速する。
「ちょっ、いくら何でもふざけすぎじゃない!?」
『さぁ士郎・一誠ペアが並ぶ並ぶ怒涛の追い上げ!
さーてここでゴール目前だぁ!!』
スカイメイジ、ファイヤ、スポーツカーが並び、ゴールの線まで、ほんの数センチ。
『行けーーー!!』
『届けーーー!!』
『ファイヤ、やれぇ!!』
瞬間、ファイヤのラダーが前方に伸びた。
そして猛スピードで三台がゴールをした。
先にゴールしたのが。
『決まったーーーー!!!
わずか数センチで士郎・一誠ペアがゴール!!
よって、この勝負はグレモリーチームの勝利!!
婚約破棄が成立しましたーーーー!!!』
「…ふぅ、一時はどうなるかと思ったわ」
「ば、バカな…」
リアスは安堵し、ライザーは落胆する。
こうして、リアスとライザーの婚約は正式に破棄となるのだった。
またその後でエロ本のことでゴタゴタがあったが、今回の件で一誠と善逸が仲良くなり、握手するのだった。
この作品について
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このまま続けて欲しい
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リメイクして欲しい