次回もなるべく早く投稿できるようにしますので、これからもこの話をご愛読いただければ幸いです。
士郎、善逸、いろはは急いで切歌と響の下へと向かっていた。
「この音間違いない、二人はこの先だ!
それに、前は一瞬しか聞こえなかったおぞましい音もする!
…俺のせいだ、俺がもっと早くに切歌ちゃんに伝えていれば!」
「気持ちはわかるが、今はすぐにでも切歌の所に向かうのが先だ!」
「…っ、待って二人とも!
誰か来る!」
士郎たちの前に、黒いローブを着た集団が立ちはだかる。
顔はローブで覆われてるためわからないが、その手には短剣が握られていた。
「何なんだこいつらは!」
「…この先を通してくれないみたいだね」
「特典の反応だけがする、ということは!」
「この先にいるやつが、こいつらを召喚してるってことか!
行くぞ!!」
『キラメイゴー!
キ・ラ・メーイ!!』
『キラメイチェンジ!!』
士郎たちは変身して、黒ローブたちへと立ち向かう。
それに対して黒ローブたちも短剣を構えて士郎たちに飛び掛かる。
「トレース・オン!」
「ふっ!」
「やぁ!」
士郎たちが黒ローブを倒していく。
倒れた黒ローブは黒い霧になって霧散する。
しかし、一人一人が強くなくても、数が多すぎてとても先へは向かえない。
「くっ、数が多すぎる!」
「どうしよう、切歌ちゃん大丈夫かな?」
「今武も向かってるはずだから、それまで持ちこたえて欲しいけどね」
様々な武器を投影して凪払う士郎、キラメイショットで撃ち抜くいろは、いつの間にか気絶して迅速に切り裂いていく善逸はそう思うのだった。
「よし、これでとどめだ!
カラドボルグ!!」
「ストラーダ・フトゥーロ!!」
「雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃 六連!!」
残りわずかになった黒ローブを一掃し、士郎たちは先へと進むのだった。
「ペ、ペテルギウス?」
切歌は潰された腕を押さえながら、憑りつかれてしまった響を見上げる。
「えぇそうデスっ!!
…それにしても」
響の顔で見下し、ペテルギウスは言う。
「前回は響さんに抑えられたので一瞬しか出れなかったデスが、それだけで私の存在に感づいた者があなたたちの中にいたようですが、その様子だとあなたは私のことは知らなかった様子。
無理にでも誰か仲間を連れてくれば良かったものを、最終的には友情を選んでノコノコと一人で来るとは。
…あぁ、あなた、怠惰デスねぇ」
「…っ!」
何かが来ると察して、切歌は後ろに飛ぼうとするが、見えない手に足を捕まれ、そのまま勢い良く地面に叩きつけられてしまう。
「がはぁっ…!」
「あぁ、滑稽ななりデスねぇ…。
中々中々中々にぃ、興が乗る光景デス!!
実に実に実に実に実にぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!
脳が震える…!」
「うっぐっ、あっ…!」
ペテルギウスは嘲笑うかのように頭を掻きむしる。
しかも切歌は、未だに見えない何かに足を捕まれて動けない上、少しずつ力が籠められておりへし折れる寸前だった。
「ひび、き…!」
「おや?
おやおやおやおやぁ?
響さんに声を掛けてるのデスか?
しかし、残念ながら、彼女の意思は私が抑えてるのデス。
あなたがどれだけ勤勉に声を掛けようと無駄な足掻きなのデス。
悔やむなら、仲間を連れてこなかったあなたの怠惰を恨むのデス」
見下し、まるで切歌の人としての尊厳を踏みにじるかのように、響の顔で罵倒するペテルギウス。
「…わかってたんデスよ、そんなこと」
「わかってる、デスか?
一体何かわかったというのデス?」
「あなたがさっき言ってた感の鋭いやつは、顔に出るくらいバカだけどとても優しいやつなんデス。
だから、あいつの顔を見て何となく察したんデス。
デスが、響はあたしの友達デス!」
「…知っていた上で、あなたはこの少女と二人になることを望んだと?」
「そうデス!
だから部外者のあなたはノーサンキューデース!
…響っ、そんなやつに乗っ取られたらダメデス、目を覚ますデス!!」
「言っても無駄デスよ、この少女はすでに私の指先、何を言おうとしてもあなたの言葉など届くはずが!?」
瞬間、ペテルギウスに異変が起こり、頭を押さえ始めた。
「このっ変態野郎っ、よくも切歌に手をっ、何故デスっ!?
確かにあなたは私が憑依をっうるさい黙れっ!!」
「ひ、響!」
声は同じだが、ペテルギウスと響が交互に言い争うようにしながら、頭を打ち付けたりして暴れる。
それで力が緩んだのか、切歌の足を掴んでいた見えない手が消えたように思えた。
「切歌っ、今すぐ、私から離れてっ!
こうなる前に、あなたを逃がしたかったけどっこうなったらもうっ黙るが良いのデスっ!!
あなたの怠惰に私の勤勉さを邪魔されるなど、あってはならないのっデスっ!!」
響の意識を引きずり下ろすために、ペテルギウスは響の指を噛み潰す。
「…っ、響!!」
「は、早く逃げてっ!!
私がっ私である内にっ…!」
言い終わる前に響の頭を近くの壁に打ち付ける。
あまりにも強い力だったのか、頭から夥しい血が流れ落ち響の顔と髪を汚していく。
「あ~脳が震えるるるるぅぅ…!」
それでも構わず響の顔で舌を出し、目を血走らせ笑うペテルギウスは再び切歌に向く。
「くっ!」
「さて、さてさてさてさて…。
では今度こそ魔女の供物になるのデス」
「…!」
切歌は先ほどのことで予想がついたのか、すぐさまその場から離れる。
「…おや、今のは見えていた、というわけではないみたいデスね?」
「あんな見えない攻撃を食らえば、嫌でもわかるってんデス!
…響っ、お願いだから目を覚ますデス!」
「またしても彼女を呼び起こし、我が信仰の邪魔をしようとするのデスか?
あなた、怠惰デスねぇ!」
ペテルギウスは見えない攻撃を仕掛ける。
切歌も切歌で、何とかその見えない攻撃を避けながら何度も呼び掛ける。
「響っ、お願いだから目を覚ましてっ!!」
「無駄デスっ、すでにこの少女の精神は私の制御下にあるのデス!
これで邪魔もされず、我が勤勉さの下、魔女の寵愛に報いるの、デスっ!!」
「がはっ!!」
ペテルギウスの攻撃が、切歌を吹き飛ばす。
「くっ、うぅっ…!」
「あなた、たーいだデスね~」
痛む体を起き上がらせようとする切歌を小馬鹿するように見下し、ペテルギウスはとどめとばかりに近づく。
だが。
「ぐふっ!?」
「え?」
ペテルギウスの右手の拳が、そのまま自身の顔を殴り付けた。
一度ではなく、何度も何度も、その度に血が吹き出す。
「はぁはぁ…っ、切歌にっ、手を出すなっごふっ!」
「響っ!」
「切歌っ、早くっ、逃げてっ!
お願いっ、もうこれ以上っ、あなたを傷つけたくないのっ!」
「そんなっ、響を置いて…」
「いいから、早く逃げてよっ!!」
血に塗れ、腫れた顔でポロポロと涙を流しながら、響は叫ぶ。
「お願いだから、早く逃げて…!
今私の体から、切歌たちには見えないけど黒い手が何本も出て来て、今にでも切歌を傷つけようとしてるの。
だからお願い、もう私じゃこいつを押さえきれない!」
「…」
響の言葉を聞き、何とかならないのかと目を動かす切歌。
片手は潰れて満足には闘えないし、できることなら響を傷つけたくない。
おまけに体はぼろぼろで、今の自分では響を止めるのは無理だろう。
恐らく、今まさに放たれるであろう見えない攻撃に、自分は避けることも防ぐこともできない。
でもだからって響を置いて逃げたくない。
このままだと、響が響でなくなってしまいそうだから。
「うっくぅっ、やめろっ、止めてっ!
これ以上切歌を傷つけないで!!」
体を震わせながら必死に抵抗する響。
そんな中、雨が降りだした。
当たる度に体が冷えていく。
だが、切歌はこの雨には心当たりがあった。
だからなのか、切歌はまるで泣いてる子供をあやすような優しい微笑みを浮かべた。
「響」
「っ!」
「大丈夫デスよ、あたしを、あたしたちを、信じて…」
「あ…」
絶望した顔と共に、今まさに見えない攻撃が切歌に襲い掛かろうとしていた。
瞬間、何かを切り裂く音と共に、二人の間に誰かが降り立った。
そこにいたのは。
「武っ!」
「よっ、助っ人参上ってな!」
雨の静寂を切り裂くように、武が割って入ったのだった。
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