戦場を駆ける有翼ノ一角獣《アリコーン》   作:お猿プロダクション

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 アリコーン

 艦娘。かつて計画名「プロイェークト・アリコーン」の下で建造された原子力潜水艦で、正式な艦級は「原子力潜水航空巡洋艦」。

 紫電の髪と炎の様に紅い眼が特徴的な長身の女性の姿をしている。かつての自身の艦長であるマティアス・トーレスを敬愛しており、ほとんどの時間を彼と共に居る。

 カタログスペック上は他のあらゆる艦娘を時代遅れにする程に強大な能力をえているが、初出撃の天号作戦においては推定される消費弾薬の多さや特殊な兵装の補給問題から武器使用を一部に制限されていたが、連号作戦においてはほぼ全ての機能の使用を許可されており、破壊者に相応しい暴れっぷりを見せた。

 

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 伊二百一(イ201)

 艦娘。艦級は「伊二百一型潜水艦」。潜高型とも言われる。

 日本艦娘の中で随一の水中性能を持つ艦娘であり、本人もそれを自覚している。それ故やや男勝りな部分があり、気取った喋り口をする事もある。

 最近は自身より遥かに潜水艦としての能力が高いアリコーンに遭遇した事で性格が少し柔和になり、アリコーンの事を「姐さん」などと呼んで親しんでいる。

 連号作戦においては艦娘隊の到着に先立ち作戦域の偵察を行い、重要目標攻撃の指示などを行った。

 寿号作戦においては友軍潜水艦と共に散開線を敷き、敵艦隊の警戒監視に当たった。

 

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 マティアス・トーレス

 以前は原子力潜水航空巡洋艦 アリコーンの艦長を務めていた。

 2019年9月14日、アリコーンとそれに乗艦していた300名の乗員共々スプリング海に沈み戦死したが、なんらかによって現在に蘇った。

 当初は他国のスパイと疑われたが嫌疑は晴れ、鎮守府で持て余していたアリコーンの専属ということで新任提督として(新米)少佐の肩書を拝命している。

 

 

 提督

 俺らであり君ら(メタい)。

 若年だが指揮官としては優秀であり、戦略機動打撃艦隊の提督を務める。嫁艦は金剛改二丙。

 人格者で、年長者であるマティアス・トーレスに対して一定の敬意を払っていて、彼に格別な配慮を行うよう手配したのも提督である。

 

 

 横瀬=ホワード

 米系日本人 42歳

 防衛省日米合同作戦略部門海上作戦課の准将。

 外国系日本人としては初めて「提督」の座に就き、戦果を重ね40代にして防衛省の要職に就いたエリート。しかしながら、大破進撃を始めとした艦娘の状態、状況を無視した無理な進撃を強行する人間で運営からは毛嫌いされていた。大元の防衛省内部ですら評価は二分するものであった。

 艦娘を人間ではなく純然たる「兵器」として認識している節があり、また艦娘を中心とした洋上戦力の運用論にも懐疑的な考えを持つ人間の一人である。

「純人排他」をモットーの所謂“人間至上主義”とも言える考えを持つ男である。

 

 

 北 聖人

 日本人 33歳

 防衛装備庁艦娘戦力評価分析部 分析官

 艦娘の戦力評価や分析はもちろんのこと、そこら得られた知見で深海棲艦の戦力分析も行う。

 艦娘戦力評価分析部は対深海棲艦戦争の開戦以後に設けられた部署で、今では防衛装備庁に働く者にとっての登竜門と言われるほどの重要な部署であるが、彼は30歳の若さでその要職の、更に責任ある立場に就いた。

 趣味は将棋。因みに彼の持っている駒は製造ミスで「玉将」が「玉」と「将」で別れてしまっている。

 

 

 

 天号作戦

 日本・アメリカ間で行われた、アメリカ海軍のバージニア級攻撃型原子力潜水艦ロードアイランドに積載されていた核弾頭魚雷を奪還する作戦計画。この作戦によって生起した海戦を「第六次中部太平洋沖海戦」と呼称する。

 作戦名は千里眼の仏教における「天限通」に由来する。アメリカ側名称は「Operation clairvoyance」。

 

 

 USS-ロードアイランド

 バージニア級攻撃型原子力潜水艦の一隻。

 アメリカ海軍にて敵のSLBM搭載戦略原子力潜水艦を捕捉、撃沈する任務に就くハンターキラー戦力の一環として建造されるが、対深海棲艦戦争生起後は母港にて係留される日々を過ごす。

 20XX年初期、アメリカ海軍が対深海棲艦用核弾頭魚雷の開発を行い、本艦は搭載艦のテストベッドとして選ばれた。しかし9月上旬の試験の途上、中部太平洋沖合で深海棲艦の襲撃を受け撃沈する。

 

 

 Mk.52 潜水艦用重魚雷

 アメリカ海軍にて主力の潜水艦用重魚雷Mk.48をベースに開発された対深海棲艦用の低出力核弾頭魚雷。

 弾頭の小型化と引き換えに射程、速度、静寂性を大幅に改良されており、水中発射でも潜水艦にダメージが及ばない遠距離まで攻撃できる。

 射程、速度の変則は出来ず、それぞれ65km/60ktで固定である。

 核出力は1ktとなっている。

 

 

 明石の核砲弾

 マティアス・トーレスがMk.52を元に明石へ依頼して作らせたアリコーン専用の核弾頭砲弾。20cm径の砲弾に60cm径の大きさの装弾筒を備えた構造となっている。

 転用した魚雷は2本しかないため、核砲弾も2発しか製造出来ず複製は現状では不可能。

 核出力は1kt。

 

 

 かし型高速給糧艦

 掃海フリゲート艦(FFM)に代替され余剰となっていたはやぶさ型ミサイル艇をベースに開発された、艦娘キラ付け専用艦。

 大量の甘味を積載し艦娘達の戦闘海域に颯爽と進入、鮮やかに甘味を放り投げ、爆速で撤退するための艦艇である。兵装は76.2ミリスーパーラピッド砲と12.7ミリ重機関銃のみであり、はやぶさ型の顔とも言えたミサイル兵装は下され、三式爆雷投射機を転用した“K型爆雷投射機転用多用途投擲機(改)”が搭載されている。

 同型艦は『かし』『かんみ』『ようかん』。

 

 

 

 連号作戦

 日米露加の4カ国によって行われた一連の作戦。ベーリング海からベーリング海峡を越え、チュクチ海や北極海を含む北極圏の制海権奪取を目的とした反攻作戦計画。

 アリコーン達が参加したのは作戦の最初期の段階である連一号作戦である。この作戦により生起した海戦を第四次アリューシャン列島沖海戦と呼び、アリコーン達の参加した戦闘は第七次ベーリング海峡海戦と呼ばれる。

 

 

 FAC-YM-T-2199、同2202

 民間軍事会社で製造されていた対深海棲艦用途の小型高速武装艇。末記の数字は製造番型に由来すると思われる。

 2202番艇型にてアリコーンのミサイル兵装に対応した様な装備品が搭載されているなど、純粋な対深海棲艦用とは言い難い部分があり、真偽は不明。

 主砲にはOTOメラーラ製或いはそのコピー品と思われる76ミリ級砲が搭載され、APFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)の使用により200ミリ以上の貫徹能力を有する。

 2隻が確認されたが、何もアリコーンと金剛改二丙により連一号作戦にて共同撃沈されている。

 

 

 権兵

 艦娘権利警察。自衛隊における警務官に相当する。法律上人間として扱われない艦娘の権利を保護するのが主任務で、他に鎮守府内の治安を取り締まる。

 前大戦以前に日本に存在した憲兵になぞらえて権兵という通称で呼ばれている。

 

 

 運営

 正式な名称は艦娘運用国営非営利団体。

 艦娘の運用論の確立や深海棲艦に対抗する手段の模索を日々行なっている。また、艦娘の運用を実際に行なっているのもここである。

 防衛省と別にされているのは、艦娘による対人戦争への投入を防ぐ為とされているが、果たしてその効果があるのか甚だ疑問である。

 

 

 艦娘

 特殊な存在である「妖精さん」と心を通わせることの出来る女性達の総称。概ね10代〜20代程度の女性の容姿を持つ。艤装と呼ばれる特殊な武装を自在に操り、深海棲艦という未知にして強大な敵に現状唯一有効に対抗できる手段でいる。

 戦時国際法に於ける児童の権利保護をかわす為、彼女達に人権は存在しない。

 

 

 妖精さん

 艦娘共々不思議に力を持つ存在で、概して二頭身程度の身体をしており、ずんぐりむっくりな頭部と華奢な胴体を持つ。

 艦娘の艤装の修理、運用は殆ど妖精さんに一任されており、彼女らの存在がなければ艦娘といえども全力を発揮できず深海棲艦に対抗できない。

 弓矢が航空機になったり、不釣り合いなサイズの威力を発揮する砲煩兵器などその技術力は全く持って謎に包まれている。運営はこれら妖精さん達の使う技術の解明や模倣も研究している。

 

 

 深海棲艦

 数年前から出現し始めた正体不明の人類の敵。通常海洋部を中心に活動してはいるが、一部は陸上にて活動をしている個体も存在し、海上だけでなく陸上でも将来的な脅威になると認識されている。既存の兵器では対抗することは難しく、これらに“有効に”対抗できる戦力は現状艦娘のみである。

 総じて人間の女性に酷似した容姿を持ち合わせているが、中には全く既存の生物系とは掛け離れた姿を持つものもいる。

 

 

 寿号作戦

 目下最大の脅威と目される「深海棲艦のアリコーン」こと"ユニコーン"の捕捉、撃沈することを目的とした作戦計画。

 作戦自体は北太平洋海域で行われるが、この作戦と連動して行われた太平洋地域各戦線での同時多発的な大規模進攻撃も指すことがある。

 

 

 第一空挺機動艦隊(1st Airborne Fleet)

 特殊なパラシュートを用いた空挺艦隊である。アメリカ軍では空挺部隊は陸軍に属するもので、未だ確立されていない応急の組織に近いため、臨時に肩書のみ陸軍に移籍したものとしている。

 C-2は高速で大重量を輸送できる輸送機として理想的であった為に選ばれた。(低空の低速飛行や貨物室の改造はあり)アラスカ経由で日本本土から送られた(深海棲艦との戦争で洋上は危険だった)。

 愛称は、少女たちが空中から現れることにかけてスカイ=ヴァルキリー(突然現れて敵に死を選ばせるヴァルキュリアの意味も込められている)。

 紋章には、白鳥の羽依を纏ったワタリガラスがあしらわれる。

 旗艦アイオワの申し出で、モットーは「戦場より早く戦場に立つ(be on the battlefield faster than the battlefield)」でも最初の出撃が完全にモットーを守れてないことになってるのにアイオワはカンカン。

 

 

 大破ストッパー

 ダメコン妖精さん及び応急修理女神の人工的な再現の副産物で、どんなに凄まじい攻撃を受けても必ず一度だけ艦娘と艤装を保護し致命傷を免れる装置。これが実用化される前は、中破撃沈の事例がままあったと言われている。

 ただし、艤装が大破状態にある時は大抵この装置も破損しているため艦娘大破時には撤退が推奨されている。

 現在の型は不発動報告はないが、天号作戦の折あきつ丸が砲撃を受け轟沈した際には発動しなかった。

 

 

 特殊砲撃

 主に戦艦艦娘に確認されている、戦術的に極めて高い威力を発揮する砲撃方法。艤装と妖精さんの能力が格段に向上し、短時間に大量の砲弾を撃ち込むことができる。

 対象となる艦娘の妖精さん同士の強い同調、シンパシーが必要であるが、詳しい原理は不明。

 

 

 深海棲艦の新型機、高速戦闘機

 従来の戦闘機や防空艦では対抗不可能な、最近になって確認された機体。それぞれアリコーンのSLUAVとラファールMに相当する。

「深海棲艦のSLUAV」と呼称されないのは、深海棲艦の戦闘機そのものが1個の生物的個体として独立しており、それに「無人機」との呼称を用いるのは不適と判断されたためである。




追記
2020年11月
USS-ロードアイランド
Mk.52 潜水艦用重魚雷
かし型高速給糧艦

2021年3月18日
伊201
連号作戦

2021年9月27日
明石の核砲弾
FAC-YM-T-2199、同2202

加筆
アリコーン(11月15日、新挿絵投下しました)
北 聖人

2021年9月27日
アリコーン
連号作戦

2022年10月22日
寿号作戦
第一空挺機動艦隊

2023年6月27日
特殊砲撃
深海棲艦の新型機、高速戦闘機

2023年8月24日
大破ストッパー

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