「ふう~」
風呂から上がった俺はワインセラーの中からとっておきの一本を取り出し、ワイングラスに注ぐ。そして冷蔵庫から適当なつまみを取りだし、お気に入りの音楽をかけて、ソファーに座りながらそれらを楽しむ。これが若くしてとある会社のトップに立つ俺の最高の贅沢だ。
好きなことを好きなようにできる。これぞ成功者の特権だ。
自分自身が得た特権を噛み締めていると、どうもそれを羨む者の顔が浮かび上がる。
世の中には成功したいというやつは山のようにいるが、「どうして成功したいか?」と聞かれてその理由を言えない奴の方が多い。なぜかって? それは成功した旨みを知らないからだ。
はっきり言おう。成功するというのは『何でも好き嫌いで決められる人生を手に入れられる』ということだ。その特権はどんな娯楽にも
だから俺は出世しそうな奴にはこう言っている。『成功したら成功したで大変だ成功するなんてたまったもんじゃない』、『出世したら出世したで大変だ出世なんてするもんじゃない』 と。
なぜそう言うか。それはそいつらに成功や出世の旨味を知られて、うっかり下克上されないためだ。
成功すればこの先一生ずっと好きな奴らと好きな仕事だけをやっていける。嫌いな奴や嫌いな仕事が近づいてきたら速攻で断ることができる。
嫌いな仕事は全て部下に丸投げできるのも特権だ。
上司や嫌味な先輩に「こうしろ」「ああしろ」と言われず、自分の好きなように工夫して仕事に取り組むこともできる。
大体人間は好きだからやっていけるのだ。嫌いなことを嫌々やっていては成果だって出るはずもない。そんなんで成功してしまった日にはお先真っ暗だ。なにせ嫌いなことを延々とやり続けないといけないのだから。
周りがいい人だからといって大して好きでない女と付き合い結婚するなんて考えただけで寒気がする。
どっかの偉人が言っていたが。この世で最も重いものは大して愛していない女が身体にのしかかることだ。と言っていたような気がする。そんなものはこっちから願い下げだ。
……話がそれてしまったな。
結局俺が言いたいのは。『成功なんてするもんじゃない。出世なんてするもんじゃない。好きなことで成功なんてした日にはこの世で地獄を生きるようなもんだ』ということだ。
くれぐれもわが社に入った際はこのことを重々理解してもらえると助かる。
あと部下に俺がこんな独り言をいっていたということを内密にしてもらえると助かる。
それじゃあ、良い夜を。
俺の独り言を真に受けて、じゃなくて真摯に聞いてくれた諸君に乾杯。
いやぁ、小説なんて書くもんじゃないですよ。自分が面白いと思っても読んでくれる人にとっては面白いとは限らないし。酷評をもらうともらうとでそれはそれで傷つくし。
いやぁ、本当に小説を投稿するなんて地獄以外何物でもないですよ(棒読み)。