彼は僕のヒーロー   作:社畜だったきなこ餅

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PV4万いったので更新します。


EX2.かれぼく!Part2

 

 

【もしヘドロに最初に捕まったのが出久ではなく狐白だったら?】

 

 

 進路相談のプリントを提出した中学三年生初頭のある日の放課後。

 二人並んで帰宅途中、オールマイトに追われ逃げてきたヘドロ状ヴィランの存在に出久が気付くのが遅れた結果、狐白がヴィランに囚われてしまった。

 

 

「Mサイズの……かくれミノ……」

 

「むぐぅぅっ?!」

 

「こーちゃん!!」

 

 

 都合よくとらえる事が出来た少女の体を弄ぶように、ヘドロ型ヴィランはその体を変形させて少女の豊満な乳房を弄んでいく。

 呼吸もままならない状況な上、少女の体や性感の事など一切省みないその動きに少女は身をよじって逃れようとし、出久は叫びながら幼馴染を救う為に必死にヘドロをかき分ける。

 しかし、少年少女らの抵抗も効果はなくヘドロ型ヴィランは醜悪な笑みを浮かべながら、自らの体によって少女の衣服をはだけさせてその敏感な場所を弄ぼうとして。

 

 次の瞬間、前口上抜きに参上したオールマイトが放った鉄拳によって発生した暴風で情け容赦なく吹き飛ばされた。

 

 その後、へたり込んで体を震わせる幼馴染を心配して離れられなかった出久は、本来の流れでやらかしたオールマイトへのへばりつきを敢行することなく狐白に寄り添い続け。

 この事件を切っ掛けに、己の体と性を強く自覚してしまった狐白は出久への依存を一層強める事となり、結果的に二人は狐白の祖母の息が強くかかった高校へ進学して共に歩んでいく事となった。

 

 IFの話であるが……ヘドロ型ヴィラン、まさかの未来のオールマイトの後継の道を閉ざす大金星である。

 

 

 

 

【出久君は、シャワー上がりの狐白のどんな姿を見てしまったのかという話】

 

 

 狐太郎が性転換した結果、狐白となった中学二年生の時期。

 出久と狐白は、少女が少年だった頃から時折玉藻家の庭で行っていた組手を、その日も行っていたのだが……。

 

 

「ふぅ、お疲れ様いずちゃん。シャワー先に使わせてもらうね」

 

「う、うん」

 

 

 タオルで汗をぬぐい、胸元を引っ張ってパタパタと仰ぎながら尻尾を上機嫌そうに振って風呂場へ向かう幼馴染の姿に、出久は恥ずかしながら興奮を隠しきれていなかった。

 そもそもが性的に多感な中学二年生である、少女となった狐白とは変わらず親友で居続けているつもりの出久であるが、しかしそれはそれこれはこれとばかりに彼女が時折見せる無防備さが目の毒な事この上ないのである。

 

 ましてや今日は……組手中に出久の手によって狐白の胸元が大きくはだけ、大きなブラで支えられた豊満な谷間を目に焼き付けてしまうというハプニングがあったばかりなのだ。

 現時点で中々にいっぱいいっぱいである、むしろ色んな安全の為に組手を終えたらさっさと帰るべきなぐらいである。

 

 しかし出久もまた組手を終えて汗だくな身であり、そんな姿で帰ろうものなら後日狐白から風邪を引いたらどうするの。などとおしかりを受けてしまう……というか一度出久は受けている。

 故にこそ少年は、狐白で邪な妄想をしてしまいそうになる度に、脳裏にナンバーツーヒーローのエンデヴァーがバニースーツに身を包んでポージングをしている姿を思い描いて煩悩へ立ち向かうのだ。

 

 

「はー、さっぱりした。いずちゃんも早く入っちゃいなよ」

 

「うん、そうす……!?」

 

 

 半ば修行僧のような表情を浮かべながら、縁側で座禅を組みバニースーツエンデヴァーと共に脳内で煩悩と立ち向かっていた出久に、そんな事やってるとは欠片も思わない狐白が彼の背後から声をかけ。

 かけられた出久は深く考える事無く声の主である狐白へ返事をしながら振り返り、その目を見開いて硬直した。

 

 彼の目の前にいる狐白は、丈の長いロングTシャツ一枚姿で……長い裾からはすらっとしたきめ細かい肌の生足を露出しており。

 胸に至ってはブラジャーをつけていないのか、内側から胸元を押し上げる突起までが見えてしまっていた。

 

 

「こ、こここ、こーちゃん、その恰好は……!?」

 

「あ、これ? 凄い楽なんだよーコレ、ほらみてみて。尻尾穴まであるんだよ」

 

 

 目を白黒させながら、震える声で問いかける出久の言葉に狐白は何も考える事無く笑顔でこたえると、その場でくるりと回って彼女のお尻と腰の中間あたりから尻尾が出ているのを出久へ見せつけた。

 その時出久は全力で叫びたかった、違うそうじゃない!と。

 しかし悲しいかな、女性への免疫が0と言っても過言ではない少年にはそんなツッコミを入れる度胸はなく、彼に出来る事は……。

 

 

「う、うんにあってるよ。じゃあぼくはしゃわーかりるね」

 

 

 ギクシャクとした動きで狐白の姿を誉めつつ、カクカクと動きながら玉藻家の脱衣場へ向かう事しか出来なかった。

 なおこの日から、出久の煩悩対抗部隊にバニースーツ姿のホークスと同じくバニースーツ姿のベストジーニストが追加されたらしい。

 

 

 

 

【女史更衣室にてあったお話~ビッグなブラが繋いだ絆~】

 

 

 戦闘訓練を終え、戦闘服から制服へ着替える為に女子更衣室へと入った女子一同。

 彼女達は次の授業へ遅れないよう留意しつつも、授業の緊張から解き放たれた事も重なって和気藹々と話しながら着替えを進めていたのだが……。

 

 

「あら玉藻さん、そのブラジャーなのですが……」

 

「ん? コレがどうかしたの?」

 

 

 偶然狐白と隣同士で着替える形となった八百万が、戦闘訓練前には気付かなかった狐白が着用しているブラジャーに気付き声をかけ。

 かけられた当人は不思議そうに首を傾げ狐耳をピコピコと動かしながら、八百万へ向き直る。

 

 

「授業中も激しく動いておられた割に苦にされてる様子がなかったのですけど、そのブラジャーに何か秘密がおありですの?」

 

「胸甲で押さえてたのもあるけど、コレの効果も大きかったのは確かだねー」

 

 

 デザイナーを生業としている実の母が拵えてくれたブラジャーの肩ひもを摘まみながら、狐白は八百万の問いかけに応じる。

 そのブラジャーの色は黒をベースとしており各所にレース状の意匠を施しながら、大きな胸を持つ女性の運動にも耐えれるよう創意工夫がされた……デザインと機能性を両立した一品なのだ。

 故にこそ八百万は狐白が着けていたそのブラの価値に気付いたのだが、いかんせん声をかけられた当人である狐白がその価値をあんまり理解していないのであった。

 

 ある意味、母の心子知らずである。

 なお後日、狐白経由で八百万に頼み込まれた狐白の母は、娘の友達の頼みだからという事で快く数着分八百万の胸のサイズに合ったブラジャーを贈り。

 この事を切っ掛けに狐白と八百万は割と仲良しになっていくのだが、そのきっかけと真実を知る者はそんなに多くない。

 

 

 

 

【出久の苦悩の吐露】

 

 

 ある日の休み時間、廊下を歩いていた出久はオールマイトに呼び止められて仮眠室にて密談をする事となったのだが……。

 最初こそオールマイトの予想以上にワンフォーオールを制御し、心身共に順調に成長してきている出久を労うと共に近況について和気藹々と談笑していた。

 しかし、オールマイトこと八木がとある質問を投げかけた瞬間、部屋の空気が凍り付く。

 

 

「ところで緑谷少年、玉藻少女との仲はあれからどうなのかね?」

 

 

 この言葉には当然悪意などなければ、曲解のしようのない少年少女の仲の進展度合いが気になるおじさんの純粋な疑問程度の言葉である。

 しかし、無防備すぎる幼馴染にある意味苦しめられている出久にとってはある意味、地獄の窯の蓋を開く言葉であった。

 

 

「……五人、です」

 

「一体、何が五人なんだい? 緑谷少年」

 

 

 先ほどまで浮かべていた笑顔を消し、目元を昏くして俯いて謎の言葉を呟いた出久に八木は心配そうにしながら、純粋な疑問をぶつける。

 そして、八木は次に出久がつぶやいた言葉に己の好奇心を強く呪う羽目となる。

 

 

「エンデヴァー、ホークス、ベストジーニスト、イレイザーヘッド、プレゼントマイク……名だたるヒーローの方々に、脳内でバニースーツを着せる事でなんとかこーちゃんを傷付けずに済んでいます」

 

「君は一体何を言っているんだい?!」

 

 

 余りにも悍ましい事を呟いた出久の言葉に、ショックの余りマッスルフォームとなりながら八木は全力で問いかける。

 もしかして緑谷少年、女子より男子が好きなタイプの性癖なのかい?!などと内心で戦慄しながら、八木はPlusUltraの精神で踏み込んでいく。

 

 

「こーちゃんは大事な幼馴染で親友で、僕を無防備に信じてくれているんです。だから疚しい事を考えちゃいけないと思って……」

 

「待って緑谷少年!君の心意気は立派だし尊敬するけど耐える為にやってる事が色んな意味で危なすぎるよ!?」

 

 

 幼馴染の少女を傷付けない為に己の心に傷を刻み込んでいく、思春期の少年の姿に八木は全力でそれ以上進んではいけないと制止し。

 同時にこの少年、思い込んだら自分の事省みなさすぎるからしっかりと導いてあげないといけないなぁ。などと八木は考え心に刻む事となるのであった。

 

 

 なお、出久の幼馴染へのムラムラした感情がどうしても出てしまうという件については、ある意味どうしようもないという身も蓋もない結論が出されたのは言うまでもない。




深夜テンションの産物としか言いようのない短編集なのであった。
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