彼は僕のヒーロー   作:社畜だったきなこ餅

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バトル展開パゥアーが溜まらなかったので、短編集で投降します。
なお今回は全部すまっしゅ時空なお話でお送り致します。

別名、狐白リミッター解除編


EX6.かれぼくすまっしゅ!~やんでれ編~

 

 

【チェンジ!真雌堕ち~愛情パラメータのリミッターが消し飛んだ日~】

 

 

 ある日突然女性へと変貌してしまった狐太郎。

 かつて少年だった狐耳尻尾を持つ少女は、震える手で最も頼りにしている幼馴染へメールで助けを求めたのは良い物の。

 駆けつけてくれた出久に対して、拒絶するかのような言葉を叫んでしまう。

 

 今度こそ嫌われたと思い必死に言葉を取り繕う狐白、しかし精神的に追い詰められていた少女の心を出久は力強い言葉で解き放ち掬い上げた。

 

 

「君は僕にメールで言ったよね、『たすけて』って」

 

「だから、僕は君にこう言うよ」

 

「僕が、来た!!」

 

 

 幼馴染の力強く、悲しみも憂鬱も吹き飛ばすがごとき声。

 その声に導かれるまま少女となった元少年は扉を開き、出久へ泣きながら飛びつき縋りつく。

 

 

「いずちゃぁぁぁぁん!!」

 

「ファー―!?」

 

 

 目を見開いて素っ頓狂な声を上げる出久、それも無理がない話。

 幼馴染の母親が沈痛そうに姿が変わったことを告げてきた事から、異形系か何かに目覚めたかと思えば出てきたのは狐耳尻尾の生えて胸の豊満な美少女なのだから。

 

 

「ちょ、ちょっと当たってる!当たってるこーちゃん!」

 

「いいじゃん、もう僕女の子になっちゃったんだから!嫌われたどうしようって思ってた、思ってたけどもう障害ないからいいよね!?」

 

「ナニが?!」

 

 

 混乱のさなかにある出久、さり気なく幼馴染が口走った言葉にふとある事を思い出す。

 そう言えばこの幼馴染、男子時代も気にすることなく自分にチョコレート毎年くれてたけど、気のせいか頬を赤らめてなかったかと。

 

 若干背筋が寒くなる出久、一方で初体験な女体の柔らかさをぐいぐい押し付けられる出久の体の一部は熱く硬くなる。しょうがないね。

 これは、皆が皆少しばかり人格面の個性が尖っており、緩い日常が続くユニバースのお話の始まりでもある。

 

 なお出久は必死に言葉を取り繕いながらその場を辛くも脱する事で、初っ端からダイナミックな感じにパイルダーオン(意味深)する事はぎりぎりで回避したらしい。

 

 

 

 

【残酷な雌狐のテーゼ~少女よヤンデレになれ~】

 

 

 出久の幼馴染の少年こと狐太郎が、美少女となり狐白と改名。

 そんな事はさておきとばかりに、今日も今日とて狐白は出久の世話を甲斐甲斐しく嬉々とした様子で焼いていた。

 

 

「いずちゃんいずちゃん! 一緒に帰ろうよ!」

 

「あ、うん、そうだねこーちゃん」

 

 

 その日も中学の授業を一通り終え、手入れを欠かさない事でふかふかになっている狐尻尾を振りながら狐白は出久へ飛びついて捲し立てる。

 一方で出久はその顔に悟りとも言える表情を浮かべ、狐白のなすがままとなっていた。

 何故彼が柔らかい女体とふわりと香る甘い匂いに対して無反応でいられるか、ソレは単純な話である。

 

 少しでもその手の気配を出したら、即座に今も隣で嬉しそうに鼻歌を歌っている狐っ娘の目が捕食者の光を宿すからだ。

 そんな二人を見るクラスメイトはひそひそと言葉を交わす。

 

 

「な、なぁ爆豪。アレ緑谷に助け舟出してやるべきじゃね?」

 

「そうだよ爆豪、俺もう見てて緑谷が気の毒過ぎるよ。羨ましいなんて気持ちもわかねぇよ」

 

「ダメだ……見るな触れるな近付くな、祟られるぞ」

 

 

 無個性で男子だった頃の狐白と出久にいじめっ子的勢いで、割と高い頻度で絡んでいた3人が必死な形相で言葉を交わす。

 最初こそ元男子とはいえ美少女となった狐白と仲良くよろしくやってる出久へ嫉妬を感じた事もある、爆豪以外の二人であったが……。

 女体が触れる度に、スケベな事満載であるはずの頭を強制的に悟りへと至らせている、出久への憐みが今や強くなっていた。

 

 だがしかし必死に訴えかけられた勝己は、忌々しそうに舌打ちしながら二人の訴えを却下した。

 その道は既に勝己自身が通ったが、思い出したくもない恐怖を味わったのだから。

 

 

「な、なぁ緑谷! そういえばクラスの女子がお前に話あるって言ってたぞ!」

 

「っ、おいバカやめろ……!」

 

 

 しかし勝己の忠告を聞かず、勝己の取り巻きの一人である男子が何とか助け船を出そうとソレっぽい事を出久へ告げ。

 先走った友人を止めようと勝己がその手を伸ばすが、時は既に遅かった。

 

 

「今、何かいったかな……かな?」

 

「ひぃっ?!」

 

 

 出久の腕に絡みついたままの狐白が首を動かし、声をかけてきた男子生徒へハイライトの消えた瞳を向けた。

 その瞳には、邪魔をするなら容赦しないよ?という感情がありありと輝いていた。

 

 

「……バカが、だから言ったろうに」

 

 

 苦々しい言葉で勝己は呟く。

 少し前に勝己も出久にべたべたくっつく狐白に苦言を呈したのだが、その時も今のような眼光に晒され続ける恐怖を味わったのであった。

 

 

 

 

【唸るリビドー力に変えろ】

 

 

「ダメだ……このままじゃ、いつか取り返しのつかない事になる……!」

 

 

 とある休日、自室の椅子に座っている出久の目には深い隈が刻まれていた。

 彼の悩みの原因、ソレは自分へ強い依存をしてくる幼馴染の少女なのは言うまでもない。

 

 緑谷出久、彼は自他共に認める狂信的とも言える熱心なヒーローオタクである。

 同世代の少年達が偶然手に入れたスケベビデオのモザイク消去に魂を賭けている間も、オールマイトグッズの収集に魂をかけていた程度には性欲が少な目といえる少年であったが。

 ソレはあくまで興味が女体よりもヒーロー寄りだったからなのである。

 

 さて問題、そんな出久少年がある日突然自分へ惜しむことなくその女体を押し付けてくる存在に出会ったらどうなるか?

 答えは……。

 

 

「僕は……僕は……!」

 

 

 幼馴染の少女が偶然、彼女の母と共に田舎へと帰った日があったのだが。

 その時に出久はヒーロー関連雑誌を求めて一人書店へ赴いた際に、強く興味を引かれた女性ヒーローのグラビアが何枚も収められた雑誌を買っていた。

 

 何故興味を引かれたのか、それは。

 

 

「僕は、何て言う事を……!」

 

 

 動物系の個性を持っていると思われる女性ヒーローが水着でポーズを取っている雑誌。

 未成年でも買える程度には健全な雑誌だが、ドキドキしながら昨夜雑誌を開いた出久は気が付けば夜が明けるまでその中身を隅から隅まで読み漁っていた。

 

 ちなみに出久が特に何度も読み直したのは、イヌ科系と思われる尖った耳とふさふさの尻尾を持つ女性ヒーローの水着ページと……胸の大きい女性ヒーローのページである。

 彼の名誉の為詳しい内容は省くが、それはもうたっぷり出たらしい。

 

 それだけなら、まぁ青少年が誰しも通る道だから何という事は無い話である。

 ではなぜ彼が今も、早朝の洗面所でこっそり洗った手で頭を抱えているかと言えば。

 

 

「何で僕はあの瞬間、こーちゃんを……!!」

 

 

 ついでに言うと、何度も押し付けられた女体や大きく柔らかな胸を想起していたらしい。

 その後も延々悶々と悩み続けた出久であるが、雑誌を机の引き出しの一番奥へ仕舞うと無言でトレーニングウェアに着替え。

 煩悩を振り払うべくマラソンする為に家から駆けだしていくのであった。 

 

 なお、トレーニングの為に家を飛び出して行く出久の背中を……緑谷家の扉が見える物陰から幸せそうに満足げに見詰めている狐娘がいたらしい。怖いね。

 

 

 

 

【砂浜雌狐こはきんぐ】

 

 

 オールマイトからヒーローになる為の訓練の手ほどきを受けるべく、休日の早朝にゴミだらけの海浜公園へ向かう出久。そして彼の背後からピタリと離れず追走する狐白。

 そんないつも通りの二人の様子にトゥルーフォームのオールマイトこと八木は冷や汗を流しながら、女の顔を浮かべてうっとりと出久を見詰める狐白を極力視界に収めないようにしながら出久へトレーニングを施していく。

 

 なおオールマイトはオールマイトなりに出久が心底狐白を迷惑がってるようなら、大人として諭す事も吝かではなかったらしいが……。

 出久にそれとなーく聞いたところ……。

 

 

「僕は大丈夫です、まだ頑張れます」

 

 

 こんな具合に若干疲れた様子で唇を噛み締めながらも……精力に溢れた返事を若者にされては、いらない口出しをするのも野暮かと想い見守るにとどめているのである。

 だがもしも彼が女性関係にも明るい人物だったなら、色んな意味でギリギリな状態にある出久に気付けたかもしれない。

 しかしソレは最早たらればの話なのだ。

 

 

 そんなこんなでその日も早朝の分の砂浜トレーニングが終わり、汗だくになった出久へいつの間にか側に現れていた狐白が出久へタオルを渡すと。

 タオルで汗を拭う出久の手を引いて、いつものマッサージを施す為に休憩所へと向かっていく。

 

 二人はいつも仲良しで何よりだなどとオールマイトは思いつつも、そう言えば出久が最近トレーニングプランから外れた無茶なトレーニングをしたりしてないか確認をするのを忘れていた事を思い出すと。

 邪魔をするのも悪いと思いながら、彼なりにこっそりと休憩所へ足を運びその中を覗き込んだところ。

 

 

「んっ、はぁ……今日も凄いね、いずちゃん」

 

「う、うん」

 

 

 うつ伏せになった出久の腰に跨り、うっとりとした手つきで上半身が裸となっている出久の背中へ手を這わせている狐白の姿を目撃してしまった。

 え、コレ止めなくて良いのかな?などとオールマイトが冷や汗を流す間も、狐白はうっとりとした雌の貌で出久へ手際よくマッサージを施しており……。

 

 

「ちょ、ちょっとこーちゃん!?」

 

「ん、すぅ……はぁ……ふふ、ごめんねいずちゃん」

 

 

 時折出久の背中へ覆い被さるように狐白が体を倒し、出久の首筋に鼻先を擦り付けるようにしながら深呼吸までしていた。

 あ、これはさすがにちょっと青少年の清い交際的にヤバイヤツだと悟ったナンバーワンヒーロー、軽く咳払いでもしてこのピンク色の空気を何とかしようと試みるが。

 

 口元へ手を当てたオールマイトを、狐白は感情の読めないハイライトが消えた瞳で見詰めていた。

 その瞳にオールマイトは口元に手を当てたまま、そっと音もなく立ち去る事しか出来なかった。

 ナンバーワンヒーローにも、出来ない事はあるのだ。

 

 そうして出久の理性をがりがりと削る、半ば確信犯的想いを抱えた狐白のマッサージは終わり。

 狐白が出久が汗を拭くのに使ったタオルを受け取り、自身が持って来た鞄へ当然のように仕舞うと出久の腕に狐白は自らの腕を絡めさせながら帰路へとついた。

 そんな二人を見送ったオールマイトは、ポツリと呟く。

 

 

「緑谷少年、強く生きるんだぞ……!」

 

 

 ソレはナンバーワンヒーローからの熱いエールであった。

 

 

 

 その後、家に着いた狐白はそそくさと自室へと戻ると……。

 鞄から出久の汗をたっぷりと吸い込んだタオルを取り出し、目を蕩けさせながら自身の口元へ押し付けて大きく深呼吸してへにゃりと狐耳と尻尾を垂らし。

 そのまま着替えるのも惜しいとばかりに布団の中に潜り込み、頭まで掛布団を被るとくぐもった声を漏らしながら布団の中でなにやらもぞもぞと動くのであった。

 

 一体何をしているんだろうね。

 

 




すまっしゅ!時空での狐白はどんな感じかって?
出久の隣にいる時は常時雌の貌、邪魔されたらハイライトオフは平常運転です。
更に、出久の隣に狐白がいない筈の場面でもよく見ると物陰に狐白がコマに入ってる、そんな感じですね!

何このTS娘、怖い。
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