突っ込みどころ満載だけど、赦して下さいお願いします!何でもしませんけど!
それと本編には関係ないのですが、狐白のマイクロビキニ姿が仕上がりました。
絵師はようぐそうとほうとふ先生となります、実にスケベだけどR-18にはならないz悦妙な仕上がり!
【挿絵表示】
インゲニウムこと、飯田天晴への施術は二段階に分けて施術される事となった。
まず手術衣に着替えた狐白が高カロリーゼリー飲料でエネルギーを蓄えた後……。
「まずは患者に手術に耐える体力を持ってもらうべく、治療の障害となる傷の治療から始めるよ」
「はい!」
医師とリカバリーガールの指導の下で修復の個性で患者の傷を癒し体力を回復させ、施術直後に比べ患者の容態が安定したところで。
リカバリーガールがすかさず個性によって治療を行い、治療の障害となっている脊椎周辺の筋肉や細胞の傷を注意深く治療していく。
インゲニウムの脊椎を損傷させ下半身不随に至らしめたその深い傷は、厄介な事にヴィラン……ステインの刃によって深く無惨な傷口を見せており。
乱暴に切り裂かれて絶たれた脊椎の治療へ専念できるよう、入念に準備が進められていく。
「……インゲニウム、重ねて問うが本当にいいんだね? 薬師稲荷の個性は麻酔すら無効化してしまう、あんたはこれから拷問じみた苦痛を味わう事になるよ?」
「ぐっ、ぅぅ……!」
手術台にうつ伏せとなり、舌を噛んでしまわないようタオルを噛ませられたインゲニウムに、リカバリーガールが静かに最終確認すべく問いかけ。
問いかけられた患者……インゲニウムは麻酔なしで重傷を負っていた傷口が治されていく痛みに、額に脂汗を浮かべながら小さく頷いた。
その返答にリカバリーガールは医師と狐白へ視線を向けて、小さく頷くいた事で施術は第二段階へと移行していく。
まず即座に狐白がマスクの下から新たなゼリー飲料の吸い口を自らの口へ差し込み、勢いよく吸い上げて先ほどの治療で減ったエネルギーを補充すると。
手術のサポートについている別の医師へ飲み終えた空のパックを渡し、狐白が医師の手術を阻害しないように気を付けながら打ち合わせ通りに患者の腰へその手を当てる。
そして。
「ぐぅ、ぅぅぅぅ……!」
医師の手によってインゲニウムの腰へメスが入れられ、インゲニウムは切り裂かれる苦痛に呻き声を漏らしながらソレを耐える。
最早拷問としか思えない光景と状況、しかし治療に当たる当人達は患者を気遣いながらもその手を止める事は無く、患者自身もまたもう一度己の脚で歩くために苦痛を受け止めていく。
狐白もまた……治療の為の手術とはいえ目の前で繰り広げられる凄惨な光景とマスク越しでも感じる血の臭いに、その表情を蒼褪めながらも患者の腰から手を離す事は無く。
己に与えられた責務を全うすべく、目をそらさずに治療へ向き合っている。
やがて医師の手によって切開が終わり、切り裂かれ無惨な形となっている背骨が見え始め。
インゲニウムが再び走る事が出来るようにする為の……手術の本番が始まり。
午前中から始まったその手術は、延べ6時間もの長時間に及ぶ大手術の末に終わりを告げた。
結論から先に言うならば、手術は成功に終わり患者の脊椎と患部は無事修復する事が出来たと言えよう。
しかしその代償もまた大きく、苦痛にはある程度耐性がある筈のプロヒーローであるインゲニウムですら、激痛による失神と更に襲い来る激痛によって覚醒……更なる失神を繰り返した事により。
インゲニウム自身の精神力と施術前の体力回復が無ければ、治療途中で命を落としていたと断言できる程の内容であった。
「お疲れ様、薬師稲荷」
「はいぃ……」
血塗れの手術衣から着替えたリカバリーガールが、同様に着替えた狐白へねぎらいの言葉をかけているものの。
その豊満で大きな胸は一回りどころか二回りほど小さくなっており、程よく雄の情欲を誘うかのような肉付きの良かった肉体は今や脂肪を削ぎ落したかのように細くなっていた。
そして狐白自身もまた、リカバリーガールの労いの言葉に力なく応じるのみで、待合室のソファにぐったりとした様子でもたれかかっている。
手術中の医師が看護師に汗を拭ってもらうかのように、施術中にゼリー飲料を口へ差し込んでもらいエネルギー補充しながら治療を続けた狐白の消耗は激しく。
その狐耳と尻尾も元気なく萎れ力なく垂れている有様であった。
「ほら、こいつを吸って元気だしな」
「もう正直しばらく飲みたくはないんですけどね……」
「いっそサポート科に、高カロリーで吸収効率の良い栄養食作ってもらうべきかもね。あんたは」
リカバリーガールから、おなじみとなった高カロリーゼリー飲料を文句を言いながら受け取った狐白は、のろのろとした仕草で封を切って中身を吸い始め。
何となく幼馴染の少年と連絡を取り合いたいと思い、スマホを鞄から取り出す。
「リカバリーガール、今回の件って口外無用なんですよね?」
「そうさねぇ、あたしの補助で治療をしていた程度なら話しても良いけど。詳細はダメだよ、理由はわかるね?」
「……はい、僕の安全の為ですね」
「その通りさ、治療が絶望的な人物の再生医療まで出来るという事が万が一にも広まったら。今のあんただと日常に戻れなくなるよ」
未だになれないスマホを操作しながら狐白はリカバリーガールへ問いかけ、問いかけられたリカバリーガールは頷くと共に言葉を返し。
それもそうかと少女は納得を示すと、幼馴染の少年に何と説明すればよいかなと思いつつ視線を落としたスマホの画面の表示に、その目を見開いた。
その液晶画面には、数時間前に幼馴染の名前で発せられた住所か区画と思しきモノだけが表示されており。
クラスメイト達もまた、出久の不審な情報発信に彼の安否を気遣うメッセージを発していたのだから。
「ちょ、ちょ、ちょっと失礼しますリカバリーガール!」
ソファに倒れ込みたい己の体に活を入れて少女は立ち上がり、飲みかけのゼリー飲料を片手に持ったまま。
もう片方の手でスマホを手に取って待合室から飛び出しながら幼馴染へ電話をかける。
待合室外の廊下の窓から夕陽が差し込む中、少女は呼び出し音が続く電話の応答にもどかしそうに尻尾を揺らす。
しかし、狐白がどれだけ願っても出久が電話に出る事は無く……溜息と共に狐白がスマホを下ろすと共に、俄かに今いる病院。
保須総合病院の中が慌ただしくなり、丁度廊下から見える入口に何台もの救急車や警察車両が敷地内へ入り停車してきたのが見えた。
そこで漸く少女は窓から見える街、保須市の光景の違和感に気付く事となる。
今朝病院へ足を踏み入れた時は平和そのものだった街の風景は、あちこちに戦いの傷跡が遺されており今も煙が上がっている所すらあったのだ。
そして、先ほどまで共に手術に挑んでいた医師が慌てた様子でこちらへ駆けてくるのを、狐白は見つける。
「ああ、薬師稲荷か!疲れている所申し訳ない、リカバリーガールは中にいるかね?!」
「あ、は、はい……一体、何が……?」
「……どうやら敵連合の襲撃と、ヒーロー殺しの犯行が重なったようさね」
「リカバリーガール!」
医師の問いかけに面食らった様子で狐白が答え、医師に一体何があったのかと問い返せば待合室の扉を開いて出てきたリカバリーガールが重苦しい口調で少女の疑問に応える。
その手には端末が握られており、どうやら彼女もまた先ほど流れてきた情報から事情を察したらしく。
医師と共に運び込まれた患者の容態を確認すべくロビーへ向かい始めた、リカバリーガールを狐白は慌てて追いかける。
「薬師稲荷、あんたはさっきの大手術で疲れてるだろう? 後はこっちで引き受けるからあんたはゆっくり休んでな」
ふらつきながらも追いかけてくる少女のガッツに老婆は感心しながらも、既に疲労困憊といった有様に目を細め。
厳しく突き放すように、少女を諭すが……既に少女の目はリカバリーガールに向いてはいなかった。
何故なら、少女の視線の先にはこの街にはいない筈の幼馴染の少年が顔なじみのクラスメイト達と共に。
傷だらけの姿で、病院へ運び込まれていたのだから。
「いずちゃん! 一体何があったの?!」
「え、こ、こーちゃん。君こそなんでここに?!」
プロヒーローと思しき男性らに付き添われてる出久へ、狐白はふらつきながらも駆け寄って少年の体へ手を這わせると。
手に持ったままだった飲みかけのゼリー飲料を勢いよく吸い、最低限のエネルギーを確保して大急ぎで最も大事な少年の治療を始める。
そして、リカバリーガールが制止する間もなく始められた出久への治療は瞬く間に効力を示し、決して深くない切り傷を体のあちこちに作っていた少年の体は瞬く間に消え失せ。
出久の傷が消えた事に安心した狐白は、疲労が限界に達した事でそのまま昏倒してしまう。
意識を失う直前に少女が感じたモノ、ソレは自身を気遣い呼びかける少年の声と逞しい腕に抱き留められる感触であった。
Q.なんで全身麻酔しなかったの?
A.修復でじわりじわりと麻酔が解除されてしまって効果ない為こうなりました、控えめに言っても拷問ですね。
麻酔が使えない関係で、狐白由来の素材を駆使すれば失った内臓すら治せそうではありますが。
オールマイトレベルの重症を治そうとしたら、多分筆舌に尽くしがたい苦痛に三日三晩耐える事要求されます。
そしてヒロアカ読み直して気付いたのですが、兄ゲニウムが入院してる病院と。ヒーロー殺し騒動の後にデク君たちが担ぎ込まれた病院って同じなんですよね。