ボンドルドールズフロントライン   作:pilot

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新しい方法

「貴方に提案して頂いた「いい考え」とはいったいなんなんでしょうか。

私はそれが楽しみでしかたありません。」

 

許可を勝ち取り、軍に割り当てられた部屋を出て。

彼「ら」は歩いていた。

 

数分前、青年はいけすかない上司と舌戦繰り広げるにあたって、そのときサポートしてくれたボンドルドの対人能力に感謝しながらも、そのあまりにもの人身掌握術に自身も踊らされている気がして、それでもなんとなく役に立ちたくて遂にこんなところまで来てしまったのだ。

 

「よし、ここらへんだな。ボンドルドさん、あんたの好みの奴選んでくれよ。」

 

ここは路地。

ただの路地でもなく、荒れ果てた治安の悪い、半ばスラムと化した都市の、更にゴミの掃き溜め。

ここには様々な人間、そして汎用ロボットのA-Dollが最後に集う吹きだまりとなっている。

 

「何故年端もいかない少女たちが、このような場所で生活できているのでしょうか?」

 

ボンドルドは、純粋に疑問に思った。

様々な人種、年齢の人間がここまで密集し、酷い場所では平気で死体の上で生活している。

弱いものから死んでいきそうなものだが、生き残ってるものと死んでいるものには規則性がない。

つまりは幼子がまだ動いていたり、あるいは健康的な成人女性がそこらじゅうに転がっていたりする。

彼は大して倫理に興味は無かったが、しかしながら衛生的な観念上このような状況に似つかわしくない、ある種の特異な「バイオーム」には知的探求心をそそられたのだ。

 

「違うさ。年端のいかない少女、等ではないよ。

こいつらは人間じゃなくて、人形さ。」

 

だが、彼から帰ってきた答えはボンドルドの様々な考えを凌駕するものだった。

ボンドルドはその蓄えられた知恵を使い彼女らのコミュニティの法則を掴もうとしていた。

 

それは全くもって検討違いであることを、彼は知った。

それをただ、彼はうれしく感じるのだが。

 

「人形?これらがでしょうか?」

 

まるで子供のように、しかしながら穏やかに、それでいて激しく知識を求めるボンドルド。

もちろん、人形という新たに得た知識、それの実物をハッキリと見たのだから興味をもたないわけがない。

つまり、彼はまたもや食いついてきた。

 

「ああ。大量生産できるし、頑丈で力持ち。

修理できるし、なんなら意識を移すこともできる。

まるでボンドルドさんみたいにな。」

 

「そこまで優秀な彼女らが何故こんなところに?」

 

そこまで話したところで、青年はニッと口角を上げる。

 

「安すぎるのさ。

人の仕事を奪うのはもうとっくにすぎたよ。人形内でも、仕事の奪い合いが起きてる。

今はI.O.Pとそこから派生した鉄血でシェアを取り合っててな。

次から次へと新商品、新型を出し合うもんだから溢れ帰ってる。

人形自体が最近できたカテゴリなもんだからよ、法整備も上手くいってないし、そもそも人権すら怪しい時代で誰が人形まで面倒見れるっていうんだ。

だったら余りは捨てればいいだろ!ということよ。」

 

青年は何故笑うか。

都合がいいからだ。

この声の主、ボンドルド(自分)にとって、そして自分(ボンドルド)にとって。

 

彼らは理由は違えど同じくらい目を輝かせ、嬉々としてそれらしい人形を探すのであった。

 

全ては安眠(黎明)のために。

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