お兄ちゃんは勇者である   作:黒姫凛

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わすゆの章、はっじまるよォ〜。


ゼフィランサス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、なんの為に戦っていたのだろう。

 

今手の中にあるのは、後悔と、それを強く握り締めるどうしようもない自分の無力さだけだった。

 

辛い。生きてるのが辛い。

 

どうして私達が選ばれてしまったの?

 

どうしてあの人がーーーされなきゃならなかったの?

 

私達は何も望んでいなかった。

 

ただ楽しく、軒並みの幸せを謳歌したかったのに。

 

どうして?どうしてなの?

 

今の私達には、何が残ってるの?

 

もうこの世界に絶望したくない。

 

知りたくもなかった事を、忘れ去ってしまいたい。

 

これからも続く絶望に、私達はもう耐えきれない。

 

……怖い。怖いよ。怖いよーーーー。

 

私を、私達を、助けてよーーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私達の生活に、亀裂が入ったのはほんの一瞬だった。

 

 

 

ーーーチリンチリンーーー

 

 

 

 

鈴が鳴り響いた。大橋に備え付けてある鈴が鳴り響いた。

これを何を意味するのか、私達は一瞬で理解した。

 

敵が、バーテックスが来たのだと。

 

教室を見渡す。いつの間にか、まるで写真を見ているかのように微動だにしないクラスメイトが目に入る中、私以外に2人動けるクラスメイトがいた。

 

「……これって」

 

「……ついに、ついにお役目の時がきたっ」

 

同じ御役目に選ばれた仲間、乃木園子と三ノ輪銀である。

それぞれキョロキョロと教室を見渡し、何もかも動くことの無いオブジェとかした目の前の光景に多様な表情を見せている。

 

数秒も経たないうちに、大橋の向こう側から花びらを撒き散らして世界を変えていく。樹海化だ。

極色に変わる世界を横目に、私は気を引きしめる。と同時に、私はこれから仲間になるであろう2人の姿を見ながらふと思ってしまう。

 

 

ーーー何故この2人が選ばれたのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一瞬で変わった世界。

足元から先ずっと広がるのは大きな根っこのようなもの。七色の色彩を持つこの根っこは神樹様のものであると理解した。

何処までも幻想的な世界だ。見ると聞くのとではこうも違うのだと改めて実感させられる。

 

 

「おお〜。すっごいよすっごいよ。ぜーんぶ木だよ」

 

「これが樹海……。聞いてなかったらパニクってたな!」

 

「……どうしてそう呑気なの?」

 

 

これから御役目が始まるーーー筈なのだが、いつまで経っても気の緩んでいる2人を見て私は思わず落胆した。最初からこれでは御役目など全うにこなす事など出来るはずもない。

 

 

「……えーと、方角的にはあっちが大橋……。あ、あれ見て見て〜。大橋は完全に木にはなってない見たいだよ」

 

「お、ほんとだ。という事は、こっちの方角に……、あった。あの遠いところにあるのが神樹様だな。初めて見たゾ」

 

目の前にあるのが瀬戸大橋。敵であるバーテックスがやってくる通り道である。そしてその方角とは真逆、私たちの立つ位置から後ろの方角にあるのが、私達を守る存在である神樹様。私達は神樹様を初めて見る為か、少し感動に浸っている。

 

「……あっ、見て2人とも。大橋のところ!!」

 

「あれが……」

 

「私達の敵、バーテックス……」

 

大橋の丁度入口にそれは居た。プクプクと頭のてっぺんに生える細い排出管から水玉を吐き出し、巨大な水の塊でできたようなフォルムのナニカ。あれがバーテックス。一言で言うのなら気持ち悪いで言い表せるが、私達の言葉でもはっきりと説明出来るフォルムである事に私は少し驚いている。普通ならこう、言い表せにくいものでは無いだろうか。存外、敵というのも私達の理解出来る範囲にいるのかもしれないと私は考える。

 

「よっしゃ。いよいよ本格的な御役目だ。気合い入るぞぉ!」

 

「あ、待ちなさい。まだあの人が……」

 

「あの人なら大丈夫だって。なんだって歴代最強で最高の称号を貰ってる人だ。すぐに来てくれるって」

 

「なんなら、私達より先に戦ってるかもしれないよ」

 

「なら、尚更早く合流しなきゃ」

 

 

あの人、とはもう1人の御役目の仲間である。しかし、あの人は私達とは学年が違う為、同じ校舎にはいない。場所が違うとはいえ、少し機械音痴過ぎる為、端末をしっかり使いこなせるか心配なところがある。

 

 

「……一先ず、変身しましょ」

 

「待ってました!へーんしん!!」

 

「へーんしん!!」

 

 

端末に表示される、御役目を果たす為のアプリをタップする。

瞬間、端末から花弁と光が溢れ出し私達の身体を覆い尽くした。身体の線を惜しむこと無くくっきりとさせた全身タイツ。それぞれ私達にあった花をモチーフにされた衣装が身体を包み込む。

私は薄紫、乃木さんは黒紫、三ノ輪さんは赤を基調とした服装に変身した。

 

少し恥ずかしさがあるが、ここまで体に密着しているのに動きやすいと感じた衣服は初めてだ。これが勇者の為の服装。勇者である為の証。

 

 

「おお〜、すっごいよっ。すっごくカッコイイよ〜」

 

「確かにそう思うけど……、なんだか恥ずかしいわ」

 

「そんな事ないけどな。鷲尾さんも園子も似合ってるぞ」

 

「そういうミノさんも似合ってるよ」

 

「だろ〜?銀様の凄さを表したような勇者服だ」

 

 

その場でクルクルと回り、自分の衣装を確認する乃木さんと三ノ輪さん。別にこすぷれ文化を否定する訳じゃないが、こっぱすがしいのが私の中では強い。それに、身体に密着する分なんだか胸辺りが窮屈で仕方ない。

 

「さぁ行こう。まずは敵さんを倒してからだ」

 

「あ〜、待ってよミノさん!」

 

「あっ、待ちなさい2人とも」

 

先行する三ノ輪さんを追うように乃木さんが飛び出し、私がそれに続いた。勇者服に身を包んだ私達の力は想像を遥かに超えており、軽く飛んだだけで視野の端までジャンプ出来てしまう。いくら勇者服に慣れるために訓練を受けて来たとはいえ、未だに勝手が分からない。

こんな調子でいいのかと思うが、今はそんな事考えている暇などなかった。

 

敵との距離が近くなった為、それぞれ武器を取り出して戦闘準備に入る。

私は勇者の力で無限に矢を放つことの出来る弓矢。乃木さんは伸縮自在の槍。三ノ輪さんは身の丈程ある巨大な双斧。私や乃木さんはまだ分かるが、何故三ノ輪さんにそんな大きなものを持たせたのか理解出来ない。そんなに大きいと扱いずらいのでは無いだろうか。

 

近くに行けば行くほど、敵と私達の大きさが圧倒的に違うと解らせられる。質量の法則。力の差では圧倒的に不利だと理解させられる。

それは小学生である私達と比較すると更に差が大きくなる。

私が不安の表情を見せる中、乃木さんと三ノ輪さんはそんなの関係無しに突っ込んでいく。

 

 

「一番槍はこの銀様が頂いたァ!!」

 

「槍持ってる私が一番槍だよぉ〜!!」

 

「っ、いきなり突っ込んだらーーーっ!?」

 

 

案の定、一番槍を狙う2人にバーテックスはおずおずと攻撃を許す事はない。排出管から吐き出された水玉が凄まじい勢いで2人を襲う。

無数に放たれる水玉。それは水弾に変貌し、飛び上がっている2人を撃ち落とす。私は弦を引き、矢を放って撃ち落としていくが数が数なだけに全て打ち消す事が出来ない。

取り逃してしまった水弾が三ノ輪さんの身体に当たり、身体を覆い尽くしていく。

 

 

「っ、なんだっ、これ……!?」

 

「っ!?三ノ輪さん!?」

 

「ミノさん!!」

 

 

当たる水弾が次第に大きくなっていき、三ノ輪さんの全身を覆い尽くすほどの大きさまで膨れ上がる。完全にやられた。あれでは三ノ輪さんを助けに行った所で私達も道連れにされてしまう。

 

 

「乃木さんっ!三ノ輪さんを引っ張り出す事は出来ない!?」

 

「やってみるよ〜。えぇ〜い!!」

 

伸びる槍を三ノ輪さんが入っている水玉に差し込んだ。三ノ輪さんは察したのか、武器を手放して槍を掴んだ。

しかし、三ノ輪さんを引っ張ると水玉も付いてくる。これでは完全に助けられない。

どうにかしないと。どうにかして三ノ輪さんをあの中から助け出さなきゃーーー。

 

 

「ーーーっ、鷲尾さん!!」

 

「えっ、っ!?きゃぁああ!!」

 

 

三ノ輪さんに気を取られていた。私にも水弾が襲ってきた。軽い身のこなしで交わしていくが、全て避けきる事が出来ない。右足に当たってしまった。

 

 

「くっ、何たる不覚……。っ、乃木さん後ろ!!」

 

「わわわ〜っ、いっぱい飛んでくるよぉ〜!!」

 

 

最初の意気込みは何処に行ったのか、完全にバーテックスの手のひらで踊らされているようだ。

水玉の中で未だもがき続ける三ノ輪さん。右足に当たって動けなくなった私。辛うじて避けきる事が出来た乃木さん。

今の状況、三ノ輪さんならともかく、私ならまだ何とか動く事は可能だが。乃木さん1人に倒しきるのはとても難しい。

せめて、あの人が何とか来てくれれば……。

 

「……鷲尾さん、何とか動けそう?」

 

「少し厳しいわ。それに、三ノ輪さんもあの状況じゃ……」

 

「見て見て、必死に泳いでるよ。まるで金魚鉢の中で泳ぐ金魚みたいだね」

 

「……この状況で言うこと?」

 

 

身を隠す私の元に、乃木さんがやってきた。

確かに、三ノ輪の服装は何処と無く金魚を連想させるような色合いをしているが、かなり今の発言は不謹慎極まりないと思う。乃木さんはそんなに気にしてる様子はないが、勇者服を着ている私達だって話を聞く限りでは間違いなく攻撃で死ぬ時がある。勿論、それは呼吸出来ず死に至る事も無きにしも非ずという事だ。

三ノ輪さんの呼吸が後どれ程持ってくれるか分からないが、早いところ助け出さなければ。

 

攻撃の手が止まっている。しかし、着々と神樹様の元に進むバーテックス。これ以上神樹様に近づけてはならない。バーテックスの足を停めなければならないが、囚われている三ノ輪さんもすぐに助け出さなければならない。

どうすればいいのか。この状況を打破する為にはどうすればいいのか。

 

 

「……ねぇ、乃木さん。この状況、どう乗り切ればいいと思う?」

 

 

私は逃げた。仕方ない。私以外では考えきれない。

乃木さんに聞いても仕方ないとは思うが、1人で考えるよりはマシだ。

私は乃木さんにそう問いかけた。

 

 

「んー。取り敢えず、ゆーにいに端末から電話かけてみたらどうかな〜?」

 

 

 

「……電話?ーーー電話!?」

 

 

電話!?そうだ、どうして今まで気が付かなかったのだろうか。なんなら、戦闘に入る前に連絡を取っておけば良かったのだ。

全く持って不覚。初めての実戦とは言え、心ここに在らず状態であったと自身の気持ちの緩さが憎い。もし気がついていれば、こんな事にはならなかった筈なのに。

 

私は急いで端末から高嶋さんの連絡先へと電話をかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

バーテックスが何を思って神樹様を目指すのか。それは私達には分からない。そもそも感情というものがあるかどうかすら怪しいところ。

しかし、私達には感情がある。五感を司り、完全に言葉には言い表せない、人間という未知の特徴。

人間が人間である為の由縁とは一重に、感情を持っているからこそ人間であると言えるのだ。

 

だから、この世界は私達にとって大切だ。今生きる時間が大切で、そこで出会った人達との関わりを失いたくはない。

だからーーー。

 

 

「ーーーここからっ、出ていけぇえー!!」

 

 

乃木さんの槍が変形し、より鋭くなった槍を前に突き出して突進する。宛ら猪の如き突進だが、その一撃でさえバーテックスは押さえ込んだ。水弾を発射させ、乃木さんの槍を完全に封じた。これでは槍での攻撃が出来ない。

 

 

「乃木さんっ!!」

 

 

私は何とか弓を引いて撃ち落としていくも、先程同様に数が多い為撃ち落としきれない。乃木さんは紙一重で躱したり、槍で防いではいるが時間の問題だ。

三ノ輪さんの方もーーー。何かさっきまでとは違う光景を見ている気がする。三ノ輪さんの方を向くと、先程まで水の中に埋まっていた両脚が、何故か水の外に飛び出していた。それどころか、水玉はどんどん小さくなっている。

 

「……まさかあれ、飲み干そうとしてる……?」

 

 

三ノ輪さんは何かを飲み込むような仕草をしている為にそう結論付けるが、普通飲むだろうか。得体の知れない敵の攻撃を飲んで解決とか、お笑いをやりに来ている訳では無いはずなのだが。

 

 

「ーーーっ、……んぐっ、んぐっ、んぐっ、っごっくん……。ぷはぁ……」

 

「あっ、ちょっと三ノ輪さんっ」

 

「ミノさん!!」

 

 

飲み干した事で宙に浮いていた身体が重力で下に置いていく。それに反応した私と乃木さんは急いで駆け寄る。落ちる寸前で乃木さんが受け止めると、ゆっくりと立たせる。足に攻撃を受けて動きが鈍くなった私も合流すると、三ノ輪さんは表情を青くして口元を抑えている。

 

 

「大丈夫、ミノさん」

 

「気持ち悪いのなら、早く吐き出さなきゃ」

 

「ごめ、もうちょい……。うっぷ……」

 

「あんな変な液体飲み込むから……。というか、どれだけ飲み干したのよ……」

 

「……はっはっは、真の勇者たるもの、戦闘中に水分補給は欠かさないのだっ………、きもちわる……」

 

「因みにどんな味だった?」

 

「……最初はソーダ味で、段々と烏龍茶に味が変わっていって……。最終的にコーラになった……うぷっ」

 

「……絶対飲みたくない組み合わせね」

 

 

真の勇者の条件とは。なんだか哲学を唱えられている気がするが、何とか自力で三ノ輪さんが戦線に舞い戻った。メンタル的には戦力になっているのか分からないが、2人よりも3人だ。なんとかなる筈だ。もう少しであの人も駆けつけてくれる。

 

そうこうしているうちに、バーテックスはどんどん進んでいる。

今までの攻撃で分かったが、あのバーテックスに近付くのは難しい。私よりも射程は広いし、攻撃を去なしてくる。そして止むことのない砲撃の雨。どうやっても懐に入り込むのは至難の業だ。

 

「三ノ輪さん。一先ずは息を整えて。これ以上、神樹様に近付けさせちゃ駄目よ」

 

「だけど鷲尾さん。あのバーテックスの動きを止めるにはかなり苦労しそうだよ」

 

「全然近付けないから、攻撃出来ないゾ……」

 

そう、1番の要因はそれだ。どうやっても近付けない。攻撃可能範囲に入るまでにバーテックス側からの攻撃で動きが止められる。私の足のように動きに制限が出来てしまう。

何か盾にしながら進む事しか……。

 

「……どうにかして、攻撃を受け止めながら前に進めたら……。盾の一つあれば……」

 

「盾……。盾……?あ、そうだ。すっかり忘れてたよ〜」

 

「え?いきなりどうしたのよ」

 

「何を忘れてたんだよ園子」

 

「えへへ、実は私の槍って、大きな傘になるんよ〜」

 

「大きな傘……という事は、攻撃が防げる……?」

 

「どうしてこのタイミングで思い出すんだよ園子さんや……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーよーし、行くぞー!!」

 

 

前に突き出した槍が変形し、先端に大きな傘を作り出す。私はこの形状を思い出すまでの乃木さんに小一時間程説教をしたかったが、それは後に回しておこう。

盾として先行する乃木さんに続き、私と三ノ輪さんも傘の影に隠れて前進していく。

 

 

「っ、2人ともっ、来るよ!!」

 

 

バーテックスからの水弾攻撃。しかし、乃木さんの傘の前にそれは受け止められていく。この方法なら、バーテックスに近付ける。私は乃木さんの槍を握って手助けに入る。

 

 

「もう少し近付きましょうっ。三ノ輪さんが届く範囲まで!!」

 

 

「うう〜、でもきついよぉー」

 

 

「頑張れ園子、鷲尾さん!!」

 

 

近付くに連れて重くなる攻撃。さっきとは比にならない質量が3人を襲う。しかし、先程よりも明らかに前進出来ている。あと、あともう少し。

瞬間、バーテックスの攻撃が止んだ。これを逃す私達ではない。もっと近付く為に前進していく。

しかし、すぐにバーテックスは攻撃体勢に入った。

 

 

「また来るよっ、早く隠れて!!」

 

 

排出管から放たれたのは、勢いが凄い水の砲撃であった。先程までとは明らかに違う威力の水流と水圧。そして半永続的にやってくる衝撃により、握る傘ごと後方に下げられていく。

 

 

「ちょっ、なんだよこの威力!?」

 

 

「さっきまでとは威力が……っ!?」

 

 

「2人ともっ、踏ん張って……っ」

 

 

更に威力が増す砲撃。それはまるで破壊光線。レーザーの如く放たれる水は、私達を後方に押し戻すどころか少しでも気を緩めると物凄い早さで吹き飛ばされそうな威力だ。

あまりの衝撃に手が痺れて震える。上手く手に力が入らない。このままでは、吹き飛ばされるーーー。

 

 

「うぐぐっ、……もうっ」

 

 

「んぐぐぐぅっ!!」

 

 

「……こん、じょぉおおお!!」

 

 

更に威力が増した。排出管の口を更に細くすることでその威力と破壊力を増加させた。このままでは武器が持たない。壊れていくような軋む音が槍から聞こえる。

このままではーーー。

 

 

「……こんな時、あの人がいてくれたら……」

 

「んぎぎぎっ、……はやく、はやくぅっ」

 

 

「……ゆーにいっ、早く来てっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

その時、真上から何かが飛来しーーー。

 

 

 

 

 

「ーーーおりゃぁあああ!!!!!!」

 

 

 

 

 

ーーー突如として、攻撃が打ち消された。それと同時に荒れ狂う暴風が巻き起こり、バーテックスを後方に吹き飛ばしていく。

規格外の攻撃力。バーテックスの攻撃を打ち消すなど、普通なら出来ない。なら誰がこれを起こしたのか。

 

私達は、一瞬で理解した。

 

 

 

「高嶋さん!!」

 

「優希さん!!」

 

「ゆーにい!!」

 

 

 

「ホントにごめん!!遅くなった。高嶋優希っ、これより戦線に合流ス!!」

 

 

 

 

私達の頼れるお兄ちゃんがやってきた。

 

私達の勝利という道に、光が差した気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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