重装傭兵ロドス入り   作:まむれ

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ガバガバ理論を展開しているけど大体戦車出してきた二次創作が悪いよ!(責任転嫁)(俺が書きたい雰囲気を描いてくれて大変満足したなどと申しており)
つまりこの話は独自設定・解釈のオンパレードや



Ep.28-不得要領-

 Thermal-EXにとって、とある傭兵は彼にしては珍しく嫌悪感を示す存在であった。

 

「いやお前攻撃手段が自爆だけじゃん」

 

 Thermal-EXは激怒した。無知蒙昧なくそったれを爆破せねばと神と偉大なるメイヤー様とついでにクロージャ様に誓った。光とパワーが融合した『爆発』は最強の攻撃手段であり、己がしばしシャットダウンする事に目を瞑れば一機で敵群を一掃出来る素晴らしい能力なのだ。

 

「いや待てよ? お前を量産してバッドガイ号のハッチから大量に投下すれば一面焼き払えるな!」

「不届きものが、そこに座りなさい!」

 

 パワーユニット部分を明滅させて時刻を考慮していない長時間の説法は、発端となった傭兵の心身に多少のダメージを与えたのちに、通りがかったオペレーターが不機嫌を隠さず真っ二つにした酒瓶の、やすり掛けされたかのように滑らかな部分をチラつかせるまで続いた。

 

 日を改めて後日、暑苦しい普段の彼からは想像も出来ない気落ちした様子でメイヤーのラボを訪れたThermal-EXは、原因を事細かに説明した。

 

 


 

Ep.28-不得要領-

 


 

 

「メイヤー様、私は悔しゅうございます……」

「なんてやつだいそいつは! 目にものを見せてやらなきゃ!」

 

 メイヤーは激怒した。なんと言っても彼はクロージャと共に手ずから改造した我が子のような存在である。作戦に連れて行き、ロドスのオペレーターの窮地を救った事は何度もある。それを言うに事欠いて自爆だけが取り柄のポンコツ野郎等と言われたら*1、これはもう宣戦布告と変わりない。

 しかし技術職のメイヤーは、同時に感情だけで動く存在ではなかった。そのまま静かな我が子を引き連れ――すれ違ったオペレーター達がThermalーEXの静かな様子に二度見しまくった――クロージャの部屋へ向かう。

 

「なるほど、私もあの傭兵には借りがあるから手伝うよ!」

「よし! じゃあどうしようか……」

 

 クロージャはふって湧いた恩返し(仕返し)のチャンスにほぼ即答でメイヤーの手を握った。

 さもありなん。正義の心を持ち、ドクターと自分の補佐をするだろう息子(Castle-3)はいつの間にか彼奴の皮肉屋を真似て反抗期になるし、(Lancet-2)は『一番好きなのはかわいいクロージャお姉さま』という設定の抜け道を教えられてドクターにべったり。別に再設定すればいいのだが、それは負ける気がするし、何よりAIを簡単にリセットしてしまうのはエンジニアの誇りに反するわけで。

 え? 色々弄って遊んでただろって? それはそれ、これはこれ、だ。(悔しくて悔しくてなんて言えないよ!)

 

「うーん」

「ThermalーEXはどうしたいんだい?」

「わたくしにとって爆発は譲れません! ですのでそこを残して頂けるならばこのThermalーEXはどんな苦難も乗り越えましょう!」

「そっかあ……」

 

 とはいえ、高級モデルとしてリリースされた作戦プラットフォームをロドスが誇るエンジニアが弄繰り回して出来たのがThermalーEXだ。今からまた改造するとして、その余地が残されているかは微妙なところだった。

 そうなると取れる手段は限られてくる。二人は顔を見合わせ、同時に頷いた。

 

「「外部ユニットを作ろう!」」

 

 接続式凹型追加武装基盤の構想だ。退却用煙幕を一部取り外して――全部取り外した方が安定するがThermalーEXが左右に最低一個ずつ残すようにと譲らなかった――出来たスペースに結合パーツを装着、ケーブルを繋いでThermalーEXが武装を操作する形だ。

 様々な状況に対応するため複数のユニットを製作し、ブリーフィングから戦場の変化を予測して最適なユニットを接続して出撃する。さすれば今まで以上にオペレーターを補助出来るし、何より傭兵の鼻も明かせよう。

 

「とりあえず対空よね、爆発もそんなに高いところまでは届かないし威力減衰が……」

「ThermalーEXは弓を引けないから、銃ってことになるんだけど……」

 

 そして早速躓いた。

 当然である。人の身であれば必ずある二つの腕が、機械であるThermalーEXにはないし、当然ながら源石術(アーツ)の適性なぞあるはずもなく。必然、空中を飛ぶ敵には銃による弾幕しかないのだが……そんな銃は本体の価格も相応にするし、景気よくばら撒く弾の代金も当然無視できない。

 さらに一門だけでは効果が薄いし本体のせいで死角も出来る。欲を言えば本体左右に一門、後方に一門と合計三門は取り付けたいが三つの銃と効果的弾幕を張るための弾薬代なんてもの、試算しただけでも輜重科が殴り込みに来る未来がありありと浮かんだために却下。

 

 そして大前提として、銃を使うにはアーツ適性と、知識が必要だ。

 Q.機械であるThermalーEXのアーツ適性は? A.そんなもんねーよ。

 

 全量エネルギーアーツショック発生器と言えばそれっぽく見えるが、要はエネルギー貯蔵デバイスに対して強烈な刺激を与えて無秩序な爆発を発生しているに過ぎない。情熱で人間関係の壁を乗り越える彼とて、緻密な制御が必要な銃という技術の壁を越える事は出来ないのだ。

 

「……気付いちゃったんだけど、最終的に爆発するなら外部ユニットって使い捨てになるよね?」

「あっ」

「あっ」

 

 かくして話し合いは最初に戻る。

 

「どうせ爆発するんだし、もういっそ発煙弾別のにしちゃおうか」

「そんな殺生な!」

「殺生を行うための攻撃手段を搭載するんだよ!」

「最初から殺傷目的はいけないんじゃないかなクロージャ……」

 

 しくしくと泣くThermal-EXが逃げないように作業台へしっかり固定して、発煙弾発射機を取り外す。倉庫から引っ張り出してきたのはレユニオンの鹵獲品である37mm迫撃砲。それをThermalーEXの身体へ左右に二門ずつ取り付け、屈強な戦士すらも悲鳴を上げる強催涙弾を突っ込めば暴徒鎮圧に心強い仲間の出来上がりだ。

 合計四発、再装填は不可能だがどうせ撃ったら突撃して爆発するから問題ない。

 

「こんな、こんな無体を受けるなど想像しておりませんでした!」

 

 射角調整は可能だが0~10°と微妙なことこの上なし、無理な取り付けのために改造元の素晴らしい射程は台無しで10m先に届けば御の字、当然固定砲なので後ろはもちろん左右に1°も動かせないポンコツ。

 どうしてこうなった、上手くいくはずだったんだとクロージャは頭を抱え、終始Thermal-EXのうめき声を聞いていたメイヤーは罪悪感に苛まれ、実験体は頭頂部を明滅させて落ち込んでいた。

 

「ね、ねえ……やっぱりこれ、やめない?」

「うっ……確かに性能は下がると思ってたよ? けどここまでだなんて……」

 

 しくしくと今度はクロージャが「ごめんねぇ」と泣きながら、粗大ごみを撤去して彼の要望通り発煙弾発射機を左右計五基キッチリと設置し直した。身体は元に戻っても心に受けた傷は戻らない。拘束から解放されたThermal-EXは無言で加速してクロージャを轢く。メイヤーはそれを止めなかった。

 

「発想を転換しましょうお二方! 『爆発しかない』ではなく『爆発だけでいい』にすれば良いのです!」

「つまり、威力を強化してほしいってこと?」

E x a c t l y !(その通り!)

 

 ぱちぱちと、Thermal-EXの見えない両手が拍手している姿を幻視しながらメイヤーは頷いた。

 確かに威力増加は出来ない事もない。モーターを最新のものにし、貯蔵装置をより大容量に換装すれば範囲・威力共に簡単に強くなるし、もしくは車体に釘や鉄くずを載せれば飛び散ったそれらで甚大な二次被害を与える事もできる。

 その代償としてはThermalーEXの身体が今より大破して修理に時間がかかってしまうがThermalーEXはそれも覚悟してのことだった。

 

「出来ない事はないけど……」

「わたくしも解っております! しかし! 男には時としてやらねばならない時がある!」

「痛ぅ……でもそうなるとケルシーに許可取らなきゃ。最新のってなると流石に持ってないしね~」

「図面引こうか……ほら、サーマルもクロージャに好き放題されたくないでしょ?」

「えぇ全くです! 今度はきちんと私の要望も聞いて貰いますよ!」

 

 そこから二人と一機の議論は白熱した。

 威力増加に伴った機体の装甲強化、当然速力は低下するのでメカナムホイールを四輪から六輪へと変更、モーターはより馬力が出る物へ載せ替え、更には外部ユニット案が復活してジェットパックを応用した超加速装置の搭載。

 話し合いが始まった時間が既に夜だった事もあり、終わって窓の外を見れば眩しい朝日が見えていた。

 

「やばい、徹夜しちゃった……」

「あちゃあ、ケルシーに怒られるねこれ」

「ですがこの改造案は実に素晴らしい! ケルシー様が許可してくれればわたくしは更なる高みへ到達することでしょう!」

 

 そうして纏められた改造要望書は速やかに纏められ、技術部を通してケルシー及びドクターが内容へ目を通した。

 

 

 

 

不許可

 なるほど確かにロボットオペレーターの能力向上は課題だ。しかし、それにかこつけて深夜に何も考えていない暴走した思考の嘆願書を渡されても困るのだ。

 一つ一つを見れば確かに合理的であろう。だがそれを全部載せた挙句、墳進装置などというコストパフォーマンスに欠けるものまで載せるのは掛かる費用的にも許されない。メカナムホイールをさりげなく二つ増やしているのも駄目だ。君たち技術職はそれがレイジアン工業のカタログに何十万で記載されているのかもわかっているはずだ。

 最後に一つ、その改造案ではせいぜい発煙弾発射装置とThermal-EXのAIしか改造前の面影が残っていないのだが、それはもう全てを一から作った方が安上がりだと進言するがいかがだろうか?

 

――特注と思われる巨大な『不許可』の印が押された封筒の中身、その一説より

 

*1
そこまでは言ってない




八章は丸一日かけて攻略しました、映画を見ているような感じであっという間でしたね……ガチ泣きポイント多すぎてしんどかったです。
ここネタバレ反転→フロストノヴァがね、パトリオットのこと「父さん」って呼んでるし、マントの端っこ燃やされて怒ってタルラと決闘してるんです……ヴッ

話は変わって今回の話を書くに当たってテラ世界の「銃」において考えたんですけど、敵ドローンが機銃装備してるのが謎過ぎて困るんですよね、大陸版のR6Sコラボでかなり重要な事が描かれてましたし、それを鑑みてもなおさら「?????」ってなりました。
最終的に「どうせ俺の作品も色々ガバってるしな」と細かいところは投げ出しました、すみません。ガバってるところはいずれ直します……

いつも感想と評価ありがとうございます! 数か月ぶりなのにありがとう、待ってたと言われてぼかあ嬉しかった

大陸版で実装されているがこっちでは未実装のオペレーターを出したくなったのでオペレーターのネタバレ上等で出しても良いですか?

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