正体不明の妖怪(になった男)、情緒不安定な百獣の腹心になる   作:黒岩

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お気に入り4500越え、ありがとうございます。そして早くも10話ですね。これも皆様の応援のおかげです。ということで本編をどうぞ


西の海にて

 ──裏社会、なんてものは古今東西、何処にだって存在する。

 

 海賊だって、裏社会に生きる者達の1つには違いない。海の無法者。表のルールではなく、自分達の定めたルールで動く者達。海賊が最も代表的な裏社会の人間だろう。

 だがこの“西の海(ウエストブルー)”には、それよりも有名な裏社会の組織が多数ある。そう──マフィアだ。

 

「……驚いたぜ……まさかあんたほどの大海賊が本当に“偉大なる航路(グランドライン)”から出て、こんな西の海くんだりまでやってくるとはな……巷で噂になってるぜ、あんた達」

 

「──ギハハハハ……そうか。おめェらみたいな西のマフィア共にもおれ達の噂は届いてるか……良い情報をありがとうよ。さすがは“西の5大ファミリー”ってところか?」

 

 座り心地の良いふかふかのソファーに部屋を飾るシックな家具。調度品。

 応接室と呼べるそこでは、黒いスーツに黒い帽子を身に着けた荒々しい雰囲気の男達が周囲を固めていた。

 明らかにカタギではない裏社会の人間。だが、彼らは海賊ではない。ロックス船長が言うように、彼らはギャング。マフィアなのだ。

 “西の海”の裏社会は“西の5大ファミリー”を中心とするマフィア達によって牛耳られている。この海では海賊も有名だが、マフィアも有名だ。

 マフィア同士の抗争。裏取引。表をも巻き込んだ陰謀。彼らが生きる社会は血と硝煙と裏切りに満ちている。

 この海では海賊だってマフィアを怖れる──それがここに来る前に船長が言っていた言葉だ。

 

「……それで、うちと取引がしたいってェ話だが……」

 

「ああ。金は出してやるから武器や情報、たまに流れてくる()()をおれ達に寄越しな」

 

 単刀直入にロックス船長は取引の内容を告げる。ソファの真ん中で足を組んでおり、眼の前にいる屈強そうなマフィアのボス相手にも堂々とした振る舞いだ。まあ当然だけども。

 

「…………ああ、その話だが……それよりもうちのケツ持ちしてる国がよォ……お前らの懸賞金額を見て、相当驚いたらしく、おれにこう言ったんだ──」

 

 ジャキ、と聞き慣れた音があらゆる方向から連続する。

 そして正面のボスが言った。葉巻を咥えた口元をニヤリとさせて、

 

「もし西の海に来るようなことがあったら……()()()()の首を持ってこいってなァ!!!

 

「!」

 

 その啖呵と共に、周囲のマフィア達が一斉に銃の引き金を──あっ、ヤバい。たんま。さすがに撃たれたら私はヤバい。こんな至近距離で銃なんて躱せないし、撃たれたら結構なダメージが入ると思う。多分。だから待って! 私だけちょっと射線から離れるから! 

 ……だが、ヤバいのは私くらいだろう。他の皆は落ち着いている。

 ロックス船長を中心に、脇を固める白ひげ、シャーロット・リンリン、金獅子にその他の幹部達。何気に私やカイドウも荷物持ちとして傍らで立っている。

 そして、彼らがこの程度の状況をピンチだと思う筈もないし、実際にそうではない。ロックス船長も、先の言葉に続いてこう言っていた。

 

『──だがおれ達が怖れる必要はねェ。もし舐められるようなことがあったら……その時は、()()()()()の怖さって奴を身体に教えてやれ……!!』

 

 ──そうして、周囲の部下達は引き金に指を掛け、ロックス船長は動じることなく不敵な笑みを浮かべると、

 

「ウッ……!!!」

 

「……!!?」

 

「……!」

 

 その瞬間、銃を構えていたギャング達が、白目を剥いてそのまま倒れていく。

 そして残ったのはマフィアのボスだけ。かなり青褪めてるけど、気絶しないのはさすが悪名高いファミリーのトップだ。

 今しがた使った……ロックス船長の、“覇王色”の覇気。力を抑えているとはいえ、少し腕に覚えがある程度の半端な実力なら、意識を保つことさえ出来ない……あっ、ちなみに私が立ってられるのは、船長が威圧する相手を選んでいるから。だから仲間の私は立っていられる。それでも背筋がゾワッとしたけど。

 

「な……!!? な、何をしやがったてめェ……!!」

 

「ギハハ……残念だぜ。西の5大ファミリーの一角って聞いてたから期待してたんだが……まさか“格”の違いも見抜けねェような間抜けだとはよ。よくその程度の嗅覚で裏社会で生き残ってこられたなァ? 運が良かったのか? ギハハハハ……!!」

 

「ぐ……ふざけやが──うガッ!!?」

 

 ドン、と発砲音が1つ。

 マフィアのボスの胸を一発で撃ち抜いたのは、ロックス船長が腰から引き抜いた方の銃だった。

 あっさりと血を吹いて倒れる相手を楽しそうに見て、ロックス船長は言う。

 

「取引はもういい……間抜けとの取引なんてこっちの格が堕ちるからなァ……てめェのファミリーとケツ持ちしてる国はおれ達が滅ぼしてやるよ。ギハハ……取引は別の奴らとやることにする」

 

「が……て、てめッ……!!」

 

「──じゃあな」

 

 そして2発目。マフィアのボスの頭に風通しの良さそうな穴を空け、ロックス船長は立ち上がる。周囲の私達、船員らに声を掛け、

 

「おい野郎共ォ! ここ潰して帰るぞ! 取引は決裂だ、ギハハハハ!!」

 

「とんだ無駄足だったねェ……!! マママママ……!!」

 

「仕方ねェ。お頭の言う通り、こんな馬鹿共との取引なんて願い下げさ……ジハハハハ……」

 

「ふん……下らねェことしやがって……」

 

 皆が続々と部屋から出ていく。私とカイドウもそれに続く。私の手に黒いスーツケース。カイドウの方は肩に巨大な袋を担いでいたが、

 

「ギハハハハ……おい、カイドウ!! ぬえ!! この屋敷の貴重なもん、片っ端から運んじまいな!! おれ達が道中は掃除しておくからよォ!!」

 

「あ、はい。船長」

 

「……わかった」

 

 と、ロックス船長からそう命令されたので、私とカイドウは揃ってマフィアの本拠地である屋敷を物色していく。

 金目のものは当然。金品や宝石などは片っ端から持っていくし、お酒なんかも大量にカイドウに持たせ、一部をちょっぴり自分達用にと持っていく。

 私は金庫を見つけ、カイドウに無理やり壊して貰ってから中の札束をスーツケースに詰めていった。いつも略奪ばかりして欲しいものや必要なものは基本奪っているうちの海賊団だが、それでもお金は必要だ。特に、ロックス船長は金を集めて情報やら珍しい物品、武器などをたまに裏社会の住人達と取引しているらしい。私のこの三叉槍もそうやって手に入れたものらしいし、他にも色々と凄いものを扱ってるんだろうなぁ。

 

「あ、カイドウ見て──ダイヤの指輪!」

 

「ほう……それで殴ったら強そうだな」

 

1番最初に出てくる感想がそれ!!? さすがカイドウ……」

 

 ガラスケースに入ってた宝石なんかも奪って身につけてみたが、カイドウの着眼点は凄い。綺麗、とか言うわけないとは思ってたが、金になるとも言わず、これで殴ったら強そう。確かに。痛そう……カイドウにこれを付けさせて裏拳とかさせたらめっちゃ血出そう。まあ素手で充分だけど。

 

「それより酒を飲もう。ウォロロロ、ここには良い酒が多いな」

 

「馬鹿。仕事サボって酒盛りなんてしてたら船長に殺されるわよ。──それに、私もやることがあるんだから早めに帰りましょ」

 

「あァ? やること? 何だそれは」

 

 ある程度部屋を物色し終えたところでカイドウに問いかけられ、私はなんとも言えない苦笑という風な微妙な表情で目線を逸らし、頬をかく。要は、カイドウの嫌いなアレなのだ。

 

「えーっと……ほら、面倒を見ないといけないというか……」

 

「! ああ、()()()()()()──」

 

「ぬ~~~え~~~!!」

 

「!! り、リンリン……」

 

「!! 何しに来やがった!!? リンリン!!」

 

 私が遠回しに用事についてカイドウに答えると、ちょうどその元凶と言うかその相手が廊下の奥からやってきた。

 私は思わず怯む。カイドウはすぐに突っかかっていったが、その相手──シャーロット・リンリンは意にも介さない。

 

「ハ~ハハハハ、マママママ……! 黙りなカイドウ! 今日はお前に用はないよ!! 用があるのは……ぬえ!! お前の方さ!!」

 

「っ……どうしたの……?」

 

 私は若干ビビってしまいながら何だろうと問いかける。私が正直、1番怖れているのはこのリンリンだ。なんというか、不気味なのよね……少し前から、この人の態度が。

 お菓子が大好きで定期的に“食いわずらい”を発症するロックス海賊団の幹部。シャーロット・リンリン。彼女は一味の中でも仲間殺しの常習犯だ。

 白ひげが睨みを利かせているおかげで、多少は仲間殺しの数が減ってはいるのだが、このリンリンは白ひげにも屈しない。白ひげの眼の前で仲間殺しをすることは、白ひげが止めるため殆どないものの、いない場所では好き勝手。お菓子を奪い、人を殺し、財宝を持ち帰る。傍若無人とは正にこのことだろう。

 だが、そんな彼女も唯一、ロックス船長の言うことは聞く。やはりそれは、船長の強さがリンリンを遥かに凌ぐからだろうし、ここの居心地も彼女にとってそこまで悪くないからだろう。多分だけど。

 逆に言えば、明らかに上回る相手でなければ言うことは聞かないし、弱者は簡単に潰される。だからさすがに海賊に慣れてきた私でもちょっと怖い。幾ら子供に優しいところがあるとはいえ普段がアレすぎて信用ならないのだ。

 それに、理由はもう1つある。私に対するこの──

 

「ママママ……ぬ~え~……! そんなに怯えることないじゃないか……お前はほんとに可愛いねェ……! 心配せずとも、取って食いやしないさ! お前は可愛いからねェ~~~……♡ ハーハハハハハ……!」

 

「あ、あはは……ありがとうございます」

 

 そう──この不気味なまでのにこやかな態度だ。

 最初の頃は特に興味を持たれることもなかったのに、ここ最近になって急にこんな風に接するようになったのは前にこんなやり取りを行ってからだ。

 

『ぬえ……ちょっといいかい?』

 

『! な、なんですか?』

 

『ハ~ハハハマママママ! なァに……ちょっとおれの質問に答えてくれればそれでいいさ…………お前、()()()()()()()?』

 

『えっ? あ、いや、悪魔の実の能力者ですけど……』

 

『そういうことを聞いてるんじゃないよ。お前のその耳……人型のお前の姿、どうにも人間には見えなくてねェ。もしかして、新しい見たこともない種族なんじゃないかと思っただけさ。どうなんだい?』

 

『あ、あ~……それは……』

 

『どうなんだい? 下手な嘘はつかずに答えな』

 

『い、いいいいいや、そんな気はないです……えっと……まあ、あの……確かに、実は人型でも耳とかはこんなんだし……でも、一応は人間で……羽とかは悪魔の実の能力です……はい』

 

『…………そうかい。そいつは残念だねェ……』

 

『ご……ごめんなさい』

 

『──だけど気に入ったよ』

 

『…………えっ』

 

『ハ~ハハハマママママ!! お前は可愛くて良い子だね!! ──そうだ。お前……暇ならおれの仕事を手伝えよ。見習いなら幹部のおれの頼みを聞くのは当然だろ!?』

 

『は……はい……当然です』

 

『マママ……そうだ、それでいい。素直な子は嫌いじゃないよ。なら早速頼むが、お前に頼む仕事は──』

 

 ──と、まあこんなことがちょっと前にあり、それから私が度々、リンリンに仕事を頼まれるようになった。彼女は自分の益になる相手には表面上はにこやかで優しいし、一応私やカイドウには目を掛けてくれている。……好意的っぽいのにこんなに嬉しくないのも中々ないけど。

 

「おお……!! くたばれリンリン!!」

 

「邪魔ァするんじゃないよカイドウ! お前もおれに突っかかる暇があったら働きな!! ちょっとは自分の可愛い兄妹を見習うんだね!! ハハハ!」

 

「ッ……!!!」

 

 カイドウが金棒を手にリンリンの顔面目掛けて殴り掛かるが、それはリンリンの手によって簡単に止められる。見習いとはいえ、ここらの海賊よりは強いカイドウだが、さすがにリンリンには敵う筈がない。あっさりと覇気を纏って黒くなった腕で殴られて地面に倒れる。

 

「……カイドウ!!?」

 

「ハ~ハハハマママママ……まったく、お前の兄は懲りないねェ!! 度胸だけは一人前だけど……まだまだ未熟だよ!! 精進するんだねェ、カイドウにぬえ!! マママママ!!」

 

 血を吐いて倒れたカイドウに駆け寄ると、リンリンは私とカイドウを見下ろして豪快に笑う。くっ……このババア、ムカつく……! 子供達はあんな良い子達だってのに……しかも勘違いして私を妹だなんて言ってるしさ! 私は姉でカイドウは弟。そんなことも分からないなんて、本当に子を持つ人の親なのか。

 私が内心でリンリンへのちょっとした怒りを募らせていると、リンリン──ではなく、その横で浮いてる太陽がリンリンに声を掛けた。

 

「ママ! そろそろ行かないとヤバいよ!!」

 

「! あァ……そうだったねェ~~~なら、さっさと用件を伝えるとするか……おい、ぬえ!」

 

「!」

 

 リンリンの能力で生み出されたホーミーズ。炎のプロメテウスに急かされ、ようやく本題に入る、リンリンが私に顔を近づけ、

 

「さっきのマフィア……予め兵隊を多めに用意してたみたいでねェ。こっちから攻め入る前にもう戦争が始まっちまったのさ。だから先に船に行っておれの子供達を見てきな。船まで行かせる気はないが、おれの可愛い子供達はやんちゃだからね~~~♡ 港まで出てきたら事さ。だから頼んだよ、ぬえ!! 精々うちの子達を可愛がってやんな……──ゼウス!

 

「はい、ママ!」

 

 そう言って膨らんだお腹のまま、リンリンは窓から雷雲ゼウスに乗って屋敷を後にする。おそらく、もうこの屋敷に生きた人間や意識を保った人間はいないのだろう。私達が物色してる間に片付いてしまったようだ。

 

「……しょうがない。面倒だけど行くしかないかー……ストレス解消にもなるしね」

 

 よっと。気を失っているカイドウを生み出したレッドUFOの上に乗せて、私も荷物を両手に窓から外に出る。こういう時、飛べるのは便利なのだ。UFOも。ただ、さすがにちょっと重いかも……。

 そうして私はカイドウと荷物を持って、港に停泊している船にまで戻ることにした──やんちゃな子供達の相手をするために。

 

 

 

 

 

 ──突然だが、船倉が私にとっての“家”だとすれば、ここは私の“遊び場”だ。

 

 謂わば、空き地や公園みたいなところ。たまに行って遊ぶ場所。息抜きをする場所。

 私はそこで、彼らと遊んであげていた。

 

「……──まあ、そんな感じであなた達のママが酷くてねー。ちょっとストレスなのよねー」

 

「うっ……!」

 

「だからって……!」

 

「おれ達に当たるんじゃねェよ!!」

 

 と、私の前で伸びてる坊主とスペードマークみたいな髪型の小さい2人の子供と、その2人の前に立ち塞がる同じくらいの年頃の少年が1人。確かドーナツを頬張りすぎて、頬まで口元が裂けた1人の子供が私に向かってツッコミを入れてくる。それを耳にして、私は溜息をついた。

 

「いやねぇ、当たってないわよ。ほら、ちゃんと遊んであげてるじゃない。あなた達の希望通り、海賊ごっこでさ。あはは、ほらカタクリ君、避けないとまた転けちゃうよ~?」

 

「ぐ……クソ……大人気ねェ……!!」

 

「くっ……自分だってまだ海賊見習いの癖に……!」

 

 ミニサイズのレッドUFOを操作して、カタクリ、と呼ぶ少年に適当に体当たりとかを仕掛けさせていると、それを見て横から悔しそうに陰口を叩くサイケな色彩のハットを被る少年がいたのでそちらにニコリと笑顔を向ける。子供だからね。優しくしてあげないと。

 

「ん~~~? 年上のお姉ちゃんにそんなこと言っちゃ駄目でしょ? ペロスペロー君? 長男なんだから下の子達が真似しないよう、言葉遣いには気をつけないと──ねっ!」

 

「うぎゃあっ!?」

 

「ペロス兄!? このっ……! ぬえ! おれが相手だ!!」

 

「おっと」

 

 そのペロスペロー君を軽く“蛇”を出して怖がらせると、それを見てかカタクリ君がレッドUFOの体当たりを避けて突っ込んでくる。お、さすがカタクリ君。やるなぁ。

 でもさすがにまだ幼稚園にいるような年齢の子に負ける訳がない。私はその拳を軽く躱し、そのまま左手で首根っこの部分の服を掴んで持ち上げる。捕まえた。するとそれを見ていた小さい女の子たちから声があがる。

 

「ああっ、カタクリが捕まった!」

 

「カタクリにいちゃん、がんばえ~!」

 

「がんばえ~」

 

「負けるな~」

 

 順番に、長女コンポート。次女モンデ。1つ飛ばして4女アッシュに5女エフィレ。皆小さい女の子たちだ。可愛らしいことに次男の弟、あるいはカタクリお兄ちゃんを皆で応援している。それを見て、私は捕まえたカタクリ君にニヤニヤ顔で告げる。

 

「応援してくれてるのに捕まっちゃったね~?」

 

「く、くそっ! 離せ! おれはまだ負けてねェ! おれは強いんだ!」

 

「ぐっ……カタクリでも駄目か……」

 

「すまない、カタクリ……」

 

 私に捕まったままジタバタ暴れるカタクリ君に、その三つ子の弟達である3男ダイフクに4男オーブン。倒れている坊主とスペード頭だ。一足先にというか、すぐに体力がなくなって私に負けた。

 彼らも負けてしまったことをカタクリ君に謝るが、まあカタクリ君も終わりだ。後はもうただからかってあげる時間。

 

「あはは、カタクリ君、弱いでちゅね~! 身体モチモチなくらいしか取り柄ないんでちゅか~?」

 

「っ……!! や、やめろ! 身体を突くな! 伸ばすな!!」

 

「う~ん。そうだね……じゃあやめて~……くすぐってあげるわ! こしょこしょ~!」

 

「ちょ、待っ──ハハハハハッ!! や、やめっ! やめろォ!! ハハハハハ……!!」

 

「…………」

 

 やめない。裂けた口を限界まで開けて笑うカタクリを突いたりくすぐりまくる。カタクリはモチモチの身を食べた餅人間。全身から餅を生み出せる。なので肌がモチモチしている。この言い方だと意味合いが違うけど。本当は餅って感じの触感だ。だが何となく触ってみたくなる不思議な感触だ。

 だからそうやって遊んでいると、今まで無言だった3女アマンドちゃんが笑う兄を見て、

 

「……カタクリ兄さん、楽しそう……」

 

「楽しい訳あるかァ!!」

 

「またまた~、年上のお姉さんに構って貰えて嬉しい癖に~!」

 

「ぐっ、ハハハハハ!! わ、わかっ……た……! おれの負けだ!! こ、降参……!」

 

「な~に~? 聞こえないなぁ~?」

 

「ハハハハハッ!! ぬ、ぬえっ、てめェ……!!」

 

「──と、まあ冗談はこんな感じで……はい! これでまた私の勝ち~!」

 

 一回意地悪をしてからカタクリ君を放してやる。……ま、遊びはこんなところだろう。

 

「くそ……こっちもようやく蛇がいなくなって……おい、大丈夫か、カタクリ?」

 

「ハァ……ハァ……くそ……勝てねェ……」

 

 蛇とレッドUFOも消すと、ペロスペロー君が息を吐いて落ち着き、カタクリ君に声を掛ける。カタクリ君の方は悔しそうだった。

 でも……幾らこの子達が全員、シャーロット・リンリンの子供、シャーロット家の兄弟、姉妹達だと言っても、所詮は小さな子供。一応は海賊団の一員である私が負ける訳にはいかない。

 リンリンに頼まれてこの子供達をたまに見ている訳だが、やんちゃなので、特に男の子達がやたらと海賊がどうとか言って私に勝負を仕掛けてくるのだ。私になら勝てそうとかいう理由で。

 めちゃくちゃ舐められてると分かった私は、見習い海賊生活で鍛え上げられた力で彼らをおもちゃに──じゃなかった。遊び相手にしてあげてる。

 まあ小さい子分みたいなものだ。それで立ち位置的に私がガキ大将。まあこんなにガキじゃないけどね! 

 

「にひひ、どうしたのかな? カタクリ君? 今日こそは私に勝つんじゃなかったのかな? えいっ、えいっ」

 

「うるせェ……今度は勝つ……って、槍で突くなァ!!

 

「ああん。刃で刺してる訳じゃないんだからいいじゃない」

 

「当たり前だぜ……刺してたらママに殺されるだろ……ペロリン」

 

 心底疲れた様子でツッコミを入れてくるペロスペロー君。まあ、そうだろうね。これくらいの遊びならともかく、子供に怪我でもさせようもんならさすがに殺される。

 しかしこのペロスペロー君、長男だからかまだ子供なのに苦労人なんだよね。いやほんと、さっきも私に挑もうとするカタクリやダイフク、オーブンの弟達を止めようとしていたし、これだけの弟、妹達にあのママがいるんだから心労が凄そうである。意外と仲良くなれそう。警戒されてる気もするけども。

 

「はい。それじゃ今日は町でお菓子も奪ってきたから。皆で食べよっか。ほら、集まれー!」

 

「! わーい!」

 

「お菓子!」

 

「おかしちょーらい!」

 

「ください!」

 

「まったく……妹達が呑気過ぎて羨ましいぜ……この船で他の海賊から貰ったものなんて、安心して食えたものじゃ──」

 

「──あ、キャンディもあるよ」

 

「とはいえくれる物を貰わねェのは失礼だぜ、ペロリン♪」

 

「「「ペロス兄!!?」」」

 

 キャンディ大好きな長男の掌返しに、三つ子の弟達の驚き気味のツッコミが炸裂する。三つ子だから息ぴったりだよね。そんなに似てはないけど。

 でもこうやって、今日町で盗ってきたお菓子を食べようと即座に集まってくるリンリンの子供、女の子達を見ても思うが、やはり似てたり似てなかったりするのは、父親が大体違ったりするからだろう。

 なんでもリンリンは、18の時からずっと妊娠して子供を産むことを繰り返しており、産まれれば父親も同時に捨てるということを続けているらしい。

 それでもうこんなに子供達がいる。この船室はリンリンの子供達専用の部屋。ベビーベッドなんかも置いてあり、もっと小さい子供や赤ん坊がそこで寝ていたりする。そしてリンリンは勿論、今も妊娠中だ。

 とはいえ戦闘とか海賊行為にまったく影響はなさそうなのはさすがだと思う。やっぱ化け物だね……。

 

「ほら、ドーナツもあるよ? 食べないの?」

 

「っ……! い、今はお腹は空いてねェ……!!」

 

「明らかに強がりだ……」

 

「おいカタクリ……ペロス兄も食べてるんだ。別にそこまでぬえに張り合わなくていいだろ」

 

「……う……でも……」

 

 こちらに背中を向けて断固として拒否しようと──してない。明らかにドーナツという自身の大好物に揺れているカタクリ。別に食べればいいのに。しょうがない子だ。

 

「そうそう。ダイフク君とオーブン君の言う通り。ほら、面倒だったけど、せっかくカタクリ君に食べさせてあげようと思って盗ってきたんだから。だから食べなさいよ」

 

「…………それじゃあ──」

 

「ん~~! 甘くて美味しい~!」

 

「おい!! おれに食べさせるんじゃなかったのかよ!!」

 

「ごめんねカタクリ君。お菓子はあなた以外の子たちの分しかないのよ」

 

「いじめっ子かよ!! さっきと言ってることが違うじゃねェか!!」

 

「ツッコミ上手。さすがね」

 

「うるせェ!!」

 

 そうしてひとしきりツッコミを入れると、最後には床に座って、背を向けてしまった。あらら、からかい過ぎたかな? ならしょうがない。

 

「──と、いう訳で……こっちが本物のドーナツ!」

 

「えっ……? は? いや、なんで……さっき食べて──」

 

「あれは私の能力で認識を変えただけの別のお菓子。こっちも認識を変えておいてたドーナツ。どう? 驚いた? 驚いたなら今度こそ食べていいよ」

 

「…………ほんと、悪戯ばっかしやがって……お前──」

 

「おぎゃー! おぎゃー!!」

 

「!」

 

 そんな時、ベビーベッドの1つから泣き声が響いた。あー、しょうがない。見てあげないと。

 私はベビーベッドに近づき、誰が泣いてるか確認する。誰かな……って、やっぱクラッカーか……とりあえず抱き上げてと、

 

「! クラッカーはどうしたんだ?」

 

「んー? 分かんないけど、またなんか柵とかにぶつかったのかな? 泣き虫クラッカー君は痛いのはどんな些細なものでも嫌で泣いちゃうもんねー?」

 

「おぎゃー!! ほぎゃー!!」

 

 男の子の赤ん坊。シャーロット家10男のクラッカー君は痛いのが大嫌いで泣き虫だ。他の赤ん坊達。5男オペラ、6男カウンター、7男カデンツァ、8男カバレッタ、9男ガラの五つ子や、クラッカー君と三つ子の妹達、6女カスタードや7女エンゼルはさすがにクラッカーほどは泣かない。だから泣き虫クラッカー君と呼んでいる。いやほんと、子守をする上では大変なんだよねー。

 

「それで? 何か言った?」

 

「いや、何でも……──!?」

 

「うわぁ!?」

 

「きゃー!?」

 

 カタクリに何を言おうとしたのか聞こうとし、カタクリが答えたその瞬間──突如として凄まじい音と衝撃が船を揺らした。

 子供達が驚きの声をあげ、ちょっとした騒ぎになる中、私は一旦クラッカーをベビーベッドに戻してから船室を出る。

 

「一体何が……! って、あれは……!!?」

 

「おい、ぬえ! 敵襲か!? それならおれも──、っ!?」

 

 甲板に出て、港町を見渡し──そこで気づく。

 港にあった灯台。それが半ばから完全に折れ、町の真ん中に突き刺さっているのを。

 そして……港の方に向かって破壊を続けている、見知った女の姿を。

 

「ド~~~……ナ~~~~~ッツ!!!!」

 

「! ママ!!」

 

 そう……隣にいるカタクリの母親、シャーロット・リンリンだ。

 見たところ“食いわずらい”を発症している。あのはた迷惑な発作がまた出てしまってるようだ。

 これが起こると頭の中に食べたいと浮かんだ物を食べるまで敵味方何もかも見境なく暴れ回るのだ。

 これが大変迷惑で、ロックス海賊団のこれまでの航海の中でも度々これが起こった。

 その度に、リンリンの基本的に側にいるコックのシュトロイゼンにお菓子を作らせ、食いわずらいを鎮めるのが基本なのだが、さて、シュトロイゼンはいるかなー……あっ、いた!! 

 

「──ま、待てリンリン!! そっちは船だ!! そっちに行くのはマズい!! せめて町を破壊しててくれ!!」

 

 うわ、なんて酷いことを言うんだシュトロイゼン……でも激しく同意なので何も言えない。そりゃそうなる。ごめんね、町の住人。悪いけどアレ、見た目はただの大女でも怪獣みたいなもんだから正攻法で止めるのはちょっと難しいのよ。だから私達の代わりに死んでほしい。

 

「ドーナツはどこだァ!!!」

 

「わかった! ドーナツだな!! それなら簡単だ! 今すぐ作って持ってきてやげブッ!!?」

 

「あっ──」

 

 ──その時、不運にもリンリンが破壊した塔の残骸……瓦礫がシュトロイゼンの頭にピンポイントで落ちてきた。

 そしてシュトロイゼンは、そのまま気絶してしまい、

 

「……ま、まずい……」

 

 血の気が引くのが自分でも分かる。ヤバいヤバいヤバい。こっちに向かってきてる。今からドーナツ……そう、ドーナツはあるけど、今にも攻撃してくる直前で、

 

「! ぬ、ぬえ!! 早く! このドーナツをママに!!」

 

「わ、わかった!! ──ってもう来た~~~!!」

 

「ドーナツを……!! 寄越せェ~~~~~!!!」

 

 ──あっ、これ死んだかも。

 口にドーナツを投げ入れれば間に合うか? ──ええい! 考えてる暇なんてないわ!! 唸れ私の右腕!! 

 私はカタクリの持ってきたドーナツの箱を手に取り、それを投げようとし──その影と声を目の当たりにした。

 

「──おいリンリン……おめェ、おれの船に傷をつけようとしてんじゃねェよ……ギハハ

 

「!! ──ッ!!!?」

 

 聞き慣れた声に見慣れた姿。

 その彼はリンリンと船の間に割って入ると、その黒く硬化した腕で、リンリンを殴り飛ばした。

 吹き飛び、白目を剥いて悶絶した様子のリンリン。そして船の甲板に降り立ったのは、

 

「……さすがは食いわずらいのリンリンだぜ。おれの一撃でもまだギリギリ意識を保ってるな……だがもう動けもしねェ。今のうちにドーナツを持ってきてやんな!!

 

「船……長……」

 

 そう……リンリンの食いわずらいを確実に、指定の食べ物を食べさせる以外の、物理的な方法で止められる男──ロックス船長だ。

 彼は手の武装硬化を解き、首をコキコキ鳴らしながら船に残っていた船員達にそう告げる。私はぺたっと甲板に座り込んでしまった。あっぶな……助かった……船長がいなかったら本気で死んでたかもしれない。

 

「……ん? ああ、ぬえか。つーかお前……ギハハ、それ手に持ってるのドーナツじゃねェか。さすがだ。気が利くな」

 

「あ……はい。どうぞ」

 

「…………」

 

 ロックス船長が私と、私が持つドーナツの箱に気がついたので、それを渡すと、そのまま甲板から飛び降りて、倒れてもがくリンリンの方に向かっていく。隣のカタクリは何も言葉を発しない。まー、怖いもんね、ロックス船長。私は多少慣れたけど、海賊扱いされてない彼らからすれば、恐怖のママよりも遥かに恐ろしい雲の上の存在だろう。実際、ほぼ一撃でリンリンを倒してしまった訳だしね。

 

「……はぁ、助かったね?」

 

「……ああ……。……ママ……それに、おれの……ドーナツ……

 

 カタクリは私の言葉に頷いたが、その後に下を向いて小さな声で大好物のドーナツを惜しむ声を漏らす。かなり残念そうだが、しょうがない。まだ子供だしね。あんな恐ろしいママを見て、しかも好物まで取られたんじゃ、そりゃ肩を落とすのも仕方ないだろう。

 ぶっちゃけ、命が助かっただけで相当ラッキーだったが……うーん。どうしよっかなー……なんだかんだで凄い楽しみにしてたのか、凄い残念そうなカタクリにこれをあげるか悩む。海賊が良いことしすぎじゃない? って。

 でもまあ、私は楽しむことが最優先だし、別に良いことだってたまにはしていいだろう。相手は子供だし。ということで、私は自分が持ち帰る用に持っていた箱から、1つの物を取り出すと、

 

「……じゃーん! これは何でしょうかっ!!」

 

「え……? !! ど、ドーナツ!? え、何で……!?」

 

 カタクリに悪戯っぽく見せつけると、カタクリが子供らしく素直に驚いた様子。私はなんてこともなく肩をすくめ、

 

「いやー……お菓子、後で色々食べようって自分の分は1つずつ別で持っててさ。だからドーナツも後1個残ってるんだよね」

 

「な、なるほど…………でも、どうせおれにはあげない。見せただけ、とか言うんだろ」

 

 失敬な。そりゃ、普段なら1回2回くらいはからかってみるかもしれないが、さすがにこんな状況で子供に意地悪する程性格は悪くない。むしろ良い筈だ。

 

「いやいや、そんなことはないけど?」

 

「……だとしてもだ。おれはそんな施しは受けない!! おれは……海賊だ!! 慰めは哀れみでは受け取らねェぞ!!」

 

 え~……何その自分ルール。まあ分からなくもないけどさぁ……というか、

 

「まだ海賊じゃないじゃん」

 

「これからなるからいいんだ!!」

 

「はぁ……あっそ。まあそれならそういうことでもいいけど……ドーナツは……ほら、半分受け取りなさい」

 

「はァ!? お前話聞いてたのか!? おれは慰めは──」

 

「──慰めじゃなくて、これは()()()()()()()()()

 

「え……?」

 

 私は手に持ったドーナツを半分に割り、差し出しながら口でもカタクリの言葉を遮るように言う。まあ、口にすれば簡単なこと。海賊としての筋みたいなものだ。

 

「あなたのドーナツで一応助かった訳じゃない? 元は私があげた奴だし、そもそも直接助けたのは船長がだけどさ。一応食いわずらいを直したのはあなたのドーナツってことで、これはお礼か、借りを返したものだって思えばいいわ」

 

「……そんなんでいいのか?」

 

「いいのよ。海賊は自分で作っちゃったと思った借りは返すものよ。別に借りてないって思ったなら踏み倒してもいいけどね。多分、それも海賊だし」

 

「……何だよそれ」

 

「それでもいらないって言うなら別に受け取らなくてもいいけど……どうするの?」

 

「…………」

 

 私が再度問いかけると、カタクリは無言のまま黙りこくる。あらら。さすがにプライドが高い。これは受け取らないかなー? と、そう思っていると、

 

「……貰うよ」

 

「お?」

 

 私の右手からドーナツを奪うようにして取り、それを口に頬張り食べるカタクリ。それを見て、私は不思議に思ってしまう。

 

「──美味しかった。ごちそうさま」

 

「ん、んん……? それはいいけど、急に素直になってどうしたのよ?」

 

「別に。受け取っていいんだろ?」

 

 ぶっきらぼうだが、ちゃんと美味しかったと言うし、ごちそうさまとも言う。素直だ。これはまさか……まさかとは思うけど……、

 

「……もしかして、私に惚れた? 好きになっちゃった?」

 

「違ェよ!! 自分の話も忘れたのか!!?」

 

「またまたー。別にいいのよ? 惚れても。私ってめちゃくちゃ可愛い美少女だから、惚れても全然恥ずかしいことないし。あはは、初めての恋心奪っちゃった? これから大人になるにつれて年上のお姉さんとの思い出が美化されて、なんだかんだ言いつつも惚れちゃって初恋を引きずっちゃう感じ?」

 

何でそんな具体的なんだよ!! ぐ……やっぱお前、嫌いだ……!」

 

「あーらら。嫌われちゃった」

 

「くそっ、ムカつく……やっぱもう半分も寄越せよ!」

 

「駄目~! これは私のだもんね~」

 

 と、手を上に上げてドーナツに向かって手を伸ばしてきたカタクリからドーナツを逃がす。ふふん、子供は届かないだろう。これだから子供をからかうのは楽しい。ムキになってくれるし、私が大きい方に感じられる。周りは大きい人ばっかりだからね。カイドウとかも、かなりでかいし──

 

「あァ……くそ……!! 頭痛ェ……あのババア、絶対殺してやる……!!」

 

「!」

 

「あ」

 

 その時、目覚めて甲板に上がって来たのだろう。カイドウが頭を擦りながら不機嫌そうにリンリンへの殺意を呟いていた。カタクリ君が若干警戒する。まあカイドウって傍から見るとヤバい奴だもんね。別に近くで見ていてもヤバい奴だけど。まあでも、とにかく起き上がったんなら良かっ──

 

「んん? 美味そうなもん持ってるじゃねェか、ぬえ。──んぐ」

 

「っ!?」

 

「あー……」

 

 そしてカイドウが、私が手を伸ばした先、丁度いい高さにあるドーナツを見て、手でつまんであっさりと口に運んで飲み込む。軽く咀嚼はしたが、ちゃんと味わって食べているかは微妙なところだ。それに、

 

「はぐ、んぐ……あ~……普通だな」

 

 人から……私から奪っておいて、そんなことをのたまうカイドウに槍を持つ手が震える。私は思い切り振りかぶり、

 

「っ、人のお菓子を勝手に食べるな~~~!!」

 

「ふグ!! なんだぬえ!? お前……今日はおれと覇気の修行でもしてェのか!! なら行くぞォ!!!」

 

「話も勝手に自己完結して……!! 今日という今日は気絶させてやるからね!!」

 

「こ、今度はぬえとカイドウが暴れ始めた……ママよりは全然マシだけど……」

 

 ──結局、些細なことで喧嘩して、私とカイドウはほんのちょっとばかし船内を壊したが、今日はリンリンのせいで色々と遅れや被害が生じたらしく、私達が多少船内を壊したことは特には触れられなかったし、咎められることもなかった。

 




そんな訳で後のビッグマム海賊団でした。子供達の前だと暴君になるぬえちゃん。でも仲良しです(多分)。色々と因縁が出来そうです。
次回はまた誰かが出るかな? またちょっと時が進むかもしれません。

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