正体不明の妖怪(になった男)、情緒不安定な百獣の腹心になる   作:黒岩

11 / 173
お気に入り5000を突破、そして総合週間ランキング1位。ありがとうございます。これで2冠。次は月間1位でも目指しつつ、頑張っていきたい所存です。
ということで本編をどうぞ


南の海では

 ──突然だが、悪魔の実の能力者は海に弱い。

 

 これは海賊ならば常識。“偉大なる航路(グランドライン)”で活動することが出来ないような弱小海賊でさえ、噂として、悪魔の実を食べると不思議な力を得る代わりに海に嫌われ、一生カナヅチになる──そういうデメリットは伝わっている。

 まあだからなんだという話だが、悪魔の実もその実を食べた能力者も見たことないような海賊、船乗りは悪魔の実を食べて得られる力の価値に気づいておらず、“泳げなくなる”という船乗りとして致命的だというデメリットの方を気にして、悪魔の実を食べるなんて変人だという考え方も、田舎の海賊なんかにはありがちな価値観だ。

 同時に、悪魔の実1つ求めて死んでいく船乗りがごまんといるように、その価値を求める者も多く存在する。

 まあその大半は悪魔の実の能力を求めるのではなくその価値……売れば1億ベリーは下らないため、そっちを求めている者ばかりではあるのだが。個人的な考えではあるが、売るのなんて勿体ない。自分で食った時の価値はそれ以上に決まってる。だからそれだけの大金で取引されるのだと気づくべきだ。

 まあやはり、デメリットの方を気にしてしまうのだろうと思うが、食べた身として言わせてもらうのなら、それほどでもないのだ。

 海や川。湖。プールやお風呂など、水溜りは基本的に駄目で、そこに入ると力が抜けてしまう。それは事実だ。

 だが、雨やシャワーなら全然問題ないし、そもそも身体の一部が浸かる程度なら能力が行使出来なくなるほどでもない。それに力は抜けるし、沈むが、お風呂くらいなら……まあ、入れる。出るのに多少力を使うというだけだ。

 だから能力者だからといって、海で遊ばない筈がない。そう……特に、こんな常夏の島であれば。

 

「ん~~~……! ビーチが貸し切りなんて、サイコー♡」

 

 広がる砂浜。青い海。眩しい太陽。

 私は手に串焼きとトロピカルなお酒を手に真夏の海を堪能していた。

 いやほんと、良い。皆好き勝手やってるおかげで雑用もそこまでは回ってこないし、ホント休暇って感じだ。響く声は若干物騒だし、景色には多少難があるけど。

 

「う……グ……」

 

「ハァ……うぶッ、ハァ……に、逃げねェと……殺されちまう……! ぎゃあっ!?」

 

「ぎゃははは! おいおい! お前らが挑んできた戦争だろ!? 命が惜しいからって逃げてんじゃねェよ!!」

 

「これじゃあ奪うもんは何も残ってねェな!! とんだ大損だぜ!! ぎゃはははは!!」

 

「雑魚海賊が傘下入りを拒むからだ! うちの船長は逆らう奴には容赦がねェからよォ!! まったく、バカな奴らだぜ!!」

 

 聞こえる血気盛んな声は現在、この“南の海(サウスブルー)”の島を占拠しているロックス海賊団の仲間達のもの。

 そしてビーチに転がる死体や辛うじて息がある瀕死の男達はこの島を根城にしていた海賊達だ。愚かにも、傘下入りを拒むどころか真っ先に襲いかかってきた馬鹿な海賊達。彼ら程度に倒される海賊はロックス海賊団には誰一人として存在しないというのに。

 おかげで白い砂浜はところどころ彼らの血で赤くなってしまっているし、海にも死体が浮いてしまっている。これさえなければ完璧なリゾート地って感じなんだけどね。彼らのせいで景観は台無しである。

 

「つまらねェ奴らだ……!! それでも海賊か!? ふざけやがってェ!! ……おい、ぬえ!! お前は何人殺した!?」

 

「ん~? あー、何人殺ったっけ。確か……20……くらい?」

 

「ウォロロロ……それならおれの勝ちだな!!」

 

「何人殺したの?」

 

「ウィ~……ヒック……そんなもん、一々数えちゃいねェ!!

 

「じゃあ勝ってるか分からないじゃない……いやまあ確かにカイドウの方が多く殺してるだろうけどさ」

 

 まったく……南の島でもカイドウはカイドウだった。

 今もせっかく一戦終わった後の宴会だって言うのに、生き残った人間を金棒で始末していってる。なんか妙に怒ってるのはいつものだ。酒を飲んで、相手が弱すぎたから怒ってるのだろう。今は怒り上戸だ。

 

「せっかくこんな良い場所で飲んでるんだからカイドウも楽しもうよ。ほら、楽しく飲まないと勿体ないじゃない」

 

「ウ~~~…………フヒヒヒヒ! それもそうだな!! ああ、良い気分になってきたぜ!! ウィ~……さすがぬえだ! 飲む時は楽しくなくちゃならねェ!!」

 

 あ、笑い上戸になった。まあでもこれでいいか。楽しいし。

 

「それにしてもぬえェ~~~おめェはなんで服を脱いでやがんだ……? とうとう頭がイッちまったか? ヒック」

 

「人聞きの悪いこと言うなぁ!! 水着!! 水着着てるだけでしょ!!」

 

 まるで私が全裸になってるみたいな風に言うので全力でツッコむ。確かに今、私は普段の服を脱いではいるが、代わりに着ているのはフリル付き黒いビキニ。私に似合うとっても可愛らしい水着を着ているのだ。なんでかって? そりゃこの方が気分が盛り上がるからに決まってる。だから態々町の方から盗って着替えてきたのだ。

 

「水着……? ヒック。そんなもん、一々着る必要ねェだろう。どのみち水になんて入れねェ」

 

「膝くらいまでなら浸かって遊べるんだから意味あるわよ。それに、私みたいな可愛い子が海で水着になるのは、ちょっとしたサービス精神も兼ねてる訳で、男だらけの海賊団の中では一種の清涼剤なの。可愛い女の子の私としては義務みたいなもので──」

 

「ウォロロロ!! この酒美味ェな!!」

 

「聞きなさいよ!!!」

 

 まったく……やっぱカイドウにはそういう娯楽というか遊び心が分からないのか。水着はこういうビーチとかプールじゃないと着れないっていうのに。しかも今は敵も全滅したし、しばらくは海軍の追手も来る気配はないので、こうやって海で遊ぶことが出来る。こんな機会は滅多にないのになぁ。

 

「ウォロロロロロ!! 気分が乗ってきたぜ!! おいぬえ!! 戦おうぜ!!」

 

「なんでそうなるのよ……さっきそこに寝転がってる人達と戦ったばっかじゃない」

 

「だってよォ……ウ……うおおお~~~ん!!

 

 うわっ、今度は泣き上戸だ。めんどいなぁ。急にどうしたのか。

 

「ああ、はいはい。聞いてあげるから。で、どうしたの?」

 

「仕方ねぇだろ……!! おれァもっと戦わなくちゃいけねェんだ……!! 未だに覇気も使えねェし、弱ェんだよ、おれは……!!」

 

「あー……それかぁ……でもしょうがないじゃない。そんな、数ヶ月で使えるようになったら誰も苦労しないでしょ?」

 

 涙をボロボロ流し始めたカイドウを見て私はなんとも言えない顔になる。確かに、なんだかんだで実戦染みた覇気の自主的な修行を始めて結構経つが、未だに覇気が使えない。才能無いんだろうか。しかし私はともかく、カイドウまで未だに使えないっていうのは……うーん……やり方がマズいんだろうか。実戦もかなり経験してるのに……。

 

「ぬえも相変わらずクソ弱ェままだしよ……! いつになったら覇気使えるんだお前……?」

 

「うっさい馬鹿カイドウ!! あんただって覇気使えないし、まだまだ弱いでしょうが!!」

 

「ウオオオオオオ……!! そうだ……おれは弱ェ……!! 弱すぎて泣けてくるぜ……!!」

 

 あ……しまった。もっと泣かせてしまった。どうしよう……無視して飲み食いしてもいいけどなぁ。確かにちょっと思うところもあるのよね、と私はロックス海賊団に入ってからの半年を振り返る。

 “偉大なる航路(グランドライン)”の後半、“新世界”とそこから“凪の帯(カームベルト)”を挟んだ先にある海、“北の海(ノースブルー)”と“西の海(ウエストブルー)”を行き来する航海を始めてから3ヶ月。ロックス船長が、そろそろ拠点を“偉大なる航路”の前半とその両脇、“南の海(サウスブルー)”と“東の海(イーストブルー)”に変えることを船員に告げ、それから直ぐに私達は“南の海”にやってきた。

 一度“新世界”から北の海に渡り、“リヴァース・マウンテン”という偉大なる航路の入り口にある山から偉大なる航路に入り、そこから再び凪の帯を越えて南の海入り。途中、他の海賊を傘下に加えたり、出くわした海軍の軍艦を沈めながら、これまで通り、幾つかの海軍基地と世界政府加盟国を襲撃した。どこに行こうとやることは変わらないのだ。海戦、襲撃、略奪、殺戮……海賊として実戦の経験値はそこそこ溜めてきていると思う。

 しかしこれが中々……目に見えて強くなってる感じがしない。

 まあカイドウなんかは耐久力は最初の頃に比べて明らかに変わってる気もするし、多少力も強まってるとは思う。私も、最初よりはマシだと思う。多分だけど。船長から貰った三叉槍も多少は慣れてきたし。

 後、能力についても海賊になる前よりは確実に上達している。海賊になる前は正体不明の種とダーククラウド以外は使えなかったが、今はレッドUFOは出せるし、最近だと蛇も出せる。おかげで戦歴というか、戦いは結構良くなってきた。特に、ここ3ヶ月は特にだ。

 というのも、今までは最強の海とも言われる新世界や、4つの海の中では比較的レベルの高い西の海や北の海、ここ最近は偉大なる航路前半と南の海、そして4つの海の中でも最弱と言われる東の海で海賊や海軍、国の軍隊と戦ってきたが……やっぱり、新世界と比べるとどこも弱い。

 前半とはいえ偉大なる航路だと中々やっぱキツいけど、4つの海では割と戦えるし、特に東の海は……うん。また今度行った時にでも言いたいが、ぶっちゃけ弱すぎる。最初はびっくりした。え、私ってこんなに強かったっけ? ってなった。そん時に自分がちょっと成長したんじゃないかと勘違いしたけど、相手が弱かっただけなことには直ぐに気がついた。

 という経緯もあって、カイドウが弱くて泣けてくるっていうのは……まぁ、泣くほどではないが、気持ちは分からなくもないのよね。私ももう海賊歴半年。見習いだし、まだまだルーキーって感じだけど、もっと強くなりたい気持ちは同じだ。

 

「クソッタレ……こうなったら……ぬえェ!! 誰か適当な奴を殺しに行くぞ!!」

 

「……一応聞くけど、誰を殺しに行くの?」

 

「白ひげかリンリンだ!! どっちがいい!! どっちかを選べ、ぬえ!!」

 

「どっちも“死”が見えるなぁ……うーん、それじゃあ私は白ひげの首を取ってくるから、カイドウはリンリンで。約束よー……──なーんて、冗談みたいなことは──」

 

「わかった!! ならおれは先に行ってるぞ!! ウオオオオオオ!!」

 

「って……言ったんだけど……な……?」

 

 私の言葉の途中で勢い良く頷いたカイドウは、そのまま龍に変形して島の何処かへ飛んでいってしまった。それを見て、私はお酒を一口飲んで落ち着いた後に、

 

「……まあ……殺されはしないだろうし……カイドウなら多分死なないでしょ……」

 

 と、自分をそう納得させる。うん、大丈夫。これもカイドウが死線を越えて覇気を覚えるための作戦。敵なんかより身内が1番強くて怖いからね。身内と戦ったほうが成長を見込める。

 

「ん……でもそう考えると……私もそうやった方がいい気がするような……?」

 

 いやまあ私の場合、普通に殺されそうだからカイドウみたいに誰彼構わず喧嘩を売るってのは難しいけど、白ひげとかなら殺しはしないだろうし、意外と良いんじゃないだろうか。……でも怖いは怖いというか、ちょっと覚悟がいるなぁ……私もお酒の力を借りてから行こっかな……。

 カイドウに行かせた手前、自分がここでのんびりしてるのもアレだし、私は近くにあったお酒を一気に飲み干すと、そのまま白ひげを探しに行こうと空に浮かんだ。

 

 ──それから10分後。白ひげはすぐに見つかった。

 

「あ……白ひげみ~っけ!」

 

 いたいた。仲間達から少し離れた場所で酒を傾けている。こっちもお酒が入ってるからビビらない。よし、行こう。

 ということで私は槍を構えた。そして空中から背後にこっそりと移動し、白ひげに狙いを定めると、

 

「──白ひげ、討ち取ったり~!!」

 

「……何やってんだアホンダラァ!!

 

「へぷっ!?」

 

 背後から隙を狙って突っ込んでみたが、白ひげに殴られて地面へはたき落とされる。いった~~~!! 前よりも強く殴られた……!! 

 

「うっ……頭がクラクラする……何するのよ!!」

 

「それはこっちのセリフだ!! 仲間に闇討ちするバカが何処にいやがる!!」

 

「えっ……いっぱいいるけど……?」

 

「……ぐっ……」

 

 白ひげの怒りを滲ませたツッコミに純粋な疑問で返す。すると白ひげは一度歯噛みし、しかしそれを飲み込む様子を見せると、

 

「……で? 今度は何企んでやがる。酒なら今は幾らでもあるだろ。おれから盗まなくても好きなだけ飲めばいい」

 

「いや、それがね? カイドウと一緒にリンリンと白ひげの首を取るって約束をついしちゃったから、カイドウがリンリン、私が白ひげに挑むって流れに、つい……」

 

「どんな約束してやがんだ……おれァともかく、リンリンの奴が殺さねェ保証はねェぞ?」

 

「……ま、そうだけどカイドウなら大丈夫よ! 今までも殺されてないし死んでないしね!」

 

「そ、そうか……まァ、おめェがそれでいいんならいいけどよ……」

 

 そう言って白ひげは酒をボトルごと呷るように飲む。ふっ、隙を見せたわね。

 

「……隙あり!!」

 

「──ねェよ!!」

 

「あうっ!?」

 

 再び下から槍を突き立てようとしてみた。でもその瞬間、額に凄まじい衝撃。いっっっ……デコピンされたぁ……!! しかもこの衝撃、絶対覇気込めてる感じが……!! 

 

「ったく……手癖の悪い……そもそもおめェ、遊んでる途中じゃねェのか? そんな格好までしてよ」

 

「えっ? ……いやーん♡ 水着に視線を集めちゃうなんて、私って罪な女~♡」

 

「──ふっ、色気の欠片もねェな」

 

「今鼻で笑った!!?」

 

「グララララ……色仕掛けなんて100年早ェぞマセガキ」

 

「100年経ったらババアじゃん……え? 何? ひょっとして若い子よりババアが好きなの? うわ……」

 

「そういう意味じゃねェんだよアホンダラァ!!」

 

 ──よし、これで私の勝ち。色仕掛けでからかうことは失敗したが、言葉でからかうことは成功した。ふふん。私にかかればこんなものね。

 

「今ので私の勝ちだから私にお酒を一本を贈呈し、おまけで覇気を教えないと駄目なのよ」

 

「なんだその自分勝手過ぎるルールは……というか覇気の方がおまけか……」

 

「勝ったから奪っていくものは自分で決めるのよ。海賊だからね」

 

「なんと言われようと教えねェぞ。習得したきゃ自力でやれ」

 

「ぶ~、ケチ!!」

 

 チッ、駄目かぁ……ノリで教えて貰えるかと期待してたんだけどなぁ。この調子だと襲いかかっても軽くあしらわれるだけで終わりそうだし、今日はこの辺りで引くしかないか。

 私は近くに転がるお酒から一本を空けて酒を飲む。美味しい。こうなったらやけ酒ね。

 

「はー、今日もお酒が美味し~!」

 

「……おめェは嫌じゃねェのか?」

 

「え、何が?」

 

「……毎日同じ船に乗る仲間が殺したり殺されたり……怖くねェのか?」

 

 んー? 急に何を聞いてくるかと思えば……まあ、まったく怖くないかと言えば嘘になるけどさー。私は思ってることを素直に答える。

 

「んー……正直慣れてるけど……でも毎日の死体処理は嫌かなぁ……面倒だし……でもそれ以外は仲良い人さえ死ななければそれでいいけど」

 

「……その歳で毎日人死に見せられるのも鬱陶しいんじゃねェのか?」

 

「──別に。だって人死になんて有り触れてるじゃん。殺されかけることなんて昔っからよくあるし、殺さなきゃ生きられないってのも海賊になってから分かったし。後は……元々死にたかったってのもあるしさ」

 

「! ……そりゃどういう意味だ?」

 

 私のその言葉を聞いて白ひげの顔が強張る。あらら、そんなにショックかな。私みたいな子供がそういうこと言うのって。でも事実だからしょうがないのよね、と私はあっけからんと言う。

 

「生きるのが苦しくてしょうがなかったから死にたかったってだけ。でも今は割と楽しいから死にたくはない。むしろやりがいがあるというか、一応目標も出来たし……だから強くなりたいんだけど、中々上手くいかないものよね」

 

「…………そうか」

 

 白ひげが短く頷き、酒を傾ける。何を考えているのだろう。同情でもしてるのかな。何でもいいけどね。私って確かに、一見すると可哀想だし。実際に昔とか酷かったしね。昔の話とかするとすっごい顔曇らせそうだなぁ……それとも、今は隠してるあのマークでも見せてみようかな。能力を解除すればすぐだし。カイドウにはもう見せたことあるし、不特定多数に見せるならともかく、ある程度信用してる個人に見せる分には構わない。うん、そうしてみよう。そうと決まれば──

 

「──ジハハハハ……なら()()()()()()()()()()?」

 

「えっ?」

 

「! てめェ……金獅子。何しにきやがった」

 

 だが私が白ひげに背中を見せようかと思ったその時──聞き覚えのある声に振り向くと……遠く、仲間達の輪の中から金色の髪をした変な形な眉毛が特徴的な、野心に満ちた若い男──“金獅子”のシキがそこにいた。

 シキの突然の登場に白ひげが若干剣呑に用件を尋ねるが、シキは肩を竦めてみせる。

 

「おいおい、おれ達は仲間だろ? 仲間が仲間の場所に来て何か悪ィことでもあんのか? ジハハハハ」

 

「……うるせェ。おれァ今1人になりてェんだ。あっち行け」

 

「ジハハ、嘘つくなよ白ひげ。その割には見習いと一緒に楽しそうだったじゃねェか。ええ? おれも交ぜてくれよ……なあ、()()。お前もいいだろ?」

 

「え……? あ、うん……いいけど……」

 

 いきなり私に向かって話しかけてきたので驚く。いやほんと、驚いた。シキが私に、しかも名前を呼んで話しかけてくるなんて初めてのことだったから。結構びっくりしたし、咄嗟に首を縦に振ってしまった。……教えてやるって何だろう。

 私が困惑している間にも嫌そうな白ひげに構わず、金獅子は口端を吊り上げて言う。

 

「ジハハ、決まりだな。それじゃあ飲もうぜ。飲んでロックス海賊団の勝利を一緒に祝おうじゃねェか」

 

「……ふん」

 

「……え~っと……」

 

 どうしよう。反応に困る。いや、せめて白ひげが何か言ってくれたらいいんだけど、何も言わないから私も困る。シキと話すのはほぼ初めてなのでなんて言っていいか分からないし。どうしよっかな……? まあ私の愛嬌で何とかするしかない? ふふん、実は私はこう見えて甘え上手。他の船員からも敵意を向けられないように立ち回ることの出来るコミュニケーション能力の高い女だ。だから大丈夫。意外と普段の私で行けばいい。可愛くて茶目っ気のある私を、男が好意的に捉えない筈がないのだ。さすが私。ということで、

 

「……2人共今日の戦いでも大活躍だったよね! まあ相手が弱いのもあったけど、とにかく勝てて──」

 

「──それで、ぬえ。お前強くなるために覇気を習得してェんだって? ならおれが教えてやるよ」

 

「……えっ?」

 

「──シキ! てめェ、何考えてやがる!!」

 

 突然──いや、最初の言葉の続きを口にし、私は再びぽかんと口を開けて驚いてしまう。

 そして白ひげがその提案に対し、声を荒らげた。するとシキは静かに笑みを深め、私を見ると、

 

「なァに怒ってんだ白ひげェ……別にいいじゃねェか! おれは仲間の為に一肌脱いでやろうと思っただけだぜ!? 見どころある後輩を助けてやろうかってなァ。ジハハハハ……」

 

「っ……」

 

「見どころ……ある?」

 

「おお。勿論だ。おれはこの半年、ロックス海賊団の船員、全員をそれとなく観察してきたが……お前とカイドウは悪くねェ。見習いとしちゃ充分過ぎるくらいだ。そりゃお前らより強ェ奴は幾らでも他にいるが……伸びしろならカイドウとお前だ。お頭が気に入るのも分かるぜ。──なァ白ひげ。()()()()()()()()()()?」

 

「…………」

 

 え? 何? シキ…………今までずっと眉毛が変なおじさんだと思ってたけど結構良い人じゃん! ごめんね! ずっと心の中で眉毛が変なフワフワ浮いてる人って思ってて! だってあなた、ある意味ロックス船長よりも何考えてるか分からなかったんだもん。

 というか白ひげも、その無言は何なんだろう。私、本当に才能ある感じ? ……いやまあ、真面目な事言うと、才能がまったく無いとまでは自分でもだんだん思わなくなってきたが、かといって自信満々になれるほどではない。カイドウみたいに、何でも出来るって言うほどでもないのだ。

 だがシキは続けて言う。もっと具体的に、

 

「カイドウはガキにしては耐久力もパワーもある。こいつもカイドウ程じゃないにしろ、同じことが言えるな。さすがは動物系の能力者だ。それにぬえ、お前は何より能力が希少で、それを扱える頭があるし、よく見りゃ目も良い。どっちもこれから鍛えれば伸びる……ってことで、お頭はどうもお前ら2人に経験を積ませようとしてるみてェだ。あくまで、おれの想像だが……あのお頭のことだ。計画が長期に渡ることも考えて、お前ら2人を、5年後、10年後に使えるように仕立てあげようとしてんだと思うぜ?」

 

「……そうなの?」

 

 確かに、ちょっとは目をかけられているような気がしてたけど……そこまで期待されてたんだろうか? 

 

「おうよ! それで、せっかくだ。おれも一船員として協力してやろうと思ったのさ! おれが、お前ら2人に──」

 

「──何か企んでやがるな? 金獅子?」

 

「!」

 

 お? 今度は白ひげがシキの言葉を遮って鋭い目を向けた。するとシキは笑みを携えたまま無言となり、白ひげをじっと見続ける。白ひげも視線を外さない。どこか威圧感のある白ひげの態度から……やがて、シキは観念したのか、肩を竦めると、

 

「ジハハハハ……! まったく、お前にゃ敵わねぇな! 白ひげ! 確かにお前の言う通り、“色々”考えてるぜ?」

 

「……お前のことはよく知ってる。そのやり方もな」

 

 白ひげがそう意味深なことを言う。シキのやりかた? あっ、でも確かにちょっと──

 

「んー……長い年月を掛けて下剋上を狙ってるとか?」

 

「!」

 

「! へェ……おれのこと、よく分かってんじゃねェか、ぬえ……ジハハハハ、なるほどな。やっぱり頭はよく回るみてェだな」

 

 一瞬意外そうな感心したような顔つきになるシキ。あ、当たってた? って、別にそこまで凄いことでもない気がする。分かってるし、そもそもシキって前々から何処か変な感じで船長とか他の船員のこと見てたし……さっきも、船員達を観察してるって言ってたしね。ここまで言われれば何となく想像はつく。シキは私と、白ひげも見てこう続けた。明らかに悪だくみをしている様子で、

 

「早ェ話がだ、白ひげにぬえ……! …………おめェら、()()()()()()()()?」

 

「え、組む……?」

 

「……やっぱり、そういうこと考えてやがったか……」

 

 その言葉に白ひげは呆れながらの納得の表情を浮かべるが、私は素直に戸惑ってしまう。え、私なんかと組むの? 白ひげはともかく、まだ見習いなのに……ハッ、まさか……。

 

「身体目当て……」

 

「──それはねェな」

 

「──んな訳あるか」

 

「え!? 違うの!? というか失礼よ!!」

 

 白ひげとシキが冷静に言葉を揃えてきたため、私は憤慨する。くそ……こいつら、私の可愛さを分かっていないと見える。可哀想な奴らめ……いずれ分からせてやるからな……! と、私は人知れず、静かに決意を新たにする。

 だがそんな決意も知らず、シキは気を取り直して告げた。ニヤリと笑みを浮かべ、

 

「おめェの言いたいことはわかるぜ白ひげ。その程度じゃ、お頭には勝てねェって言うんだろ? ジハハ……まァ、確かにそうさ」

 

 って、シキ……まさかとは思ったけど、本当にロックス船長相手に下剋上狙ってたの? ……正直無理ゲーだと思うんだけど……難易度何よ。ルナティック? いや、その程度じゃすまない。もはや“ヘル”だ。そんなのないけど。クリア出来るように作られてないレベルに感じられる。ロックス船長の強さはそれほどだと思う。実際、シキもあっさりとそれを認めていた……が、その後に更に説明して続けた。

 

「お頭は確かにヤベェ。あの強さは出鱈目だ。付け入る隙も全くねェ上に頭も回る。おれァ、隙でもあれば寝首でもかいてやろうと思ってたんだが、そんな隙は微塵もねェな。それに……おれの野心にも気がついてる節がある。その上で、やるならいつでも来いって待ち構えられてる。ありゃマジで化け物だ。おれはあの人が本物の悪魔だって言っても信じるぜ。同じ海賊や……いや、海軍大将だろうが元帥だろうが、あの人に勝てるとは思えねェな。世界の“支配”って野望も、あの人なら達成しちまう可能性は高いだろうと思ってる」

 

「……そこまで分かってるなら諦めたらどうだ?」

 

 うん、白ひげの言う通り。ほんとそれね。実際、船長が怪我を負ったり、赤い血を流してるところを全く見たことがないので、異名通り、本物の悪魔って言われても私も信じる。嘘だと思うかもしれないが、あの人。銃弾とか大砲の弾も素手で受けるんだもんね。しかも全くの無傷で。闇討ちとか出来る気が全くしない。

 白ひげも私と同じことを思ったのか、そうでないのかは知らないが、諦めたら? と簡潔に言う。

 しかしシキは笑みを絶やさなかった。むしろ、より一層悪い顔になって言う。

 

「ジハハ……確かにそうだ。今は勝てねェ。──だが、10年後……いや、20年後や30年後ならどうだ? 入念な計画を用意し、おれやお前らが組めばどうだ?」

 

「……本気でそんな気の遠くなるようなことを考えてんのか?」

 

「当然さ。ジハハハハ……! あの人が5年、10年で計画を考えるなら、おれはそれを上回り、用意周到に何十年と計画を立てちまえばいい! おれ達はまだまだ強くなるが、あの人は既に頂点! そして……これは本望じゃねェが、先に老いさらばえれば勝利は容易だろ? ジハハハハ……どんな怪物でも悪魔でも“老い”には勝てねェってこったな」

 

 理想はあくまでも、成長し、全盛期となった自分達が奴を上回ることだと言うシキ。だが勝てるなら“老い”すらも使うという非情さも持ち合わせている。

 そこまで告げた上で、シキは白ひげと私にその話をもう一度持ち掛けた。

 

「おれと組もうぜ白ひげ! それで、ぬえ! お前とカイドウをおれの腹心にしてやる! お前らの力とおれの完璧な計画さえあればあの人を倒し、世界を支配出来る! どんなことだって思いのままだ!!」

 

「…………」

 

 白ひげがその勧誘に、何を考えているのか無言となる中、私もそのことを頭で考えていた。

 確かに、それはそれで面白そうではあるし、乗れば覇気も教えてくれそうだ。強くなる目的には近づける。

 ──だけど、私はそれを迷うことなく一蹴する。

 

「えっと……それじゃ断るね」

 

「……!! おいおい、おれがここまで言ってるのに断るのか? おれは約束は守る。強くなれるぜ? おれについてくれば存分に良い思いだってさせてやる。見習いなんざすぐに卒業だ」

 

 シキがそこでようやく、驚いた顔と、笑みを消して追加のセールストークを行ってくる。

 だがやはり、それに乗る訳にはいかない。なぜなら、

 

「……うーん。それに頷いちゃうと、私もカイドウも部下になっちゃうし……いや、私は部下でもいいんだけど、独立するなら、カイドウは自分で海賊団持ちたいみたいだしね」

 

「…………そうか。ジハハ……確かに、あの性格ならそうだろうな。なら、お前だけでも構わねェぜ!?」

 

 カイドウのあの無茶苦茶な気質を思い出して納得するシキ。そして直ぐに私だけの勧誘に切り替えるが、しかし私は首を横に振り、

 

「無理。だって私、独立する時はカイドウの船に乗るって決めてるから。カイドウが船長で私が副船長。盃も交わしちゃったし、今更他の相手に鞍替えするとか、()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「っ……! それは──」

 

「フッ……グララララ……! ()()()()()()()、金獅子」

 

「チッ、うるせェよ白ひげ!! おめェこそどうなんだ! おれと組まねェのか!?」

 

「ああ。生憎だが、おれはそんなのに興味はねェんだよ。()()()()()()()()()()()()()()()。だから相容れることはねェ。同じ船に乗ってたとしてもな」

 

「くっ……ああ、そうかよ! 聞いたおれが馬鹿だったぜ!」

 

 あっ、ちょっと苛ついてる。面白い。あんまりこういうシキは見れないからね。貴重だから目に焼き付けとこう。じーっ。

 

「おめェ、何じーっと見てんだよ!!」

 

「ひゃあっ!? い、いやー、なんとなく……」

 

「チッ……まあいいさ……だが海賊としてと言うなら憶えとけよ。おれはいずれ、海賊としてこの海を統べる男だ。その邪魔になる奴には容赦はしねェ。おれの子分にならねェ奴は死ぬしかねェってことを、よく肝に銘じとくんだな」

 

「──あっ、この酒甘くて美味しい!」

 

「バカヤロウ、こんな甘い酒が飲めるか。こんなもんジュースだ」

 

「どれどれ……おっ、こいつは確かに甘めだが美味ェな──じゃねェ!! 聞けよおめェら!!!

 

 あっ、つい口寂しかったので飲んだお酒の感想を言ってしまった。シキにノリツッコミで怒られる。──あれ? 意外と親しみやすい? もっととっつきにくい人だと思っていたけど、もしかしたら意外とノリは良いのかもしれない。

 それに一応は聞いていた。そしてそれは白ひげも同様で、

 

「グララララ、よく言うぜ。一船員の癖しやがってよ」

 

「そう言うてめェもな、白ひげ。ったくよォ……どいつもこいつも……」

 

 と、シキはブツブツ何か文句を言いながら背を向けて去っていこうとする。──が、私はその後ろ姿に純粋な軽い質問をぶつけた。ちょっとした茶目っ気で、

 

「強い部下が欲しいならリンリンには聞かないの?」

 

「あんなお菓子欲しさに見境なく暴れる女なんざ、部下にしたところでこっちが苦労するだろうが……いらねェよ」

 

「ああ……やっぱ皆そういう風に思ってるんだね……」

 

 良かった。シキでもそう思うんだ。いや良くないけど。現在進行系でそのリンリンにうちのカイドウが特攻を仕掛けてる訳で……まあ私のせいなんだけどね! 

 

「行ったな……」

 

「結局、部下というか手駒を増やしたくて話しかけてきたってことかぁ……あーあ、せっかく覇気も教えて貰えると思ったのに……残念」

 

 そのまま足を止めることなく去っていったシキを見て、私は両手を頭の後ろに回して軽く不貞腐れる。

 そうしていると、白ひげが私をじっと見て、ややあって何を思ったのか、

 

「…………ったく、しょうがねェな……基本くらいなら教えてやる」

 

「えっ? ……えっ!? 本当に!? わーい! ありがとう!! お礼は何がいい? ほっぺにちゅーでいい?」

 

「──ただし、半年後だ」

 

「……ん? どういうこと?」

 

 急に今まで散々教えてと強請っても素っ気なく断ってきた白ひげが、何の気の迷いか、急に教えてくれるというので、私は喜ぶ。だが、私の冗談をスルーし、直ぐに半年後と言われ、今度は首を傾げた。

 すると白ひげは真面目な表情で、

 

「後半年、生き延びられたら覇気を教えてやる。今のお前じゃ修行に耐えられるか分からねェからな」

 

「えー! 耐えられるよ! 私、これでも結構頑丈だし! カイドウとよく殴り合いしてるんだよ? 私の方は結構躱すけどね!」

 

「そんなことは知らねェ。とにかく、後半年だ。それまで精々生き延びてみるんだな」

 

「むー……けちんぼ」

 

「ケチで結構だ」

 

 くっ……駄目だ。融通がきかない……私はほっぺを膨らませて分かりやすく不満を表すが、白ひげはそれで話は終わりだと言わんばかりに再び酒を飲み始めた。

 

「ふん! 後半年くらい余裕だもんね! 今のうちに特訓メニューでも考えてて!」

 

「そん時が来たらな」

 

「むっ、じゃあね! 私、カイドウの様子見てくるから!!」

 

 と、取り付く島もない白ひげから、飛んでカイドウを探しに行くことにする。……だがこれで、後半年もすれば覇気を教えてもらえることが確定した。ふふん、気合いが入る。それまでは今まで通り頑張ることにしよう、と、私は程なくして砂浜で倒れているカイドウを運んで介抱してやるのだった。

 

 

 

 

 

 ──“南の海”のとある島。その砂浜で、彼は珍しい能力を持つ見習いの少女を見送った。

 

「……ったく。あんな小娘がどうしてあんなに生き急ぐ……しかもカイドウみてェな馬鹿と兄妹分で……」

 

 酒を呷るように飲み、ぼやいてみせる。ロックス海賊団の幹部。“白ひげ”、エドワード・ニューゲートは何とも言えない複雑な感情を少女に抱いていた。

 

「……いや、イカれてんのは小娘も一緒か……ままならねェもんだな」

 

 彼は少女の境遇や育ってきた環境。今のこの状況や、海賊として……いや、人として歪んでいる少女に同情してしまっていた。

 生まれ育ってきた環境が酷ければ酷いほど、子供なんてものは簡単に普通の価値観から外れるし、慣れて、歪んでしまう。彼は、そのことをよく分かっている。少女が他の海賊団の面々と同じ様に慣れてしまっているのも、もはや変わらない。どうしようもないことなのだと分かっているが……しかし、普段は年頃の少女らしい一面を見せる彼女に、思わず普通に接してしまう自分もいた。

 

「……本当にこのままでいいのか、おれは……」

 

 それは少女のことではない。少女はもう手遅れのようなもの。一度海賊になってしまったのだから、後は自分の責任だし、自分が何を言ってもその生き方や思想を変えることはない。

 だがこれから──そう、これから不幸になる人間を、多少でも救ってやりたいと思うのが“人情”って奴だし、どれだけの悪ガキでも大人として普通に接してやるのが人ってものだ。

 別に船長の様に世界をどうこうしたいという野望はないが、出来ることをしない程薄情ではない。だから白ひげは不幸を減らすためにこの船に乗った。仲間の非道さを受け入れてでも、やるべきことがあると感じたのだ。

 しかし勿論、根底には海賊らしく、自分の欲しい物を探すために、模索する為に乗ったのだが、

 

「“家族”ってェのは……どういう在り方が正しいんだろうな」

 

 未だ、自分の作るその形が見えていない。

 だが確かに分かるのは、この一味の様な形ではないということ。同僚が作る実の家族の様なものではないということ。

 そして……たとえ、世間では嫌われ者な、居場所がないようなはみ出し者でも、仲間であるのならどんなバカでも想ってやるのが、彼の海賊としての道理だった。

 だからだろう。少女が救いようのないバカ兄の為に、自ら道を踏み外すことを選んだ時に……それを理由に誘いを断った姿を見た時に、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「後で後悔しねェか……? おれはよ……まったく……」

 

 馬鹿なことをしたと後に後悔するかもしれない。ありゃどう考えても将来は悪名高い無法者だしな。

 だがやはり自分の信念として、()()()()()()()()()()を無下に扱うことは出来なかった。

 その葛藤を自覚し頭を抱えながらも、白ひげは仲間だからと自分を納得させつつ、それを示すかの様に酒をいつも以上に消費していった。

 

 

 

 

 

 ――その頃。“東の海(イーストブルー)”の海上では、

 

「ガープ中将! 本当にここでよろしいのですか? やはり“偉大なる航路(グランドライン)”で捜索した方が……」

 

「ここでいいんだよ!! おれの勘だ! 奴らは次にこの東の海(イーストブルー)に来る!! 長年海賊を追い続けてきたおれの勘を信じろ!!」

 

「えぇ……長年たって精々10年くらいじゃ……」

 

「充分に長いからいいんだよ!! さぁ!! 来るなら来い!! ()()()()()()()!!」

 

 その最弱の海で、数多の軍艦と共に最強の海賊団を待ち受ける……命知らずの海兵が、そこにはいた。




というわけで色々ありました。次回はやっと敵となりえる敵が出ますね。
カイドウとぬえちゃんも徐々に成長していってますし、ぬえちゃんも色んな人と交流してます。なにげに今回、ロックス船長が出なかった。毎回出てたけど、今回は出ませんでした。多分、普通にビーチで死体を肴に楽しんでることでしょう()

感想、評価、良ければお待ちしてます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。