正体不明の妖怪(になった男)、情緒不安定な百獣の腹心になる   作:黒岩

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反攻開始

 ──“神の大地”、頂上。

 

 地獄のような戦火に喘ぐその黄金の大地の頂上。

 そこに君臨するのはこの戦場を支配している百獣海賊団の大看板──“戦災のジョーカー”。

 その実力は広く知られ、そして恐れられている。特に2年前の頂上戦争以後は、ジョーカーもまた表舞台に姿を現す頻度が増え、多くの戦場でその強さを知らしめてきた。

 

「……! ジョーカー……!!?」

 

「攻撃が効いているのか……!!?」

 

「遂に武装色の覇気を纏ったか……麦わら屋……!!」

 

「さすがじゃ……ルフィ……♡」

 

 だがそのジョーカーが、地面に倒れた。

 “麦わらのルフィ”の攻撃によって。そのパンチを防ぐことが出来ない。

 ドフラミンゴやテゾーロは驚愕し、ローやハンコックもまたその攻撃の正体を看破してみせる。

 そして殴られたジョーカー自身もまた、己の身に起きたこと。ルフィが放った攻撃について即座に理解していた。

 

(……!! 確かに……武装色を纏った……!! しかも、この短期間で……!!)

 

 ジョーカーはゆっくりと立ち上がりながらも自らが感じた痛みの理由。麦わらのルフィが武装色の覇気を纏ってみせたことを脅威に思う。

 飛び六胞や大看板であれば武装色の覇気を纏う技術を習得している。この暴力の世界において力を高めることは何よりも重要で、その理を敷く百獣海賊団の大看板としてジョーカーもまたそれを習得することは当然のようにぬえに求められたものだった。

 だがそれを習得するのには相応な時間がかかるしかかった。断じて今の麦わらのルフィのように、短期間で習得出来たものではない。

 報告にあった麦わらのルフィの成長速度。そのことにジョーカーは脅威を覚える。

 

(無論、現時点じゃただ武装色の覇気を纏っただけ。それだけじゃカイドウさんやぬえさんは勿論のこと、大看板にだって届きうるとは限らない……!! だけどこの成長速度ならもしかすると……!!)

 

 ジョーカーは今じゃなくて“未来”を見る。昔からそうだ。ある意味において未来の技術の結晶とも言えるジョーカーにとって、諜報員でもあったステューシーにとって、先々を想像して備えるのは必要な資質。

 現時点で麦わらのルフィ及び麦わらの一味は百獣海賊団の脅威にはなりえないが、未来においてはわからない。

 10年後……いや、あるいは1年か、もっと短い期間で。“麦わらのルフィ”は百獣海賊団の邪魔な敵になるかもしれない。

 いや、もうなりつつあるのだ。ジョーカーはそれを理解した。そしてメアリーズの情報共有によってグラン・テゾーロで戦闘を始めたぬえをその共有した視界で見て。

 

(麦わらのルフィがここでどれだけ頑張ろうとも結局はぬえさんによって消されるだけ……だけど、それとは別に私が無様を見せるわけにはいかない……!!)

 

 百獣海賊団の大看板として、敵の対処を、それもたった1人のルーキーすら消せずにカイドウやぬえに任せるようなことはあってはならない。

 

「だけど……貴方は理解しているのかしら……? 麦わらのルフィ……!! ここでこれから私とどれだけ良い勝負をしたところで……!! 貴方とその仲間も……!! いいえ、この島にいる私たちの敵は全て消される!!! 

 

「!」

 

 そう、戦争というものを理解しているジョーカーはこの先の未来の予測も容易に終わっている。

 

「戦争で大事なのは総合的な戦力よ……!! ぬえさん1人でもこの戦争を全てひっくり返すには十分な戦力だけど……ぬえさん抜きでも勝利に必要な戦力を私は集めた!!」

 

 大看板に飛び六胞。無数の真打ちにギフターズ。傘下のドフラミンゴやテゾーロをも呼び寄せ、新政府軍も麦わらの一味もこの島に集まった敵対勢力は全て消すために準備を万全に行った。

 

「無情なまでの圧倒的戦力……!! 力の前に出来ることは頭を垂れるか、祈ることだけ……!! 全員死ぬわよ……!!」

 

「おれもおれの仲間も誰も死なねェよ!!」

 

「分かってないわね……!! 私たちが殺すと言っているのよ……!! 絶対的な強者の言葉は実現力が──」

 

「だからおれが死なせねェって言ってるだろ!!!」

 

「!」

 

 そうして圧倒的な戦力を根拠にした自信をルフィにぶつけるも、ルフィは即座に強い力のある言葉で切り返す。

 

「青キジがぬえを止めてくれてんなら、それ以外で1番強いのはお前だろ……!! ならお前を倒せば、後はおれの仲間や友達は絶対に生き残る!! だからおれはお前をここで絶対に倒す!!!」

 

 麦わらのルフィの啖呵。それを真正面から受け止め、ジョーカーは肌がビリっとするのを感じた。

 覇王色の覇気。この海において限られた者しか持たない王の素質。

 それすらもカイドウやぬえには敵わない。それでも、自分には持たないものであることは確かだ。

 無論、それに怯え怯むようなことはないが──

 

「……面白いことを言うわね……ぬえさんは大将が3人いたところで倒せるようなお方じゃない……私を倒したところで大将がぬえさんに負けたらその時点で終わりよ?」

 

「うるせェよ……!! その時は、おれがぬえを倒せば済む話だろ……!!!」

 

「! フ、フフ……!! 支配される救いもあるというのに……無謀もここまで来ると笑えてくるわね……!!」

 

 麦わらのルフィの大言壮語。ジョーカーの頭脳は彼の言葉を実現不可能な未来と断じた。

 しかし一方で評価を改める。この麦わらのルフィはただの馬鹿じゃない。大馬鹿者だ。自分の力と、仲間の力を信じ切っている。

 ゆえにジョーカーはまた別のマイナスではない想いを僅かに浮かばせたが──それとこれとは別の話だ。

 

「だけど貴方が想定以上に大物なのは理解したわ。そしてそれは同時に、私の判断に狂いがなかったことを意味する……!! 私自身が出した抹殺命令を、私自身の手で実行してやるわ……!! “麦わらのルフィ”……!!!」

 

 ジョーカーは自らの拳にも武装色の覇気を纏ってみせる。ここからは更に全開だ。吸血鬼の力と覇気の力。蓄えてきた戦闘技術の全てを使って麦わらのルフィを抹殺する。

 

「戦争を支配する“戦災”の力を思い知りなさい!!!」

 

「おれがお前を倒してこの戦争を終わらせてやる!!! 覚悟しろ!! ジョーカー!!!」

 

 そうして再び互いに拳を放ち、覇気を激突させる。

 覇王色のそれほどではないものの強大な覇気のぶつかり合いに“神の大地”が激震し、“麦わらのルフィ”と“戦災のジョーカー”の戦いの第2ラウンドが始まった。

 

 

 

 

 

 ──“グラン・テゾーロ”。

 

 戦争の主戦場である“神の大地”の土台である2つの島。そこもまた海賊帝国と新政府軍。その他の軍勢、民衆による戦いが激しく繰り広げられていた。

 だが一方のドレスローザとは違い、グラン・テゾーロの方は戦いの激しさの内情が、度合いが違っていた。島の境目である港や神の大地の一段目でそれを見る百獣海賊団や新政府軍の兵士はそれを嫌でも理解する。

 

「うおおっ!? 冷てェ!?」

 

「危ねェぞ近寄んな!」

 

「こっちの“神の大地”もかなりやべェが……向こうはまた桁違いだ……!!」

 

「こちらにまで戦いの余波が!!」

 

「クザン元帥……!!」

 

 その黄金の島は見る影もない。そのほぼ全域が凍りつき、吹雪が舞い、何百という瓦礫や建物が宙に浮き上がり、毒の巨人が暴れ回り、雷鳴が轟く──そんな地獄のような場所となっていた。

 そしてその大地で戦っているのはいずれも怪物ばかり。百獣海賊団大トリ“妖獣のぬえ”と対する新政府軍の元帥クザンにイッショウとマゼラン。2人の大将。

 常人では近寄ることすらできないその戦いにおいて──優勢なのは無情にもぬえだった。

 

「──あーあー……早くもそんなに息切らしちゃって……」

 

「ハァ……ハァ……」

 

「ゼェ……ゼェ……」

 

「くっ……!!」

 

 地獄の中心。宙に浮いたまま3人を見下ろすのは既に人獣型を解放しているぬえだった。大地はクザンの能力によって凍りつき、時折マゼランの能力でも毒が広がってくるため地に足をあまり付けることなく戦っている。

 それぞれが覚醒した能力者であるがゆえに、この場はぬえにとってのアウェーも同然の環境だったが……それでも最恐生物の強さは環境に左右されない。

 

「2年振りかな? あんた達散々逃げ回ってたもんね? 久し振りに会って戦って……結構成長はしてるし楽しいけど本当に大丈夫なの? 準備は出来てるのかな──ここで死ぬ準備はさ……!!!

 

「出来てると思うか……!!?」

 

「覚悟なら出来てやすがね……!! お前さんを、死んでも討ち取る覚悟なら……!!」

 

 だが新政府軍の最高戦力である彼らも未だ戦意も覇気も衰えることはない。純粋な地力で負けていることは、彼らにとっては想定済み。

 ただそれでも民衆の味方として。彼らを守る新政府軍のトップとして。この“暴力の世界”の頂点に立つ獣たちを殺すために覚悟を決めてきたのだとマゼランとイッショウは告げる。

 その意志はぬえとしても認めるところ。──だからこそぬえは惜しいとして魔性の言葉を投げかけるのだ。

 

「あはははは!! それはいいね!! その覚悟は確かにビンビン伝わってくるよ!! それでこそ散々殺してきた甲斐があるよね!! ──あ、そういえばマゼランはハンニャバルのこと知ってるんだっけ?」

 

「……!!」

 

 ふと思い出したようにぬえがその名前を出せばマゼランは僅かに反応する。してしまう。ぬえはそういった反応は見逃さない。目を細めて楽しそうに続きを口にした。

 

「やっぱり知らないんだ。じゃ教えてあげる!! ──えーっと、半年くらい前だったかな。私たちが攻め込んだ島に運悪く赴任してたのがハンニャバルでさ」

 

「……殺したのか?」

 

()()()()()。ただその死に様が中々だったんだよ!! ハンニャバルは私に逆立ちしても敵わないと見るや、自分の命と引き換えに住民を助けてもらうよう懇願した……!! 『頼む……!! 私はどうなっても構わないから……!! 罪のない民たちだけは逃がしてやってくれ……!!』──ってな具合にね!!」

 

 マゼランからの質問に更に口が饒舌になるぬえはハンニャバルの死に様を楽しそうに語った。多少の演技を交えながら告げるその語り口はワノ国に伝わる落語のようである。

 もっとも人の死に様を話すのに適してはおらず、相手からは小馬鹿にされてる印象しか受けないが、それを理解しながらもぬえは続けるのだ。

 

「だからとっても優しいアイドル海賊ぬえちゃんは言ってあげたの。──『ならあなたの身体の肉や骨を私に差し出してくれる? サイズはこれくらいで。1つに付き1人助けてあげる』」

 

 ぬえはその時の情景を思い出しながら聞かせた。手の指で丸を作り、これくらいのサイズでと教えたぬえはその後に起きた最悪にして最高の死に様を、死んだ男のかつての元上司に親切で教えてあげる。

 

「『……本当に助けてくれるんだな?』って迷いながらも言った彼に私は本当に助けてあげるって念押しした。そして近くに落ちてたナイフを渡してあげたの。──そしたらなんと驚き!! ハンニャバルは自分の指を少しずつ切り落としていったの!!

 

「…………」

 

 思わず眉根が寄りながらも黙ってそれを聞く3人。そういった話であることは聞く前からわかっていた。わかっていたからこそ一々反応はしない──が、それでも心の内では穏やかではない。

 そんなことも理解しながら更にぬえは告げる。

 

「最初は足の指だったかな? 手と指がなくなると身体を割くのに手間がかかるからね!! そして少しずつ身体の肉を削ぎ落とし、肉がなくなれば骨を断ち……それらを1つずつ丁寧に私の前に並べ始めたの!! で、大体500人分くらいだったかな? もう身体の大部分がなくなって虫の息!! 辛うじて意識だけは保ってはいたんだけどもう肉を割く体力もないからそこからはハンニャバルの部下に手伝わせてあげてね!! 私ってばそういうところは優しいからね。で、最後に残った心臓やら肺やら生きるのに必要な内臓とか脳みそとか、そういう生きるのに必要な部分は切り取ったら死んじゃうからって最後に『残りの人数分……なんとか足りるようやってくれ』って掠れた声で言い残してさ!! 最後には言ったように部下が()()()()()()()()()()()()()()()()()()──」

 

「黙れ……」

 

「! お?」

 

 ──と、そこまで語ったところで聞こえてきた抵抗にぬえは言葉を止めて視線を向ける。その相手はやはりと言うべきか、ハンニャバルの上司であったマゼランであった。彼は怒りを堪えるかのように息を荒くしながら冷静であるように努めて言葉を返す。

 

「おれを怒らせて……それで満足か……!!? 貴様のそのふざけた言動を、いつまでも許してやると思うなよ……!!」

 

「あはは!! なんだ、()()()()()()()()。別に我慢しなくていいんだよ? 他の2人もさ。強い感情こそ覇気の源でもある。もっと怒って力出してくれないと退屈になっちゃうし」

 

 そう──ぬえの狙いは結局のところそれ。自らの欲望だった。いつまでも煮えきらない戦いを続ける3人に対し、正真正銘の死力を尽くしてもらうために怒ってもらおうとしている。

 

「ちなみに今話したのは実話だよ。そしてオチは残りの肉片で100人分くらいにはなったんだったかな? 合わせて600人もの民衆を助けた元インペルダウン副署長のハンニャバルはその島の英雄になりました!! わーぱちぱちぱちー!! ──ま、それ以外の人間は皆死んじゃったんだけどね!!」

 

「……おい、マゼラン……」

 

「どうかお気を確かに……!!」

 

「わかっている……!! ぬえの口車には乗らん……!! 奴はそうやって人を惑わす……!! 人を害する妖怪そのものだ……!!!」

 

「褒め言葉をどうもありがとう。──さて……それじゃ3人とも怒りのボルテージは上がった?」

 

 やる気は出たのかとぬえは口にするも返答は求めていない。

 

「せっかくの新政府軍終焉の日……!! 味わい尽くすためには出し惜しみはなしにしてもらわないと──つまらないからね!!!

 

 なぜならクザンもイッショウもマゼランも。その顔と発する覇気で十分に本気が出ているのは分かったから。

 勿論、先ほどまで手を抜いていたわけじゃない。だが全ての手札を出し切っていないのは確かだ。

 だがここからは本気で獲るつもりでやる。その覚悟を読み取り──ぬえは駆けた。

 

「あはは!! 避けなくていい!!? 死んでも知らないからね!!!」

 

「避けねェよ……!! 死ぬつもりはねェが殺すつもりだからな……!!!」

 

 爆発的な脚力で宙を駆けるぬえが一直線にクザンの元に向かう。強大な覇気を込めた拳を振り上げて肉薄。対するクザンもまた己の拳に氷と武装色の覇気を纏わせ、ぬえとの肉弾戦に真っ向から臨んだ。

 

「“偶像拳乱打(アイドリング)”!!!」

 

「“氷拳(アイスグローブ)”……“大暴雉(フェザントグロウ)”!!!」

 

「!!!」

 

 ぬえの拳とクザンの拳が激突する。だがその拳はどちらもただの拳じゃない。船を破壊し、山を削り、大地を砕く──その一発一発が怪物の拳だ。

 

「あはは!! やるねー!! さすがはガープの弟子!! 良いパンチだよ!!」

 

「っ……!! そのガープさんもアンタを救ったことを悔やんでた……!! その不始末は弟子のおれがつけてやるよ!!!」

 

「その意気や良し!! すっごい感じるよ!! ──他の2人もね!!」

 

 そうしてクザンは拳の乱打戦において僅かに遅れを取り被弾するも、それでも一歩も下がることはない。まだ下がる時じゃない。ぬえを殺すための最善としてクザンは自分が前へ出続ける。

 何しろ──

 

「“毒の牙(ベノムファング)”!!!」

 

「“重力刀(グラビとう)”……“虎落笛(もがりぶえ)”!!!」

 

「!!!」

 

 ──クザンであれば他の2人の攻撃に対しても、対応しながら戦える。

 ぬえが鋭い見聞色の覇気でクザンだけでなくイッショウやマゼランの攻撃も察知している以上、少しでも覇気を削らなければ攻撃も当たらない。無尽蔵の体力を持つぬえという怪物に対して勝利するには、確実かつ迅速に。こっちの体力が削れるより先に大ダメージを与えていく必要があるのだとクザンは過去の経験から学んでいた。

 

「おおっと!! 危ない!! あはは!! やっぱり大将級3人との戦闘は危なくて面白い!! めちゃくちゃ忙しいけど忙しすぎるくらいが戦いは楽しいってね!!!」

 

「いつまでも楽しめると思いなさんな……!!」

 

「すぐに地獄の苦しみを味わわせてやる……!! ──“毒の巨神兵”!!!

 

 そして理解しているのはイッショウにマゼランも同じ。新政府軍は最大の脅威であるカイドウとぬえを倒すための戦略、戦術を検討し、1つの結論に達していた。

 それこそが──カイドウとぬえを各個撃破すること。

 二体の怪物を同時に相手取れば勝率は極めて低い──いや、それどころか勝ち目はないに等しいだろうというのがあらゆる勢力における対百獣海賊団戦略における基本である。

 あのダグラス・バレットやレッドフィールドですらカイドウとぬえを同時に相手取れば瞬殺され、頂上戦争の終盤では“赤髪のシャンクス”と“反逆竜ドラゴン”が揃ってなお──戦況的に元々不利だったとはいえ──逃げるしかなかった。

 1人でも最強だが2人揃えば敵はいない。であれば必然的に倒すならばなんとか2人を分断し、そこで倒すしかない。

 

 ──そして今はその絶好の機会なのだ。この場にカイドウはおらず、邪魔する者はクザンの氷によって排除した。大看板や飛び六胞。その他海賊帝国の兵もこちらまで手は回っていない。

 おまけにぬえは情報によれば“黒ひげ海賊団”との連戦で消耗している。こちらはクザンに大将が2人。これほどの好条件がまた次も揃えられるとは限らないほどに状況が恵まれている。

 

 ゆえに何としてもここで倒す。その覚悟でクザンは肉薄し、イッショウは準備を始め、マゼランはドクドクの実の覚醒で生み出した毒の巨人をぬえへ向かわせた。

 

「毒は効き目が悪いわよ!! 私を殺したきゃもっと直接殴らなきゃ!!」

 

「そんな挑発に乗ると思うか……!!?」

 

「挑発じゃないけどそれは残念!! ──だったらこっちから行くよ!!!」

 

「!!?」

 

 ぬえは毒に耐性を持つ。とはいえマゼランの複合的な毒の数々に全くのノーダメージでいられるほどではない。ゆえにマゼランに対しては遠距離で攻撃してくるだろうというそのマゼラン自身の読みを飛び越えて、ぬえは毒の巨人へ向かってきた。狙いはその中で巨人を操るマゼラン本体。その本体に向けてぬえは槍を投げる。

 

「“スピア・ザ・グングニル“!!!」

 

「……!! く……!?」

 

「あはは!! 巨人にぽっかり穴が空いたね!! それじゃ続けて──」

 

 異常なぬえの膂力によって投げられる複製した槍。それが毒の巨人の身体に穴を空ける。

 そうして通り道を作った上でぬえは再び全身に、そしてその手に持つ槍に覇気と力を込めた。雷の音が再び周囲に轟く。

 

「“降閻魔”……!! “終修羅(トリシューラ)”!!!」

 

「!!!」

 

「うわああああァァ~~~~~~!!?」

 

「なんだ今の馬鹿でかい揺れ!!?」

 

「グラグラの実かなんかか!!?」

 

「いや、ぬえさんが向こうの島で暴れてる!!」

 

「マジかよ……さすがはぬえさんだ……!!」

 

 雷の如く飛来するぬえがマゼランの横腹を槍で貫く。

 そのパワーは背後にあったグラン・テゾーロの建造物をまとめて粉々に砕き飛ばし、黄金の大地に亀裂を入れてしまうほどの威力だった。比喩ではなく島が破壊されるほどの強さに連結している“神の大地”やドレスローザにまで振動が伝わる。

 

「あはははは!!! ほらほら!! どうしたの!!? 大将にまでなったんだからこの程度でやられてちゃ駄目駄目!! もっと粘ってくれないとさ!!!」

 

「ゲホッ……!! ああ……もちろん粘ってやる……!! 貴様を殺すまでは……!! ──“毒竜(ヒドラ)”!!」

 

「狙いはいいけどまだ足りないかな!! もっと他の手はないの!!?」

 

「見せてやるさ……これが貴様に与える──“地獄の審判”だ……!!」

 

 そうして毒の竜での攻撃でぬえを再び空中へと移動させたマゼランは意を決して能力を最大限に発動する。覚醒によって周囲の大地を毒に変えて、ぬえを巨大な箱に閉じ込めるようにして。

 

「“毒の棺(ベノムボックス)”!!!」

 

「!!?」

 

 空中にいるぬえの周囲の空間に毒で出来た壁が出来上がる。そうして完全にぬえを毒の中に閉じ込めた上で、更にマゼランはその毒から“毒竜”を無数に出現させ、ぬえに向かって四方八方から襲わせた。

 

「これは……!!」

 

「望み通り全て出し尽くしてやったぞ……!!」

 

「なるほど……!! 中々良いけどこの程度じゃ私は死なないわよ!!」

 

 ぬえは槍や弾幕で毒竜やこの毒の空間を吹き飛ばそうとする。──その一方で、イッショウが動いていた。

 

「なんだ……!!?」

 

「また隕石!!?」

 

「いや……だがありゃあ何だ!!? ()()()()()()()()!!?」

 

 戦場にて空を見上げた海賊帝国の兵が落ちてくる隕石に気づく。イッショウの能力であるズシズシの実によって生み出された重力場の筒。能力が作用する目印であるその場所にイッショウは宇宙空間に漂う隕石を引き寄せて攻撃に使うことができる。

 

「まだまだ……!! あんたのような悪鬼にゃあただの隕石じゃあ終わらしやせん……!!」

 

 両方の島を囲むドフラミンゴの“鳥カゴ”によって切れた隕石が再びまとまる。そうして圧縮した隕石が、真横へと落ちた。

 その理由はやはりイッショウの能力。重力場を真横に。両方の島の周りを回るように。鳥カゴに沿うようにして生み出された重力場の筒。

 そこに吸い込まれた隕石はひたすらに横へ落ち続ける。重力によって落ちて落ちて落ちて──加速を続ける。

 

「話に聞いたあっしの前任者のように光ほど速くはねェですが……その分重量と質量をお見舞いしやす……!! さて、あんたにこれが耐えられますか!!?」

 

「なんだこれは……!!?」

 

「何かが回ってる……!!?」

 

 円形の重力場によって落ち続ける隕石はひたすらに加速を続ける。戦場にいる多くの兵士が気づくほどに。

 そしてそれが限界に達した瞬間、イッショウはその隕石の出口を作った。重力場を内側に──ぬえのいる方向へと向ける。

 

「……!! 攻撃の気配が……これは──」

 

「気付いた時には手遅れでござんす……!!」

 

 そしてぬえはマゼランの毒の攻撃を防ぎ、その箱から抜け出る直前に見聞色でそれに気づいた──が、その攻撃の速度が速すぎて気付いた時には当たっていた。イッショウの全力の攻撃に。

 

「“重力砲(グラビほう)”……!! ──“虎が雨”!!!」

 

「!!!?」

 

 限界まで加速した隕石が、宙に浮かんでいたぬえに直撃する。

 その絶大な威力は覇気を用いずともぬえの身体へと確かなダメージを与える。ぬえの身体を吹き飛ばし、グラン・テゾーロの大地へ突き刺さり、爆発を起こす。

 黄金の塵が舞い、船が揺れた。轟音が空間を鳴らす。

 常人ならこれだけで木っ端微塵に砕け散るだろう。それほどの一撃だったが、当然彼らは油断しない。

 

「さすがに削れてはいると思いやすが……!!」

 

「ああ……!! だが油断するな……!! あいつは……この程度じゃ倒れねェ……!!」

 

「声も消えていないな……!!」

 

 イッショウにクザンにマゼランが体勢を立て直しながら追撃の構えを見せる。見聞色の覇気は未だぬえの存在がこの世にあることを伝えていた。

 それどころか──

 

「ア……」

 

「!!!?」

 

 ──瞬間、両方の島と神の大地全体に。そして周囲の近海にまで伝わるほどの強大な覇気が発された。

 

「うわあああ~~~~!!?」

 

「やべェ……!!? なんだこりゃあ……!!?」

 

「おいしっかりしろ!!」

 

「ぬえさんの覇気か……!!」

 

「き、気を失うかと思ったわ……大丈夫!? お玉ちゃん!! オワリちゃん!!?」

 

「うう……」

 

()()()()()()()……!」

 

「覇王色……!!」

 

「っ……!! フフ、相変わらず……あの人はおっかないわね……!!」

 

 その覇気は並の兵士の気を失わせてしまうどころか、下手をすれば海軍中将クラスですら耐えられないほどの強さを持つ覇王色。

 戦闘中で気を張っていたこと。その覇王色が特定の3人に向けられた指向性のものでなければ、民衆も兵士の大半も全滅していた。それほどの覇気の持ち主に多くの者が気づく。大看板に飛び六胞は当然のこと。ルフィたちや新政府軍も。

 

「どうやら……まだまだこっからみてェだな……!!」

 

「分かっとりやしたが……やはり怪物」

 

「これでやっと本気を出させただけか……!!」

 

 そして新政府軍の3人の最高戦力は、誰よりも間近でそれを感じて汗を掻いた。

 無論、臆してはいない。気圧されたわけでもない。意志は揺らいでいない。ただ再び宙へと浮き上がったぬえの尋常ならざる姿を見て──

 

「──おっと。ちょっと覇気流しすぎちゃった。あはは、失敗失敗。そういえばここはもう鏡の世界じゃないんだったね……!! あんまりやりすぎると島も壊れちゃうし兵士も皆気絶しちゃうか……!!」

 

 ──ここからが本番だと思い知る。

 

 そうしてぬえは力を解放する。先ほどまでは鏡世界で黒ひげと戦っていた。それだけに感覚が麻痺し、同時に物足りなくもあった。

 それはそうだろう。グラグラの実と殴り合っていたのと比べると3人の力は少しばかり足りない。ヤミヤミの実による能力の無効化もない。

 だからこそ相手が3人とはいえ余裕を持って相手していたが──やっぱり想定以上に粘って楽しませてくれるとぬえは期待に応えてくれた3人を見下ろした。

 

「でもほんといいよ……!! 3人とも……!! 正直物足りないんじゃないかって思ってたけどそっちもかなり成長してる……!! これはもう大盤振る舞いするしかないよね……!! さすがに使いすぎではあるけどさ……!! まだまだ使()()()()使()()()()()()()()()()()()()……!!」

 

「っ……何だ……!!?」

 

「悍ましい気配を感じやす……!!」

 

「何らかの奥の手か……?」

 

 マゼラン。イッショウ。そしてクザン。いずれも強者。新政府軍の最高戦力。

 今頃ドラゴンやその他の戦力はカイドウにやられてしまっていることをぬえは思い、その点を残念に思っていたが……これだけやれるならまだ楽しめるとぬえは笑う。

 

「やっぱ“敵”がいっぱいいると楽しいねぇ……!! まさか一日に2回も“化身”を使うことになるなんてさ……!!」

 

「“化身”だと……?」

 

「まあでも同じ感じで殺しても面白くないし……あなた達は“黒ひげ”に使ったのとは別の化身でやっちゃおうかな♡」

 

 ぬえが本気を出す時に使うバケバケの実の“覚醒フォルム”。無数にある化身と呼ばれる形態を顕わにすることを決めたぬえは掌から“恐怖”の塊を出してそれを握りつぶす。

 この場にいる誰もが知らない正体不明の力に3人は様子を見ることしかできない。

 

「覚悟しなさい……!! この化身はカイドウが私との喧嘩の時に最も嫌がる形態よ……!!!」

 

「!!?」

 

 そうして闇の光に包まれていくぬえの言葉にクザンらは僅かに動揺した。──あのカイドウが最も嫌がる形態。その言葉をそのまま捉えれば、かなりの脅威であることは明らかだ。

 

「見ろ……!! これが私の──“愛神の化身(カーマ・アヴァターラ)”……!!! もとい……!!」

 

 そうして光の中でぬえのシルエットに変化が起きた。

 ぬえの身に付けていた黒いワンピース風の衣装が消えてなくなり、その代わりに靴が変化する。何かリボン状のものが付いていた。ソックスも黒とピンクの縞々。スカートがフリフリに変化し、上着も可愛らしいものに変化する。色味も鮮やかだ赤いリボンやフリルがところどころに付けられている。背中の赤と青の羽はそのままだが、そこにもおしゃれ要素なのかハートマークが散りばめられていた。更に2本の悪魔角が生えている。口元からも牙が見えた。まるで吸血鬼のような。それだけでなく槍のデザインも穂先にリボンが結ばれたり腕に巻き付いている蛇も可愛らしいデフォルメされた姿になってしまう。

 総じて異様なその姿。変化が終わって現れたぬえに3人は気圧される中──ぬえは高らかにポーズ付きで名乗りあげる。

 

「またの名を──“魔法少女まじかる☆ぬえちゃんだ~~~~~~~~~~~っぞ♡」

 

「──フザけてんのか?」

 

 ──クザンはそれが現れた瞬間に酷く冷たくツッコミを入れる。もはや冷たすぎてツッコミどころかただの指摘だった。

 だがそれほどにぬえの姿はクザンたちにとってふざけたものだった。これがぬえの本気の形態と言われても信じられないほどに。

 

「フザケてない!! とっても可愛い魔法少女まじかる☆ぬえちゃん参上!! これがあなた達を滅ぼす私の化身よ!!!」

 

「あっしにはその姿は見えやせんが……痛ェことだけはわかりやす」

 

「歳を考えろ」

 

「痛い言うな!!! 私は永遠の15歳よ!!!」

 

 続けてイッショウやマゼランも冷たい言葉を浴びせるとぬえは怒りのツッコミを返す──だがすぐに立ち直り、可愛くも妖しい笑みを不敵に浮かべた。

 

「──ま、いいわ。そう言ってられるのも今の内だけだしね♡」

 

「ハッ……お前お得意の歌やダンスでもやるつもりか?」

 

「さてどうだろうね? ただ1つ言えるのは……ここからは一方的な戦いになるってことよ……!!

 

「!!?」

 

「ふふ……さあ見せてあげる!! 摩訶不思議で幻想的な──私の愛の“力”を!!!」

 

 その妖しげな覇王色の覇気とぬえのウィンク。クザンたちは再び油断なく戦う構えを見せる。

 そして……彼らは知ることになる。

 本当の地獄はここからだったのだと。

 

 

 

 

 

 ──少し前。

 

「ギガントタートルを動かす!!?」

 

 それはぬえが劇的な登場を遂げ、グラン・テゾーロで新政府軍の最高戦力たちと戦うことになった後のこと。

 “麦わらの一味”の航海士ナミは突如現れた新政府軍の幹部に言われたことに驚き言葉を繰り返した。“神の大地”の一層でアプーとナンバーズに追いかけられるナミとチョッパー。お玉にオワリといった面々の前に現れたその幹部とは、新政府軍が新政府軍でなかった頃からの古株の幹部。

 

『新政府軍中将“G・L軍軍隊長”エンポリオ・イワンコフ』

 

「そうッギャブル!! ぬえを主戦場から引き剥がさなきゃ被害が拡散する!!」

 

「だけど……!! 今は青キジ……そっちの大将たちが止めてるんでしょ?」

 

「ヴァターシたちも勝つつもりで当然いるけどぬえを仕留めるには時間がかかるチャブル!! それにもし負けた時……この戦場から撤退する時にぬえがいちゃ話にならないのよ!!」

 

 新政府軍の前身である“革命軍”の創設者の1人である“オカマ王”エンポリオ・イワンコフはトナカイ姿で走るチョッパーと並走しながら作戦を口にする。──背後では他の新政府軍の兵士がアプーとナンバーズを押し留めていた。

 

「クソ!! 新政府軍……!! いやどっちかと言えば元革命軍の連中か!!? いいからどきやがれってんだよ!! どかなきゃ痛い目見るぜ~~~~!!?」

 

「悪いが……通すつもりはない!!」

 

 イワンコフの副官であるイナズマや他の兵士たちが何とかアプーを止める中、イワンコフは更に理由を説明する。

 

「ぬえの見聞色の覇気はこの島全体を覆ってあまりある……!! おまけにあいつは“力”のない弱い民衆なんて全く気にすることなく戦うわ!! そうなればヴァターシ達がこっちで海賊帝国の幹部たちを仕留めて勝ったとしても……多くの被害が出る!! 民衆の味方である新政府軍としてそれは絶対に阻止しなきゃならないわ!!」

 

「……! でもどうやって……!?」

 

「そこで!! ヴァナータの出番ってワケよ!!!」

 

「お、おらでやんすか!?」

 

 ナミの疑問にイワンコフは勢いよく指を差して答える。その相手はナミやオワリと同じくチョッパーの背中に乗っているお玉だった。そうして人物を指定したことでその狙いにチョッパーは気づく。

 

「! そうか……!! 御主人様……じゃなかった。お玉の能力……!!」

 

「そう!! ヴァナータ、キビキビの実の能力者よね!? きび団子を食べさせれば動物を意のままに操ることができる百獣海賊団の!!」

 

「う……そ、そうでやんすが……」

 

「その様子だと無理やり協力させられてたんでしょうし、麦わらの一味と一緒に行動して逃げてる時点でそれはいいわ!! それよりも重要なのはその能力チャブル!! ヴァナータのきび団子をグラン・テゾーロの動力源である巨大亀──ギガントタートルに食べさせれば島を移動させることが叶うわ!! そうすればぬえを戦場から引き離せる!! こっちの狙い通りにね!! ヒ~~~ハ~~~~!!!」

 

「……!! だけど……あの“鳥カゴ”はどうするんだ!!?」

 

「そっちは解除待ち……!! こっち側の誰かがドフラミンゴを倒せばすぐに動かすことができる」

 

「っ……本当に……やるのね?」

 

「当然チャブルね!! これはあのクザンも大将たちも覚悟済みの決死の作戦……!! 連中の膨大な戦力を確実に減らし、あわよくばぬえを倒す……!!! だけどもし負けたとしても被害は拡散させないためのね!!! じゃあ頼んだわよ!!!」

 

「……………………」

 

 ──イワンコフはそう告げて自身もまた振り返って戦場へと向かった。その時の会話をナミは思い出し、チョッパーたちと共にグラン・テゾーロの外周部から船の先端部分……その二体のギガントタートルがいる場所へと向かう。

 

 だが障害がまだまだ残っていることは言うまでもない。

 

「(ルフィ達が勝ってもきっと消耗する……!! もしもの時のために逃げる準備……!! 航海士として絶対に成功させないと!!)……急いでチョッパー!!」

 

「ああ!! わかってる!!」

 

 ナミは使命感を感じながらチョッパーへ急ぐようにお願いした。そうしてナミ達は激震するグラン・テゾーロを行く。

 

 ──そしてその陰で……。

 

「………………………………」

 

 ──何者かが、その駆けていく彼らの後ろ姿を……()()()()()()

 

 

 

 

 

 ──“神の大地”頂上。

 

 新たな覇気の段階に到達したルフィと全力のジョーカーが激突し、グラン・テゾーロでぬえと新政府軍の最高戦力達が死闘を繰り広げる中、この頂上では2つの決戦もまた行われていた。

 

「麦わら屋……遂に覇気を成長させたか……!!」

 

「ああ……ルフィ……♡ そなたのその眩しい戦いぶりを見るだけでわらわは……♡」

 

 ルフィがジョーカーを殴り飛ばし、ダメージを与えることが叶う──再び本格的な戦いが始まったことでそれを認識したローとハンコックはそれぞれ異なる反応を見せるも、そちらに加勢へ行くことはない。彼ら2人は2人で敵と対峙し続けているからだ。

 

「よそ見してる場合か?」

 

「!」

 

 ローとハンコックがルフィへ視線を向けていることを隙とみて肉薄してくるのは元王下七武海であり海賊帝国傘下のドンキホーテファミリーの船長ドンキホーテ・ドフラミンゴだ。

 ドフラミンゴはその糸の能力を振るい、ローとハンコックをまとめて切り裂こうとするもどちらもやや後退しながらその攻撃を躱す。

 

「チッ……!!」

 

「おのれ邪魔を……!!」

 

「フッフッフッ……!! “麦わらのルフィ”か……なるほど。確かにお前らがあのガキに賭ける理由が少しだけわかったが……だがそれでどうなる? 多少覇気が成長したくれェで状況は何一つ好転してねェぞ!!?」

 

「ああ、少し癪だが君に完全に同意だな……!!」

 

「……!! テゾーロ……!!」

 

 ドフラミンゴの言葉に賛同しながら頭上から黄金の拳を振り下ろすのは未だ変わらず“黄金の巨神”状態の“黄金帝”ギルド・テゾーロ。

 その攻撃もまたなんとか躱しながらローとハンコックは敵対し戦闘する2人の海賊帝国傘下の強者と距離を取って睨み合った。続く言葉を耳にしながら。

 

「倒せるとは思えねェが……それでも仮にあのジョーカーを麦わらが倒せたとしてもだ!! ぬえの奴が戦場に現れた時点でお前たちに勝ち目はない……!! あの女は正真正銘の化け物で災厄だ……!!」

 

「大将が何人集まろうと多少終戦までの時間が伸びるだけで大した意味はない……!! ここからでも感じるだろう? ぬえさんのいっそ清々しく感じるほどの恐ろしい覇気が……!!」

 

「フン……ぬえに折られたそなたらの意見など聞くに堪えぬわ」

 

「……確かに厳しい戦況だが……」

 

「何を言っておる!!? そなた、どちらの味方じゃ!!?」

 

 ドフラミンゴとテゾーロの言葉をハンコックはぬえに折られた哀れな者たちの意見だと一蹴する。だが一方でローがそれを認めたことでハンコックは珍しくツッコミを入れた。それに対してドフラミンゴは笑いを起こす。

 

「フッフッフッ……さすがに冷静なお前はわかってるようだな、ロー……!! お前たちの勝ち目が薄いことを──」

 

「──ああ。確かにこの戦争は不利かもな。だが……こと()()に限って言えば別だ

 

「あァ?」

 

 しかしだ。ローは告げる。ドフラミンゴの言葉を一部肯定しながらも、彼らをコケ下ろす。自信に満ちた言葉を。

 

「ぬえはまだ分かんねェが……お前らはおれより“下”だ……!!!」

 

「!!?」

 

 弱い──そう意味が込められた言葉を真正面からぶつけられ、ドフラミンゴとテゾーロは驚愕する。

 そして同時に怒りを覚えた。当然だろう。海賊が、それも年下の、ほんの数年前に出てきたルーキーに舐められて怒りを覚えない筈がない。

 だがそれでもなおもローは続ける。当然の自信を見せつける。

 

「少なくともここでおれがお前達を倒したら状況は一変する……そこからがおれたちの“反攻”だ……!!」

 

「……!! ガキが……!! 舐めた口を……!!」

 

「私たちが“下”……? 倒すだと……? 随分と安く見られたものだ……!! その言葉は万死に値するぞ……!!!」

 

 キレたドフラミンゴとテゾーロが覇気を纏って攻撃の予備動作を見せる。その間にローは隣にいるハンコックに視線や姿勢はそのままに声をかけた。

 

「おい女帝屋……!!」

 

「軽々しく名前を呼ぶでないわ!! それを許したつもりは──」

 

「いいから聞け!! おれとお前じゃ、それぞれの相手に対して僅かだが()()()()()()()()……だから協力しろ」

 

「……! 命令するでないわ!! それくらいわらわも気づいておる……!!」

 

「何でもいい。協力するのか? しないのか?」

 

 ハンコックに対するローの提案。男嫌いで気位の高いハンコックにとってその提案は本来、されるだけで苛立ちを覚えるものであった。

 が、ハンコックは感じ取る。必死で戦う想い人のことを。今まさに強敵と命を削って戦っているルフィのことを。

 時間を長引かせればそれだけ状況は悪くなる。それはわかる。だからこそ──

 

「……本来ならルフィ以外の男の頼みなど耳にすることすら値せぬが……他ならぬルフィのためじゃ。一度だけそなたに力を貸してやろう……!!」

 

「共闘成立だな」

 

「“黄金の(ゴオン)”……!!」

 

 ──ローの共闘の申し出を受け入れる。その瞬間に、頭上から巨大な黄金が降ってきた。

 

「“業火(インフェルノ)”!!!」

 

「こいつらをここで仕留める!! おれに合わせろ!!」

 

「だから命令するでないわ!! まったく……ルフィ以外の男というのはやはり碌なものがおらぬ……!!」

 

 テゾーロの“黄金の巨神”がローとハンコックがいた場所を殴りつけ、神の大地を振動させる。その破壊力を食らわぬよう下がり、悪態をつくハンコックだがその言葉とは裏腹にしっかりとローの気配も見聞色で読み取っていた。

 

「逃げられると思うなよ……!! この“鳥カゴ”の中で全員消してやる……!! 食らえ“千本の矢”……!!」

 

 怒りに打ち震えていたドフラミンゴがテゾーロの攻撃を躱した2人に向けて周囲の物を変化させる。イトイトの実の覚醒技。周囲を複数の糸に変えたドフラミンゴはそれらを一斉に両者へ向かわせた。

 

「“羽撃糸(フラップスレッド)”!!!」

 

「!!!」

 

「っ……K・ROOM(クローム)

 

 広範囲から一斉に襲いかかる糸の矢をローは空中へ飛び上がりながら躱し、再び刀にオペオペの実の覚醒技を纏った。ドフラミンゴに対する──いや、人間だろうが誰だろうが防ぐことはできない。身体の内側に衝撃を与える強力な内部攻撃。

 

「またそれか……!! うざってェ……!! そう何度も食らってやると思うんじゃねェよ!!!」

 

 ここまでの戦闘で何度もローの内部攻撃を食らってきたドフラミンゴは今この時も常に内臓など身体の内側を糸で修復しながら戦っている。逆に言えばそれがなければローの覚醒技の1つ1つは必殺だ。何度も耐えられるような攻撃じゃない。

 だからこそ修復ができるドフラミンゴでも強く警戒していた。周囲の建造物を糸に変化させて操りながらローを迎え撃つ。先ほどの攻撃はまだ続いている。

 

「ぐっ!!」

 

「強くなったのは認めてやるが……ゲホ!! 忌々しい……!! お前さえ大人しくおれに従ってりゃあ……この“暴力の世界”で得られた影響力は絶大だった!! それをお前が──」

 

「……!! もしもの話か……だとしても結局お前はカイドウとぬえの犬であることには変わりない。お前の影響力なんかたかが知れてる……起きちまった現実を認めるんだな……!!」

 

「フッフッフッ!! なんとでも言え。()()()()()()……だがその前に、お前の首をぬえに捧げて挽回するとするさ……!! この起きちまった現実をな……!!!」

 

 武装色で防御するローに何度も糸を突き刺してドフラミンゴは笑う。ドフラミンゴもかなり傷ついているが、ローもまた何度も覚醒を使い、ドフラミンゴとの戦闘で体力を消耗している。どちらもそう長くは戦えない。ゆえに決着は近い。

 

「ハァ……ハァ……体力切れか? とどめを刺してやる……!! あの時おれが殺した──コラソンのようにな……!!!」

 

「ああ……そうだな……あの時死んだコラさんの代わりに……今度はお前を消すぞ!! ドフラミンゴ……!!!」

 

 膝を突いたローにとどめを刺そうと狙いをつけたドフラミンゴはローの啖呵を聞く。だがなんと言おうとローでは己に勝てない。油断はせずに攻撃しようとしたところで──

 

「──“シャンブルズ”」

 

「!!?」

 

「何……!!?」

 

 ──ローはオペオペの入れ替えを行い、別の場所へ移動する。代わりに目の前に現れたのはテゾーロと相対していたハンコックだった。ドフラミンゴとテゾーロは驚愕する。

 

「いつの間にROOM(ルーム)を……!!?」

 

「ぬえが現れた時にこの“神の大地”を覆っておいた……気づかなかったようだな。そしてそれが……お前たちの敗因だ!!!

 

「そなたらはいい加減目障りじゃ……!! 愛しきルフィのため……!!」

 

 ローが体力を消耗して膝を突いていた理由をそこで知る。長時間かつ広範囲のROOMはそれだけで命に関わる。

 だがそれだけ広げたことで気づかれることはなかった。──ここで致命傷を与えるために。ローとハンコックはそれぞれ力を振り絞り、技を放った。

 

「“切断(アンピュテート)”!!!」

 

「“芳香脚(パフューム・フェムル)”!!!」

 

「!!!」

 

「グオオォアア──っ!!?」

 

 ──ローの刃がテゾーロの“黄金の巨神”を切断して本体を露出させ、ハンコックの覇気とメロメロの実の能力が込められた蹴りがドフラミンゴの身体の一部を石にしながら蹴り抜く。

 互いに入れ替えての攻撃。ROOMを張っていたのはこの時のため。ローの攻撃では内部に攻撃しても修復してしまうドフラミンゴを倒すには時間がかかり、ハンコックの攻撃では黄金に守られたテゾーロ本体には届かない。

 

 ──だが覇気で上回るローのオペオペの実の能力があればテゾーロの“黄金の巨神”を容易く切り裂き、ハンコックの攻撃は当てることさえできればドフラミンゴに修復不可能な一撃を与えられる。

 それを理解していたローはここ1番でその作戦を使うことにした。そしてその作戦は成功し、敵は苦痛の声をあげる。

 

「神に等しい私の巨神に……!! ハンコック……!! ロー……!! この私に……我々に逆らう意味を理解しているのか!!? 貴様たちは……!!」

 

「重々承知の上じゃ……!! 覚悟もできておる……!! ここからが本当の“困難”だとな……!!!」

 

「“シャンブルズ”。……これで終わりだ……ドフラミンゴ……テゾーロ……!! お前たちが倒れる今この時が……“暴力の世界”の終わりの始まりだ!!!

 

 再びローは自身とハンコックを入れ替える。そしてローはハンコックに蹴り飛ばされたドフラミンゴに向けて再び“K・ROOM”を発動して距離を詰め、ハンコックもまた内部が露出した“黄金の巨神”の身体を駆け上がる。

 

「力に屈しろ!! 黄金の美しさと力で……支配される……!! それがお前たちゴミ共の運命だ!!!」

 

「おれはお前らとは違う……!! 操られるだけのゴミが……!! ここで殺してやる……!! 16発の聖なる凶弾……!!!」

 

 互いに最後の攻撃の応酬。対するドフラミンゴにテゾーロも自分の信念から来る言葉を放ち、残った力を振り絞って能力を発動させた。

 

「“黄金の神の裁き(ゴオン・キリーラ・ディ・ディオ)”!!!」

 

「“神誅糸(ゴッドスレッド)”!!!」

 

「!!!」

 

 海賊帝国の強大な傘下。元七武海とそれに匹敵する海賊の最大の攻撃。

 それを前に2人の抵抗者もまた一歩も引くこともなく最大の一撃を返した。ローの刃が伸びて、ハンコックの足に力が籠もる。

 

「“穿刺波動(パンクチャーヴィレ)”!!!」

 

「“大芳香脚(パフューム・フェムル・マグナ)”!!!」

 

「!!!!」

 

 そして……刃が糸を貫通し、黄金が到達するより先に石化する脚は放たれた。

 

「っ……!!! ロー……ォ……!!!」

 

「こんな……こと、が……!! ぬえ……さ……」

 

 内部へと伝わる衝撃波がドフラミンゴを穿ち、あらゆるものを石化させ砕いてしまう強力な覇気と能力を纏った蹴りがテゾーロの身体を黄金ではなく石にして砕く。

 その断末魔。最後の言葉が聞こえたのは“神の大地”の頂上の僅かな範囲までだったが──それによって起きた影響は戦場全体に一瞬で伝わるほどに痛烈だった。

 

「……!!? おい……!!」

 

「嘘だろ……!!? “鳥カゴ”が……!!」

 

「!!? 若様!!?」

 

「ドフィ……!!?」

 

「巨人が倒れて……!!」

 

「テゾーロ様!!?」

 

 誰もがそれを目の当たりにする。空を、島全体を覆う“鳥カゴ”が上から徐々に消えていき。

 神の大地の大部分を築きあげ、頂上に君臨していた黄金の巨神は倒れる。

 ドンキホーテファミリーの幹部たち。最高幹部のディアマンテやピーカは驚愕し、特にピーカは慌てて能力を使って“神の大地”を支えた。

 テゾーロの部下たちも、ダイスやバカラもまた驚く。まさか、と。まさか自分たちの仰ぎ見るトップが。海賊帝国の強力な傘下が。地獄を構成する二角の両方の頂点が。

 

「“鳥カゴ”が消えた~~~~~~!!!」

 

「ドフラミンゴの支配がなくなったぞ~~~!!!」

 

「多分テゾーロもだ!! あいつも倒れた!!!」

 

「うおおおおおお~~~~~~~!!!」

 

「誰かがやってくれた!!」

 

「支配が解かれたんだ~~!!」

 

「島が動いてるぞ!!?」

 

「何でもいい!! これでおれ達の優勢だ!!」

 

 ──両方の島に住んでいた民が、支配されていた奴隷が、虐げられていた者たちが声をあげる。

 海賊帝国に抵抗する新政府軍の将兵達。海賊達。民兵らも士気をあげる。今この時起きた現実に──

 

「さあここからだ……!!!」

 

「反撃開始じゃ……!!!」

 

 ──“神の大地”を支配していた文字通りの神に等しい2人の海賊。

 

 ドンキホーテ海賊団船長“天夜叉”ドンキホーテ・ドフラミンゴ。

 テゾーロ海賊団船長“黄金帝”ギルド・テゾーロ。

 

 2人の海賊は“死の外科医”トラファルガー・ローと“海賊女帝”ボア・ハンコックの手によって倒れ……囚われていた戦場は動き出す。

 今ここに彼らの“反攻”が始まった。

 

 

 

 

 

 ──だがそれでもなお……全てが希望へと向かっているわけではない。

 

「おい……どうしたってんだ……!!?」

 

「一体何があったんだ……!!?」

 

 “神の大地”一段目の端。グラン・テゾーロに続くその場所で偵察を行っていた新政府軍の兵士たちは青褪め、目を見開く。

 島全体が凍り付き、現れた紅い霧によって全てを見ていたわけじゃない。

 が、だからこそ彼らは信じられなかった。視界が少しばかり晴れて双眼鏡で戦場を覗き込んで思わず声をあげた。

 なぜならそこでは──

 

「なんでクザン元帥達が……大将達があんなにも血塗れで倒れてるんだ……!!?」

 

「やられちまったのか……!!?」

 

「いや、まだ生きてる!! だけど……くそぉ……!! どう見ても不利だ!!」

 

「あんな一方的にやられる筈が……!! なんで……!!?」

 

 ──そう。そこでは、クザン達……新政府軍の最高戦力3人が、血塗れになっていた。

 マゼランは地面に倒れ、イッショウは左腕がなくなり、クザンも膝を突いている。誰もがまだ完全にやられたわけではない。彼らの意志が、戦意が折れたわけでも負けたわけでもない。

 

 だが明らかにやられていた。ぬえの手によって、彼らは窮地に陥っている。

 

「ハァ……ハァ……!!」

 

「迂闊……!! 惑わされた……!!」

 

「フザけた……能力……使いやがって……!!」

 

「あははは!! これがバケバケの実の真骨頂……そして──愛と恐怖の魔法少女、まじかる☆ぬえちゃんの力よ!!! 全員きっちり天国に送ってあげるから安心しなさい……!!!」

 

 妖しく恐ろしい。強大な覇王色の覇気を漂わせながら彼らを見下ろすぬえの姿はまるで“魔法少女”だが、その強さはどこまでも怪物であり、今まさに新政府軍の最高戦力をまとめて終わらせようとしていた。

 

 ──そしてその戦闘を遠方から。

 

「ん!? あんた誰だ!!?」

 

「そのフードを取りやがれ!! もしや新政府の──」

 

「!!」

 

「!?」

 

「え……?」

 

 ──グラン・テゾーロの内部。氷の中に閉じ込められながらもテゾーロの大事な部屋や資産を守っていた部下たちが……一瞬の内に斬り殺される。

 

「何、が……」

 

「……………………ふん。まだ虫が残っていたとは……」

 

 フードを被ったその人物が先ほどまでいた場所には……()()()()()()()()()()()()

 その人物は刀を鞘に納め、その建物の内部から外を、激しい戦いが行われているその場所を見聞きして独り言を口にする。

 

「だが……存外に戦況が傾いている。期待はしていなかったが……これは動くべき好機かもしれんな……」

 

 そうして外の輝きで僅かに顔が見える。見る者はこの場にいないが、それでも誰かが見ていたならば誰もが驚愕していたことだろう。

 その顔と姿は……かつての“神々”の頂点とされていた人物の1人であったから。

 

『五老星(元世界政府最高権力者)財務武神 イーザンバロン・V・ナス寿郎聖 海賊帝国特別懸賞金30億ベリー』

 

「一先ず……“テゾーロマネー”を向こうへ送ってから機を伺うとしよう。場合によっては()()()()()……憎き奴を討つ……!!!」

 

 ──海賊帝国が探しているかつての最高権力者……天竜人の頂点の1人が機を伺いながら陰に忍んでいた。




ジョーカー→百獣海賊団に付いた理由を若干匂わせ。覚醒フォルムで全力です。
ルフィ→武装色の内部破壊まで覚えた。
ハンニャバル→ぬえに殺された。自分の身体を犠牲に民衆を守ったが、残った島の人々は結局争い合うことになる。
マゼラン→覚醒済み。毒が広がってもクザンが氷を広げて止められる。イッショウは浮いて躱せる。
重力砲→粒子加速器の重力版みたいな原理で放つ技。めっちゃ強い。
クザン→ガープの弟子なので肉弾戦は実はかなり強いし強化されてるよねって。
愛神の化身→カイドウが1番戦ってて嫌がる形態。詳細は次回以降。
ナミ→チョッパー達とグラン・テゾーロ船首に移動してお玉できび団子食わせる。
イワンコフ→手すきのネームドなので多分こっから何かする。
グラン・テゾーロ→鳥カゴがなくなって移動開始。
ドフラミンゴ→部下より先に倒されたけどこれはローとハンコックが強すぎるというか攻撃力が高すぎる問題のせい。めちゃくちゃ頑張りました。
テゾーロ→こっちも相手がハンコックだけならまだまだ粘るし勝敗は分からないけどローに相性が悪い。
ロー&ハンコック→冷静にチート能力2人なので合わせて戦うと酷いことになる。
ナス寿老→今は神でもないナス寿老。財務武神なので来てます。目的やら他の五老星やら神の騎士団やら気になることはいっぱいあるけど徐々に開示。懸賞金は海賊帝国からのもので五老星は全員一律30億ベリー。
ぬえちゃん→可愛いし強い。魔法少女始めました。

今回はこんなところで。お久しぶりです。ネタも溜まってきたんでボチボチ投稿再開する。とりあえずドレスローザ&グラン・テゾーロ編を終わらせたい。
次回はゾロVSフーズ・フーとかを中心に色々。お楽しみに。

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