正体不明の妖怪(になった男)、情緒不安定な百獣の腹心になる 作:黒岩
新世界のその島は、“愛と情熱と妖精の国”として有名であり、花々の香りと料理の香りが鼻孔をくすぐる島だった。思わず腹が減る。私は屋台で何か食べようかなぁ、と思いながらも、敢えて今は我慢して部下を率いて町の中を闊歩していた。
そんな時だった。連れてきた部下がこちらの顔色を窺うように声を掛けてきた。
「ぬえ様。今日は……その、襲わないんですか?」
「別に町があれば必ず襲わないといけない決まりはないからねー。今日はお忍び観光みたいなもんだからある程度は大人しくしてるよ」
「は、はぁ……なるほど」
部下は何やら釈然としない様子で頷く。そんなに私が町を襲わないことが珍しいのだろうか。まったく、失礼しちゃうよね。そんな毎回毎回滅ぼしてる訳じゃない。町の方がちゃんと私達の言うことを聞いて何もしてこなければ何もせずに通り過ぎることだってあるのだ。ほら、魚人島でもちょっと魚釣りしたくらいで別に町を破壊したりはしなかったしね。
「まあそれでも騒いだり、向こうの方からちょっかい掛けてくるようならやっちゃうかもだけど、今は私の能力で一般人にしか見えてないだろうからそういうこともない。だから皆も気楽にしていいんだよ? ──あ、どうしたの? お腹空いた? でも今はダメだからね。我慢しなさい」
「ジュキキ……」
「……何もしねェならおれ達やナンバーズを連れてこなくとも良かったのでは?」
「そこはほら、もし海軍と会ったら軍艦持ってかえる予定だし、一応ね。大人しくするとは言ったけど、暴れないとも限らない。私の気分とノリ次第よ」
「──ならコロシアムに参加してそこにいる奴等を血に染めるくらいなら問題ねェと?」
血気盛んな部下がそんなことを言う。確かに、この島の有名なコロシアムなんかは戦っても許される訳だし、ちょっと暴れるにはもってこいかもしれない。それに新しく連れてきたウチの幹部──フーズ・フーの腕試しにも良いかもしれないが……。
「うーん……でもここのコロシアムのレベルは相当高くて、チャンピオンに至っては千試合負け知らずのヤバい奴だって噂だからね~。国の方は絶対に戦争しないって言うくらいの平和主義のつまらない連中だけど」
「……お望みなら叩き潰して目の前に連れて来て見せるが」
「ありがと。でも今はそっちは目的じゃないから大人しくついて来てね~♡」
「……はい」
フーズ・フーが若干不満そうに、しかし首肯する。暴れたくてしょうがないんだろうね。幹部になったばかりだし。まあ私も暴れさせてあげたいのは山々なんだけど、コロシアムのチャンピオン相手にフーズ・フーが確実に勝てるかって言うと、微妙だし今はいい。それを敢えて言わないのも私の優しさだ。
まあウチの部下を成長させるためにもコロシアムに参加させてみるのもいいが……一度手を出したら欲しくなっちゃうし、今はいい。今は別の目的でやってきたのだ。それが成功したら、また今度そっちについては考えよう。焦らなくても、どうせこの“ドレスローザ”は後に地獄に落ちる訳だし。一々恨まれる役を買わずとも実質自分達の物になる可能性が高いのだから、憎まれ役は未来の下っ端に任せよう。別に憎まれて復讐しに来る者達を見るのも乙だけど、今日の私は恩を与えていきたい気分。新しい料理も試したいし。そういう訳で私達はそのドレスローザを抜けて、その小島──“グリーンビット”へ向かう。
北東の鉄橋から簡単に向かえるその島は自然豊かな無人島だ。
「うおわっ!? 橋が揺れる!!」
「なんだこのデカイ魚!! おれ達を噛み殺そうとしてきやがったぞ!!」
──まあ簡単に向かえるとは言っても、橋の周囲の海には“闘魚”という中々に凶暴な魚がいるため、普通の人間だと食われて終わりだ。グリーンビットに船で向かえない理由もこの闘魚にある。
とはいえ、たかが魚には変わりない。
「あっ、ちょうどいいや。ご飯用に何匹か捕まえよっか」
「ジュキキー!!」
「フン……食料にはちょうどいいデカさだな」
その闘魚の群れを見て、忘れ物をしたことを思い出した私は、ちょうどいいとその手土産を闘魚で済ますことにする。私がそう言うとナンバーズとフーズ・フーが壊れた橋の部分から突っ込んでくる闘魚をそれぞれ迎え撃った。闘魚はデカいし鉄の橋を壊すくらい強いけど、まあ問題ない。
「ジュキ~~!!」
「!!?」
「うおっ、止めた!!?」
「さすがの化け物っぷりだな……!!」
ナンバーズは元々、闘魚と正面からぶつかり合っても負けない程の巨体とパワー、スピードに耐久力を持つ。何せ失敗作とはいえ古代巨人族だ。なんか腹が減ってるせいか生きてる闘魚にそのまま齧りついてる。我慢しろって言ったのに……これは後でおしおきだね、ともう片方にも視線を向ける。
「魚風情が……!! このおれに勝てるとでも思ったか……!!」
「うおおっ!! こっちもすげェ!!」
「さすがはフーズ・フーさんだ……!!」
フーズ・フーの方も、肉体を変型させて闘魚を止めて、思い切り殴りつけることで倒す。フーズ・フーの方は動物系の古代種の能力だ。やっぱ古代種の能力者はパワーが普通の動物系とは桁違い。でもこれくらいは人型でも倒してくれないと困る。人獣型なら勝って当たり前だ。動物系の人獣型はどんな生物よりも強い肉体を持つのだから、同じ動物系以外に身体能力で負けるなんてありえない。負けるってことは鍛え方が足りないってことになるから言い訳も利かないものだ。
まあ今はまだ成長途中だから大目に見てあげるけどね──と、とりあえず闘魚は数匹持っていって、半分は自分達のご飯用に持ってかえろっかな。
「8匹くらいあればいいかな? よいしょっと」
「って、え~~~!!? 手掴み!?」
「鮎かよ!!」
「クマの捕まえ方だな……」
私の方は海スレスレを飛んで、闘魚の尾びれを掴んで引っこ抜く。襲いかかってきた奴も捕まえてUFOで船まで運ばせる。殺すのは後にしよう。その方が新鮮に食べれるし。──まあ船に残してきた部下達がビビリそうだけど、それはそれで面白いから別にいい。とりあえず、4匹は船へ運ばせてから、残り4匹はそのまま持ってグリーンビットに。
「よーし!! それじゃあ、これ持ってグリーンビットにレッツゴー!!」
「ジュキ~!!」
「……この魚を持ってどうするんすか?」
「あれ? 言ってなかったっけ?」
グリーンビットへ向かおうと再びナンバーズの上に乗って橋を渡ろうとすると、そんなことを聞かれてしまう。そういえば言ってなかったかな、と私は思い出し、改めて皆に私の目的を告げた。それは、
「新しい食材調達ついでに──
新世界にある島、ドレスローザには妖精伝説がある。
遥か昔、今のリク王家とは違うとある一族が王位についている時代、小人族は奴隷として働かされていた。
そのことを今のリク王家が陳謝し、人間からの窃盗行為は“妖精の仕業”として黙認されるようになる──それが妖精伝説の始まり。
つまり、妖精の正体とは小人族。ドレスローザ北東の無人島、グリーンビットにはそんな小人達──トンタッタ族が隠れ住む王国があるのだ。
そんな小人族と交流を持つべく、私は手土産の闘魚を彼らに友好の印として贈った。見聞色で気配を探れば見つけることは容易いし、何より──彼らは騙されやすい。
「──闘魚を4匹もお土産にくれたれす!! しかもこの方は、ノーランドの子孫のお友達なのれす!!」
「ええ!!? そんな、本当れすか!!?」
「本当よ。その証拠に、ノーランドのことなら色々知ってるわ。昔、悪い人間からあなた達を救って、カボチャの種を渡したのよね~?」
「そんなことまで知ってるれすか!!? ということは──やっぱ本物れす~~!!」
「ノーランドの子孫のご友人なら歓迎しない訳にかいかないれす!! 闘魚もこんなに貰ってしまい、なんとお礼を申し上げたらいいか!!」
「あはは、いいのよ~!! あ、この怖そうな人達も皆お友達だから仲良くしてあげてね?」
「はい!! わかってます!! あなた方も是非召し上がってください!!」
「お、おう……」
トンタッタ族の集落に、私達は招待されてやってきていた。部下達はその初めて見る小人族と、その信じやすさというか騙されやすさに困惑している。トンタッタ族は小人族の中でも真面目で素直過ぎる性格で有名だからね。簡単に騙せる。
しかしやはり、ここまで歓迎されるのはやはり彼らにとっての英雄であるモンブラン・ノーランドの話を出したからだろう。知るはずのない情報でも出せば、仮にこれほど一途じゃなくても騙せる。トンタッタ族であれば尚更だ。信じて疑わないだろう。私達を見れば震える人間も多いというのに、彼らは私達をキラキラした目で見ているのだから。
「小人族なんざ初めて見るぜ……」
「というかぬえ様、なんであんなすらすらとノーランドとやらのことを……誰だよノーランドって……」
「ノーランドってのは“
「いや知らねェよ……つーか実在の人物だったとしても、なんでぬえ様がそんなことを知ってるかの理由にはなんねェだろ……」
うんうん、部下達はひそひそと小声で困惑している。主に私のことなのは気になるけども。その辺りは正体不明ってことで何も言わない。敢えて言うなら、空島は好きだってことくらいだ。
「ジュキキ!!」
「こっちの方はなんて種族れすか? 大きくてとっても強そうれす!!」
「あ、そういえばさっきの闘魚、1つ齧られた跡みたいなのがあったのれすが……」
「闘魚同士で共食いでもしたんじゃない? それと──食べちゃ駄目だからね、ナンバーズ」
「! ジュキ……」
「え!!? なんでれすか!? 食べていいれすよ!!」
「ええ、勿論。
「ジュキ!!」
「??」
トンタッタ族が頭に疑問符を浮かべている。今まさに命の危機だったことに気づいてる様子はない。ナンバーズ、今トンタッタ族を食べようとしてたからね。駄目って言わなきゃ齧ってたかもしれない。それはそれとしてトンタッタ族とも仲良くしてるのだから食欲とはまた別の問題なのだろう。ちゃんと手綱を引いてないと危なっかしいね。
そうしてトンタッタ族の歓待を受けながら、私はそろそろ本題に入ろうと口火を切る。笑顔を向けて、敵意や下心は一切見せずに。
「これからもたまーにやってきてお土産持ってくるからちゃんと憶えておいてね♡ 私達、百獣海賊団のことを」
「勿論れす!! ノーランドの子孫のお友達で、しかもこんな親切にお土産まで持ってきてくれる人達のことは忘れません!!」
「お返しに野菜や果物の種も持っていってほしいれす!!」
「ありがと♪ それもありがたく頂くけど……それより、あなた達の中に海賊になってもいい、もしくは異国の地で暮らしてみたいって人はいない?」
「えっ!? 海賊れすか!!?」
私は頷く。勿論、と。嘘は言わない。だから続けてこうも言う。彼らが驚き、戸惑うところに、
「海賊はさすがに……」
「でもあのノーランドも海に出て色んな土地を見て回ったのよ? それに、ノーランドの子孫だって海賊だしね♡」
「!! そうなんれすか!?」
「ノーランドが冒険家なのは知ってたれすけど、子孫は海賊だったんれすか……!!」
「そうよ。海賊だって冒険家だって海に出るのは同じ。それに今は世界政府の許可なく海に出る者は皆海賊って言うんだし、ノーランドが海賊だったとしてもおかしくないでしょ?」
「確かに……!!」
「言われてみればそうれす……!!」
ハッとした表情で驚くトンタッタ族。この一途さはそりゃ騙されるよね。でも私は騙してなんかない。言ってることは全部本当だしね。ノーランドの子孫が海賊なのも本当だもん。唯一嘘があるとすれば、ノーランドの子孫と友達ってことだけど、それくらいなら可愛いものだろう。別に無理矢理拉致したって良いのだ。それをしないのは、彼らには有用性があるから。
「それに実は……私達が拠点にしてる島は結構荒れ果ててしまっていて、植物を育てられるトンタッタ族がいれば助かるのよね~」
「なるほど……話はわかりました。元より、国を出ることを罰するような法もありませぬし、行きたい者がいるなら連れて行ってくれても構わないれす」
「なら行ってみたいれす!!」
「私も行く!!」
「おれも!!」
「異国の地、行ってみたいれす!!」
もう1つ、嘘ではない理由を告げると、トンタッタ王国の国王。トンタ長のガンチョはそう言って頷いてくれる。ふふん、上手くいった。小人族ゲット~♪
トンタ長の許可が下りたことで、少ないが何人かのトンタッタ族が手を挙げてくれる。う~ん? でももうちょっと来てくれると思ったんだけどウケが悪いなぁ。やっぱ、もうちょっと恩を着せないと駄目だったかな? でもまあいっか。交流を持っておけばもしかしたらそのうち入ってくれる人もいるかもだし。
「それじゃ、皆付いてきて!! 早速出航するわよー!!」
「おおー!!」
「仲間をよろしくお頼み申す、ぬえさん!! ではまた!!」
「うん、またね~♡」
と、私達は数十人の小人族を連れてグリーンビット地下のトンタッタ王国から地上へ出る。すると直ぐに部下達がひそひそと、
「小人族を騙してウチに入れてどうするんですか?」
「あんな小さい連中がホントに役に立つんれす……あ、やべ、移った……立つんですか?」
「ん~? 言っとくけど、あんた達より強いよ?」
「えっ? いや、そんなバカな……それも嘘ですよね?」
下っ端の部下達が小人族を軽く下に見ていたので、私はいたずらっぽい笑みで言ってやる。それも嘘だと解釈した部下達に向かって、
「さすがにナンバーズやフーズ・フー程じゃないけどね。というかわかるでしょ? さっきの闘魚を普段から捕まえて食料にしてるんだから、ということは闘魚を捕まえられるくらいには強いってことにならない?」
「あ……」
「な、なるほど……で、でもあれだけ騙されやすいなら使いやすそうっすね!!」
どうやら小人族の強さに本気で気づけてなかったらしい部下達に内心で軽く呆れる。まあ襲われる前に私が見つけて話をつけたからその強さが見られなかったもんね。実際に襲われてたら部下の身ぐるみは剥がされてただろうなーと思いながら私は答える。
「それにトンタッタ族はどんな植物でも育てられるんだから。いたら助かるのよ。畑仕事にはぴったりよね♪」
「……畑仕事っすか? そんなことよりももっと良い使い方があるんじゃ──」
「──おいてめェ!! 今なんて言いやがった!!?」
「ぐえェ!? が、はっ……ふ、フーズ・フーざん…………!!?」
「!?」
え、何? ちょっと私までびっくりした。部下が何気なく私の言葉に答えたところ、フーズ・フーの殺気が膨れ上がり、部下の首を掴んで持ち上げた。部下達がギョッとしている。連れてきたトンタッタ族もびっくりしているし、ナンバーズも近くの蝶を追いかけてそれを食していた。そんな中、フーズ・フーは部下に向かって顔を近づけ、
「──何が“そんなこと”だ……!!」
「フ、フーズ・フーさん?」
「ジュキキ?」
部下達の一部がそのキレっぷりに困惑する。ナンバーズも蝶を食べてその味に首を傾げていた。これは美味しいのかな、不味いのかな──って、ちょっとは気にしなさいよ。呑気過ぎるナンバーズは良いとしても、他の者達全員が驚く。何にそんなに怒っているのか。それを部下に向かってフーズ・フーは告げた。
「……てめェ、
「く、鍬……?」
「持ったことはあんのかって聞いてんだよ!!!」
「な、ななないですないです!!! すみません!!」
……え、鍬? どういうこと? などと思っていると、フーズ・フーは続けてこう言い切った。
「──鍬も持ったことねェ奴が、畑仕事をバカにしてんじゃねェよ!!!」
「!!?」
「え? ──あっ」
その発言で、部下達が更に驚愕する中、私は気づく。というか思い出す。その怒りの理由に。
そういえば……今フーズ・フーが引き連れている部下達の多くは彼の元からの部下ではなく古参の船員達だ。そしてその頃はよく、島が壊滅して住民や私達の食べる物がないからと、農業……畑仕事を部下に命じていたことがあるのだが……そういえばフーズ・フーもそれに影響されたのかな。最近も私とカイドウの喧嘩でナワバリの島が更地になった時に必死にそこを立て直していたし……多分、部下達はその時の苦労と怒りが──
「収穫数を伸ばすのが死ぬほど大変だってことが分からねェらしいな……? なんなら、おれがお前を耕してやろうか……!!」
──どんな脅し文句だ。お前を耕すって……いや、というかこれはガチで昔のことで苦労してたんだろう。うん。カイドウや私達はのほほんと南の島の生活を楽しんでたけど、そういえば最初は部下達が農業や島の復興で四苦八苦してたなぁ……と思い出す。いやぁ~~~……まあ謝らないけど、そっかぁ……フーズ・フーも農業に染まってしまったんだねぇ……なんかどうでもいいスキルを身に着けさせてしまったかもしれない。
実際、ウチの部下には建築やら農業やら調理やら無駄なスキルがついてる船員がいたりする。まあつい最近までもデザイア島で色々とやってたし、キース島時代も島の開拓染みたことをやらせてたもんね……そりゃ巡り巡ってフーズ・フーみたいなのが出て来てもおかしくないか……きっと古参の部下達から熱い研修を受けたんだろうね。
「おれは牧畜専門で畑仕事は専門じゃねェが、それでもその苦労は分かってるつもりだ……!! てめェらに……何度復興して収穫してもそれが台無しになる苦労がわからねェてめェらにバカにされる筋合いはねェ……!!」
えっ、しかも農業班じゃないの!? また衝撃の事実だ。じゃあ農業が得意な奴は別にいるってことなんだろうか…………そういえばデザイア島時代に島の一角に何も言ってないのに畑を作ってた部下がいたような……。
「ふ、フーズ・フーさん……!! 見た目は怖いれすけど、あんなに畑仕事について熱く語るなんて、やっぱり良い人なんれすね……!!」
いや、そんなことはない。フーズ・フーも別に良い人ではない。暴れることが大好きな危険人物だ。ただなんか昔の苦労で変な怒りを爆発させてるだけで……トンタッタ族まで騙されてるな……いや騙されてる? 畑仕事で熱くなるのは事実だから騙されてはないかな? もうどっちでもいい。
「……とりあえず帰ろっか。目的は果たしたしね」
「……おい覚えとけ。次またバカにしやがったらてめェ1人で地引き網の刑だ……!!」
「は、はいっ!! すみませんでした!!」
何その罰。そもそも罰なの? 罰だとしても漁師の罰だよね。そこは脱穀を1人でやらせ続けるみたいな刑の方が良いんじゃない? いや、どっちでもいいね!!
──ワノ国“鬼ヶ島”。
ワノ国に帰ってきて早速、私達は海軍の軍艦を武器工場へ持っていき、私達は鬼ヶ島へと戻った。
「はー、まさかフーズ・フーにあんな一面があるなんてねー、はむ、あぐ、んぐ……」
「お、おう……それで、小人族を連れてきて仕事でもさせるってことか?」
クイーンがそれを聞いてどう反応していいかわからない微妙な応答をして質問をしてくる。私はツマミを口にしながら答えた。周囲にはカイドウやキング、ステューシーも揃い踏みだ。
「まあなんか素質ありそうな子には海賊やらせてもいいかもね。なんか何人かは染まってくれそうな子もいるし。それ以外はお望み通り畑仕事でもさせて、食料でも作らせてれば良いんじゃないかな。小人族って人間よりも力持ちだし、その上人間よりも少ない食料で動いてくれるし、働き手としてはかなり適性高いよ」
「確かに、奴隷とされ続けていたのも納得ね」
「嘘をつき続けるだけで快く働いてくれるなら安いもんだな……ワノ国の生意気な住民にも見習わせたいくらいだ」
「ウォロロロ……良いじゃねェか。なんなら全員拉致ってきちまえば良かったのによ」
「それだと快く働いてくれないでしょ? それに……こうやって人に親切にしてると良いことがあるかもだしね~♪」
「何だそりゃ」
「秘密~♪」
私はカイドウの言葉にいたずらっぽく歯を見せて笑う。ふふん。実際、トンタッタ族をこっちに住まわせておけば良いことがあるかもしれない。まあ今直ぐじゃないけどね──と、私はおつまみを更にパクリ。
「う~ん美味しい~♡」
「……ところでぬえさん。その……なんだ。唐揚げか? それは何の唐揚げなんだ?」
「……ふふふ、秘密~♡ クイーンも食べる? コリコリしてて美味しいよ?」
「もう大体わかったぜ……遠慮させてくれ」
「今日の調理はただ揚げるだけでつまらねェ時間だったな」
「──またてめェかよ!! 良い仕事しやがって!!」
クイーンのツッコミが鬼ヶ島に響く。今日もまた、百獣海賊団は僅かに勢力を拡充させた。
ドレスローザ→平和。正体不明の種でバレずに上陸。
トンタッタ族→何故か希望した数よりも多く人がいなくなる。何人かのはみ出しものが海賊団に入りました。
フーズ・フー→牧畜担当
ナンバーズ→呑気。可愛い
そんな感じでお送りしました。後一週間で飛び六胞の詳細が出ると信じてます。信じてます……(切実)
次回は元仲間との再会ですのでお楽しみに
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