正体不明の妖怪(になった男)、情緒不安定な百獣の腹心になる   作:黒岩

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グラン・テゾーロ

 

 ──“新世界”海上。

 

 夜の海に浮かぶそれは、島と見紛うほどに巨大な“船”だった。

 遠目からでもキラキラと光るそれは船の装飾に使われている大量の黄金と色鮮やかな照明の光。

 そしてその島にやってくるのは民間、政府、海軍、海賊──様々な所属の船だ。

 だが海賊が民間人を襲うことも、海軍が海賊を捕らえることもない。

 なぜならそこは世界政府公認の非武装中立地帯。

 その場所では海軍は海賊に手を出すことを禁じられている。天竜人直々のお達し。政府が承認したルールであるため、海軍はそれに従うしかない。

 

 ──ではなぜその船が天竜人に認められ、なおかつ多くの人々が来訪するのか。

 

 その理由は至って簡単。その船が──“夢の街”だからだ。

 

「ワアアアアアアアアアアア!!!」

 

「遂に始まったぞ!!」

 

 その夢の街の入り口となる巨大な水門。金粉が舞うその場所を船で潜り抜ければ、周囲を数十万もの人々で埋め尽くせる観客席に取り囲まれた水上ステージが現れる。

 そこで行われるのは勿論ショーだ。

 ライトアップと共に現れたのは洒落た衣服に身を包む演奏者達。男はスーツ。女はドレス。女性のダンサーはレオタードの衣装だ。

 そんな中、まず鳴り響くのはドラムの音。そしてピアノ。更にベース。その音楽の曲調を整えるための楽器達がリズムを刻み始める。

 観客のテンションを徐々に高めていくような音楽の始まり。謂わばオードブル。

 だが本格的に観客の耳を楽しませるのはここから。一斉に鳴り響くのはサックス、トロンボーン、トランペットだ。

 愉快な音楽が鳴り響くのと同時にダンサー達の踊りもノリ始める。観客も興奮していた。

 だがそれでもまだ足りない。音楽にダンス。それだけでも十分に楽しめるが、この街ではそれだけでは済まさない。

 なぜならこの街は世界最高のエンターテイメントシティ。音楽とダンスと来れば、次に来るのは当然──歌だ。

 

『──レディ~~~~~~~~~スエェ~~~ンジェントルメン!!!』

 

 ステージ上にリズムを刻みながら現れた1人の男がマイクを握りしめてオーディエンスに己の声で呼びかける。

 

『今宵始まるは我々の楽園!!! 人の欲望の全てを叶える黄金の夢の街!!!』

 

「ウオ~~~!! 待ってたぜ~~~!!」

 

「キャ~~~♡」

 

 その人物は身長3メートル程。緑色の髪をオールバックにし、ショー用に拵えた金色と白の派手な衣装に身を包む男だった。その登場に誰もが歓声を上げる。

 なぜなら彼を知らない者などこの場には存在しない。彼こそ、新世界の怪物にしてこの夢の街のオーナーでもある元海賊。

 

『グラン・テゾーロオーナー“黄金帝”ギルド・テゾーロ 元懸賞金7億7700万ベリー』

 

『世界最高のエンターテインメントシティ!!! “グラン・テゾーロ”~~~~~~~!!!』

 

「キャ──♡ テゾーロ様~~~♡」

 

「テゾーロ~~~~~!!!」

 

 自らもステージに立ち、歌とダンスを披露する元テゾーロ海賊団船長──ギルド・テゾーロその人だった。

 

『私の街に集まってくれた親愛なる新世界の諸君!! この街には夜も朝もない!!! 存分に楽しんで夢を掴んでほしい!!!』

 

「うおおおおおおおおお!!!」

 

『──オーケー!!! さあショータイムだ!!! 今日の日の為に最高のゲストが来てくれた!!! それらをまずはご紹介しよう!!!』

 

 テゾーロは客の歓声を受けながらステージ上に現れるゲストを紹介する。音楽に合わせて現れるそのシルエット。

 まず一人目は影の上からでも分かる美貌を持つ美女。

 

『一人目は新世界にその名を轟かせた伝説の美女!!! 歓楽島“デザイア島”の元締め!!! 人呼んで“歓楽街の女王”!!! ──ステューシィィィ~~~~~~~!!!』

 

「おおおおおおおおお!!!」

 

 スポットライトと共に現れたのは赤いドレスに身を包んだ金髪の美女。

 

『“歓楽街の女王”ステューシー』

 

『フフフ……♡ ステージに出るのは久し振りだわ♡』

 

 彼女はその美貌に満ちた表の顔を振りまき、観客から歓迎を受ける。不思議と年配の客からの歓声が強かった。

 だがゲストは彼女1人ではない。テゾーロの声と共に別のシルエットが現れる。今度のそれは丸々と太っていた。

 

『二人目はあの“四皇”百獣海賊団の泣く子も黙る“大看板”!!! 歌って踊れるFANKな巨漢!!! “疫災のォォ~~~~……クイ~~~~~~ン”!!!』

 

『百獣海賊団大看板“疫災のクイーン” 懸賞金15億2000万ベリー』

 

『待たせたな~~~~~ゴミクズ共~~~~~!!!』

 

「QUEEN!!!」

 

「クイーン様~~~~~♡」

 

 8メートル近い巨漢の大男、クイーンがその太った身体からは想像出来ない程の軽快な動きでステージ上に現れる。彼もまたショービジネス界では有名な存在だった。

 その2人ともグラン・テゾーロの開幕を祝うには十分に豪華なゲスト。──だが最後のゲストの前には彼らも霞んでしまう。

 テゾーロもまた、彼女が最もスターであると認めていた。ゆえにそれに相応しい最高の舞台を献上するべく、今まで以上に声を張り上げる。

 

『さあ最後は更に特別だ!!! 生の彼女は滅多に見られるものじゃない!!! 刮目しろ!!!』

 

「うお!!?」

 

「あのUFOは……まさか!!!」

 

 光が一旦消え、音楽が盛り上げを溜めるようなものに変化すると同時にグラン・テゾーロ上空に現れたもの──それはUFOだった。

 知らない者はそれに驚き、噂でそれを耳にしている者、知っている者も誰もが目を見開く。この新世界の海と言えど、UFOを操ることの出来る者などただ1人しか存在しない。知らない方がおかしい存在だ。

 

『そう!!! この世界最高のエンターテインメンツの記念すべき初舞台に現れるのは!!! かの海賊“四皇”!!! “百獣のカイドウ”の兄姉分にして可憐なNo.2!!! そして“世界一のアイドル”!!! その名は──』

 

 ドン、とその溜めの瞬間にグラン・テゾーロは黄金を更に噴出させ、UFOがくるくると円を描きながら色鮮やかな虹色の光に変わっていく。

 そうして光の影。シルエットとして見えたのはやはり小柄な少女。その姿が明らかになっていけば、その服装が普段のものとは違うこともわかる。シルクハットにステッキ。黒と赤の縞模様のニーソックスに普段のものよりもフリルが多めのワンピース衣装。

 それらを身に着けて現れる彼女の名をテゾーロは呼んだ。

 

『──“妖獣のぬえ”ェェェ~~~~~~~~~~~~!!!!』

 

『百獣海賊団副総督(大トリ)“妖獣のぬえ” 懸賞金33億8010万ベリー』

 

『イエ~~~~~~イ!!! みんな~~~~~私が来たよ~~~~~~~♡』

 

「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!?」

 

「きゃあああああああああ~~~~~♡」

 

 宙に浮いたまま片膝を立ててポーズを取り、ウィンクをする新世界のアイドルの登場に最大の歓声がステージを揺らす。それも当然。彼女を生で見られる機会など貴重なのだ。TDなどは出回っていても彼女は海賊。世界政府加盟国などを中心にその活動は限られているし、また恐れられてもいる。

 だが新世界では多くの熱狂的なファンがいるのも確かだったし、何よりもここに来ている彼らは皆テゾーロのお眼鏡に適った新世界切っての富豪や遊び人。あるいは裏社会に生きる者達。そして海賊。危険を承知で快楽を優先する者達だ。

 ゆえに恐れる者よりもそのライブを生で見られることに感激する者の方が圧倒的に多い。

 

『今日はたっぷりと楽しんでいってね~~~~~~~!!!』

 

 そして4人は歌い始める。楽器のリズムに合わせて踊り出す。

 特にぬえはUFOと能力による演出。空を飛び、ステージの中心に降りて可愛く踊り、歌い始めた。

 

『踊り続けるわ♫ SEXY NIGHT♫』

 

「SEXY!!」

 

 ステューシーのパートは艷やかに。

 

『遊び尽くすぜ♫ FUNKY NIGHT♫』

 

「FANK!!」

 

 クイーンのパートは愉快に。

 

『退屈する暇はないぜ♫ GOLD TIME♫』

 

「GOLD!!」

 

 テゾーロのパートは格好良く。

 

『あなたを誘うわ♫ UNKNOWN GIRL♫』

 

「UNKNOWN!!」

 

 ぬえのパートは可愛く──それぞれ身体を揺らし、歌声を響かせる。

 

『グラン・テゾーロ~~~♫』

 

「YEAH!!!」

 

 そして全員で歌う時は綺麗にハモってみせる。誰もが歌のプロであり、これくらいは造作のないことであった。

 低音はテゾーロとクイーン。高音はステューシーとぬえ。それぞれ特徴的な歌声のハーモニーがオーディエンスを楽しませる。

 だがその記念すべきグラン・テゾーロの初舞台を見て、歯を噛みしめる者もいる。

 

『じっとしているだけなんて我慢出来ないわ無理無理無理♫』

 

『誰にも止められない♫ NEW WORLD♫』

 

「中将殿……やはりこれは……」

 

「予想はされていたが……事実だとすると由々しき事態だな……」

 

 ライブを見て苦々しい思いを抱く者達。彼らは海兵であり、このグラン・テゾーロの視察に訪れた部隊の一つである。

 だがそこのライブに百獣海賊団が参加している。そうなると以前から言われていた疑いが確信に変わった。それは、

 

「テゾーロは……百獣海賊団とも手を結んでいる……!!」

 

 そう……世界政府ですら金の力で動かしてしまう財力を持つテゾーロが、百獣海賊団に加担している。

 その事実を受け止め、海兵達はその見ているだけなら楽しげなライブも全く楽しむことが出来なかった。

 

『最高のショータイム♫ 見せてやるのさ~~~~~♫』

 

 そしてそんな彼らに気づきながらも、手を出すことが出来ないと知っている彼らは密かにほくそ笑むのだった。

 

 

 

 

 

 グラン・テゾーロは全長10キロにも及ぶ巨大な黄金船である。

 世界政府公認の独立国家となっているその船は“黄金帝”ギルド・テゾーロの所有物だ。

 なぜ元海賊である彼が世界政府からの認可を勝ち取り、ここまでの地位を手に入れることが出来たのには当然理由が存在する。

 まず一つに金の力だ。

 テゾーロは金の力で世界政府を買収した。多額の天上金を払うことでグラン・テゾーロを国として認めさせ、そしてそこのオーナーである彼と彼の部下達の恩赦を買い取った。

 ゆえに彼は海賊であったが今は海賊ではない。海賊の部下を持ち、海賊との付き合いもあるが、今の彼は裏社会の大物の1人。世界の通貨の20%を掌握するという大富豪である。

 それも彼の身に宿るゴルゴルの実の力の賜物と言ってもいいが……やはりそれだけでは新世界でこれだけの地位を得ることは容易ではない。

 彼がこのグラン・テゾーロを作り上げることが出来たのも、それに至るまでの力を得ることが出来た切っ掛けが存在する。

 それこそが、最近彼の部下となったグラン・テゾーロの幹部である褐色の美女。このグラン・テゾーロ開業の日に最も重要なゲストのもてなしを任されているその女性こそ運気を操る超人系悪魔の実“ラキラキの実”の能力者である幸運の女神。

 

『グラン・テゾーロVIP担当“コンシェルジュ” バカラ』

 

「さあ次の目は~~~~ピンゾロの丁!! ファンタスティック!! またぬえ様の勝ち!!!」

 

「わ~~~い!! さすが私ね!! じゃあ次は半!!」

 

「──では私は丁だ」

 

「はい!! それでは勝負を!!」

 

「むん!! オオオオオオオオオ!!!」

 

 VIPエリアの中央にあるその台。そこで行われている巨大な丁半博打。

 グラン・テゾーロVIPエリアのディーラーを務めているダイスの怪力で特製の巨大籠とサイコロを振り、床に叩きつけた籠をその背にある巨大な斧で割る──かと思いきや。

 

「オオ!! イエェス!!!」

 

「やっぱその斧使わねェのかよ!!!」

 

「お見事!! 目はイチロクの半!! またぬえ様の勝ちです!!」

 

「わーい!!」

 

 頭突きで鉄の籠を割り、賽の目を見せるダイス。出た目は半でまたぬえの勝ちとなった。

 それを背後で見ていた百獣海賊団の船員達はダイスの行動にツッコミを入れて何とも言えない表情をしているが、それとは別にぬえの勝ちっぷりにも驚いていた。

 既にぬえはショーを終え、サーキットで一位を掻っ攫い、カジノのスロットで大儲けし、VIPエリアの丁半大勝負ですら勝ち続けている。

 既に数億ベリーもの金を稼いでおり、カジノにやってきた客もまたその運のツキっぷりに驚いていた。やはり四皇の二番手ともなれば運も凄まじいのかと。

 だがぬえは座布団の上で胡座をかいて、しばらく身体を前に後ろにゆらゆらと揺らしていたが、ふとその動きを止めて一言。

 

「──でも勝ちすぎて飽きちゃった」

 

「! それはそれは……お気に召しませんでしたか?」

 

「う~~~ん……勝つのはそりゃ大好きだけど、正直楽勝で勝ち続ける面白さって微妙なのよね~。勝つか負けるかのスリルあってこそのギャンブルだし……あなたもそう思わない? ──幸運女さん?」

 

「……!!」

 

 ぬえの赤い瞳がバカラを捉える。吸い込まれそうな獣の目だ。まるで全てを見透かされているように感じるのは、バカラが能力を使用したことを見抜かれてしまったからだろう。

 ぬえはにやりと笑みを浮かべてはいるが、その指摘はまるで巨大な獣に睨まれているかのような圧迫感を感じた。バカラの鼓動が強く跳ねる。どう返答するべきか。機嫌を損ねればそこでDEAD END。死は免れない。

 

「く……ハハハハハ!! いやいや、さすがだぬえさん!!」

 

「! テゾーロ様……」

 

 だがバカラが額に汗を掻き、返答を迷わせているのを見て大笑いした者がいる。ぬえの横に座り、そのギャンブルで勝負をしていたテゾーロだ。彼は笑みを浮かべたままバカラに視線を向ける。

 

「さすがに接待が露骨過ぎたな、バカラ」

 

「……返す言葉もありません」

 

「いや、普通ならそれで構わないさ。ただぬえさんが常人とは比較にならないギャンブラーだっただけだ。──という訳ですまないな、ぬえさん。バカラにも悪気はない。許してやってほしい」

 

「あはははは!! 勿論!! そもそも全然怒ってないよ~♪ 勝たせてもらってる訳だしね~♪ それに、それを言うならテゾーロもお世辞がわかりやすいよ?」

 

「ハハハ!! いやいやこっちは本心だとも。──だがぬえさんの前で嘘はつけそうにないな。やはり相当のギャンブラーに思えますが」

 

「ん~~どうだろ。昔はよくカイドウと遊びに行ってたけどね。でも私達が負けるとその日でカジノの方が()()()()しちゃうから、勝ち続けてきたことには違いないかな?」

 

 ぬえは昔の事を思い出すように上機嫌にそれを告げた。船員達や周囲で聞いていた客が「ムチャクチャだ……」と苦い顔を浮かべた。カジノが営業終了したのではなく、カジノが潰されたことは火を見るより明らかだ。

 

「ハッハッハ!! なるほどなるほど!! やはりギャンブルでは敵いそうにないようだ!! ではお次はどこにしましょう? 別の賭け事もあるにはありますが……」

 

「ん~~~ギャンブルはもういいかなぁ」

 

「何ィ!!? ならば──おれのことを殴ってくれェい!!!」

 

 ぬえがギャンブルはもういいと言って次に行くところをどこにするかと悩む素振りを見せると、ディーラーのダイスが殴ってくれと勢い良く頼み込んできた。すると割って入った者がいる。百獣海賊団の飛び六胞、うるティだ。

 

「ぬえさんに気持ち悪く近づくな!!!」

 

「!!」

 

 うるティは跳躍し、ダイスの顔目掛けて思い切り頭突きをお見舞いする。衝撃波が発生し、ダイスの顔が赤く腫れた。だが顔を赤くしたのは顔を強く打ち付けたことだけが理由ではない。ダイスは途端に恍惚とした表情を浮かべた。

 

「キモティ~~~~♡」

 

「うわ!! 気持ち悪!! お前変態なの!!?」

 

「え~~~!!? 至極真っ当なツッコミだ!!」

 

 ダイスの変態的な表情と言葉より、うるティのそのツッコミの方にツッコミを入れるクイーンを始めとする百獣海賊団とテゾーロの部下達。ダイスは元は裏社会で最も危険と言われるデスマッチショーのチャンピオンであり、そのあまりの打たれ強さと気持ち悪さから相手がいなくなった程の変態であるが、改めてそのことにツッコミを入れる者はいなかった。テゾーロの部下は当然、百獣海賊団もそれなりに長い付き合いから知っている者は知っていた。

 

「次は渋くゴルフでもしに行こうかなー。ここに大きなボールもあるし」

 

「ムハハ!! そう、何を隠そうこのおれこそ巨大なゴルフボール──って違ェよ!!」

 

「何!!? 人間ゴルフ!!? ならその玉の役、おれに務めさせてもらおう!! おれの玉を打ってくれェい!!!」

 

「えっ……なにこいつキモい……ぺーたん!! 変態をなんとかして!!」

 

「おれに頼るんじゃねェ!!」

 

 うるティがダイスのあまりのキモさに思わず真っ当な反応を続け、同じく飛び六胞である弟のページワンに抱きついて助けを求めたが、ページワンは関わりたくないのかそのやり取りに呆れているのか素っ気ない態度を取る。

 そしてその間にもぬえは次はどこに行こうかと考え込む。だがそれも無理もない。

 何しろこのグラン・テゾーロには何でもある。最高級ホテルに世界最大のカジノ。巨大な劇場に世界中の魚を集めた水族館。プールにサーキット。ゴルフ場に巨大観覧車に遊園地。レストランにバーと、おおよそ全てのレジャー施設が揃っている。世界最高のエンターテイメントシティの名は伊達ではない。

 だが悩んだ末にぬえはふとお腹が空いたと思い、テゾーロにそれを告げる。

 

「何か美味しいものが食べたい!!」

 

「でしたら最高級のレストランにお連れしましょう──バカラ」

 

「はい。ではこちらです皆様」

 

 と、テゾーロはバカラに案内を頼む。テゾーロ自身は他のVIP達にも挨拶や声掛けをするつもりなのか、ここに残るようだった。

 

「あ、そうだ。チップはどれくらいある?」

 

「バカラ」

 

「はい。今はちょうど10億ベリーとなっています」

 

「あはは、そこそこ稼いだね~♪ それじゃあその半分は──」

 

 と、ぬえはその場にある大量のチップの内、半分程になるケースを船員達に向かって振る舞った。

 

「あなた達!! 5億ベリーあげるから好きに楽しんできなさい!!!」

 

「お──おおおおおお!!? マジかよぬえさん!!!」

 

「これだけの大金で遊んできてもいいんすか!!?」

 

 船員達が突然の大判振る舞いに驚き、嬉しくも戸惑う。本当にいいのかと半信半疑だ。

 だがぬえはニッコリと笑顔を浮かべる。遊びや宴の席で部下にケチるようなことをぬえはしないのだ。

 

「勿論!! ギャンブルに酒に美味いご飯にアトラクション!! 女でも男でも好きにして遊んできなさい!!!」

 

「ウオオオオオオオオオ~~~~~!!! 最高だぜぬえさん!!!」

 

 まさに大判振る舞い。ぬえから大量のチップを受け取った船員達は大喜びでVIPルームから出て街へと繰り出していった。彼らはグラン・テゾーロの警備主任であるタナカさんのヌケヌケの実の能力でVIPエリアを出ていくのだろう。元よりVIPエリアには入り口の扉がなく、タナカさんの能力でなければ入ることも出ることも出来ない。

 

「それじゃ私達も行こっか」

 

「ではこちらに」

 

「ごゆるりとお楽しみください。また後でお声がけします」

 

「うん!! じゃあね~!!」

 

 そして残った幹部だけを連れてぬえはバカラの案内に従ってついて行く。テゾーロが優雅に腰を折ったのを見てぬえは手を軽く振った。どうやらこちらはVIPエリア内で食事をするらしい。バカラは巨人族でも通れそうな巨大な回廊を先導していく。

 そこには特にトラブルはない。あったとしても回避する。火種自体はあるのだ。事前に頭に叩き込んでいる。

 だがしかし──

 

「!」

 

「ぬえさん? 急に止まってどうしたでプリンセスか?」

 

「ツッコまねェぞ」

 

 うるティの言う通り、突然立ち止まって別の道に振り向いたぬえ。ページワンは眉間に皺を寄せていつも通りうるティの変な言葉遣いに何とも言えない顔を浮かべている。

 だがそんなやり取りにすら目を向けず、何かを感じ取ったぬえはふと「あは♡」と楽しそうな笑みを浮かべ、バカラの案内とは違う場所に向かって歩き出した。

 

「!! お、お待ちをぬえ様。そちらは目的の場所ではございませんが……」

 

「知ってるよ。ちょっと顔見知りが()()()()挨拶しに行くだけ♡」

 

「ですがそちらは……!!」

 

「あはは♡ 悪いけど──私の行動を制限(じゃま)しないでくれる?」

 

「……!!」

 

 バカラはぬえが向かう先のフロアに誰がいるかを知っていたため、慌ててそれを止めようとぬえの前に回るが、ぬえに威圧されて顔面蒼白となる。バカラは見聞色の覇気の使い手ではないが、この時ばかりは未来が予測出来た。──これ以上邪魔をすれば恐ろしいことが起きる。自分がテゾーロの部下だとかそういうことは関係ない。目の前の獣からすれば自分は石ころか、あるいは虫ケラのようなもの。別段敵視する訳でもないが、鬱陶しくなればいつでも踏み潰す有象無象に過ぎない。

 テゾーロの部下になってまだ一年と経っていない。初めて目にするテゾーロの最大の取引相手である“四皇”に属する大物海賊の存在感にただただ気圧される。

 だが実のところ部下相手だと気安く、意見や進言にもぬえは割と寛容──というより百獣海賊団自体が割と寛容で、優秀であれば我の強さや細かい部分も認められるのだが、バカラはその実情を知らない。ただ恐ろしさだけを感じているため、バカラは何も言わずについて行くことしか出来なかった。それが唯一の意地だった。VIP担当コンシェルジュを任された者として、何も起こらないようにするしかない。大丈夫。自分は幸運の女神に等しい。そうそう都合の悪いことは起こらない。

 そう思ったバカラの予想は早々に覆される。ぬえの行く先に──頭部をシャボン玉で覆う一団がいた。

 

「ん……? なんだえ、あいつらは……」

 

「! か、カマエル聖。お部屋へ戻るのは如何でしょう? お部屋で美女を侍らせながらのサーキット観戦などは……」

 

 それは──天竜人だった。

 この世界で最も尊き一族。残虐な支配者。何をしようと許される者達。

 その一家もまたこのグラン・テゾーロのVIPとして招かれていた。何しろ世界政府に認可された理由の一つはこの天竜人達に気に入られたからに他ならない。

 天上金を納め、更に遊び場まで提供するテゾーロの街を認め、遊びに来るのも当然のことだった。

 だからこそ、最悪の鉢合わせがありえる。

 “妖獣のぬえ”。天竜人すら恐れず手に掛ける大海賊と天竜人を会わせてはならない。

 それは政府側の役人もテゾーロの配下も皆承知していることだった。ゆえにバカラはぬえを止めようとし、天竜人の護衛の黒服達も慌てて部屋に戻るように提言し、それを促すが──

 

「あいつらは誰かと聞いているのだえ。なぜこの最上級スイートルームにわちき達以外の者がいるんだえ?」

 

「それは……」

 

「全く……せっかく気分良く遊んでいたのに気分が悪いえ!! おいそこの下々民!! ここはわちき達のフロアだえ!! 今なら立ち去るだけで許して──」

 

「うん──邪魔♡」

 

「!!!」

 

 天竜人がぬえに声を掛けた刹那──ぬえの笑顔の言葉と共に彼らが白目を剥く。

 

「か、カマエル聖!!?」

 

「今のは……!!」

 

 政府の役人や衛兵、そして海兵達が戦慄する。

 天竜人の一家だけを狙い撃ちにした今の迫力、威圧は“覇王色の覇気”。

 数百万人に1人の資質。この広い海で王の素質を持つ者だけが扱える特別な覇気だ。

 それを目の当たりにした彼らは恐れ慄く。まさかこの怪物とこんな場所で立ち向かわなければならないのかと。

 だがそれを制止した者がいた。それは彼らの上司でもある。

 

「──やめときなさいよォ」

 

「! し、しかし……」

 

「気持ちは分かるけどねェ~~……そうやって刺激するのは逆効果だよォ」

 

 彼らの背後からスタスタと歩いて自然と前に出ていくのはティアドロップのサングラスを掛けた身長3メートル程の黄色いストライプスーツの男。彼は銃を構えた部下達に止めるように告げた上で対峙する。

 

「猛獣は刺激しちゃあ……余計に興奮して襲いかかってくるでしょうが……そうだろう? “妖獣のぬえ”……!!」

 

「──あはははは♡ よくわかってるじゃない!! 久し振りだねぇ、ボルサリーノ。いや、今は海軍大将……“黄猿”と呼んだ方がいいかな?」

 

 ぬえが名を呼ぶその背に“正義”二文字を背負ったその男こそ海軍本部最高戦力と呼ばれる3人の男の1人。

 

『海軍本部大将“黄猿”(ボルサリーノ)』

 

「勘弁してくださいよ……あんたに会うと昔の傷が酷く痛むんでねェ~~……態々わっしの前に現れんでくれますか」

 

「え~? なんで? せっかく近くにいるんだから挨拶したいじゃん!! 私みたいな美少女と出会えたことをむしろ喜ぶべきだと思うんだけど。ここは」

 

「なら一々天竜人に手を出さんでくれませんか……あっしらにも立場ってもんがあるんでね~~」

 

「──あは♪ なら……()()()()()?」

 

「!」

 

 その瞬間、ぬえの覇気が僅かに高まり、思わず海兵達を後退らせる。その獣の目が爛々と輝いていた。

 海賊が見れば血の気を失い、慌てて逃げ出す海軍大将を相手に、ぬえはむしろ喜んで相手になると相手が挑んで来るのを待ち望んでいる。

 むしろ嫌がっているのはボルサリーノの方だ。彼は息をつきながら決して戦意を見せない。

 

「ここは海軍が海賊に手を出すことを禁ずる非武装地帯でしょうが……」

 

「え~~~!! やらないの~~!!?」

 

「そもそもわっしとあんたが戦りあえば、それはもう“戦争”でしょう……こっちも後には引けなくなる……だから手ェ引いてはくれませんか……?」

 

「え~~……もうしょうがないなぁ……それじゃ戦争が早く出来るように準備をもっともっと頑張ろうかな♡」

 

「おーコワイねェ~~……それならこっちも……それまでに準備しないと大変なことになりそうだねェ……」

 

「頑張ってね~♡ あんまり差がついちゃうと張り合いがなくて退屈になっちゃうからさ♡」

 

 ぬえもボルサリーノも飄々として掴みどころがない。そのやり取りはまるで近所の老人と子供の井戸端会議の様だが、その内容は物騒に過ぎるし、両者の間から感じられる見えない威圧感にその場にいる海兵や役人、バカラなどは黙ってそれを見ていることしか出来ない。四皇の副総督と海軍大将の言葉の応酬など聞いているだけで恐怖だ。

 

「それじゃ挨拶も終わったし、そろそろ──あ、そうだ。せっかくだし一緒に食事でもする?」

 

「……どういう神経をしてたらそんなことが言えるのか不思議でしょうがねェよォ……」

 

「あー、残念。今なら食事ついでにクイーンをボールにしたクイーンゴルフにも参加出来たのに」

 

「ほォ……それなら参加してもいいかもねェ~~……速度は重さ……光の速度でスイングを──」

 

「え~~~!!? 殺る気満々じゃねェかやめろォ!!! ──ってそうじゃねェ!! そもそもボール扱いやめてくれよぬえさん!!」

 

 とんでもない冗談にクイーンが全力でツッコミを入れる。ぬえとボルサリーノが武装硬化したゴルフクラブで殴られたら一度や二度ならともかく、18ホールも回ったら死ねる。冗談とはいえ嫌な想像をさせるセリフにツッコまざるを得なかった。

 

「じゃあまたね~~」

 

「出来ればもう会いたくないんだけどねェ……」

 

「思ったよりあっさり別れたな……」

 

「だって挨拶しに来ただけだもん。まあやるなら相手になったけどね♪ ──ほら、バカラちゃんも行こ。朝からリハーサルに準備にショーで遊んでお腹空いちゃった♡」

 

「は、はい……ではこちらへどうぞ」

 

 散々物騒な言葉の応酬を続けていたが、別れる時はあっさりだ。ぬえは何事もなかったかのように来た道を戻る。クイーンやうるティ、ページワンもそれに続き、バカラも気を取り直して再び案内を続けることにした。

 だがしばらく進み、ようやく専用の個室で席に着いたところでぬえがまたしても「あ」と何かを思い出したような反応を見せた。

 

「そういえば今日は忙しくて新聞見るの忘れちゃってた。バカラちゃ~ん持ってる~?」

 

「すぐにお持ちします」

 

 と、新聞を読むのを忘れていたから欲しいと申し付けるとバカラが一度部屋の外に出て戻ってくる。時間にして数分。割と早いのはやはり、今日の新聞にはこの場所のことも載っているからだろう。

 

「どうぞ」

 

「ありがと。──ん~……ふむふむ……見出しはグラン・テゾーロだよね~……後は戦争に反乱に海賊の事件と……あはは!! 今日も世界は賑やかだね~!!」

 

 新聞を上機嫌に読み始めるぬえ。昔からぬえは新聞が好きだった。見習い時代は新聞を受け取る役をしていて、そのついでに新聞を読んでいたし、それが日課となり、今でもずっと新聞を毎日欠かさず読んでいる。毎日色んな事件が起きることをまるで小説でも読むかのように楽しんで読んでいた。

 それは普通の人が眉をひそめるような事件であっても変わらない。情報も知れるし、娯楽にもなる。世界経済新聞は時折話題性を出すための嘘もあるが、裏社会にも当然通じてるぬえならその真偽を見破ることも容易いし、なんなら鳥社長から直接聞き出すことも出来る。そこに書かれていることが嘘であっても構わない。嘘も含めて楽しんでいるのだ。

 

「ん~手配書も確認しないとね~~どれどれ~……?」

 

「ぺーたんの懸賞金が上がったりしてないでプリンセス?」

 

「ないね~」

 

「それは残念でプリンセス……こうなったらぺーたん! 懸賞金を上げるために事件を起こすプリンセス!! さっきの天竜人にぺーたんの名前を入れて暗殺状を──」

 

「おい!!」

 

 そして新聞をある程度読み終えると、次は手配書を確認する。懸賞金は海賊にとっては自分達の格付けにも等しく、“名声”をどれだけ得ているのかの指標にも等しい。懸賞金が上がればそれだけ名が揚がったことになるし、政府にその危険度が認められたことになる。

 ゆえに海賊は懸賞金が上がることを喜ぶし、他の海賊の懸賞金額を見てどれほどの人物なのかを品定めする。

 尤も、懸賞金額はあくまで危険度であるため、高ければ必ずしも強いとは限らないし、額が高い方が強いとも限らない。

 とはいえ5000万ベリーを超えれば海賊としては一人前。そして1億を超えれば“億超え”として箔がつく。数億ともなれば知らない方がおかしい存在となり、何かしらの強みがあることは間違いない。

 高い懸賞金にはそれだけの金額を懸けられるだけの理由が必ずあるのだ。30億を超える懸賞金を懸けられる特級の危険人物であるぬえもまた情報は欠かさない。四皇の船員なら精々億超えをチェックするくらいでそれ以下の人物は覚える価値もないと切って捨てるが、ぬえはそもそも見ることが好きなため、新たに発行された手配書はほぼ全てを確認していた。

 

「ん~……今日も地味に上がったりしてるね~。でも良さそうなのは──」

 

 だがそれ以下で覚えるのは見込みがありそうな人物や目立つ者だけ。今日も億超え以外には目ぼしい人物はいないと最後の一枚を捲ったその時──ぬえの手が止まった。

 

「…………」

 

「ん? ぬえさん?」

 

 それどころか表情まで打って変わって真剣なものになっている。

 部下達がその様子に疑問符を浮かべ、名前を呼ぶ。──だがその数秒後。ぬえは我慢出来ないと言わんばかりに大笑いした。

 

「く……ふふふ……あはははははは!!!」

 

「どうしたでプリンセスか!?」

 

「そんなに面白ェ奴でもいたのか……?」

 

 ぬえは楽しそうに腹を抱えて笑う。手配書によっぽど面白い人物がいたのかと適当に当たりをつけるページワンだが、それは間違いではない。

 何しろその手配書に描かれた顔と名前をぬえは知っている。彼女は心の中でその者のルーツをテンション高く口にした。

 

 ──()()()()()()()キタ──!! 

 

 

 

 

 

 ──“偉大なる航路(グランドライン)”。

 

 その前半の海に浮かぶ一隻の海賊船は、炎が立ち昇っていた。

 だがそれは船が燃えている訳ではない。不思議とその火は船を燃やさず、その船に乗る船員達も燃やしていない。

 燃やしているのは襲ってきた賞金稼ぎの一団だけだ。

 

「くそ……!! 強ェ……!!」

 

「剣も銃も通じねェ……!!」

 

「これが“自然(ロギア)系”……悪魔の実の力か……!!」

 

「──悪いな!! 勝負にならなくてよ!!」

 

 そしてその炎は1人の男の能力によって生み出されたものだった。

 賞金稼ぎ達はその炎に焼かれ、吹き飛ばされるしかない。銃や刀でその男に懸かった大金を手に入れるために奮闘するが、その刃も銃弾もその男の身体をすり抜ける。

 海の秘宝、悪魔の実。その中でも最強種と呼ばれる“自然(ロギア)系”。

 偉大なる航路前半の海ではほぼ無敵とされる力だった。

 

「──“火拳”」

 

「ギャアア~~~!!?」

 

 そしてその男から打ち出される右拳は距離があろうと関係ない。

 拳から打ち出されるその炎は男の代名詞ともなった技であり、立ちはだかる敵を薙ぎ払うための極大の炎だ。

 賞金稼ぎ達は悲鳴を上げて海へと落ちていく。その最中に男の首を狙ったことを後悔する。火に勝てる人間などいない。危険な猛獣でさえ火を怖がる。為す術などない。

 この海で名を揚げる人物にはそれだけの力と理由が存在するのだ。それを証明した男は恨み節を口にしながら逃げていく賞金稼ぎ達を見送る──すると仲間から声が上がった。

 

「おいエース!! お前気をつけろ!! 船が燃えちまったらどうする!?」

 

「ハハ、悪い!! でもおれの炎は仲間も船も燃やさねェよ!!」

 

「そりゃお前の匙加減というか精度次第だろうが……ったく」

 

 注意をしたマスクの男は船長の無邪気な笑みに呆れながらも苦笑いするしかない。実際彼──デュースがこの船長と航海に出てから仲間や船を燃やしたことは一度もなかったのだ。

 

「それで船長。賞金稼ぎは追っ払ったが、次はどうする?」

 

「ああ。そりゃあ勿論決まってるさ」

 

 そして船長は戦闘を終え、デュースを含めた数名の仲間達に向かって船長命令を告げる。

 

「野郎ども!! 宴にするぞおおおお!!!」

 

「おお!!!」

 

 彼の一声で甲板は酒樽と料理と舟唄が行き交う陽気な宴会場へと早変わりした。

 その宴は戦勝祝いでもあり、船長の記念すべき祝いの宴でもある。

 なぜなら先程賞金稼ぎがやってきて判明したが、船長は遂に賞金首となったのだ。

 

「では賞金首になった船長から一言!!」

 

「かましてくれ船長!!」

 

 船員となったアウトロー達、それも他の海賊団では居場所がないような一風変わったアウトロー中のアウトロー達が船長に向かって囃し立てる。

 

「よし野郎ども!!」

 

 そんな中、彼らの船長は宣言した。賞金稼ぎが置いていった自らの手配書と酒を手にしながら──

 

「おれは必ず“高み”へ昇りつめる!! ──海賊王を、おれは超える!!!」

 

 その船長の言葉と共に彼らは樽ジョッキを掲げた。舞い上がった手配書にはこう書かれている。

 

『スペード海賊団船長ポートガス・D・エース 懸賞金5000万ベリー』

 

 東の海出身の海賊。スーパールーキーとも呼ばれる17歳。通称“火拳のエース”。

 その彼こそ、この大海賊時代の始まりを宣言した偉大なる男の忘れ形見であった。




グラン・テゾーロ→闇深エンターテイメントシティ
お歌→毎回そうだけど実は一曲分くらいは毎回色んな曲聴きながら歌詞考えてる。雰囲気作りは大事。今回のはビッグバンド・ジャズ。
バカラ→ラキラキの実はチート
ダイス→うるティからまともなツッコミをされる
うるティ→実は思考はまともっぽい
クイーン→メインツッコミ役。1番グラン・テゾーロに入り浸りそうなイメージ
ステューシー→今回はゲストだけど天竜人も来ててCP0としての仕事もあるからお歌以外出番はありませんでした。こういうの多い気がする。
ぺーたん→サブツッコミ
黄猿→左腕はきちんとくっついてる。天竜人絡みの任務に1番駆り出されてそう。
デュース→エースの最初の仲間。詳しくは『novel A』で。他の船員も普通に出します。
エース→前半の海の自然系はチート。借り1

ということでこんなところで。みんな大好きエースの登場。原作でまだ語られてないんだけれども、次回からエースのワノ国のあれこれを書きます。ヤマトとムサシと小紫ちゃんも絡みます。あ、幼女も出ます。ノベルでのヒロインも出ます。女引っ掛けすぎだな……次回をお楽しみに!

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