生徒会庶務は平穏に過ごしたい   作:アリアンキング

16 / 30
最新話、お待たせしました。


最近は天候の変化で体調が優れない他、個別にやりたい事をやっていた為に執筆と投稿が遅れた次第です。


今回は夏休み明けの話となってます。存分に堪能してください。


それとお気に入りの登録数が100人になりました。
それ以外に評価をしてくれた方にも大変感謝しております。


第16話 かぐや様は避けたくない/かぐや様は選ばせたい/生徒会は神ってない

 新学期初日。長い夏休みが終わり、多くの学生達は日常に戻っていく。

 仲の良い友人達と語り合う者もいれば、夏の終わりに憂鬱な表情を浮かべる者もいた。この夏。最後に出来た思い出を振り返り、一人の男は…。

 

 

 

「だあぁぁぁぁぁっっ! 俺はなんて恥ずかしい事をぉぉぉぉぉっ!!」

 

 

 己の仕出かした事に後悔していた。夏休みの間、かぐやに遭えない日々を過ごしていた白銀。そんな折、祭りの夜に路地で泣くかぐやを見て、白銀の想いは弾ける事になる。それが影響し、本来なら言わない言葉を繰り出していた。

 

 

 その場は、かぐやに花火を見せる事に無我夢中だった事もあって、気にも留めていなかった。しかし、冷静になって己の発言と行動を振り返れば、顔から火が出る程に恥ずかしい。この出来事は白銀にとって、数十年は忘れられない黒歴史となっていたのだ。

 

 

 

(何故、あの時の俺はあんな事を言ってしまったんだ? もしも四宮があの発言の数々を覚えていたとしたら……)

 

 

【……会長、あの日の言葉。今思うと、かなりイタかったですよね】

 

 

「ぐああぁぁぁぁぁ。もう駄目だぁ! 俺は四宮に合わせる顔がない」

 

 

 自分の事をドン引きするかぐやを妄想し、白銀の精神は崩壊寸前であった。正直な所、勝手な妄想で叫ぶ姿も十分にイタイのだが、その事に本人は気付いていない。

 

 

 

 

 

 一方、その頃。鷺宮はトイレに籠り、あの夜の事を思い返していた。花火を見せるべく、無我夢中だったとはいえ、繰り出された言葉の数々。これが羞恥心となって、鷺宮の精神を苛んでいた。

 

 

(ああああああああ!! 超恥ずかしいよぉぉぉぉぉぉぉぉっ!! 何で私はあんな事を言ってしまったの? かぐやさんに花火を見せたいからとはいえ、あの発言は無いよね。どうしよう。かぐやさんに会うのが凄く怖い。あの夜の事を覚えているだろうし、顔を合わせたら…)

 

 

 

【璃奈さん。普段は物静かな人と思っていましたが、実は暑苦しい人なんですね(笑)】

 

 

「そう言うよね。分かってるんだよ。私らしくない事をしたのはさぁぁぁぁぁ」

「璃奈さん!? 一体、何を叫んでいるんですか?」

「か、かぐやさん!? ど、どうして此処に?」

「どうしても何も。トイレに来るとしたら用は一つしかないでしょう」

 

 

 想像豊かな妄想の所為か、その叫びは口から漏れ出していた。しかも最悪なのは、叫んでる所をトイレに入ってきたかぐやに聞かれてしまった。予想外の出来事で混乱したのか。素っ頓狂な事を口にする鷺宮に呆れた顔で言葉を返す。

 

 

 それを指摘されて、鷺宮は口を閉ざした。言われるまでもなく、トイレに来る理由は一つしかない。かぐやの口から出た正論は、容赦なく鷺宮の心を抉っていく。

 

 

 

「そ、そうだね。今の言葉は忘れてよ」

「はぁ。それは別に構いませんよ。それより璃奈さんこそ、大丈夫なんですか? さっきも何やら叫んでいましたが、体調が悪いなら保健室に行った方が良いと思いますよ。良かったら、私が付き添いましょうか?」

「……。大丈夫よ。別に体調が悪いとかじゃないから。心配かけてごめんね」

「そう? 何とも無いのなら良かったわ」

 

 

 もう思い返すのはやめよう。これ以上はかぐやを心配させるだけだ。確かに恥ずかしい事であるが、あの時にかぐやに言った言葉。それに籠めた想いに偽りはない。そう思えば、先程まで感じていた羞恥心は跡形もなく消えていた。

 

 

 

 その後、立ち直った鷺宮はかぐやと生徒会室に向かっていた。その道すがら、かぐやが鷺宮に話しかける。

 

 

「こうやって生徒会室に足を運ぶのも久しぶりですね」

「そうだね。夏休みに顔を出したっきり、一回も来てなかったし」

「思えば、以前もこんな事があったわね」

「ああ。図書室で本を借りた時よね? 最近の事だけど、昔の様に感じるよ」

「その言い方だと、まるで年寄りみたいですよ」

「年寄りって、それは酷くない?」

「ふふふ。ごめんなさい」

「やっと見つけた!! 二人共、随分と探したんですよ。何処に居たんですか?」

 

 

 

 そんな他愛のない会話をしていると、生徒会室の前で鷺宮達は藤原と出会った。藤原は二人の顔を見るや、膨れた顔で不満の言葉を吐き出した。どうやら、藤原は自分達を探していたようだ。先程の言動と藤原の様子からして、恐らくは学園内を探し回ったのだろう。

 

 

 

「まあ、少しばかり寄り道をね。それで私達を探してたと言ったよね? 何か用事でもあるの?」

「そうだった。会長からの言伝があるんです。新学期の始まりという事で大掃除をするから、役員達は生徒会室に来る様にとの事ですよ」

「そうだったんですか。それと藤原さん。この事を石上くんには伝えましたか?」

「……。ああ~ 石上くんを忘れてました。だけど、探しに行くのは面倒なのでもう入りましょう」

「いい加減ですね。雑に扱うとあとで痛い目に遭いますよ」

「同感。前にも言葉責めで泣かされたと聞いたよ」

「あ、あの時の事は時効ですよ。それに彼も役員なんですし、自ずと来る筈です」

 

 

 

 かぐやの言葉で石上を忘れていた事に気付く藤原だが、あろう事に面倒という理由で探しに行くのを放棄した。これに異を唱える鷺宮とかぐやに対しても、藤原は意見を曲げることはない。こうなったら何を言っても無駄だ。それに藤原の言葉も尤もである。思う所はあるが、三人は生徒会室に入る事にした。

 

 

 

「遅れてごめんなさい。会長、言われた通り。皆さんを連れてきましたよ」

「お、おう。ご苦労だったな藤原。それに鷺宮と四宮も良く来てくれ…た」

 

 

 未だに悶えていた白銀は藤原の言葉で自我を取り戻し、かぐやと目が合った。だが、その瞬間。彼女はふいと白銀から目を逸らす。かぐやが取ったこの行動に白銀は絶句した。しかし、自分の想い過ごしかもしれない。そう言い聞かせて、再度かぐやの目を見て話しかけるが、かぐやはまたもや目を逸らしてしまった。

 

 

(四宮の奴。今、明らかに目を逸らしたよな。これって、俺が痛い奴だと完全に思われている!! どうしよう。学校が始まって早々、こんな風になるなんて……。辛すぎる!! 俺は一体、どうしたらいいんだぁぁぁぁぁぁ)

 

 

 かぐやが避けているのは、隠しようもない事実。この事に白銀は絶望し、魂の抜けた屍の様な表情で窓の外を見つめていた。しかし、絶望の余り白銀はある事を失念していた。それは相手を避ける行為が、必ずしも悪意に寄るものではない。そう。この行動には好き除けという、恥ずかしさ故に相手を避ける行為も存在する。今のかぐやがその状態であった。

 

 

 またかぐや自身もこの状況に困惑していた。普通に挨拶を交わし、普段通りに接するつもりだった。しかし、白銀の顔を見た途端。言葉に出来ない恥ずかしさを覚えて、つい目を逸らす行動を取ってしまった。

 

 

(何で私は会長から目を逸らしたの? これでは私が会長を意識してみたいじゃないの!! お、落ち着くのよ四宮かぐや。この程度で取り乱しては四宮の恥だわ。でも、さっきの会長。何処か様子がおかしかったわね。まさか、私の事で悩んでいるのかしら? 思えば、私が目を逸らした時。会長はショックを受けた様に見えた。これはチャンスかもしれないですね。もし私の予想通りだとしたら、今の会長は本音を漏らす可能性が高い。上手く行けば、会長から告白させる事が出来る。ならば、この機会を逃す訳に行きません)

 

 

(駄目だな。いつまでも、うじうじと悩んでいても仕方ない。さっきのは俺の思い過ごしという可能性もあり得る。そうだ。変に意識せず、普通に話せばいいだけだ。よし、四宮に話しかけよう。まずは挨拶からだな)

 

 

 思い付いた策略を仕掛けるべく、かぐやは白銀に歩み寄る。今度こそ、会長から好きだと言わせて見せると息巻くかぐやだが、此処で一つの誤算が生じる。かぐやが策略を巡らす間、白銀も落ち着きを取り戻し、普段の関係に戻そうと決意した白銀はかぐやに歩み寄っていく。

 

 

 これにかぐやは内心、酷く慌てふためいた。何せ、かぐやの策略は白銀が動揺している事を前提としている。しかし、予想とは裏腹に白銀は全く動揺しておらず、寧ろ決意に満ちた表情を浮かべていた。

 

 

 

 互いに距離を詰めるが、一言も言葉を交わす事なく通り過ぎた。いざ話そうとしても、目を合わせると言葉が出てこない。しかし、これで諦める二人ではない。己を奮い立たせ、再びチャレンジするが結果は同じ。一向に進展しない状況に白銀とかぐやはヤキモキしていた。

 

 

 

 だが、これではいけない。最早、信用回復や策略など既に頭になく、あるのは如何に言葉を交わすかである。三度目の正直。今度こそ、言葉を交わそうと二人が近寄った瞬間。白銀とかぐやの間を遮る様に藤原が通り過ぎた。これで話す機会を逃した二人は苛立ちを隠さず、藤原に不満をぶつける。

 

 

 

「藤原さん。一体、何をしてるんですか?」

「え? 何をって…掃除の用意ですよ」

「はぁ。相変わらず、藤原書記は空気を読まないな」

「ええ!? 何で私は怒られてるんですかぁ?」

「まあまあ。二人も落ち着きなよ。とりあえず、今は掃除しよう」

 

 

 理不尽な責めを受ける藤原を不憫に思い、鷺宮は助け舟を出した。無論、白銀もかぐやも藤原に悪気がないのは分かっている。これでは只の八つ当たりだ。二人は深く息を吐いて、気持ちを切り変えると本来の目的である掃除に取り掛かった。

 

 

 

 

「じゃあ、私は窓拭きをやるので、かぐやさんは床の掃き掃除。鷺宮さんは棚の掃除をお願いします」

「ええ。分かりました」

「はいよ~」

 

 

 力仕事であるゴミ捨てを白銀が行っている間、残った女子三人組は分担して掃除を開始した。一月も留守にしていた為、ちらほらと汚れや埃が目立っていた。元より掃除が好きな方である三人は、丁寧ながらテキパキとした動きで生徒会室を綺麗に整えていく。白銀がゴミ捨てから戻る頃には、大抵の事は終わっていた。

 

 

 思いの他、進んでいる作業に白銀は焦った。これでは一言もかぐやと話さないまま、解散となってしまう。もう形振り構ってはいられない。意を決して、かぐやに向かって白銀は踏み出した。幸いな事にゴミ箱を置く場所にかぐやはいる。これなら自然な形で話しかける事が出来るだろう。また白銀と同じ事を考えていたかぐやも白銀に向かって踏み出していた。

 

 

 

 そして二人が口を開きかけた時。

 

 

「こんちゃーす。遅くなってすみません」

 

 

 最後にやってきた石上は二人の間を横切って、今度も声をかけるタイミングを逸してしまった。度重なる失敗、その都度に入る他者の妨害にかぐやの我慢も限界を超えた。

 

 

「もう!! 藤原さんといい、石上くんといい。一体、何なんですか? もしかして私を馬鹿にしてるんですか!」

「え? 僕が何かしました?」

「全く~ 石上くんは新学期早々、ダメダメなんですね」

「はぁ!? 何故、藤原先輩は僕を見下してんですか?」

「……石上。お前は俺を馬鹿にして楽しいのか?」

「か、会長まで!? ご、ごめんなさい。訳がわからないけど、僕は帰ります」

 

 

 三人の口撃に石上は打ちのめされて、すごすごと退散した。彼自身、偶然にもゴミ捨てから戻る白銀を目撃し、生徒会を手伝う為に顔を出した。しかし、運悪く白銀とかぐやの不興を買ってしまった事で石上にとっては最悪な結果になってしまった。

 

 

「あーあー 石上くんも邪魔をするから」

「そういう貴女も人の事は言えないわ。藤原さんこそ、私の邪魔をしないで」

「……っ。びえええええ。がぐやざんがづめだいぃぃぃっ!!」

 

 

 去りゆく石上を笑う藤原をかぐやは冷たく突き放す。思わぬ相手の言葉で藤原の心は砕かれたのだろう。大声で泣きながら走り去ってしまった。

 

 

 

(何と不憫な……。これは後で石上くんをフォローしないと。それに藤原さんもいなくなったか。まあ、あの子は自業自得だけど、一応フォローしておくかな)

 

 

 一部始終を見ていた鷺宮も二人を追って、部屋を出て行った。それは石上達が心配というのもあるが、この場に残っていたら、次は自分に矛先が向くのは明白だ。まだ掃除は終わっていないが、白銀とかぐやがいれば問題は無いだろう。本音を言えば、この二人に関わるのが面倒になったのだ。

 

 

 その後、中庭で白銀達に撃墜された石上と藤原を見つけた。相当、落ち込んでいるのか。二人の間に漂う空気は重たい。これは立ち直らせるのに難儀しそうだと思いながら、鷺宮は頭を抱えて項垂れた

 

 

 

 こうしてドタバタとした新学期初日は幕を開けた。尚、余談であるが件の二人は翌日には元通りの関係に戻っていた。

 

 

 

 

【本日の勝敗 学校の再開初日から面倒に巻き込まれた鷺宮の勝利】

 

 

 

「そういや、今度の選択授業。四宮達はどうするんだ?」

 

 

 選択授業 この秀知院では一年生と二年生のみ。前期と後期に分けて、計四つの授業が行われる。情報、美術、音楽、書道の科目から選び参加する事となる。また選択した科目によって、他クラスの生徒と合同となる為、一部の者達は同じ科目を選択する場合が多い。

 

 

 このシステムを利用する事で白銀はかぐやと授業が出来る。それ故、白銀は選択授業の話題を切り出した。

 

 

 

「私はかぐやさんと同じにしますよ。普段は違うクラスだから、一緒に出来る選択授業が楽しみにしていました」

「おいおい。そんな動機で選んでどうする? 貴重な学ぶ機会を無駄にするな。自分の必要な事を選べよ」

 

 

 そういう白銀こそ、藤原以上に不純な動機を抱いているのだが、それを棚に上げて注意する。

 

 

「そうですね。会長の言う通り、真面目に選ばないといけません」

 

 

 白銀に賛同するかぐやであるが、この女も内心は白銀と授業を受けようと目論んでいる。無論、そんな本音を表情に出す様な真似はしない。只、一向に用紙に記入する素振りを見せない白銀にどう攻めるか頭脳を振り絞る。そこで良い手段が頭に浮かんだ。その手段とは自身が先に記入する事である。

 

 

 白銀も同じ方法を思い付くが、かぐやの方が早かった。手にしたペンですらすらと記入した後、用紙を見えない様にかぐやは隠す。余裕の笑みを見せるかぐやに白銀は悔しそうに顔を歪めていた。

 

 

「え? かぐやさん。もう書いたんですか? 何を選んだのか教えてくださいよ」

「良いですよ。但し、会長が書いた後であれば教えて差し上げます。

「本当ですか? 会長!! 早く書いて下さい。でないと私がかぐやさんと同じ授業に出れないでしょ!!」

 

 

 これではかぐやが何を選択したのか分からず、また用紙が覗けない為に真似をする事も出来ない。どうするかと悩む中。此処に至って、かぐやと同じ科目を受けようとする藤原をかぐやは嗾けてきた。こうなると強いのは藤原だ。自身の欲望に忠実な彼女は先程、白銀から言われた事などすっかり忘れて、早く書けと白銀を急かす始末。だが、これで引き下がる白銀でない。彼も頭脳を使って対抗手段を探り出す。

 

 

 

(さて、問題は四宮が選んだ選択をどう知るかだな。直接聞けば早いのだが、藤原書記に真面目に選べと言った手前、この手段は取れない。しかも上手い具合に俺に嗾ける始末だ。ならばどうする? そうだな。此処は搦め手で行くとしよう。この場合、鷺宮に聞くのが良いな)

 

 

「少し落ち着け藤原書記。そう急かされては書く物も書けないだろう。それに選ぶにしても人の意見も聞きたい。なあ鷺宮はどの科目を受けるんだ?」

「私? 私が選ぶ科目は音楽と美術だよ。今回は美術を先にするつもり」

 

 

 いきなり話題を振られて驚く鷺宮だが、素直に選んだ科目を教えた。それに感心で返し、かぐやの様子を窺うが余裕の表情に変化はない。それなら次の手を打つまでと白銀は口を開いた。

 

 

「成程。音楽と美術か。そっちの方も何だか面白そうだな。よし、俺は音楽を選ぼ『駄目!! 会長、それだけは絶対に駄目です』ど、どうした藤原書記。顔が怖いぞ」

 

 

 突然、割って入った藤原に白銀は気圧された。普段の穏やかな雰囲気は形を潜め、その表情は能面の様に生気が感じられない。藤原がこうなるのは無理も無い。以前に協力した歌の特訓で味わった事が藤原のトラウマになっていた。この気持ちは同じく特訓に付き合った鷺宮も理解は出来る。故にこの時ばかりは藤原の援護に回る事にした。

 

 

「まあ、音楽は歌唱以外に楽器の演奏もあるからね。上手く出来ないと皆の足を引っ張る事になるよ。そうなると自然と皆の目も厳しくなるし、止めた方が良いんじゃない?」

「そ、そうなのか。確かに歌うだけが音楽では無いのは知っている。でも、俺としては楽器の演奏も『会長? 楽器の演奏を甘く見てませんか? あれは音程や楽譜が読めないと何も出来ませんよ。過去にピアノにやっていた私が言うんですから、間違いはありません。良いですか? 興味がある程度で音楽に踏み込んではいけません。絶対に音楽は選択しないで下さいよ』わ、分かったよ。そこまで言うなら音楽は選ばない。だからその顔をしないでくれ。本当に怖いぞ」

 

 

 

 説得するには弱い理由と思ったが、白銀は疑う事なく鷺宮の言葉を信じた。それに続いて藤原も畳掛ける様に言葉を紡ぐ。彼女の説得こそ無理がある内容だが、今の藤原に逆らえない何かを感じて白銀は音楽の選択を完全に諦めた様だ。

 

 

 

「うーむ。俺は何を受けるかな。情報にするか、美術にするか。迷う所だな」

「どの科目も学んでおいて損が無いですよ。齧る程度でも自分の知識になります」

「そうだな。情報は社会で役に立つし。美術は専門に進む事はないが、その世界に触れる事は良い経験になる。書道も今では学ぶ機会が少ないから、貴重な時間になるだろう」

「ええ。そうですね。会長の言う事は一理あります」

 

 

 

 かぐやの反応を見ようと、それとなく各科目に触れて見るが易々とボロを出す訳もなく。白銀の目論見は失敗に終わった。先手を打たれた以上、なす術は無い。もう素直に書いてしまおうと思った時、白銀はある事に気付いた。

 

 

(待てよ? 先に書いたなら、四宮はどうやって俺と同じ科目にするんだ? 下手すれば両方とも違う科目になる可能性が高い。そんな掛けをあの四宮がするとは思えない。何だ? 何か引っかかる。四宮は書けましたといったが、本当に書いたのだろうか? そうだとしたら、隠す事なく見せる筈だ。まさか!?

そうか。そういう事だったんだな)

 

 

 

 自分の仮説が正しければ、己が取る行動は一つ。

 

 

 

「よし。俺は美術にしよう」

「わぁ~ 会長は美術なんですね。それでかぐやさんは何を選ぶんですか?」

「藤原書記、話の途中で済まない。仕事があるから手伝ってくれないか?」

「ええ~ 今ですか? これから書こうと思ったのに」

「気持ちは分かるが、生徒会の大事な仕事だ。それに書記のお前がやるべき事だろう」

「あ、この仕事は私がいないと駄目ですね。じゃあ、ささっと終わらせましょう」

 

 

 白銀の言葉に不満を漏らす藤原だが、自分の役目となれば話は別だ。藤原は素直に頷いて、白銀と一緒に生徒会室を出て行った。此処で漸くかぐやは動きを見せる。ささっと机に近寄ると、置いてある用紙をのぞき込む。用紙には白銀が言う様に美術と記載されていた。それを見て、かぐやも同じ科目を選択する。実の所、かぐやが狙いは後追いであった。先手を打ったと見せかけて、実は後手を仕掛けていたのだ。

 

 

 これで白銀と授業を受ける事が出来る。それが余程嬉しいのだろう。鼻歌を歌いながらかぐやは浮かれていた。そんなかぐやに鷺宮は声をかける。

 

 

「あーあ。随分と嬉しそうだね。鼻歌まで歌っちゃって」

「ええ。だって、会長と授業を受ける機会が出来たんですよ。勿論、璃奈さんと受けれる事も嬉しいと思っています」

「ふふふ。そう言われると少し照れ臭いね。ところで他に選ぶ科目はどれにするの?」

 

 

 素直に気持ちを告げるかぐやに鷺宮は、その変化に驚いていた。以前だったら、己の心境を悟られまいと隠していた。しかし、夏休み以降。かぐやは鷺宮といる時だけ、気持ちを隠したり誤魔化す事は無くなった。無論、それはかぐやが鷺宮を信頼しているからこそである。

 

 

「今回は美術一択にしますよ。続けてやる方が身に付きますからね」

「一つに絞るやり方かぁ。私もそうしたいけど、前回に美術を選んでるからなぁ」

「あら。それでも一緒に受けれるのだから、良いではありませんか」

「まあね。かぐやさんはどんな絵を描くのか。今から楽しみだよ」

「ふふ。思ってる程、私は上手くは無いですよ。余り期待しないでください」

 

 

 

 それから二人は談笑しながらのんびりと時間を過ごす。その後、仕事を終えて戻った藤原も美術を選択し、四人揃っての合同授業が決まった。

 

 

【本日の勝敗 かぐやと鷺宮の勝利】

 

 

 

「俺に相談だと!? まさか、また恋愛の事か?」

「うっす。何度も悪いなぁと思ってるんすけど、頼れるのは会長しかいないんすよ」

 

 

 昼の頃。生徒会室に足を運んだ白銀は、またもや翼に相談を持ち掛けられた。二度ある事は三度ある。この言葉通りの展開に正直、うんざりする白銀であったが断る訳にもいかず。翼を伴って生徒会室に入る事にした。

 

 

「へー 久しぶりに来たけど、やっぱり生徒会室の空気はいいっすね」

「なぁ。相談を受ける前に一つ言わせてくれ。お前、夏が明けてから随分とチャラくなったな。一体、どういう心境の変化だ?」

 

 

 白銀がそう言うのも無理はない。夏休み前は黒髪に丁寧な言葉遣いだった翼だが、今の彼は茶髪にピアスに飽き足らず、話し方まで変わっていた。基本、他人の事にどうこう言うつもりはないが、翼の格好は学生がするに相応しいとは言えない。生徒会長としてもその点は気になっていたのだ。

 

 

「へ? そうっすかね? 案外普通だと思いますよ。それよりも、早く相談に乗って下さいよ~」

「お、おう。分かった」

 

 

 注意しても本人は、何処吹く風といった様子で気にも留めていない。これは言っても無駄だと悟り、白銀は話を進める事にした。その時、生徒会室の戸が開き鷺宮と石上が姿を見せた。

 

 

「こんにちは。うん? その人は誰なの?」

「ああ。石上に鷺宮か。実は俺に相談したいと訪ねて来たんだよ」

「相談ですか? だったら、僕らは席を外しましょうか? 邪魔になるでしょうし」

「いや。寧ろ、残ってくれ。折角だし、二人の知恵も借りたいからな」

「別に良いですよ。僕で良ければ、力を貸します」

 

 

 

 気を利かせて去ろうとする石上達を白銀は引きとめる。正直、二人を巻き込む事に抵抗を感じたが、自分一人で翼の相手をするには気が重い。故に意地を張る事をやめて、白銀は素直に協力を申し出た。石上は協力する姿勢を見せるが、鷺宮は苦虫を噛み潰したような顔をして白銀を見る。何せ、相談という言葉を聞いて彼女は過去の出来事を思い返していた。翼と柏木。この二人の相談に乗った時はいつも碌な事にならなかった。ならば、今回もそうなるのではないか?鷺宮は嫌な予感を感じていた。

 

 

 

「私は遠慮しようかな。ほら、人に何かを助言出来る程、人生経験は豊富じゃないし、何よりこの後も生徒会の仕事があるもの。という訳で私は『ええ~。そんな事を言わないでくださいよ~。僕としては鷺宮さんにも聞いて欲しいんですって』……」

「だそうだ。これも生徒会の仕事の一つだ。気持ちは分かるが、今回も協力してくれ」

「……っ! 分かったわよ。相談に乗れば良いんでしょ!! やってやるわよ」

 

 

 何とか逃げようとする鷺宮の言葉を遮って嘆願する翼と、生徒会の仕事を盾に協力を募る白銀に押し切られて結局、相談に乗る羽目になった。

 

 

 

「それで相談とは何だ? 柏木と喧嘩でもしたのか?」

「いやぁ~ そんな事は無いですよぉ。寧ろ、夏休みを通じて仲が深まった? みたいな感じっす」

「……会長。この人、本当は相談じゃなくて、自慢しに来てるんじゃないですか? どうみても悩みがある様に見えないんですが」

「石上くんの言う通り。明らかに相談がある人間の顔に見えないよ」

「待て待て。二人共。そう決め付けるのは良くないぞ。これから悩みを言うかもしれないだろう」

 

 

 

 相談の内容について。真剣な顔で尋ねる白銀に、翼は明るい様子で言葉を返す。これに違和感を覚えた石上が白銀に小声で問い掛ける。それに便乗して鷺宮も苦言を述べた。そんな二人を諌める白銀だが、内心は二人と同じ事を考えていた。しかし、自分が率先して相談に乗ると言った手前。やはり駄目だと翼を追い返す事は出来ない。何とか鷺宮達を説得して、白銀は話を進める。

 

 

「改めて聞くが相談の内容は何だ?」

「ああ。それなんすけど、実は渚とラブラブなんですよ~ これ以上、どうしたらいいのかなって」

「やっぱり、相談装った自慢じゃねえかぁぁぁぁぁぁ!」

「落ち着け石上!! そのトイレットペーパーで何をするつもりだ!? そ、それでお前は次のステップに進みたい。そういう事だな?」

 

 

 翼の言動に石上は鬼の形相でいきり立つ。何処からか取り出したトイレットペーパーで、翼に襲いかかろうとする石上を抑えながら白銀は翼に話の続きを促した。

 

 

「えーっと。まあ、そんな感じの話っすよ」

 

 

 未だに進まない話とチャラい口調の翼に、流石の白銀も苛立ちを感じていた。それを理性で堪えていると、落ち着きを取り戻した石上が再び小声で話しかける。

 

 

「会長。此奴に次のステップなんぞ、あるんですか? この馬鹿みたいに浮かれた顔を見る限り、絶対イクとこまでイってますよ」

「そ、そんな事は…」

 

 

 石上に反論しようにも白銀は返す言葉が浮ばない。何せ、翼と柏木が交際を始めたのは五月の半ば。それから順調に関係は続き、果ては夏休みの間により深い関係になっていても不思議ではない。もし石上の言う通りであれば、恋愛経験の無い白銀に出来る助言は無いのだ。

 

 

 確証は無いが、今の翼を見る限り。石上の予想が正しいと思えてくる。そうだとすれば、自分達は翼の自慢という相談を延々と聞く羽目になるだろう。当然、そんなのは誰も聞きたくはない。もう強引に話を終らせてしまおう。そう決断して白銀が口を開いた時、翼の方から話しかけてきた。

 

 

 

「いんや~ 夏休みって最高ですよね。会長と鷺宮さんは何処か行ったんすか?」

「え? 俺は夏の間、バイトと勉強が殆どだったよ。まあ、最後は鷺宮以外の皆と花火を見たくらいか」

「そういや、私はその時いなかったね。ま、私も夏は家にいてばかりだったよ」

「へ? そんな風に過ごしてたんすか? 海に行ったりとかは?」

「「してない」」

「じ、じゃあ誰かとデートしたりもない?」

「「ない」」

「うっへぇ。何て言うか、つまんない夏を過ごしていたんですね。勿体無いなぁ」

 

 

 夏の定番イベントを尋ねる翼に白銀と鷺宮は口を揃えて否定した。それを聞いて、翼は如何にも見下す様に同情した。その態度に遂に鷺宮も我慢の限界が訪れた。

 

 

「黙って聞いてれば、好き放題に言いやがって。お前は何様だぁぁぁぁぁぁ!」

「待ったぁぁぁぁぁ! それは不味いぞ。鷺宮、そのボールペンを下ろせェェェ!」

「そうですよぉぉぉぉ!こんな奴でも怪我させたら、鷺宮先輩の責任になるんですよ。どうか落ち着いて下さい」

 

 

 

 机に置いていたボールペンで翼の眉間を刺そうとするが、咄嗟に白銀と石上が止めに入る。二人が必死に抑えて説得する中、当の本人は鷺宮が何で怒っているのか、分かっていない様子。その後、数分に及ぶ説得で鷺宮を宥める事に成功し、白銀と石上は安堵の息を吐く。

 

「こんにちは。此処にいたんですね。もしかして、生徒会に用事があったの?」

「うん。そういう渚こそ、誰かに用事があるの?」

「ええ。私はかぐやさんにね。でも、いないのなら会長達に話そうかな」

 

 

 

 しかし、此処で更なる出来事が三人を追い詰める。生徒会の戸が再び開いて、姿を見せたのは翼の彼女である柏木。今最も会いたくない人物の登場に白銀と石上は慌てた。彼女の登場によって、翼が格好つけようとするのは火を見るより明らか。下手すれば、また鷺宮を刺激する事になるだろう。

 

 

 

「いや、柏木は四宮に用があるんだろ? 生憎、俺達は所用で席を外す事になってな。ついでに四宮を探してくるからその間、待っていてくれ」

 

 

 

 もし柏木の手前で先程の事が起きたら、当然ながら柏木も黙ってはいないだろう。鷺宮と柏木。この二人に因る修羅場が勃発したら、白銀達では収拾がつかない。そうなる前に二人は鷺宮を伴って、一旦部屋を出る事にした。

 

 

 

「ふー。部屋を出たはいいが。この後、どうしたもんか」

「いえ。これはチャンスじゃないですか? 今、密室にいる事であの二人は何か行動に出る筈です」

「おいおい。いくらあの二人でも、生徒会室でそんな事はしないだろう」

 

 

 生徒会室に残した二人が行為に及ぶと言う石上。それは無いと否定するも内心では、白銀もあり得ると思っていた。二の足を踏む白銀達に救いの手が差し伸べられた。

 

 

「あれ? 皆さん、部屋の前で何してるんですか?」

「静かにしてください。今、例の二人が神ってるか確かめてる最中です」

「ええええぇぇぇ!? あの二人、そこまで進展してるんですか?」

 

 

(何故、今ので分かるんだ? 藤原書記のこういう所は謎だよな)

 

 

 濁して言ってるのに意味が伝わる藤原を白銀は、神妙な顔で見つめていた。その中、意味が分からず戸惑うかぐやが二人に聞いて来た。

 

 

「あの二人、何の行為に及んでるの?」

「実はですね…」

「はぁ!? あの二人、生徒会室でそんな事をしようとしてるの!?」

 

 どう伝えようか迷う中、藤原がかぐやに今の状況を教える。その内容に衝撃的で聞いたかぐやの顔は赤く染まった。そんな二人を余所に一心不乱に、部屋を覗いていた石上が声を上げた。

 

 

「見て下さい。あの二人、恋人繋ぎをしてますよ。これは神ってる証拠じゃないですか?」

「いや、これくらいなら初デートでもやるだろう。決定付けるにはまだ早い」

 

(初デートでやるの? 会長って、意外に大胆)

(マジかよ。奥手に見えて、実は肉食系の男子なのか。白銀くんの思わぬ一面を見たな)

 

 

 しかし、白銀の中では恋人繋ぎは神ってる証にはならない。傍で聞いている女子二人は白銀の恋愛観に驚いていた。次に反応を示したのは自称、ラブ探偵の藤原であった。

 

 

「あー あれ見て下さい。今度は二人とも、キスしてますよ。これは神でしょう」

「大声を出すな。だが、頬にキス程度なら二回目のデートでやるものだ。まだ神ってはいない」

 

 

(えええええ。二回目でキスするのぉ!? で、ですが…頬なら別に不思議ではありませんね)

(はぁ!? 二回目でキスって、どうみても飛ばし過ぎでしょ。そこは手を繋ぐ辺りが普通なんだけどね。まあ、最初は腹立ったけど、あの二人の馬鹿さ加減が見れるのは面白いな)

 

 

 ロマンチックな妄想に浸るかぐやとは、反対に鷺宮は猛烈な毒を吐き捨てる。積もった溜飲を此処で下げようという腹積もりだ。そんな折、事態は更に進行する。今度は覗いていた三人が驚きの表情を浮かべた。

 

 

「あ、あの二人…遂には首筋にキスしましたよ。これはもう神ってると見るべきでしょう」

「まだだ。あれは四回目のデートでするものだ」

「だったら、何回目でヤルんですか?」

「決まってるだろう。それは五回目のデートでだよ」

 

 

(あーあ とうとう言い切ったよ。この男、五回目でヤルって言うけど。そんな簡単に女が体を許すとおもってるのかね? 無論、場の空気に当てられての発言だろうけど、心の奥ではそう考えてるって事よね。少しだけ距離置こうかしら?)

(ご、ごごごご五回目でヤル。な、何を? い、いえ。男女と出かけるなら答えは一つしかな…い)

 

 

 此処で精神の限界が来たかぐやが倒れそうになったが、咄嗟に気付いた鷺宮がかぐやを受け止めた事で彼女は床に衝突する事は無かった。

 

 

 だが、その騒ぎで中にいた柏木がひょこっと部屋から顔をだす。

 

 

 

「皆さん、部屋の前で何をしてるんですか? もしや、私と彼が行為に及ぶと思ってたりします?」

「い、いや。そんな事は思って無い。だが、その様子では俺達の話は筒抜けだったのか?」

「ええ。彼は気付いてませんが、私は全部聞いてましたよ。白銀会長の恋愛観、面白かったですね」

「ぐっ、それは済まない。だけど、本当に二人は石上が言うような関係なのか?」

「誤解の無いように言いますが、私と彼はそこまでの関係ではありませんよ」

 

 

 

 バレているならばと、白銀は二人の関係を思い切って尋ねた。他人の人間関係に口を出す筋合いは無いと分かってはいるが、生徒会長として不純異性交遊に当たる行動をされては堪らない。そんな白銀に柏木は平然とした様子で言葉を返した。どうやら彼女もその点は理解している様で、白銀達が想像している行為はしてないと断言した。

 

 

「それに彼の事ですが、余り責めないでくださいね。ああなったのは、私が悪戯心でワイルドな男が良いと言った所、彼は見た目を変えて来たんですよ。本人も実はかなり無理してる様だし、元の姿に戻る様に言っておきます」

「そうか。それを聞いて安心したぞ」

「ええ。それはごめんなさい」

 

 

 そう言って、艶やかに笑う柏木。そんな彼女に妙な色気を感じて、不安を抱く白銀達だがこれ以上は何も言うまいと口を閉じる事にした。

 

 

 

【今回の勝敗 生徒会の敗北】




今回のお話、いかがだったでしょうか?


黒歴史に悶える白銀と鷺宮。それに白銀と同じ授業が出来ると小躍りするかぐや。極め付けはバカップルが神ってるか調べる生徒会の面々。

特に小躍りするかぐやを漫画で見た時は、絶対に書きたい話だと思っていたので書けて大満足です!!


次回は白銀の特訓回と白銀の誕生日編を書く予定です。どうかお楽しみに
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。