対ネオアメリカ戦争は無事我がサワユキ王国の完全勝利に終わり、近隣コロニーは我が王国の武威に震え上がり競って外交官を派遣してきた。これまではせいぜい冒険的な記者や闇屋しか我が王国に寄りつかなかったが、僕の圧倒的な力に魅せられたのだろうな。
そんな諸外国外交団の中に、連邦政府の人間もいた。
「・・・・・・久しぶりだな、サワユキ」
王たる僕を呼び捨てにするなど、サワユキ王国では本来極刑に値するのだが、いきり立つ親衛隊のプルクローンズを手を挙げて押し留め、僕は笑って答えた。
「やあ、元気にしてたかな・・・・・・父さん」
「お前が宇宙の辺境で国王を名乗っている事はジャブローでも噂されてはいたがな・・・・・・まさか本当にサイド3を支配しているとは思わなかった」
国王をお前と呼ぶ不敬行為に対し、僕への絶対的忠誠を刷り込まれたプルクローンズ親衛隊は銃を抜いて父へ狙いを定める。そんな様子を愛おしく思いながら、僕は彼女たちに声をかけた。
「いいんだよ、あの人は僕の父さんなんだから」
その一声で銃を直し整列するプルクローンズ。ついさきほどまで多数の銃で狙われていたというのに、冷静さを保ったまま父はゆっくりと口を開いた。
「この兵士達・・・・・・全てニュータイプのクローンか。いや、その上に強化を施しているな?」
僅かに驚きの色を見せる父の声色に対し、僕は嬉々として答えた。
「そうだよ。連邦軍でもなかなかできることじゃないでしょ? まぁ僕の国でもまだこの親衛隊にしかいないんだけどね。彼女達は作るのにちょーっとお金がかかっちゃうんだ。ま、いい女を作るにはお金がかかるもんだよね。このごろ戦争やら建設やら物入りでね~」
ついつい父さんを前に多弁になってしまう僕であった。
ヨシオ・ドウナイは黙ったまま、息子の話を聞いていた。ニュータイプクローンの強化人間部隊は、連邦軍でもティターンズのノウハウを用いれば編成することはできる。しかし、建て前だけでも正義の民主主義軍隊を標榜する地球連邦軍としては、アンチニュータイプの思想を抜きにしても、それは倫理的に難しい。議員バッジと軍の階級章を帯びた身を笑いながらヨシオは冷笑した。
「それで、連邦議員にして地球連邦軍中将のヨシオ閣下が何しに来られたのかな? 我が王国への移民かな? 父さんなら大公として迎えてあげてもいいよ」
一方的なお喋りを漸く止め、無邪気に語りかける息子を軽くいなす。
「フ・・・・・・冗談はよせ。今回は地球連邦政府の代表として貴様の国と交渉するために来た」
そう厳かに告げる父の表情からは、僕は何も読み取ることが出来なかった。