「えっ!? 僕にサイド3の支配権を認めると言うのかい!!」
「ふん・・・・・・見え透いた芝居をするな。どうせ手放せと言っても従う気はあるまい」
僕のおどけた顔を見て鼻で笑う父。久方振りの親子団らんと称し、二人きりで国王の私室で語り合っていた。天井にはシャンデリアが輝き、床は分厚い絨毯を幾重にも敷いていた。ザビ家が贅沢していたなら、それより格上の僕はもっと贅沢しなければ世間体が悪くてつらいよ。ほんとはしたくないんだけれど・・・・・・
もちろん国民には「贅沢は敵だ!」のスローガンのもと富国強兵に備えさせてるよ!
我が国は旧ジオン時代の地球連邦政府からの独立戦争に始まり、反戦革命、僕による鎮圧、粛正、さらにティターンズの凶悪なる侵寇、ネオアメリカの卑劣なる奇襲攻撃という立て続けの動乱に見舞われている。幸いにも優秀なる僕の指導力により外敵を木っ端みじんに粉砕したが、そろそろ本当に国がもたないらしい。せっかくネオアメリカ戦勝記念祝典計画を実行に移そうとしたのに、国庫が空なんじゃなぁ。かねてより進めていたプルクローンズ親衛隊の編成は一応できたけど、本当にこれが限界っぽい。つまり、そろそろ内政ターンというわけだ。今までは各コロニーに資金資源を(強制)献上させて、逆らう不穏分子は四公爵に監視と抹殺をさせていた。まるでこれじゃ村を支配する山賊と変わらないじゃないか。ひとりぼっちの独裁政権から、ちゃんとした中央政府を作らなくちゃいけない。人材集めだ。けど僕は友達なんていないぞ。
「なればこそ、だ。政府としても強大な軍事力を持つサイド3(父はサワユキ王国と呼んでくれない)が不安定では面倒だ。そこで、貴様に支配権を与える代わりに、連邦から人を送る。貴様は統治機構を、連邦は秩序を得る。そしてお互い国内に名分が出来る。貴様の国は連邦のお墨付きを得た国家だと。連邦はジオン公国を倒した革命軍に復興支援を行っている、と。こういう筋書きだ、わかったな」
噛み砕いて息子に教える父。
なるほど。連邦の建前では、僕は悪のジオンを倒した民兵で、その政府組織化に協力することで連邦の支配下にあることを示す、と。
概ねその理解でよい、と父。
「そういうことなら、こっちはかまわないよ。けど、この取引はそっちの持ち出しが多過ぎないかい? 連邦はジオンを直接統治下に起きたがっていたのに、半ば独立化を支援するなんて」
「なに、名目上従っていれば別にかまわん。政府としては今は地球の復興が最優先だ」
「宇宙も戦乱で荒れてるけど、そこは放置するんだね。まるで父さんの子育てと一緒だね。連邦政府は父さんに似たのかな?」
僕の皮肉に対し、父はにやっと冷笑を浮かべただけだった。