仗助に双子の姉がいたらというもしも パート4 第五部へGO! 作:蜜柑ブタ
第二部編で、シーザーを生存させているので、この時間軸で生きています。(この話ではまだ未登場。名前のみ)
シーザー→東方ミナミ描写有りです。注意!!
2001年。イタリアにて。
「ちょっと早かったかな?」
腕時計を確認し、東方ミナミはオープンカフェの席で、フウッ…とため息を吐いた。
彼女は待ち合わせをしていた。
イタリアを故郷とするシーザー・A・ツェペリ(70越え。※波紋使用)から誘われたのだ。旅行券が手紙と共に送られてきて、一緒に入っていた地図に従ってこのカフェにやってきた。
「…にしても……。」
観光地として有名なのは知っているが、観光客の多いこと。あと、イチャコラしているカップルも多い。
それに自分にさっきからチラチラと目線を向けてくる男も多い。
ミナミは、自分が人目を引く容姿であることは自覚しているが、しつこいのは嫌いだし、安易にナンパしてくる男はもっと嫌いだ。
「ヘイ、彼女。お一人かい?」
そうこうしているといかにもな男が話しかけてきた。
「待ち合わせしてるんです。」
「イタリア語お上手だね。旅行に来たのかい?」
「関係ありません。」
「まあ、そう言わずに。」
相席に座ってニヤニヤしてくる男に、ミナミはムスッとする。
「アナタみたいなタイプは嫌いです。」
「オウ…、気の強い女性は嫌いじゃないぜ? 今から一緒に観光地でも回らない? 俺地元民だからガイドブックに載ってない美味しいお店知ってるぜ?」
「どっか行ってください。そして……、そこの不届き者!!」
ミナミは、テーブルに置いてあったカップを掴み、後ろに向かって剛速球で投げた。
非常に美しい金髪の少年の後頭部にカップが命中。
青年はミナミの旅行鞄を持ったまま倒れた。
「アワワワ!」
いきなりのことに驚いたナンパ男は慌てる。
ミナミは立ち上がり、ズカズカと倒れている少年から旅行鞄を奪い返す。
「…っ……。」
頭を押さえながら起き上がる少年を、ミナミは見おろす。
「ふ~ん、どえらい美少年ね。」
顔を見てミナミは、まずそう思った。
美しい金髪だけじゃなく、顔立ちも良かった。美少年という他ないほどの逸材だ。なんていうか、キラキラした光りが見えそうなほどだ。
「さっきの男とは共犯?」
「…違いますよ。」
少年期から青年期へ変わっていく過程なのか、声も高くなく低すぎない。
「あっそ。じゃあ、カップ代は取らないからそれでチャラしてあげる。」
「けど、隙だらけですよ。」
「それ、玩具のお金。」
「!」
「アハハハ! まんまとダマされてやんの!」
一瞬のすきにミナミの鞄から財布を抜いたジョルノだったが、してやったりという顔をして笑うミナミに唖然とした。
「観光客だからって舐めてたら痛い目みるよ?」
「やれやれ…、狙った相手を間違えたな。」
「そういう日もあるよ。」
「あなたは…随分と変わってますね? 置き引き犯にそんな笑い顔見せます?」
「なんだろうね…。不思議とアナタには、悪い気を感じないの。奇妙だけど。」
「それは、褒め言葉として受け取っておきますよ。」
「じゃあね。」
苦笑しつつも爽やかな空気を醸し出す美少年が去って行き、ミナミはその後ろ姿に手を振って見送った。
その時だった。
「…………………あれ?」
さっき少年が倒れた場所に、小さな花を付けた小さな枝が落ちていた。
「あ…………!」
慌てて拾い確認して、ミナミは、ザーーっと青ざめた。
それは、ソメイヨシノの花だった。花を10個ほど付けた小さな枝だった。
アスファルトからニョロリッと、自身のスタンドである、鮮血色の植物の根っこの姿をしたブルー・ブルー・ローズが姿を見せる。
「あ、あ…、ああああああああああああああ!!」
周りを大慌て見回しても、もうあの少年の姿はどこにもなかった。
「店員さん!」
「は、はい!?」
「この写真の人が来たら、ちょっと遅れるからって伝えといてください! あっ、これ依頼金。」
「えっえっ?」
ミナミは、シーザーと撮ったツーショットの写真とお金を渡し、旅行鞄を担いで全速力で走って行った。
「マズい! 非常にマズいって! なんでよりにもよってソメイヨシノ!? なんで桁単位で寿命取っちゃってるのよ、私のスタンド!!」
スタンド、ブルー・ブルー・ローズ。
東方ミナミのスタンド。
生命の寿命を奪い取り、1年分を青いバラの花。一桁をソメイヨシノの花に変えてしまう能力を持つ。
生死を操る、その強大な力故に本体であるミナミにも制御困難で、勝手に動くため、今回のようなうっかりがたまにある。
つまり、一人の人間の寿命が90年としたら、ソメイヨシノの花として一桁の寿命を奪われた美少年……、ジョルノ・ジョバァーナは、現在、10年以下の寿命しか残っていないのだ。最長でも9年以内に花を戻さなければ、9年過ぎに確実に死ぬ。
青いバラの花と違い、ソメイヨシノの花は、本来の持ち主が死ぬと散ってしまい、二度と戻らないのだ。
「どこにいるのーーーーーーーーーー!!」
ミナミの絶叫がイタリアの町の中で響き渡った。
これは、康一が承太郎に頼まれてイタリアに来る1日前のことである。
以下、ブルー・ブルー・ローズの新設定。
ソメイヨシノの花(↓)
・桁単位で寿命を縮めさせる、ブルー・ブルー・ローズのもう一つの能力。
・第二部編で判明した能力で、究極生命体となったカーズを、ウィルス・細菌レベルまで退化させた。これは、究極生命体となって死を超越してしまったため寿命での死が無くなり、代わりに縮められた寿命の中で永遠に輪廻を繰り返すこととなったため。
・他の生命体に使うと、桁単位で寿命が縮まる。(10→1)
・なお、どれだけ桁を縮められても0にはならない。1以下の短命にはなるが。
・本体であるミナミの手で戻さない限り縮まった寿命は戻らない。また他人に与えることはできない。ミナミ以外が戻そうとしても戻らない。
・持ち主が死んでしまうとソメイヨシノの花は散ってしまい消滅する。
つまり、ソメイヨシノの花を奪われてしまったジョルノは、現在10年以下の寿命状態。最長で9年以内に戻さないとどうあがいても死ぬ。
ここから、ミナミが必死になってジョルノに寿命を返すために探し回ります。