仗助に双子の姉がいたらというもしも パート4 第五部へGO! 作:蜜柑ブタ
とある、フリーゲームに登場した、怪異(迷信)を思い出して取り入れてみました。
ほぼ、後付け設定ですが、造花のヒマワリの花を活かすには?っと考えた末にコレ。
展開は、オリジナル展開。
戦闘は無いけど、プロシュートとペッシは出てます。(この時点ではまだ死んでません)
ザ・グレイトフル・デッド。
それは、暗殺チームのプロシュートという男のスタンド。
無差別にあらゆる生命を老化させる能力を持つ。その射程距離は、現在走行中の列車全体に及ぶ。
しかし、条件はある程度ある。
それは、温度だ。
男と女は、その体質の違いからか、温度が微妙に違う。
それゆえにザ・グレイトフル・デッドの力は、温度が低い方が老化しにくいという弱点がある。そして氷のような急冷をすると老化は止まり、若さが戻る。
花のような弱い命はあっという間に枯れて朽ちるほど早く死に行く。それは命であれば逃げられない。人間もまた枯れ木のように老いて朽ちて死ぬ。能力を解除しない限り、老いて死ぬ。
その無差別攻撃に気づいた時には、すでに仲間は老いる攻撃をもろに受けていた。
氷の入ったジュースを飲んでいたトリッシュや、ブチャラティ、ミスタは、老化が遅かった。だが、男女の違いかトリッシュとミナミに大きな変化はなく、ブチャラティとミスタは少し老い始めていた。
ブチャラティは、冷凍庫の僅かに残った氷をミスタに持たせ、敵を暗殺するためにカメから外へ送った。
「だから…なんだっていうのよ。」
「ミナミ…。」
「トリッシュ、あんたを捕まえるためだけに、ここまでするなんて、正気の沙汰じゃない…。」
「…そうだね。」
「トリッシュを責めてるわけじゃない…。トリッシュの責任でもない…。悪いのは…、ここまでのことをやらせることをしている、あなたのお父さん…。」
「……うん。ミナミ、私、怖いわ。」
「うん…。」
「あなたの言うとおりだと思う。でも……。」
「分かるよ。その気持ちは。分かってる。」
「うん…。」
「と、トリッシュ…、余計なことはしなくていい! その氷とグラスの冷えたジュースは君とミナミが使うんだ。」
そうブチャラティが言うが、この中で一番老いているのはナランチャだ。このままでは、ナランチャが一番最初に死ぬのは目に見えている。
「ナランチャも、俺達も…覚悟の上でボスの命令に従っている。君もミナミも、自分の安全だけ考えるんだ。それが俺達の仕事だ。君もミナミも好き好んでこんな所で、こんな目にあっているわけじゃないんだから。そして…、この老いの攻撃は…、ミスタが……。」
「彼は…。」
「?」
「……死んでるかも…。」
「えっ!?」
「なに…?」
「ひとりじゃない。敵は…、スタンド使いは、二人いた…。」
「待て! なぜそれが分かる?」
ブチャラティが老いでしんどい身体を起こしてミナミの肩を掴んだ。
「分からない…。なんで……“見える”の……? 片目が…、右目が…。これは、どこから見て…?」
ミナミは、左目を思わず手で隠し、右目に映っている映像を確認した。その右目が鮮血色に変わり始めていることに気づかず。
「ミナミ! 敵は二人! そしてミスタは…、失敗したって事だな!?」
「ううん…。でもまだ…、スタンドが…彼のスタンドが、いる。これってまだ意識があるってこと?」
「セックス・ピストルズか…。ならまだ希望はある。敵の動向は分かるか!?」
「あっ。」
「どうした!?」
「ひろわれた…。これは……。なに?」
「???」
分からないことだらけで混乱するミナミであったし、ブチャラティもトリッシュもそれどころじゃなく気づかなかった。
ミナミがさっきまで握っていた造花のヒマワリの花が、カメの部屋の中から消えていたことに。
***
「?」
「何を拾った、ペッシ。」
「花だ。これ作り物の花だぜ、兄貴。」
ペッシとプロシュートは、運転席に行く途中だった。ペッシが造花のヒマワリの花を拾った。
「んなもん拾ってる暇があったら……、? ペッシ…、そいつを捨てろ。」
「えっ?」
「さっさと捨てろーーーー!!」
「えっ?」
突然顔色を変えたプロシュートの様子にペッシは、思わずその造花のヒマワリの花を見た。見てしまった。
ギョロリ
っと動いた、ヒマワリの花の中心に生じた鮮血色の瞳の一つ目とペッシの目が合った。
「ぁ…、がっ!?」
その瞬間、ペッシの身体がコンクリートにでも固められたかのように硬く動かなくなった。
「ぁあ…ああああああああああああ!?」
「チッ!!」
固まって動けないペッシの手からプロシュートが造花のヒマワリの花を叩き落とした。そしてザ・グレイトフル・デッドによってヒマワリの花を潰した。
「おい! ペッシ、動けないのか!?」
「ああぁぁぁ、兄きぃぃいいい、か、かかかかか、身体が…、まるで…石みたいに…。さっきの目…めめめめめめ、目が…。」
ガチガチと歯と歯を震わせて鳴らしながらペッシが泣きながら助けを求める。
「気合い入れろ! 気合いで吹っ飛ばすんだ!」
「うううううううぅぅぅ!! む、無理! 無理ムリムリムリムリ!!」
「このマンモーニが!!」
「ゲボッ!?」
プロシュートは渾身の力でペッシを殴り飛ばした。
「…これで気合い入ったろ? ペッシぃ? まだ気合いいるかぁ?」
「……イダイ…、でも、な、直っだ…。けど、今の目は何だったんだ? 兄貴…そんなスタンド使いがブチャラティのとこにいたっけ?」
「いいや、情報じゃそんな奴はいないはずだぜ。けどな…、新たに介入した女が一人いる。そいつかもな?」
「マジでかよぉ!?」
「だが…今のはスタンドじゃない。」
「えっ? け、けどぉ…。」
「…“邪視(マロッキオ)”って聞いたことぐらいはあるだろーが。」
「えっと、メデューサとか、あんな奴だっけ?」
「そいつは神話に伝わる、その一例だ。迷信だが、大昔から世界中のあっちこっちで伝わる民間伝承って奴でな、希に邪視を宿す人間がいるとされている。さっきお前を見たあの目は、その類いで間違いないだろう。」
「で、でも、今のは人間じゃなくって、作り物の花…。」
「分かってねーな。この手の迷信ってのは、胡散臭いうえに、存在自体があやふやだ。だからこそ、実在したとき付け入られちまうんだよ。さっきのようにな。澄み切った純粋なる邪悪ってのは簡単に心の弱さに入り込んで来やがる。メデューサは、その顔のあまりの恐ろしさに恐怖した相手を無差別に石化させるようにな。」
「俺、石になるとこだったってこと!?」
「石化するかどうかは別にしてもだ、あのままあの目を見続けていればいずれ何かしらの形で命を失ってただろうぜ。邪視ってのは、そういうもんだ。」
「ひえええ~~。」
「そんなことより、とっとと運転席に行くぞ。」
「ま、待って、兄貴~。」
***
一方、カメの中では…。
「…い……。」
「ミナミ? あっ! 目から血が!」
「いぃ、痛い……痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛いイタイイタイ!!」
「ミナミ!」
「なんで…私は…、わたし…は……、『ワタシ』…は…?」
ミナミは右目を押さえのたうち、やがて力が急激に抜けていき、意識を失った。
邪視(じゃし)は、世界の広範囲に分布する民間伝承、迷信の一つ。悪意を持って相手を睨みつける事により、対象者に呪いを掛ける魔力。
イーヴィルアイ(evil eye)、邪眼(じゃがん)、魔眼(まがん)とも言われる。
(※pixiv大百科より)
なぜ、造花のヒマワリの花に邪視が現れたのか……?
そしてなぜミナミは目にダメージを?
そして、意識を失ったので、ここからの戦闘は、ブチャラティvsプロシュート&ペッシとなります。
本当はカットしたくないけど……!
邪視という謎の力という形で介入してもいいかな?
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