仗助に双子の姉がいたらというもしも パート4  第五部へGO!   作:蜜柑ブタ

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まず謝っておきます。





覚悟を決めたカッコいいペッシは……、いません!



オリジナル展開です。


誘(いざな)う

 

 ソロリ、モゾリっと蠢くソレは、ゆっくりと、確実に運転席のある先頭車両へ向かっていた。

 その途中でプロシュート踏み潰されたが、形を保っている造花のヒマワリの花を、手として辛うじて機能している手のようなモノで掴み上げる。

 

『うぇぇぇん! なんだ、ありゃ~~~!?』

 

 小さな声を聞いて、ソレが振り返る。

『モジャモジャした、赤い根っこの塊だ~~!!』

 倒れているのは、頭から血を流したミスタだった。プロシュートに直接掴まれたことで急激に老化させられ、衰弱したところに頭に弾丸を受けたのだ。だが弾丸の軌道を操れるスタンド、セックス・ピストルズのおかげで脳まで弾丸は達さなかった。

『老化するスタンドが発動してる中で、なんで枯れずにいるんだ!? じゃ、じゃあ、コイツはスタンド!? 誰の!? 他にスタンド使いがいたのか~!?』

 しかし敵じゃないと判断したのか、その根っこの塊は、方向転換して運転席のある先頭車両へ向かいだした。

『ああ! 行っちまう! 先頭車両に行っちまう! 敵なのか味方なのか!? どっちだ!? けど、ヤベェ気がする! アイツは…、アレは……。』

 小さなスタンド、セックス・ピストルズ№5がガタガタと震え上がる。

 

 ゆっくりと歩き出すソレが握っている造花のヒマワリの花から、ぽたりぽたりと血が垂れていたが、徐々に垂れる量が減っていき、やがて垂れなくなった。

 

 

 

 先頭車両の出入り口にさしかかったとき、プロシュートとペッシが物陰に隠れていたカメを見つけ出していた。

 そしてザ・グレイトフル・デッドで、トリッシュとミナミ以外にトドメを刺そうと拳を振ろうとした。

 

「う…? うわあああああああ!?」

「!」

 ペッシがソレの存在に気づいて悲鳴を上げた。

「なんじゃこりゃーー!? 根っこ? 植物!? 海藻みたいなモジャモジャの塊だ!」

「…さっきの邪視があったヒマワリの花を持ってやがるな。」

「あっ!」

 プロシュートがいち早くそれに気づき、ペッシもそれに気づいた。

「どっちかだ。どっちかの女がボスの娘だ。だが、どっちだろうと今はいい。てめぇらを始末してから調べりゃいいからなーーー!!」

 

「っ!」

 

 天井にジッパーで穴を空けて潜んでいたブチャラティに、プロシュートがザ・グレイトフル・デッドの拳を振るった。ブチャラティは、咄嗟にスティッキー・フィンガーズで防ぐ。

「ペッシ! 邪視に気をつけて、お前にソイツを任せる!」

「け、けど…さ! もしコイツがトリッシュのスタンドだったら…。」

「んなこたぁ、いい! とにかく半死状態で構わねぇから、やれ!」

「分かったよ! 兄貴!」

 ペッシが自身のスタンド、ビーチ・ボーイを出し、素早く釣り針を根っこの塊に突き刺す。

「ん…? んんんん?」

 ペッシは、ビーチ・ボーイから感じる手応えに疑問を持つ。

 そして釣り針の先が、何か硬い物に当たった。人型で言うと、心臓当たりだろうか。小さな…硬い物。

「かた…、っ!?」

 ハッとした瞬間、辛うじて頭らしき部位に造花のヒマワリの花が移動していて、そこに邪視がありペッシを見ていた。

「やべっ!」

 咄嗟に片手で目を覆った。

 その手を根っこの手が掴んだ。

「うっ!」

 それにビックリして思わず目を開けると、眼前に邪視があった。

「ひぃいいあああああああ!!」

 目が合った瞬間、身体が凄まじい金縛りにあう。

「おい、そっちの仲間がヤバいようだぞ? 助けなくて良いのか?」

「それよりも自分の心配をしたらどうだ? 身体が温まってきただろ? これだけ動けばな。」

 スタンドによる戦いが一方で行われていた。

 下半身のない異形の姿をしたザ・グレイトフル・デッドだが、格闘能力が低いわけじゃない。そのため、精密性もあるスティッキー・フィンガーズにも負けてなかった。

『やべぇ! 氷が効かない!』

 ミスタのスタンド、セックス・ピストルズの№6が氷をブチャラティに当てていたが、体温が高くなってきたせいで老化のスピードが氷でも止められなくなっていた。

「うぅぐぐぐぐぐぐ! き、きききき、気合い、気合いだああああああああ!!」

 ジーッと邪視に見つめられていたペッシだっが、血管を浮かせ、必死に抗おうとする。

 徐々に身体が冷えていくような感じがした。まるで大量出血で身体から温度が無くなっていくような…、そんな恐怖が芯から伝わってくるような奇妙で不気味な感覚が襲ってくる。

「はヒュー、はひゅー……、ぁ……。」

 ペッシの脳内を、美しい花畑のような光景が駆け巡った。そしてまるでジェットコースターのようにそれまでの人生の走馬灯が駆け巡る。

 それがいわゆる、死へ向かう際に見ると言われる臨死体験であることに、ペッシは偶然にも気づいた。

「ハッ! あっぶねーーーー!!」

 意識を気合いで戻したペッシは、掴まれている腕を振り払い根っこの塊を蹴り飛ばした。グシャン、ドダンっと、脆い根っこの塊が転がり倒れる。しかしすぐにギリギリの人型になって立ち上がる。そして今度はゾンビのように両手を前に出してペッシに掴みかかろうとしてきた。

「来るんじゃねー!!」

 ドゴン!っと、腹の辺りにペッシが蹴りを入れて吹っ飛ばそうとしたが、足が触れた直後。またもフワッとした浮遊感と共に、暗闇に投げ出されたような映像が脳内を駆け巡った。

『またーーー!? ちくしょうカラクリが分かればすぐに…、すぐに…?』

 ペッシはおかしいことに気づいた、自分の視界がおかしいことに。

 ふと下を見ると、見覚えがある靴とズボン…その足が自分の足だと気づいた時には…。

『兄貴ぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!』

 大きく開いたジッパーからプロシュートを抱えたブチャラティが車両のと外へと飛び出すのを、白目を剥いて口から泡を吹いて倒れている自分自身も見つけながら、ペッシは赤い根っこの塊の内側から叫んだ。

 そして車両の窓に、ベシャッと血が飛び散って汚し、ブチャラティだけがジッパーを開けて戻って来た。

「これで…、老化させるスタンドは止まった…。しかし、コイツは?」

『ビーチ・ボーイ! ビーチ・ボーイぃいいい!! なんでなにもできねーんだよぉおおおお!?』

 自分の亡骸を前にしても、自分が赤い根っこの塊の内側にいることに気づいていないペッシは、自分のスタンドを呼ぶがスタンドは来ない。

「……死んでるな? お前のおかげか? そもそもお前は…、なんだ? スタンドか?」

『ちくしょおおおおおおおおおおおおおお!! 兄貴ぃ…兄貴ぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい!! ごめん、ごめんよぉおおおお!!』

 赤い根っこの塊の内側にいるペッシは、ただただ号泣する。

「………? う、うわああああああ!?」

『……?』

 するとブチャラティが突如悲鳴を上げ身体を硬直させた。

「なんだこの目はーーーーー!?」

 それを聞いたペッシは、思い出す、赤い根っこは、邪視を宿した造花のヒマワリの花を持っていた。そして自分はその目を見て……。

『コイツ(赤い根っこの塊)…! ブチャラティの味方じゃない!』

 それに気づいた。

『ついてるのか? 俺達は? いや、ダメだ…! 俺は死んじまってる! せめて、せめてブチャラティだけでも始末できりゃ…。兄貴の仇を!』

 

 

 痛ミは 無イ

 

 

『?』

 

 

 安息ヲ

 

 

『…ここ…! 俺は…、まさか! ここはあの赤い根っこ塊の中か!!』

 

 

 永遠ノ

 

 

 安ラギを

 

 

『誰だか分からねーーーが!! ブチャラティどもを殺せーーーー!!』

 自分があの赤い根っこの塊の中にいると理解したペッシはあらんばかりに叫んだ。

 その背後にブラックホールのような黒い穴が迫ってきているのに気づかずに……。

 

 

 

 

 

「邪視(マロッキオ)…!! なのか…?」

 一方ブチャラティは、邪視の視線の力により強力な金縛りにあっていた。

「だが、この根っこは見覚えがある! そうだ、カプリ島のヨット! あそこで見たんだ! なら、これは…、ミナミのスタンドか!?」

 造花のヒマワリの花に宿る邪視が、ジーッとブチャラティを見つめている。

「ぐぅうううううううううううう!! フンッ!!」

 老化させるスタンドの力が無くなったことで力が戻ったブチャラティは、気合いで金縛りを破った。

 金縛りから解放され、尻もちをついた際に、再び邪視を見かけてしまうが、咄嗟に視線を外し、カメを掴んで運転席から飛び出した。赤い根っこの塊は、ブチャラティを視線で追っていたが、やがて運転席の操縦桿を見つめた。そして手を伸ばす。

 緊急停止ボタンに。

「うおおおおお!?」

 突然止まった列車の衝撃でこけたブチャラティ。

 老化から回復した生き残った乗客達が更にパニックになる。だがブチャラティは構わず別の車両へ移動した。

 しかし、次の車両の出入り口で、横からヌッと赤い根っこの塊の手が伸びてきた。

「スティッキー・フィンガーズ!」

 ブチャラティは、咄嗟にスタンドを発動させてその手を弾こうとした。

 だが触れた瞬間に、浮遊感と共に脳内を臨死体験のような凄まじい情報が駆け巡り意識を失いかけた。

「ーーーハッ!」

 後ろへ倒れそうになったことで赤い根っこに触れていた箇所が離れ、ブチャラティはすぐに正気に戻った。

 

 コイツの目と、身体(根っこ)に触れたら死ぬ!

 

 そう本能が告げてきた。

 ブチャラティは、方向転換し、車両の横にジッパーで穴を空け、外へ飛び出した。

 

 赤い根っこの塊は、追って来なかった。

 

 慎重に車両の窓から中を見たが、赤い根っこの塊はどこにもいなかった。どの車両にも。

 

「…あとでミナミに聞くしかないな。」

 

 あれが本当にミナミのスタンドだとしたら、自分達はジョーカーどころかとんだ爆弾を連れて歩いていることになる。

 死者蘇生の力があんな邪悪だとは……。

 確かに自然の摂理を捻り曲げるその行為が許されることで無いことは理解できるが、なにかおかしいとブチャラティは、考えた。

 そう…、ミナミの意識ではない、全く別の意思を感じるのだ。

 

 それは、あの邪視のような澄み切った純粋なる邪悪。

 

 いや…、邪視はその意思が生み出したモノか?

 

 

 ウシロ

 

 

「!?」

 

 カメの中で聞いたあの声が再び聞こえ、振り向いた時、そこには赤い根っこの塊と邪視があった。

 声も出せないほど急速な金縛りが来てブチャラティは、呼吸が止まる思いがした。

 

「エアロスミス!!」

 

 ブンッとエアロスミスが現れ、邪視を撃ち抜いた。

 するとボロボロという風に赤い根っこの塊は崩れ落ち、地面に吸い込まれるように消え、あとにはボロボロに穴が空いた造花のヒマワリの花だけが残された。

「ナランチャ…。」

「だいじょうぶか、ブチャラティ!」

 カメの中から出てきたナランチャが、金縛りから解放されて大量の鼻血を出しながらへたり込んだブチャラティを心配した。

「危なかった…。あと一歩遅かったら死ぬところだった…。」

「さっきのなんだよ!? 敵か!?」

「おそらくだが…、ミナミのスタンドだ。」

「えっ!?」

「……あとで、本人に聞く。まずは別ルートからヴェネツィアへ向かうぞ。」

「う、うん…。」

 ナランチャは、カメの中に戻り、ブチャラティは、カメを抱えて線路に辿るように歩いた。

 

 

 




謎の赤い根っこの塊というイレギュラーに襲われ、ブチャラティも暗殺チームも大変なことに。
プロシュートがブチャラティに一緒に外へ放り出された時に、ペッシが助けられなかったのでプロシュートは、障害物にぶつかって……です。
そして、二人が死んだ後、赤い根っこ塊は、矛先をブチャラティに向けてきたため、ブチャラティ、危うく死ぬところだった。


この後、ミナミに聞いても分かりません。


そろそろ、ポルナレフ達も出さなきゃな……、シーザーも再登場させたいし。
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