仗助に双子の姉がいたらというもしも パート4 第五部へGO! 作:蜜柑ブタ
ポルナレフ達、登場。
オリジナル展開です。
分からない。
それだけが答えだった。
「ウソ言ってんじゃねーぞ、コラァ!!」
「アバッキオ落ち着け!」
「ミナミは、嘘のつけない女です。間違いなく本当でしょう。『自分のスタンドについて、分からない』というのは。」
「…チッ!」
アバッキオは、ミナミの胸ぐらから手を放した。
「だが、再度聞かせてくれないか? 君のスタンドについて。」
「……私のスタンドは、いつも勝手に動くから。でも、何かがおかしいのは確か。」
ブチャラティが聞くと、胸元押さえたミナミが答える。
「最近になってやっと、少しだけ言うことを聞いてもらえるようになったけど、少しだけ…。」
「どうやって?」
「お願いするだけ。ブルー・ブルー・ローズには、私じゃない、意識がある。だからお願いしてるだけ。」
「だったらよぉ、なんで止めなかったんだ? 危うくブチャラティが死ぬところだだったのによぉ!」
ミスタが怒鳴るとミナミは、ビクッとなり萎縮した。
「いじめないで。」
「あ、ああ、い、いじめてるわけじゃないっすよ?」
ソッとトリッシュが庇うようにミナミに寄り添ったので、ミスタは慌てて訂正しようとした。
「そんなの…分からない…。ブルー・ブルー・ローズは、いつも私にとって害になるモノを排除しようとする傾向があるから……。」
「害? つまり敵だと判断したと?」
「たぶん…。」
「さっきから『たぶん』だのなんだの言いやがって、ハッキリしろ!」
「落ち着け!!」
ミナミを掴もうとしたアバッキオを、ブチャラティが止めた。
「分からないものは…分からない…! 私だってこんなスタンド(力)を好き好んで持ったわけじゃないのに! 4歳の時に目覚めたらしいけど、それ以降15歳にになるまでずっと知らなかった、分からなかったスタンドだもの! 言い訳なんてしようもないし、どうしようもない!」
「落ち着けよ、ミナミ!」
「触らないでよ!」
「わっ!」
ミナミがナランチャの手を払うよりも早く、ブルー・ブルー・ローズの根っこがミナミの服から現れ、ナランチャを引っ掻こうとしたためナランチャは後ろにのけぞって避けた。
「お前、今、自分の意思で出したんじゃ…。」
「違う違う!」
「落ち着いてください!」
「うわわわ! 部屋中の家具から根っこが!?」
「なにこの植物みたいなのは!?」
「トリッシュ、お前見えてるのか!? これは物質と同化したスタンドか!」
「なんで…、私は…お願いだから…もうやめてよ…。誰の命も奪いたくない…奪いたくなんてないのに…!」
ミナミが顔を両手で覆って泣き出し、ヒッグ、エグと泣いていると、徐々に赤い根っこは消えていき、部屋は元に戻った。
「……危ないところだった…。」
ブチャラティは、ブルー・ブルー・ローズのヤバさにようやく気づいた。だが後の祭りである。
「…ミナミ? …寝てるわ。」
「スタンドが身体に相当負担になっているようだな。しかし、何かがおかしい…。それだけは理解できるが、なにがおかしいのかが分からない。」
「悪いことは言わねぇ、ブチャラティ。ミナミをその辺にでも捨てた方が良い。このままだと俺達がコイツのスタンドにいつか殺されることになる!」
「それはできない。他の組織の者や、ましてや別の組織に奪われれば最悪の事態になるのは目に見えている。いいか、お前達! ミナミというジョーカーであり、爆弾を引き入れたのは他でもない俺だ! 責任は俺にある!」
「あの…。」
「なんだ、ジョルノ?」
「…ミナミを、シーザーに渡すという選択肢もあります。僕としては、ミナミを同行させることについては賛成ですが。シーザーがどこから追跡の末に僕らにたどり着くか分からない以上、示談という形で話し合いの場を設けるのもいいかもしれません。」
「…忘れてた。あの男のこと…。」
フーゴはポンペイでのことを思い出して、ゾッとした。アバッキオも大汗をかいている。それだけシーザーが恐ろしいからだ。
『すまない。この女性のことを見なかったですか?』
『いや、知らないな。』
カメ越しに聞こえた声に反応したのか、ブルー・ブルー・ローズが突然ツタのように壁を這い上がろうとした。
「ゲッ!? やべぇ!」
「止めろ、ミスタ!」
ミスタが登っていくブルー・ブルー・ローズを掴んで止めた。
『ワンワン!』
「犬!?」
『どうしたイギー?』
『何かいるのか?』
「マズいぞ…!」
『あ? コレ…カメぇ? なんでこんなとこに…、ん? 鍵かコレ?』
『グルルル! アオオーン!』
次の瞬間、カメの部屋の天井からスタンドが飛び込んできた。ネイティブアメリカンのような装飾と仮面に、後ろ足がタイヤの奇妙なスタンドだった。
「スタンドか!? しまった!」
トリッシュと眠っているミナミ以外が迎撃しようとスタンドを出す。
それぞれのスタンドが攻撃しようとした直後、そのスタンドが砂状になり部屋中に蔓延した。
「うわ!」
「め、目がぁ!」
「ミナミ! ミナミなのか? しっかりしろ!」
『構うな、そのまま彼女を抱えてカメから脱出しろ!!』
聞き覚えのない男の声がいつの間にかカメの部屋に侵入していたらしく、砂嵐のように舞い上がっている中、一人の男がミナミを抱えて天井に跳び上がったのが微かに見えた。そして男が消えた後、砂が舞い落ち視界が良好になった。
「ミナミ? ミナミがいないわ! さっき男がいた!」
「やられた! ミナミを追っていたのは、シーザーだけじゃなかったか!」
「どうするんだよ!?」
「相手の顔が見たい! 追え!」
「了解!」
ナランチャが先陣を切って飛び出していった。
線路の先にあった駅だったが、人はほとんどおらず、視線の先に、ミナミを抱きかかえた銀髪の男と、褐色の肌に黒髪の男、そしてボステリアンが一匹、背を向けて走って行くのを見つけた。
「エアロスミス!!」
ナランチャは走りながらスタンドを発動。
「ワン!」
それにいち早く気づいたボステリアンが振り向き様に砂のスタンドを発動させる。
犬のスタンド使い!? っとナランチャは驚いたが、カメのスタンド使いがいるのだから、犬がいても不思議じゃないかっと思い直した。
エアロスミスが弾丸を放つ、ボステリアンのスタンドが再び砂嵐を発生させ視界を悪くしたが…。
「エアロスミスのレーダーをなめんなーーー!」
砂の壁を越え飛び出したエアロスミスが弾丸を乱射し、ミナミを抱えている男の肩を狙ったが炎の壁がそれを遮断した。
「なっ!?」
「ほう…、若いな。だが…まだ青い子供だ。」
背後に炎を纏った鳥の頭の人型のようなスタンドを出現させた褐色の肌の男が振り返る。
「先に行け、ポルナレフ!」
「おう!」
「させると思っていますか?」
ジョルノもカメから飛び出し、舞い上がってる砂をゴールド・エクスペリエンスで蜂に変え、ミナミを抱えている銀髪の男に襲わせようとする。
「面白い能力だ。」
しかし自在に動き回る炎が蜂を全て焼いた。
「相当な手練れですね。ですが…。」
「本命はこっちだ。」
「うお!」
ジッパーを使って地面を移動したブチャラティが銀髪の男の前に飛び出し、スティッキー・フィンガーズで攻撃しようとした。すると銀色の騎士のスタンドが現れ、その拳をいなす。
「ん? お前は…! J・P・ポルナレフか!? まさかイタリアに舞い戻ってきていたとは!」
「パッショーネか! てめぇらに構ってる場合じゃねぇんだよ! さっさと道を開けな!」
「彼女を…ミナミを返して貰うぞ!」
「そいつはこっちの台詞だ!」
スティッキー・フィンガーズと、銀髪の騎士のスタンド、シルバー・チャリオッツの使い手、ポルナレフの戦いが始まる。
「むぅん!」
炎のムチがジョルノとナランチャを襲う。
トリッキーさはないが、純粋なスタンドパワーが圧倒的に強いアヴドゥルのスタンド、マジシャンズ・レッドに逆の意味で奇策が通用しない。それは、アヴドゥルが歴戦の戦士であるが故だろう。ジョルノとナランチャの二人がかりであるがまったく太刀打ちできていなかった。ブチャラティを援護しに行けない。
「ワンワンワン! アオーーーン!」
さらにそこに砂のスタンド、ザ・フールの使い手の犬、イギーまで加わっているのだ。
「ポルナレフ! なぜミナミを!?」
「こっちが聞きたいぜ! なんでてめーらギャングが、ミナミを攫った!?」
「くっ…、強い!」
「若造のくせにてめーもやるじゃねーか!」
ミナミひとりを抱えていて不便な状態なのに、戦闘能力が劣らないポルナレフの戦闘能力に、ブチャラティもまた押されていた。
「砂が固まって…う、動けねぇ!?」
「うぅ!」
「ナランチャ、ジョルノ!」
イギーのザ・フールにスタンドを固められ、身動きを奪われた二人に気を取られ、ブチャラティは、シルバー・チャリオッツの突きを身体のあちこちに受けることになった。
「命までは取らねーよ。そのつもりはない。ミナミさえ返して貰えればな。」
ポッタポタと血を流し、膝をつくブチャラティの横をポルナレフが通り過ぎようとしたとき。
ガクンッとポルナレフの足が地面に吸い込まれた。ジッパーが空いており、そこに足を取られたのだ。
「なっ!?」
「かかったな。」
その隙を突き、ブチャラティがスティッキー・フィンガーズでポルナレフの腕をジッパーで解体してミナミを奪い取った。
「やらせるか!」
凄まじいスピードでシルバー・チャリオッツが迫る。
すると軌道を変えてきた銃弾がポルナレフの肩を貫いた。
「ぐっ!」
「いまだ、ブチャラティ!」
カメから上半身を出し銃を構えているミスタが、叫ぶ。
「させんぞ!」
「スティッキー・フィンガーズ!!」
「アオオオン!?」
炎を身体をジッパーで割ってギリギリで回避し、砂で固めていたジョルノとナランチャのスタンドが、ジッパーで解放された。そしてジョルノとナランチャをカメに飛び込ませ、ミナミを押し込み、ちょうど通りがかったトラックの荷台にカメを抱えたブチャラティが飛び乗った。
「……ぅう…。」
ブチャラティは、カメの中に入りすぐに手当てしてもらった。
「ミナミ。」
トリッシュがミナミを心配した。ミナミはうなされているのか険しい顔をして寝ている。
「あれだけのことがあって、まだ寝てるって…、どんだけ図太い神経してるんだ?」
「いや…、おそらくスタンドによる消耗で予想以上に疲労しているんだ。自力で制御できないタイプだということは、常にパワーが消費されているということだ。」
「ブチャラティは、あの銀髪の男達のことを知っているのですか?」
「ああ…、あの銀髪の男の名は、J・P・ポルナレフ、アフリカ系の男はモハメド・アヴドゥル、犬はイギーという。ある事件がきっかけでイタリア国内でパッショーネと交戦したらしくてな、いくつかのチームが潰されたと聞いている。詳しいことは知らないが、あまりに強いのでパッショーネ内じゃ、もし見かけても下手に手を出すなとお触れが出ているほどだ。」
「確かに、相当な強者でしたね。しかし、なぜミナミを? まさか……。」
「あの様子だと…、知り合いだろうな。どこかからミナミがイタリアにいることを聞いて連れ戻しに来たのか…。」
「…向こうがこちらを殺す気がなかったので手加減して貰ったおかげで逃げる隙が出来ましたが、次に出会ったらどうなるか分かりませんね。」
「やれやれ…、シーザーに続いて、今度は、その二人組と一匹が追っ手になるのか…。爆弾を通り越して、疫病神じゃねぇのか?」
アバッキオが、忌々しそうにミナミを見た。
「ミナミ…、やっぱ、年上好きなのかなぁ…。」
「その線は濃厚になったなぁ。ま、頑張れよ。」
「うぅ~。」
落ち込むナランチャをミスタが励ました。
「そもそもメチャクチャ嫌われているのに、年上とか云々とか関係あります?」
「!」
「おい、ジョルノーーー!」
傷口を思いっきり開き、塩をすり込む所業をするジョルノに、フーゴとミスタが叫んだ。ナランチャは部屋の隅で膝抱えて落ち込んだ。
配布されたお触れで、ポルナレフ達のことは知ってたブチャラティ。
でも、まさかミナミと知り合いだとは知らず。
トリッキーで最初の敵からかなりの強力なスタンドが多い第五部で、第三部のスタンドがどれだけ通用するか分かりませんが、純粋な攻撃力……スタンドパワーでは圧倒すると思ったのでこうしました。
あと、歴戦の戦士であることも強さに繋がってるかも。
そして、コレ書いてて考えました。炎を自在に操るマジシャンズ・レッドと、ギアッチョのホワイト・アルバム……、戦わせたらどっちが強いかと。
最高温度と、最低低温……、どっちが勝るか…。すっげー気になる。