仗助に双子の姉がいたらというもしも パート4 第五部へGO! 作:蜜柑ブタ
かなり強引な形での勝負となりました。
そして私の文才では、この程度です……。ご期待に添えなかったかも知れません。
ヴェネツィアまで、車で残り1~2時間程度と迫った。
夜の闇の中を走行する車の後ろに、追っ手もいない。
一方、カメの中では、新たに来たボスからの電子メールでアバッキオのムーディー・ブルースを使って10時間前に時間を遡らせろという謎の指示があった。
やらせてみると、ダイニングチェアの上に立つ、どこかで見覚えがある老人の姿にムーディー・ブルースが変身する。
その老人は、幹部のペリーコロさんだとブチャラティが言った。トリッシュをカプリ島でブチャラティ達に託した人物でもある。
ムーディー・ブルースの再生により、ペリーコロは、語り出す。
こんな方法を使ったのは、万が一電子メールを盗聴された場合に備えてのことだと。
そして最後の指示とは、ヴェネツィアでボスへトリッシュを安全に引き渡す方法を伝えるためだと。
ペリーコロは、写真を取り出し、写真に写るそこの像に隠されたOA-Discを手に入れろと言った。Discの中に引き渡し方法が記録されていると。
するとペリーコロは、写真をライターでも燃やし始めた。
一時停止させ、写真の中身をじっくりと見る。そこは、ヴェネツィアの入り口である、国鉄サンタ・ルチア駅前の像であった。
再生を再開すると、ペリーコロは、自分のことがすでに敵にバレていることを語り、いかにトリッシュを安全にボスに引き渡すかが重要であるかを念を押し、ブチャラティ達へ無事であることを祈ることを伝え、ボスから充実した人生をもらったことを感謝しつつ、何一つ証拠も何も残さないこと、そして後始末は何も知らない自分の部下がすべてしてくれると伝えた後、懐から銃を取り出し……そして…。
自らの頭を…、撃ち抜いた。
そしてその身体はカメの天井へ行き、消えた。そして再生が終わった。
ペリーコロは、自らの命を持ってボスからの指令をブチャラティ達に残したのだ。
「っ…。」
「トリッシュ。」
ミナミに縋り付くようにトリッシュが抱きつく。その身体は、ガタガタと震えていた。
花京院に会えたことで多少は精神的に落ち着いたミナミは、トリッシュを抱きしめ返し、頭を撫でた。その手に安心したのか、緊張の糸が切れたのか、トリッシュが微かにヒックヒクと小さな声を漏らしてミナミの胸で泣いた。
そりゃ15歳の何も知らなかった少女に、過去の映像とはいえ人が死ぬ瞬間は刺激が強すぎるなんてもんじゃないだろう。気が強いようだが、同性で、なおかつ同じように波乱に巻き込まれたミナミがいるせいかトリッシュはギャングであるブチャラティ達に頼れずミナミに縋るところがある。心のよりどころにしているのだろう。
その後、二手に別れるということになった。
Discを手に入れる方と、ヴェネツィアにトリッシュを連れて行く方に。
ミナミをどっちに連れて行くかなど決まっている。数が多い方だ。つまりトリッシュを連れていく方になる。ミナミの身を預かるという仕事を請け負ったのだ。トリッシュ同様に守らないといけないが、最優先すべきことはトリッシュを無事にボスのところへ連れて行くことだ。
どちらかが失敗してもいけない。そして、どちらに敵が来ても迎え撃てなければならない。
ヴェネツィアまで車で行く方法は、たったひとつの道路のみ。それ以外だと船で行くしかない。なので必然的にトリッシュをヴェネツィアに連れて行く方は船で移動することになる。
「……。」
「ミナミ? 目が痛いの?」
「ううん…。また映像が…。これは、車? ジョルノ達が乗っている…。」
「目の色が…。」
「えっ?」
「血みたいな…色に…。」
「えっ? ほんと?」
「ほら、鏡!」
「わっ! ホントだ! ……あっ。」
右目が鮮血色になり始めていることを知ったが、それ以上に目に映っている映像の方に意識が行った。
「どうしたの?」
「これ…、マズいんじゃ……。敵? ものすごい冷気が二人を!」
「……信じるしかない。」
「そうです。二人が無事にDiscを手にし、敵を倒すこと! それ以外に勝利はない!」
ちなみに、ナランチャは、ボートの上でレーダーを見ながらボートを運航中なのでカメの中にはいない。
「あっ。」
「今度はなんだ?」
「炎が…、あの炎は……。」
ミナミの右目の映るのは、美しく、だが激しく燃え上がる火球。
それが運河に落ちた車の上にて、運河の水ごと凍らせる超低温の冷気を溶かす。
『加勢が必要か? 若い衆。』
翼を持つ獅子の像の柱の近くに、炎を纏った鳥の頭のスタンドを背にした褐色の肌に黒髪の男が立っていた。
「アヴドゥルさん!?」
「なに~~!?」
思わぬ人物の登場に思わず声を上げたミナミ。そしてブチャラティ達は、アヴドゥルの名に驚いた。
***
「お、お前は…!」
ミスタがその姿に驚く。
「冷気を操るスタンドから逃れるために水の多い運河に直に飛び込んだ、その策は見事! だが自らを犠牲として、仲間に先に行かせるその覚悟が勝利だとは思わぬことだ!」
「…とやかく言われる筋合いも無いし、助けてくれなんて言ってませんよ。」
「フフフ…、まあ年上の言葉はうるさいだろうが、素直に受け取っておけ。ミナミの件についての私からの礼だ。」
「!」
「彼女の保護の任を受けてくれたこと! その感謝のためこれより君ら、若きギャングに助太刀しよう!」
「あ…? いきなりものすげー熱くなったと思ったら…、なんだてめぇはよぉ?」
絶対零度を操るスタンド、ホワイト・アルバムの使い手、ギアッチョが運河の中から姿を現わす。全身を覆う装甲スーツ型のスタンドは、防御と攻撃、両方を完璧にこなす今までに無いタイプであった。
「しかし驚きだ。このイタリアの地に、我がスタンド、マジシャンズ・レッドの対とも言えるほどのスタンドの使い手がいたとはな!」
「てめーのスタンド…、炎かぁ? はーん? つまり俺のスタンド、ホワイト・アルバムとはまったく逆ってわけか? 助太刀するとか言ったなぁ? つまりぃ、コイツらの仲間ってことかよ?」
「一時的にな。私は礼を返すため、そこの若い衆のため、敵対しているらしい君と戦うこととなる。君としては不満なことだろうがね。」
「ふまん? なーに言ってやがんだ? 変な野郎だぜ!! なあ!」
ギアッチョは、再び凍らせた運河の水面に上がり道を作りながらその上をスケート靴のようになっている足で滑り、アヴドゥルに迫る。
「ほう? 私の方に向かうか?」
「たった今分かったんだよ! 俺のスタンドと対のようなテメーの方が厄介だってなぁ!!」
「その考えは、当たりだ。」
ギアッチョの判断を、アヴドゥルは褒めた。
ギアッチョが水に拳を突っ込み、殴りあげる。忽ち凍っていく水の柱がアヴドゥルを襲った。
「君の絶対零度と…、我がマジシャンズ・レッドの灼熱…、どちらが上か…。」
炎の壁で水ごと氷を蒸発させたアヴドゥルは、横へ大きく飛び退き、アヴドゥルがいた場所にギアッチョが着地した。
「勝負と行こう!」
「うおおおおおおおおお!!」
一瞬で、マイナス200度を超した冷気を放つホワイト・アルバムと、凄まじい炎を放ったマジシャンズ・レッドが衝突した。
その瞬間に起こるのは、水蒸気爆発。
「……Discが壊れなきゃいいですが…。」
っと、離れた位置から駅前の方に上陸したジョルノとミスタであった。
爆発で吹っ飛んだのは、ギアッチョの方であった。運河に逆戻りし、水の中に落下。
「てめぇ…、相当な訓練されたスタンドだなぁ、おい!?」
「フフフ、君ら若いスタンド使いに負ける気はないぞ。」
シュウウウウ…っと、水蒸気を浴びているが、傷ひとつないアヴドゥル。
「この世の始まりは、炎に包まれていた。私のスタンド、マジシャンズ・レッドは、その暗示を持つ。君のスタンドがこの世で最も低い温度を操れるのなら…、私のスタンドは、もっとも高い温度に達することも可能なのだ。」
しかし…っと、アヴドゥルは付け足す。
「それだけの温度となると、当然だが周囲にも害が及んでしまうので…、ある程度は自重はしている。」
「く……! クソクソクソクソクソクソクソ!! てめーーーー!! 俺をなめてやがんのかぁあああ!? 手加減してるってのかぁあああああああああ!?」
「そういうわけではない。私の炎はその気になれば太陽に及ぶほどの温度ぐらいはできるのさ。実戦していないだけだ。だからこそ危険なのだ。太陽が突然地球上に現れたらどうなるか…、想像したこともないだろう?」
「そうかよ…。そんなに本気が出せねぇってなら…。」
ビシビシ、バシ…っと、ギアッチョの周囲の空気が音を立て始める。
「本気が出るようにするっきゃねぇなあああああああ!!」
「ほう? そんなに私と本気で戦いたいのかね?」
「こいつは、俺自身の誇りに関わるんだぜ! 俺のスタンドと対をなすスタンドと戦って勝つ! この先の人生で自分と対になるようなスタンドに出会うことなんざこの先ねーだろーからよーーー!!」
「そうか……。それは、すまないことをしてしまったようだ。心から詫びよう。ならば…。体験するがいい。炎の達するその先を。」
「超低温の前じゃ! すべてがストップすんだぜーーー!! 例えそれがどんな炎であろうともなーーー!!」
ギアッチョがフルパワーの冷気を纏って水面を凍らせながら滑ってくる。
アヴドゥルは、炎を消して、奇妙な構えをする。
ギアッチョはそれを訝しんだが、正面から戦い打ち勝つことこそ、絶対温度と絶対零度の勝負のつけ方だと信じ、突き進んだ。
「10万度を超えた炎は…、プラズマと化す。」
カッ!と、それは一瞬だった。
アヴドゥルの手前で発された白い炎は、もはや炎と言うには程遠い、光だった。
「……あっ?」
ギアッチョは、自分自身の胸を見おろした。
そきには空洞。何もない。
貫かれ燃え尽きなどと生ぬるい消滅。
「3800度でも鉄など容易に切断できる。君の若さ故のその挑戦する覚悟は賞賛しよう。だが覚悟とは無謀と履き違えないことだ。……遅かったが。」
胸に大きな穴を空けた状態で、スタンドが解除されながら倒れ行くギアッチョを、アヴドゥルは目を細めて見ていた。
「しかし…、炎を光へと変えるほどの温度にするには…、相当なスタンドパワーを集中させないといけなくてな。…疲れる。で? お探しの物は見つかったのかね?」
「…ええ。」
ジョルノ達は、獅子の像の柱からDiscを手に入れた。
「では、旅の無事を祈るよ。私は失礼する。」
「もうお帰りですか?」
「ひとつ忠告しておく。おそらく、すでにシーザーにも君らにミナミを預けることは伝わっているはずだが……、伝わっていようとなかろうと…、半殺し程度に痛めつけられるのは覚悟しておきたまえ。ところで、ずいぶんと火傷しているようだが?」
「あんたとさっきの奴の水蒸気爆発で火傷したんだぜ!! 加減しろよ!」
「死ぬかと思いましたよ、さすがに。」
「そうか、それはすまなかったな。フフフ。」
「フフフ、じゃねーよ! あーもうヒリヒリする! ジョルノ、治してくれ!」
「分かってますよ。でも勘違いしないでください。僕の能力は、生体パーツを作って移植するのであって…、痛みなどは残りますよ?」
「いいから…やってくれよ。あ、チチチチ!? ちょっ、加減しろよ!」
「僕だって体中ヒリヒリなんですから、さっさと終わらせます。」
「私も手伝った方が良いか?」
「じゃあ、彼の服を脱がしてください。」
「うむ。了解した。」
「ああ! やめて、やめて! 服に焼けた皮膚がくっついてぇぇ、ハゲる! 痛い、痛いってばぁ!!」
「ほら、動かないで、変なところに行っちゃうじゃないですか(作った皮膚が)。ああ、もうこんなに真っ赤になって…。」
「中々に酷いな、君は…。君だってこんな状態なのに…。よく我慢できるな?」
「我慢ぐらい出来ますよ。」
「痛い痛い痛い! あぁ、早くぅ! 早くぅ、ジョルノ~~~!!」
一方その頃。
『どうした、ナランチャ? ミスタとジョルノは?』
「お……。」
『お?』
「俺は何も見てなーーーい!! なにも聞いてなーーーーい!!」
『アヴドゥルさん、いる!?』
「ああ、ミナミ! ダメ、ダメだ! 出ちゃダメ!」
てんやわんや。その後、誤解を解くのに少々かかったとか?
両者とも、自身のスタンドの力から自分の身を守れるという点でも同じだからなぁ……。
私の文才では、この程度になってしまいました。期待されていた方々には申し訳ありません。
科学的なことは好きだけど、正解は分かりません。
温度がある一定に達すると、プラズマと化すというのは、記憶にある空想科学読本から思い出しながら書きました。
100万度の炎を吐けるウルトラマン怪獣であるジャミラの炎は、科学的に考えると6秒で地球を貫通できるプラズマジェットになるらしいです。
もしかしたら、氷の屈折で防げちゃうかもしれないけど、10万度を超えてしまった炎は、すべてを切り裂き貫けるというチートレベルの殺傷力にしました。
ただし、やる側であるアヴドゥル自身は、この殺傷力を発揮するには相当なパワーを一点に集中させないといけないので一時的に無防備になり、疲労もすごく、多用はできない、ということにしました。
ところで、原作のあのシーンは、何を狙ったんだろう? すっごく疑問。面白いけど。