仗助に双子の姉がいたらというもしも パート4 第五部へGO! 作:蜜柑ブタ
まず、謝っておきます。
この二人、名前はおろかスタンドの名前も姿も出さず退場です!!
あと、ポルナレフとイギーが再登場。
「あ、美味しい。」
「だよな~。ヴェネツィアの飯って美味いって話、マジだな。」
「私が住んでる故郷に、イタリア人の人がやってるお店があるんだけどね。そこもすっごい美味しいんだよ?」
「え~、日本でイタリアン? 日本人向けに魔改造されてんじゃねーの? よーしょくって奴みたいにさ。」
「イタリア料理を基本に、色んな国の料理の要素を盛り込んでるんだって。でも、そういうのって料理人なら目指す所じゃない? 良いところ取りって。ってゆーか、日本の洋食をなめないでよ? 日本に来たら美味しいところ連れてってあげるから。」
「えっ!?」
「よかったなぁ、ナランチャ~、お誘いなんて。」
「?」
顔を赤面させるナランチャに、ミスタがよかったな!っとバシバシ背中を叩き、一方のミナミは分かってなかった。
「そういやよぉ、ミナミ。お前、弟がいるとかって言ってたなぁ?」
ミスタがそう聞いてみた。
「うん? ああ、双子の弟がいるよ。うち、お爺ちゃんいるけど、母子家庭だし。」
「へっ?」
「お…お父さんいないの?」
「いるけど、別に家庭があるからね。」
「それってよぉ……、お前…、不倫…?」
「結果的にそうだけど、母さんは愛し合って私と弟を産んでくれて育ててくれたし、私達もそれで納得してたし、結構最近になって実際に会って和解も出来たしね。だいじょうぶだよ。」
なーんてことないように言うミナミの様子に、ナランチャ達は唖然とした。
不義の子というと、どうしても修羅場を想像してしまうが、どうやらそういうことはなかったらしい。そんな平和的な不倫騒動もあるものなのか…?っと、腐敗した社会で生きてきたナランチャ達は信じられなかった。
「ま、お父さんも今年で80歳だし、優しくしないとね。」
「メッチャ爺さん!?」
「おま…、いくつの時のガキだよ!?」
「えーと、60いくつ?」
「元気なジジイだな~!」
男達からしたら、逆に尊敬ものだ。
そして、そんな複雑な家庭で育ったというのに、平和に、そして良い子に育ったミナミが逆にすごいとも思われた。よっぽど家庭環境が良かったのか、それともミナミの性質が生まれつきそうだったのか……。
たぶん、双子の弟とやらも似たようなものかもしれない。
ふと見るとナランチャが、俯いていた。
「どうしたの?」
「……ん…、ちょっと…。」
「なにか変なこと言ったっけ?」
「違う…。ただ…、ちょっとミナミが羨ましいなって思って…。」
「私が?」
「俺の実家さ。母さんが俺がちっちゃいときに目の病気で死んじまって…、父さんは全然俺のこと興味なくってさ…。」
「…そうなんだ。」
「だから、不倫なのに、お父さんと仲が良いミナミがちょっと羨ましいなぁ、って…。」
「最初は、さすがにギクシャクしたよ~? 生まれた時からほったらかしだったから、気まずかった。それに向こうも向こうで修羅場だったみたいだし。遺産の件で調査したら私達のことが発覚してこってり奥さんに怒られたらしいよ? 生涯妻しか愛さないとか言ってたらしくってさ。ま、今じゃ笑い話だけどね。」
「心が広い!!」
「誰が?」
「ミナミも、ミナミのお父さん達もだよ!」
「そ~お? うふふふ。」
「って、なんで俺は頭を撫でられてるわけ?」
「あっ、ごめん、つい…。」
ワシワシとナランチャの頭を無意識でなで回したミナミは、ハッと我に返った。
ふと、ナランチャは思い至る。
「なあ…、ミナミ…、俺のこと弟みたいに思ってね?」
「うーん…、ナランチャが弟だったらメッチャ可愛がってたと思うよ?」
「お、俺、17歳なんだけど!」
「えっ、同い年? ……私が老け顔なだけか…。」
「あ、いや! そういう意味じゃ…。」
「どーせ昔っから、年上に見られてばっかだもん。日本人とイギリス系アメリカ人のハーフで、顔が完全にお父さん似だけどさ。」
「そんなことないって! すっげー美人じゃん!」
「…そう?」
「うんうん! マジマジ!」
「……ありがと。」
ミナミは、ちょっと慣れない様子で落ち着き無く目を彷徨わせ、けれど小声でお礼を言ったのだった。その顔がほんのり赤らんでいた。
その様子に、もしかして手応えあり?っとナランチャが、密かにガッツポーズを取っていると、その時ミナミの目の前のコップの中に、小さなサメのようなスタンドがいるのを見た。
「ミナミ! あぶな…。」
そのコップを取ろうとした直後、コップから飛び出したサメのようなスタンドが、一瞬のうちにナランチャの舌を噛み千切った。
「えっ?」
ミナミがぼう然として倒れていくナランチャを見た。
「ナランチャ!?」
「どうした!?」
「ひっ…、し、舌が…舌がないよ! 血も出てないし、息ができてないみたい!」
「ジョルノ! 治せ!」
「分かってます。」
ジョルノは、適当にフォークを素材にして無くなった舌を造った。
「あー…、死ぬかと思った…。」
「敵がいたのか?」
「あ、ああ…。そこのコップに…。」
「なにもいねーぞ?」
「大きさは?」
「こーんなでっかいの! …?」
「ナランチャ?」
「!?」
何やらおかしいことにミナミが気づき、ナランチャはナランチャで、自分の口を手で押さえた。
「ん~? ナランチャ。ちょっと…ごめんね。」
「?」
するとミナミが両手をナランチャの両頬の添えた。
その瞬間。
凄まじい、ビリィ!っとした衝撃が走った。
「ぎゃおおお!?」
「ミナミ!?」
ナランチャが顔を押さえて倒れ込み悶え、ジョルノ達が狼狽える。
すると、ビチャッと何かがナランチャから離れてテーブルの上に落ちた。
「これは…。スタンド?」
「やっぱりね。さては、言ったことがウソになるとかそんな感じのスタンドかな? さっきナランチャの舌を取ったのもスタンドなら、相手は二人…。」
「なるほどな。」
素早くそのスタンドをアバッキオがムーディー・ブルースの手で掴んだ。
「ミナミ! スープだ!」
「えっ?」
ナランチャが痛みを堪えながら叫んだ。
ナランチャがさっきまで食べていたスープの中からサメのようなスタンドが飛び出し、ミナミの喉に食いついた。
「ーーー!?」
「ミナミーーーー!」
喉笛を噛みつかれ、ミナミは喉を押さえてよろけ、大量の血を吐きながらレストランの傍に停泊させたボートの方に倒れ込んだ。それを追ってナランチャ達が見ると、ボートの上にはミナミの姿は無かった。
「馬鹿な!?」
「ナランチャ、追跡しろ!」
「分かってるって!」
ナランチャは、エアロスミスと同期しているレーダーを出し、ミナミの呼吸を探した。
だが発見したものの、すぐにその反応が消えた。
ナランチャは一瞬焦ったが、喉を咬まれていたので呼吸が止められてしまったのだと考える。だが二酸化炭素が出てないということはこれ以上追跡ができないということでもある。
焦るナランチャだったが、その時近くのマンホールに、ブルー・ブルー・ローズが生えているのを見つけた。まるでこっちだと言わんばかりに。
「そっちだな!」
「待て、ナランチャ!」
「たぶんだ! たぶん、アイツ(ブルー・ブルー・ローズ)が教えてくれる!」
ナランチャは、エアロスミスを出し、マンホールの下の下水道に行かせた。
その時、マンホール内辺りで二酸化炭素の微弱な反応があった。おそらくミナミが少しだけ息を吹き返したのだろう。
「ミナミを返せーーーー!!」
ナランチャがその反応が消える前に、エアロスミスから弾丸を発射した。
すると反応が消え、一瞬で反応が移動した。ボートの方に。
「おい、見ろ! ミナミだ!」
ヴェネツィアの街中を流れる運河の水の上に、ミナミがプカプカと浮いていた。サメのスタンドはミナミから離れると、水の中へ消えた。
「ミナミ! ジョルノ、早く治してくれよ!」
「…それはできない。」
「なんで!?」
「ナランチャ、落ち着くんだ。さっきのサメのスタンドを見ただろう? 奴はどうやら水…、いや水分の多いモノを移動するようだ。つまり、この水上のヴェネツィアにおいて奴の独断場と言って差し支えない。今、水の多い運河の上に行くことは自殺行為だ!」
「…ガフッ……。」
「ミナミ! ……け、けど…分かってても! 俺は行くぞ!」
「ナランチャ!」
「……じょ…る…の…。」
「!」
「ね…ら……。」
「お前が狙われてんぞ。ジョルノ・ジョバァーナ。」
ジョルノが立っていた場所の横にあった小さな水たまりからサメのようなスタンドが飛び出し、ジョルノの首を狙ったが、それを横から突き出てきた針剣がサメのようなスタンドを貫いた。
ビチビチと暴れるサメのようなスタンドを、針剣を持つスタンド、シルバー・チャリオッツの使い手、ポルナレフが刺した状態で持ち上げ。傍にいたイギーが近くの運河以外の水分を全て砂で硬め、水分を消していった。そしてトドメとばかりに、サメをイギーのスタンド、ザ・フールで固めて動けなくさせる。
「J・P・ポルナレフ!?」
「それに犬っころ!」
「ワンワンワンワン!」
「ぎゃああああ!」
犬っころ呼びしたミスタに、イギーが飛びかかって鼻に噛みついた。
「水辺から離れな。ミナミを助けたらすぐに水分を取れ。コイツは、どうやら短距離の水分を一瞬で瞬間移動できるスタンドだ。遠距離型らしいが、攻撃力が低いぜ。だからさっきから急所ばっか狙ってやがったんだ。」
「助かりました。」
「回復役を潰すってのは常套手段だぜ。あと、情報収集の手段もな…。」
「俺か…。」
ポルナレフがアバッキオを見て言った。
ナランチャが、ミナミを引っ張り上げ、ジョルノが治療した。
「俺達がヴェネツィアに潜んでいやがる、このスタンド使いを倒す。その間に、お前らは逃げな。」
「けどよぉ! 敵は二人だけとは…。」
「いや、時間からしてヴェネツィアを包囲するほど人数は集まっていないはずだ。スタンドをこちらが捕えた今、ボスからの追っ手のスタンド使いは他にはいないだろう。今がチャンスだ!」
「じゃあ、コイツも預けるぜ。」
「おう。」
ポルナレフは、舌に張り付くスタンドをアバッキオから受け取った。
「ブチャラティ! ヴェネツィアを脱出してもどっか行くあてがあんのかよ!?」
「……。」
「……待って。」
するとカメの中からトリッシュが出てきた。
「思い出したの…。母からの昔話を。母は、サルディニア島で父と出会った。そして、母に『すぐに戻ってくる』と言い残して、『写真』も、『本名』も何も残さず永遠に消え去ったのよ。」
「サルディニア島!」
「ボスが…組織を作る前…、つまり15年前…? ボスの生まれ故郷か?」
「サルディニアよ! サルディニアに、ボスの過去と、正体はきっとある!」
「決まりですね。」
そして一行は、追っ手の後始末をポルナレフ達に任せ、ヴェネツィアからボートで脱出した。
次の目的は決まった。
トリッシュが言っていたボスの過去が隠されたサルディニア島へ行くこと。
そこに向かうには、列車も道路もダメ。ならばということで、飛行機を手に入れるという手段を取った。
「……。」
「どうした? ミナミ?」
「…あのね…、私…、1回飛行機が墜落して、あとセスナで墜落しかけたことがあるの。…だいじょうぶかな?」
「おいいいいーーーー! なんだそれはよぉ!? 初耳だぜ!?」
「ですけど、イタリアに来たときには、飛行機乗ってますよね?」
「うん。」
「なら、だいじょうぶですよ。」
「……う~ん。なんか猛烈に嫌な予感がするけど、いっか。」
「俺は心配だ~。」
ミスタが胡散臭そうにしていた。
そして一行は、ヴェネツィアの観光都市から離れ、空港へ向かった。飛行機を盗むために。
ミナミ、勘でナランチャについた、トーキング・ヘッドを見破り剥がす。
波紋がスタンドに使えたのは、スタンドが幽波紋だからということにしています。
トーキング・ヘッドを捕まえられてしまい、焦ったスクアーロ達は、せめて一矢報いようミナミを攻撃。だが怒りのナランチャと、ブルー・ブルー・ローズの導きで失敗。
当初の目的だった回復役のジョルノを狙うが、そこをポルナレフ達に妨害され、スタンドをすべて捕獲されてしまう。
ミナミは、自分がジョースター家の家系だと言うことはまだ喋ってません。たぶん、ジョースターのことはジョルノが知っているだろうし、まだ知られるわけにはいかないかなって思ったので、言わせませんでした。
次回は、ブルー・ブルー・ローズでも勝てない、最強最悪のスタンドが……。