仗助に双子の姉がいたらというもしも パート4  第五部へGO!   作:蜜柑ブタ

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vsノトーリアス・Big。



かなり苦戦しました。


怨念のスタンドと、邪視

 

 夢を見た。

 

 迫り来る怪物の夢。

 

 すべてを食らいつくし、それでもなお止まらない。

 

 断末魔の叫び声のような、声を上げながら。

 

 ヤツは…、やってくる。

 

 

 

 

 

「…ナミ…、ミナミ。」

「……ハッ!」

 カメの中で眠っていたミナミは、汗をびっしょりかいていた。

「飛行機についたわ。出ましょう。」

「う、うん…。」

 ミナミは、汗を手で拭いながら起き上がり、カメから出た。

「やっとお目覚めだぜぇ。お前、寝過ぎ。」

「…眠いものは眠いんだから仕方ないじゃん。」

 ミナミは、ゴシゴシと右目を擦る。

「そういえば、飛行機の操縦って誰がするの?」

「アバッキオが、ムーディー・ブルースでパイロットを再生し、INS(慣性航法装置)を探してサルディニア島への航行をプログラムする。」

「なんて強引な…。なんか嫌な予感しかしないけど…。」

「考えすぎだって。……ん? レーダーに反応! 誰かが近づいてくる! 滑走路を歩いてくるぜ!」

「どこだ?」

「ミスタ! 左前方に反応だ! 何者かが来る! 向かってくるぜ!」

 ナランチャが、飛行機の外で周りを警戒していたミスタに指示を出す。

 窓から見ると、確かに誰かがひとり…男が歩いてくるのが見えた。

 

 

 ヤメロ

 

 

「?」

「ミナミ?」

 

 

 殺スナ

 

 

「えっ?」

「今のは…、誰の声?」

「…ブルー・ブルー・ローズだよ。たまにこうやって警告してくれる。でも…。」

 ミナミは、ハッとして外を見た。

 今まさにミスタが男を射殺しようと弾丸を撃った瞬間だった。

「ダメ!!」

 しかし手遅れだった。発射された弾丸は、男の身体を貫き、男は死んだ。

「あぁ…。」

「だいじょうぶ?」

「いや…うん…だいじょうぶだけど…。これから何が起こるか…。」

「いったいどうした?」

「ブルー・ブルー・ローズが警告の言葉を言ってくる時って…、とんでもないことが起こる前触れだから…。」

「なに?」

「落ち着けよ。アイツのスタンドも消えるところは見たし、問題ないって。」

 発進する飛行機に飛び乗ってきたミスタがそう言う。

 そして飛行機は発進した。

「今まで…、碌な事なかったんだよ…。ブルー・ブルー・ローズが警告してくれる時って…。」

「例えば?」

「誰かが死ぬ時は、死ぬし…。敵が襲ってくるときは、襲ってくるし……、外したこと無いの。」

「……具体的に何が起こるのかは教えてくれないのか?」

「殺すなって…、言ってた。でも、殺しちゃった…。だからもう手遅れ。」

「具体的には言わないのか?」

「ブルー・ブルー・ローズは、意識はあってもそんな頭が良いタイプじゃないから…。なんかざっくりで…。ん?」

「どうした?」

「あそこ…、あんな落書きあったっけ?」

「えっ?」

 見ればジョルノの後ろにある壁に汚い字で落書きがされていた。

 マルゲリータ(チーズとトマトソースだけのピザ)が食べたい、だの。死ね馬鹿、だの。鼻毛切らないと、だの。

「ただの落書きですよ。そんな神経質に…。」

「ねえ、この飛行機って、お金持ちの物じゃないの? そんな公衆便所の落書きみたいなのされてるなんておかしいわ。」

「金持ちの躾のなってねーガキが書いたんだぜ、きっと。」

「サルディニア…。」

「?」

「『サルディニアへ行きたい』、『ぼくらは』。『女の子と、南の島』……。」

 ジョルノは、席の前の折りたたみテーブルを開いた。

「『死体に喰われる。助けてくれ』、『あの男はカワイソーに、ゾウキンのように捨てられた。怨んで死んで行った。』、『恨みこそがヤツのエネルギー』、『殺されることによって』、『始めて作動するエネルギー』、『死ぬ前、あの男さえ見たことのなかったエネルギー』、『死体だから、もう殺すことはできない』?」

「……『敵スタンド』。『ノトーリアス・Big』?」

「なんだぁ、こりゃぁ!?」

「ああ!!」

「どうした!?」

「ジョルノ、ジョルノの右腕に!」

 ミナミが大焦りで指差す先には、ジョルノの右腕の袖から出ているペンと、モゴモゴと内側が蠢いている袖の中。

 ジョルノは慌てて袖をまくると、そこには、グジュグジュに腐ったように溶けた誰かの右手のような物がジョルノの右腕を侵食していた。

「ノトーリアス・Big!!」

「ば、馬鹿な!? いつの間に!」

「やっぱりーーー! 殺しちゃいけなかったんだ! それは…、あの男の怨みのエネルギーそのものだよ!!」

「ゴールド・エクスペリエンス!! 僕の右腕を切断しろ!!」

 ジョルノがゴールド・エクスペリエンスを出した。するとゴールド・エクスペリエンスの右腕もまた、喰われたように抉れていた。ダメージフィードバックだろう。

 ジョルノが右腕をゴールド・エクスペリエンスの左手で切断させた。ノトーリアス・Bigが取り憑いたその切断された右腕を、ミスタが…。

「だ、ダメぇ!!」

 しかし制止は届かず、ミスタの銃弾がセックス・ピストルズと共に発射され、ノトーリアス・Bigに撃ち込まれた。

「……こ、コイツは…。」

 ミスタの体の半分から大量の出血が起こった。セックス・ピストルズの4体がノトーリアス・Bigに取り込まれるように溶けていた。

「し、死体だから…殺すことは出来ない!? 怨みそのモノを殺すのは…不可能!?」

「な、なめんじゃねぇぞ!」

「ナランチャ、ダメ!!」

「俺の方が早い!」

 ナランチャは聞かず、エアロスミスを出して弾丸を放つ。

 だが、ノトーリアス・Bigは、触手のように粘った身体を伸ばして弾丸を取り込み全て防ぎきると、エアロスミスに触手を伸ばして攻撃を加えた。そしてダメージはそのままナランチャに行く。

「うわああああああああ!!」

「ナランチャ!」

「ミナミ、トリッシュ! 二人ともクローゼットに逃げ込み、カメの中に入れ!」

「分かったわ!」

 ミナミとトリッシュは、後ろの扉から逃げようとしたが…。ノトーリアス・Bigが突如方向を変え、ブチャラティ達を飛び越えて二人の方へ向かってきた。

「えっ!?」

「分かった…。コイツ…、ノトーリアス・Bigは…、速いモノを襲うんだ!!」

 ミナミがノトーリアス・Bigの性質を見破った。眼前に迫った時、ブルー・ブルー・ローズが壁となるように出現してノトーリアス・Bigを防いだ。

 素早く生えてきたブルー・ブルー・ローズを侵食するようにノトーリアス・Bigが蠢く。

「トリッシュ! ゆっくりと…ゆっくりと、クローゼットに!」

 ミナミは、身体から力が抜けるを感じたが必死に堪えながらトリッシュに叫んだ。その間にもブルー・ブルー・ローズがニョロニョロと生えまくり、それをノトーリアス・Bigが喰うように動く。

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」

「ジョルノ、ダメーーーー!」

「外へ…追い出す!」

 ジョルノは、残った左手でラッシュを繰り出し、そのスピードに反応して取り憑いたノトーリアス・Bigを割った窓から外へ左手を切断して追い出した。

「これで僕らは…、無事にサルディニアへ…。」

「そんなことしても無駄なんだよ!」

「?」

「ここがどこか分かってない! 高度1万メートル以上! ここで一番速く動いてるのはナニ!? 飛行機でしょ!」

「ぁ……。」

「…これだから……ブルー・ブルー・ローズ…、『ワタシ』が嫌いなんだ…。」

 なにもかもが手遅れになるから。っと、言い残しミナミは、意識を失った。

「ジョルノ…なんてことを…、今回ばかりは一番の大ダメージだ。お前の両手が無ければ、治療はできない! お前も、ミスタもナランチャも再起不能だ!」

「いいえ…、確かに僕のミスです…。でも…、僕はなにも考えずこんな自爆するような真似をしたわけじゃない。」

 ジョルノは、ドカリッと椅子に倒れ込む。すると、テントウ虫のブローチが1個落ちた。

 それがジワジワと変化し始めていた。それは、左手の形に。

「手を作っておいたのか!?」

「ええ…。これでなんとかなりま…。」

 その瞬間、ガクンッと飛行機が大きく揺れた。

 ブローチがたちまち後方に行ってしまう。

 更に窓を割ってノトーリアス・Bigが入って来た。

 そのノトーリアス・Bigの壁になるように、ブルー・ブルー・ローズがたちまち不完全な人型へと変わる。いや、人型のソレが現れたのだ。邪視を宿したソレが。

 ノトーリアス・Bigが包み込むように邪視を宿した赤い根っこの塊に張り付く。

 ガクガクと震えて腰を抜かしかけているトリッシュに、ブチャラティは、ジェスチャーをする。

 『近くに落ちている、ジョルノの左手を拾ってくれ!』っと、ジョルノとミスタとナランチャをカメに押し込みながらそう伝える。

 トリッシュは、大汗をかきながら、ゆっくりと、だが確実に、落ちているジョルノの左手に近づく。

 そしてテントウ虫のブローチから生まれたジョルノの左手を掴んだ。

 すると、赤い根っこの塊が倒れ込み、ノトーリアス・Bigが内側へと侵入した。やがて赤い根っこ部分がノトーリアス・Bigに喰われ尽くしていく。

 ブチャラティは、カメを抱えたまま、トリッシュに、ゆっくり来い!っとジェスチャーをする。

 コロッと金属音が聞こえた。そちら見ると、赤い根っこの塊から、矢の先端が出てきていた。

 その矢の形を、ブチャラティは、知っていた。ソレによく似ていたからだ。

 

 ポルポのスタンドが持っていた、矢に。

 

 だが次の瞬間、矢を中心に、矢から凄まじスピードで赤い根っこが生えてきてあっという間に人型の塊になった。それに反応してノトーリアス・Bigがさらに攻撃の手を強める。

「今!」

 トリッシュは、その隙をついて走り、ブチャラティに向かってテントウ虫のブローチを投げた。そして倒れているミナミを掴んで、ゆっくりと引っ張って運ぼうとした。

 ブチャラティは、それを受け取りながらも信じられないという顔をする。大声を出せばその大声のパワーにノトーリアス・Bigが反応するからだ。

 ズル…ズル…っと、ミナミをゆっくりと引きずっていると、赤い根っこの塊とノトーリアス・Bigの攻防がやがて、ノトーリアス・Bigの方が強まってきていた。

 無敵! 殺す方法が無い! あの怨霊のようなスタンドは殺せない!?

 そんな絶望がブチャラティの脳裏を過ぎる。

 その時だった。

 赤い根っこの塊の邪視が開いたとき、その目の前にブラックホールのような穴が出現した。

 そしてノトーリアス・Bigがそれに触れた瞬間、掃除機にでも吸われるように吸い込まれて消えた。

 ノトーリアス・Bigが消えた後、黒い穴は消えた。

 静寂がその場を支配するが……、やや置いて、邪視がこちらを見てきた。

「見るな!」

「あぁ!?」

「トリッシュ!」

 邪視と目が合ってしまったトリッシュが金縛りにあう。

 ノトーリアス・Bigという脅威が消えた今、動かないでいる必要もなくなり、ブチャラティは、トリッシュを後ろから抱えて後ろへやった。ブチャラティの身体が前に行き、ブンッと赤い根っこの塊が右手を振り降ろした。

「ブチャラティ!」

 しかし、その身体に触れる寸前でその身体がグニャリッと柔らかくなり、触れることは無かった。

「?」

 ブチャラティは、自身の身体の変化に驚いたが、ミナミを掴んで引っ張ると元に戻った。

 

 

 

 永遠ノ

 

 

 安息ヲ

 

 

 

 突如、赤い根っこの塊が増殖し、飛行機の内部の天井や壁にぶつかるほど巨大化した。

「なんだ、コレは…?」

 

 

 

 ミナミ

 

 

 

「!?」

 

 

 

 守っテ

 

 

 アゲル

 

 

 ダカラ・・・

 

 

 

 巨大化を始めた赤い根っこの塊が、辛うじて手の形となっている右手を意識の無いミナミに伸ばそうとした。

「スティッキー・フィンガーズ!!」

 咄嗟の判断でブチャラティは、スティッキー・フィンガーズを使って床にジッパーで穴を開けた。巨大化した赤い根っこ塊が落ちる。そしてジッパーを素早く閉じた。

「……か、勝ったの?」

「分からない…。」

 直後、ドオンッ!と飛行機に衝撃が走った。

 そして、バリンバリンっと窓が割れていき、外側から赤い根っこが入り込んできた。

 なお、外では、飛行機にしがみつくように、巨大化した赤い根っこの塊が張り付いていた。

「まさか、飛行機ごと潰す気か!?」

「そんな!」

 

『落ち着いてください。トリッシュ。』

 

「誰!?」

 

『私は、あなたが幼い頃よりずっと傍にいる。あなたの傍にずっといました。さあ、命令を…。あなたなら出来るのです。この機体を“柔らかく”するのです。』

 

「柔らかく?」

 そうこうしている内に、ギリギリ、ミシミシと飛行機の機体が軋みだしていた。

『落ち着いて。だいじょうぶです。さあ、私の名を…、あなたは知っています。あなたの幼い頃からずっと傍にいた私に命令を!』

 

「……『スパイス・ガール』!! 飛行機を柔らかくして!」

 

 その瞬間、スタンド、スパイス・ガールが出現し、飛行機の内部を殴りに殴りまくった。

 すると、グニャグニャと機体がへこみ始める。巨大な手の形がハッキリと浮き彫りになるが、やがて弾力に跳ね返され、窓から入っていた赤い根っこごと外へ出て行った。

「トリッシュ! 今のは、君がやったのか!? そのスタンドは…。」

「ええ…。さっきブチャラティの身体を柔らかくしたのは、私だったみたい。ミナミをカメの中に入れて、操縦席へ急ぎましょう! この機体を捨てるわ!」

「どうする気だ!?」

「操縦室だけを切り離して、ヤツ(赤い根っこの塊)を飛行機もろとも墜落させる!」

「墜落だと!?」

「アレに触れると、死ぬんでしょ!? なら触るなんてもってのほか! 不時着の衝撃でこっちに倒れ込んできたらアウトよ!」

「し、しかし!」

「いいから! 私のスタンドで、操縦室のみを柔らかくし、パラシュートにするわ! 急いで!」

「あ…、ああ!! 分かった!」

 トリッシュの凄みに圧され、ブチャラティは、急いでミナミをカメの押し込み、トリッシュと共に操縦席へ入った。

 そしてスパイス・ガールに飛行機を殴らせ、柔らかくし、操縦室、つまり飛行機の先端を胴体と切り離させた。

 飛行機の胴体には、先ほどより巨大化した赤い根っこの塊がしがみついていて、それでもなおこちらに手を伸ばそうとしたが、墜落のスピードが増さり、手は届かなかった。

 

 

 

 待ッテ

 

 

 ミナミ・・・

 

 

 

 まるで母親を恋しがる子供のような寂しい声を残し、飛行機の胴体と赤い根っこの塊が海へと墜落したのだった。

 

 

 

 




ブルー・ブルー・ローズと、ノトーリアス・Bigの戦いは、謎の赤い根っこの塊の方が出した、ブラックホールのような穴に吸い込んでノトーリアス・Bigを消滅。勝利。
だがその代わり、赤い根っこの塊が襲ってきてさらに強化された状態になり、飛行機もろともやられかけるが、スパイス・ガールの覚醒で勝利。

スパイス・ガールをいつ覚醒させるかで悩みました。結果、コレです。


赤い根っこの塊の声は、幼い子供のような声へと変わっています。男か女かは不明。
そして、徐々に進化を始めている?
ノトーリアス・Bigとの戦いで急激に成長したかな。ミナミへの思いを明確にし始めたので。
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