仗助に双子の姉がいたらというもしも パート4 第五部へGO! 作:蜜柑ブタ
今回は、オリジナル回。
承太郎とポルナレフの会話が主。というか、会話しか無い。
「コレクトコール(料金受信人払い)で頼むぜ!」
ヴェネツィアからイタリア本土に戻ったポルナレフとイギーは、別行動していたアヴドゥルと合流し、電話ボックスで承太郎に繋げた。
『もしもし、ポルナレフか。』
「いったいどういうことだ? なんでまたギャングにミナミを任せたんだよ?」
『ミナミの身の異変については花京院が伝えているはずだが?』
「そりゃ聞いたぜ! けどよぉ! 信用できる風ではあっても、イタリアの財団に任せるなり別の方法があっただろうが!」
『……ジジイの念写だ。』
「ジョースターさんの?」
『強いスタンド使いに預ける必要があった。そうでなければ、守れない。だから彼らを選んだのだ。』
「でよぉ! そいつらヤバいことに、今、組織を裏切って孤立状態らしいぜ! それでも預けっぱでいいのか!?」
『組織よりも遙かにヤバいモノが、今、イタリアを苗床に成長している。それを解決させなければならない。そのためには、強いスタンド使いが必要になる。』
「いったいなんなんだ? なにがイタリアで育ってるんだ?」
『ブルー・ブルー・ローズだ。』
「はぁっ?」
ポルナレフはそれを聞いて、素っ頓狂な声を漏らした。
『ブルー・ブルー・ローズからミナミを守る必要がある。そうしなければ、たちまちイタリアは食い尽くされ…、それは世界中に害を及ぼすだろう。』
「ちょ、ちょい待ち! なんでミナミが、自分のスタンドから身を守らなきゃならないんだよ!?」
『……喰われるのを防ぐためだ。』
「はっ? くわれる?」
『現状から言って、ミナミが身に宿しているブルー・ブルー・ローズは、半分程度しか残っていない。別行動をしているブルー・ブルー・ローズが、残りの力を手に入れるためにミナミを喰う必要があるということだ。もしすべての力と意識を奪われれば、ソレを止める術は無くなるだろう。そうなってはすべてが終わる可能性がある。』
「わけが分からないぜ…。……まさか、だと思うが…、盗まれた矢と関係があるのか?」
『ポルナレフ。お前達は、矢について、どこまで知っている?』
「えっ? ああ、それは…。」
遙か昔、イヌイット以外に人の住まないケープヨークという土地に、隕石が墜落し、そのクレーターは名所となっている。
その場所を調査した作業員が、死んだ。あまりにも酷い死に様だった。
だが奇妙なことも同時に起こっていた。凄まじい姿になり果ててしまった作業員の一人が、異能の力を発揮したのだ。
その作業員は死に、そしてクレーターの中の隕石も見つからなかった。一説では、ウィルスさえいないほど寒い地域でこのような奇妙な奇病が発生したのは、隕石に眠っていた細菌かウィルスが原因だろうと見られていた。死んだ作業員達の身体についた小さな傷だけしかなかったのだから。
矢の材質は、ケープヨークで採れる岩石と同じ物質であること。
何者が矢を造ったのかは分からない。だがひとつ言えるのは、まだウィルスなどが知られていない信じられていない昔の時代に、神のような力を求める人間達により造られたのではないかということだ。
実際、この矢は……隕石のウィルスは、生命を淘汰(死に至らせる)が、希にいる素質のある者がいると、生き残ったご褒美のように力を与えるという性質があった。
神のような力イコールスタンドなのだとしたら、虹村形兆やポルポがやってきたスタンド使いを生み出すことは、まさに昔、矢を造ったその人間達の思惑通りとなったのだろう。
だが最近になり……、矢は、それだけのモノじゃないことが分かってきたのだ。
矢は、エンヤが所持していた物以外にも存在していた。
杜王町にて二本の矢が破壊された。
イタリアにあった一本は、ポルポが所持し、彼の死と共に破壊された。
そして、ポルナレフ達が調査の末に発見しイタリアから逃げ帰るときに持ち帰った矢は、行方不明となっている。
矢の新たなる可能性……。それは、スタンドの未知の領域への飛躍。
矢の力により、更に上へと進化した者は、世界を制するという希望でもあるが、恐ろしすぎる可能性だった。
「…こんなところか?」
『ああ…、パッショーネは、矢を所持していたが、矢の可能性を知らずに破壊させてしまったらしい。運が良かった。』
「そうだな…。けど、生まれちまったスタンド使い達はどうしようもねーけど。それで?」
『……東方には、“3人目の子”がいた可能性がある。』
「はい? どういうことだ? ミナミは、仗助と双子だろ? まさか…、ジョースターさん?」
『バニシングだ。』
「ばに?」
『多胎受精の場合、希に腹の中の子が消える現象があると言われている。……ブルー・ブルー・ローズについて財団の超常現象研究機関が、本体であるミナミのことでジョースター家だけじゃなく、東方の血筋にもメスを入れた。そしたら、ミナミと仗助の母親である東方朋子の母子手帳に、3人いたことが分かったぜ。』
「けど…生まれたのは、二人だぞ? あとひとりは…。」
『本来なら3人で生まれるはずの、消えたひとり。それがブルー・ブルー・ローズに取り憑いている。いや、正確には、ミナミにか。今、イタリアに出没している邪視を宿したブルー・ブルー・ローズらしきモノは、3人目が発生させたモノである可能性が出てきた。邪視の民間伝承が正しければ、ミナミの性格では邪視が宿る可能性は限りなくゼロに近い。ならば、そのルーツはどこだ? もしブルー・ブルー・ローズに宿るのが、肉体を失い歪に成長した魂なのだとしたら、ミナミが宿すはずがない邪視の存在も…。』
「待て! 待てよ! だとしたら余計に分からねーだろ! なんで、血の繋がった姉弟を狙う必要があるんだ!? ソイツが東方の子の可能性があるなら、余計にミナミをソイツから守る必要がある理由が分からねぇ!」
『言っただろう? “歪(いびつ)に成長した魂”だとな。ミナミに憑いていたとはいえ、正常に成長する可能性は微々たるものだ。むしろ、ブルー・ブルー・ローズの能力に影響されて、いや……むしろ、矢の力を得て、一体化し歪んだ形でミナミと、世界を……。』
「それが、今…ミナミとイタリアを苗床に世界を滅ぼそうってのか!?」
『そこまでは分かっていない。だが、歪に成長した魂が、正しき方向に向かう可能性は限りなくゼロだ。もし正しくとも……、それがミナミのためか、世界のためか……、ブルー・ブルー・ローズの力を見れば、どちらに転んでも、最悪だぜ。』
「………どうしたらいい? 俺達は、何をしたらいいんだ!?」
『ひとつの方法として、矢を盗んだことで分離し、別行動している3人目の取り憑いたブルー・ブルー・ローズから、矢を奪うことだ。しょせんは肉体のない、精神だけの存在が矢を所持しても、それは真の進化とは言えない。成長こそすれ、本体はいまだミナミにある。ミナミが自分の意思で矢を使い自分を貫いていない以上、進化は不可能だ。3人目が歪に成長を遂げ、ミナミを喰らう前ならなんとかなるはずだ。』
「……もしもだ…。考えたくもねーが…、もしミナミを喰われ、3人目が完全になった場合はどーなる?」
『……終わりだろうな。』
世界の全てが。
その時、イギーが吠えだした。
「どうした、イギー…? ーーー!?」
ポルナレフがそちらを見た時、そこに赤い根っこの塊がいた。
しかしすぐにアスファルトに溶けるように消えた。
まるでこちらを見て、会話を聞いていたのを気づかれ、慌てて消えたように……。
「マジかよ…! 3人目の可能性!! く、クソッタレ!!」
ポルナレフは、大汗をかいた。
世界を蝕もうとする災厄は、イタリアを苗床に、確実に成長していた。
ウィキペディアで、双生児について調べると、バニシングツインズという単語があります。
文字通り、片側が消える現象らしく、詳しくはウィキペディアで。
※2020/03/07
バニッシングじゃなく、バニシングツインズでした。申し訳ありません。
名前はおろか、肉体さえない3人目の東方の子というのは、完全捏造ですので!!
双子の姉という捏造ネタで、今更だけど!!
ミナミの性格じゃ、邪視が発生する条件を満たせないため、な~にか案は無いかな?っと考えた末の、3人目設定です。
3人目が何を目的に動いているのかは、まだ分からない。けど、思考はミナミに向いている。(前話の最後にて)