仗助に双子の姉がいたらというもしも パート4 第五部へGO! 作:蜜柑ブタ
なので、リゾット(と邪視)は殺したと思ってブチャラティ達に挑みます。
オリジナル展開です。
流血注意!!
「……静かすぎる。」
「レーダーの範囲には、俺らの反応以外ないよ~?」
「なら、余計におかしいな。ここは、観光地だ。それに面積も狭い。シーズンじゃ無くとも少なからず人がいるはずだ。」
「……ねえ。アレ…。」
ブチャラティ達がサルディニア島の異様な空気を感じて不審に思っていたとき、トリッシュがある場所を指差した。
建物の塀の影に靴が見える。いや、靴を履いた人の足だ。うつ伏せで倒れているのだろう。
「ナランチャ。」
「……呼吸はない。」
つまり死んでいるいうことだ。
「どうする? ピストルズを行かせるか?」
「いや……下手に近づけない。銃声を耳にしたこの静けさの元凶が反応してこちらに来る可能性もある。」
「ノトーリアス・Bigのように、速さで反応するスタンド…という可能性もあるからな。」
「それだったら。今飛ばしてるエアロスミスに気づくはずだよ?」
「…それもそうか。だが、用心しろ。俺達が墜落死したと組織が思い込んでくれているかも知れないが、そうでないと考えている者がココに来ると先読みして来ている可能性がある。用心に超したことは無い。」
「考えすぎじゃねぇの?」
ロオオオオォォオオオ
「今なんか言ったか?」
「いや?」
ロオオオオォォオオオド
「……気のせいじゃない。」
「ナランチャ! おめぇ、ちゃんと…。」
「見てるよ! け、けど、反応が無いんだよ!」
「ノトーリアス・Bigっと同じ系統か!?」
「俺の心臓も肺も…、すでに止まっているか。」
どこか諦めているような男の声が聞こえた。
「どこだ!?」
『ダガ、コウツゴウ。』
10メートルほど先であろうか、黒い男がいつの間にかいた。
エアロスミスの二酸化炭素を探知するレーダーに反応せず、そして音もなくそこにいた男は…、閉じられた右目から血を流していた。
「いつの間に!?」
「そっちの女がトリッシュか。」
「!」
「だが…もう用済みだ。あとは…、ブチャラティ…、お前達を殺し、仲間の仇を討つだけだ。」
「なんだと? それはどういう…。」
「言葉の通りだ。……敵…コロ…ス。』
「そうか…、お前は…奴らの…。」
「そうだ。俺達は、暗殺チーム。…組織において矛盾した存在だ。ホルマジオ、イルーゾォ、プロシュート、ペッシ、メローネ、ギアッチョ……。お前達に敗れ去ったのは、俺の仲間だ。」
「てめーらが襲ってきたから応戦しただけだぜ!」
「知っているさ。俺達は覚悟の上だったのだから。組織に逆らうことも、ボスに繋がる最大のカードだったトリッシュを奪おうとしたのも。すべては、俺達を蔑ろにしてきた組織のボスの首を取り、栄光を掴むためだった。」
「……で? のこのこ俺達の前に出てきたのは、正々堂々ぶつかろうって腹か? 暗殺チームってわりにゃ、変な奴だな。」
「コレは…、「俺」の意思じゃない。『ワタシ』…だ。』
「ワタシ? ん? お前…。」
『ミナミ…、ドコ?』
「その声は…!」
「そちらにコレの本体がいるのなら、知っていて当たり前か。だがしかし、正面から俺の姿を見たところで、お前達の最後は決まっている。近づくことさえ、叶ワナイ。』
「動くんじゃねー!!」
「ナランチャ!」
スッと横へ歩き出そうとしたリゾットに、ナランチャが上空に飛ばしていたエロスミスを戻して上からリゾットに向けて弾丸を撃ち放った。
すると、あっという間にリゾットの姿が消えて、弾丸が地面を抉った。
「消えた!」
「ここにいない…、離脱したお前達の仲間もあとで殺し、お前達の後を追わせてやる。イルーゾォを殺したのはソイツだろう?」
「ちくしょう! レーダーに映らねぇ! やっぱアイツ呼吸してねーぞ!」
どこか分からないが、リゾットがそう言う。ブチャラティ達は、エアロスミスのレーダーに映らないリゾットの不気味さと奇妙さに汗をかいた。
次の瞬間。
「ウグッ!?」
アバッキオが喉と腹を押さえ、大量のカミソリの刃を嘔吐物と血と共に吐き出した。
「アバッキオ!」
「なんでカミソリが!? これが野郎のスタンド…、う…ぎっ? うぇ、ぁあが!?」
「ミスタ!」
銃を手に周り見回していたミスタの右頬と口から、大量の縫い針が突き出てきて傷を負わせた。
「どこだ!? どこだ! ちくしょーーー! ブ、ゲッ!? いぃぃぃでぇぇぇえええ!」
ナランチャの顔や頭の表面からカミソリの刃が飛び出す。
ゴゲェェっと、アバッキオはカミソリの刃を吐き出し続けていた。そして、ミスタやナランチャの顔からボトボトと血と共に針やカミソリの刃が落ちていく。
「スパイス・ガール!」
トリッシュが針を柔らかくし、ミスタとナランチャの顔の針やカミソリをすべて吐き出させた。
「やはり、ボスの娘か…。お前もスタンド使いだったとはな。だが、そんなことはもうどうでもいい。ブチャラティ…、部下達を支え、自らも大きな戦力であり、また組織と戦ううえで希望の象徴になっているお前が死ねば…、部下達はどれほどに絶望するだろうな?」
「スティッキー・フィンガーズ!!」
「だが、遅い。」
不意に姿を現わしたリゾットに向け、ジッパーで拳の距離を稼いだブチャラティがスティッキー・フィンガーズの拳を向ける。
「ブチャラティ!」
カメからジョルノが飛び出し、ブチャラティの喉にゴールド・エクスペリエンスの指を突き刺した。そして皮膚の下に現れていたハサミを引きずり出す。
「……お前が例の新入りか。しかし、ブチャラティ…お前は…。」
「すまない…、ジョルノ…。」
「いいえ…。この島の異変は…、どうやらアイツに潜んでいるモノのせいでしょう。」
「…そうだな。この島にいる一般観光客や島の住民を殺したのは、俺じゃない。“コイツ”だ。」
閉じられていたリゾットの右目のまぶたがゆっくりと開かれる。
そこにある鮮血色の目が、ジョルノ達を見た。
「邪視!?」
リゾットの内側に潜んでいるモノの正体に瞬時に気づいた時には、ジョルノが金縛りに合っていた。
「うっ…!」
「気合いで破れ! 見つめ続けるな!」
「お前の能力は知っている。その両手が邪魔だ。」
ジョルノが気合いで金縛りを破った瞬間、右手の皮膚の下に発生したハサミが皮膚の下からジョルノの左手を切り落とした。切り落とされた左手にナイフが突き刺さり地面に縫い付ける。
「次は、右手だ。」
「スタンド能力を使ってるってのに…、スタンドが見えないってどういうことだよ!?」
「お前達がそれを知ることはない。なぜなら、ここでミナミ以外は死ぬ。」
「…ミナミを?」
「ソレは、コレの意思だ。利害の一致という奴で借りがある。力を借りて、貸す代わりに本体だけは生かす…。どうやらお前達は、コレにとって本体を脅かす敵としてしか見られていないようだな。」
「なんだと?」
「その理由は、お前達が一番よく知っているんじゃないのか?」
「それは…。」
「……お前達は俺の射程距離内にいる…。近距離が多いようだし、遠距離型もいるが…、今の俺に近づいたとて、触れることすら叶わない。」
「臨死体験か。」
「…死の衝撃に任せて死んだ方がマシだと思うか? このまま俺になぶり殺しにされるよりは。なら叶えてやっても構わないぞ?」
「ぜひ、そうして欲しいものだな。そうすりゃ、てめぇをぶん殴れるからよぉ!」
「フッ…。」
口の中に残っている嘔吐物と血をペッと吐き出し、そう叫んだアバッキオ。リゾットが、不敵に微笑み、ブチャラティ達に向けて歩を進めようとした。
近づくということは、自信だ。射程距離とか関係なく、今なら確実にいかなる距離でも殺せるという自信だ。
この短期間で死線を潜ってきたブチャラティ達は、それを感じる。
呼吸が無いと言うことは、すでに心臓だって止まっているはず。つまり急所を破壊したとて、リゾットが死ぬとは限らないのだ。だが、そもそも触ることすらできない。あの邪視がリゾットの味方をしている以上……。
そして肝心のミナミであるが、カメの中で眠っていた。飛行機の中で意識を失ってから、ずっと眠っているのだ。あまりに深い眠りで、まったく起きる気配が無い。明らかにおかしいことは確かだが確かめる手段が無かった。回復役としてジョルノがいてもジョルノは医者じゃない。それにもしスタンドの影響なら医者に診せたとて無意味だ。
「楽しみだぞ。お前達が死んだ後、どんな顔になって死ぬかが楽しみだ。」
リゾットは、どこか楽しそうに言う。
万事休すか! っと思われた、その時。
フワフワと、シャボン玉がどこからか飛んできた。
シャボン玉に気がついたリゾットが、邪魔そうに手で払った瞬間。ビリィ!っと凄まじい衝撃が身体を襲い、吹っ飛んだ。
「なっ…!?」
シャボン玉からは想像も出来ない凄まじい攻撃力を受け、吹っ飛んだリゾットは勢いで転がりながら体勢を整え顔を上げた。
金髪が潮風に揺れる。
フワフワと彼の周りにシャボン玉が舞っていた。
「シーザー!?」
「やっと追いついたぜ。」
シーザー・A・ツェペリは、ギロリっと射殺すような目でジョルノ達を見て低くした声で言ったのだった。
しかし、ここまでブチャラティ達がリゾット(と邪視)に追い詰められる展開は、ちょっと無理があったかな……?
触ると死に誘われる、目が合うと死ぬ、中距離間なら血中の鉄分を奪われ傷つけられた上に最終的に死ぬ。
なにこのチート。
リゾットの心肺は寄生された段階で停止しています。つまり、状態としては死チャラティとほぼ同じ。
シーザーだけが駆けつけました、フーゴはいません。