仗助に双子の姉がいたらというもしも パート4  第五部へGO!   作:蜜柑ブタ

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ゲスコンビこと、チョコラータとセッコ登場。



あと、シーザーが同行しているので、ちょっとカメの中での展開が違います。
戦闘などは、だいたい、原作通りの流れです。


カビと、とろける地面

 

 コロッセオ。

 ローマの皇帝達により、様々な改修や増築を行われながら、緊縮政策を取りながら、市民を懐柔するための娯楽施設の目玉として円形闘技場として作られた建造物。

 今や、ローマの観光地の目玉のひとつとなっている。

 ここで殺された猛獣は5000頭にも及び、そして数百人の剣闘士が死んでいった。

 

 今、このコロッセオに、剣闘士ではなく、スタンド使いが集結しようとしている。

 

 呼びかけたのは、ブルー・ブルー・ローズなるスタンド。

 

 敵味方問わず誘いをかけ、集めようとしている意図は分からない。

 

 だが、ボス……ディアボロが来ることは確定らしい。

 

 ディアボロが来るということ。もうたったひとつしか無いボスを倒す道。

 

 まるで蜘蛛の糸にでも縋る思いで、コロッセオがあるローマへやってきた。

 

 

 サルディニア島からボートに乗って海を渡ると、時間は夜となった。

 月が明るく照らす静かになったローマ。

 港から見える村の街灯がボートを港へ導く。

 港から村へ上がる階段の所に、二人の酔っぱらいがいた。

 完全に酔っていて正気じゃ無いらしく、トイレと間違えてポストに……とかしている。

 

 しかし、異変はすぐそこで起こっていた。

 

 まず酔っぱらいの一人が水飲み場に抱きついて離れないで、仲間らしきもうひとりが引き離そうと頑張る。

 やがて引き離すことに成功したが……、彼が水飲み場に絡めていた足と腕は水飲み場に残された。

 大きなカビのような物が下半身を覆い、腐らせ、上半身と分離させたのだ。

 それに気づいたもうひとりは、俺に近づくなと叫び階段を駆け下りようとして、失敗した。両足がカビに包まれて溶けたのだ。それも分からず必死に腕を振って走ろうとしているのが滑稽ではある。

 その異変には、ボートで今まさに上陸しようとしていたミスタとナランチャもすぐに気づいた。

 だがすでに謎のカビは、彼らをも襲っていた。それはナランチャが持っていたカメの中にまで及ぶ。

 宴会でもあったのか、夜目が慣れた目に、村の港のあちこちに一般人が倒れていた。カビに浸食されて。

 ナランチャが攻撃を恐れてボートに戻った瞬間、凄まじい勢いでカビが彼を浸食した。

 ジョルノがカメの中から叫ぶ。

 攻撃のスイッチがあるはずだと。

 港に上がっていたミスタが、攻撃のスイッチ?っと、恐る恐る手を下へ向けた。するとカビが下からきた。

 

 カビは、下へ行くと来る。逆に上に行くと消える。

 

 その法則に気づいた。

 だがカビの浸食は早い。港より下のボートに降りてしまったナランチャの手と足を崩し、カメを投げられなくされた。

 ミスタが機転を利かせ、ボートのエンジンを撃ち、破壊した反動でナランチャをカメごと陸地に放り上げさせたことで命は助かった。

 

 ある種のカビは、自分の生息域である低い位置に移動するため、他の生命体(例えば昆虫)の体内に入り込み、そして低い位置に移動した瞬間、増殖し、宿主を殺して養分にする。

 バッタカビや、冬虫夏草がその一例である。

 まさにその習性を持つ凶悪無比のカビ。それが今、ここにいる。

 

 その凶悪さは自然界ではあり得ない。スタンド攻撃であることは間違いなかった。

 

 

「……。」

 カメの中、ミナミは、身体にカビが付着したときもぼんやりとしていた。

「ミナミ?」

「……。」

 シーザーが声をかけるが、ぼんやりと宙を見上げているだけだった。

「しっかりしろ!」

「……あっ。」

 シーザーが左肩を掴んで軽く揺すってやっとミナミは、正気に戻った。

「お前…おかしいぞ?」

「…ん。分かってる…。分かってるけど…、なんだろう? 頭が…。」

「ジョルノ治療できそうか?」

「いいえ、この村では難しいです。生きたカビが傷口に…。」

 カメの中に押し込まれたナランチャの治療は今の状況では難しかった。ナランチャの代わりに外に出たブチャラティがミスタと共に、階段の上にある道路の車を使うべく階段に向かった。

 カメの中のソファーに横にされたナランチャは、ジーッと、ミナミとシーザーの様子を見ていた。

「…気になるの?」

「えっ、あ…別に。」

 そんなナランチャにトリッシュが聞いた。

「仲良さそうよね。もしかして恋人同士だったりして?」

「んな!?」

「ちょいまち、そこのバンビーナ。」

「なによ?」

「俺とミナミはまだ将来を約束はしてないぜ。」

「あら~? それじゃあ“する”予定はあるのかしら?」

「!」

「60年以上の片思い舐めんなよ? ガキんちょ。」

 シーザーは、唖然としているナランチャに、フッと笑って見せた。

「おい、お前! 今、60年つったか!? お前いくつだよ!?」

「秘密。」

「なんでそんな昔っからミナミのこと…。」

「色々とあんだよ。色々とな。」

「ぐわっ! なにこのひでぇ大人!? いや、ジジイか!?」

「暢気に色恋沙汰で盛り上がってる場合じゃないですよ。」

 ギャーギャー騒いでるナランチャ達に、ジョルノが冷静にツッコミを入れた。

 そうこうしている内にジョルノが呼ばれ、外へ出て行った。

 車を手に入れた一行だったが、敵は、カビのスタンド以外に、地中を移動するスタンドがいることが分かった。

 ジョルノは、ミスタの治療をし終え、ミスタが眠った後、運転をしているブチャラティに怪我の治療をしようと言った。だがブチャラティは気がついてない。不信に思いつつブチャラティの肩を掴むと……ブチャラティの身体の冷たさが手に伝わった。

 ジョルノは、ギョッとし恐る恐るブチャラティの首筋に指を当てた。そこに脈は無かった。

「…なんだ、ジョルノ? どうした? ……ああ…、怪我をしていたのか。もうあまり時間が無くなってきたな。だんだん、皮膚の感覚が…、いや、ヴェネツィアの時からか…。」

「ブチャラティ…、気づいてたんですか? あの時…から…。」

「不思議だな…。これは、『運命』と俺は受け取ったよ。『天』がちょっぴりだけ許してくれた偶然の運命だってな。ヴェネツイアで、お前が俺の負傷を治してくれたとき、お前がくれた『生命のエネルギー』は、もう少しだけ『動くこと』を許してくれたようだ。」

「なぜ黙っていたんですか…。あの時、ゴールド・エクスペリエンスは、あの時完全に傷を治したんだ…。その異常だって元に戻せる方法があるはず…。」

「ジョルノ…。それについてはゴールド・エクスペリエンスを使うお前自身がよく分かっているはずだ。終わってしまった命は戻らない。戻せない。俺の命は、あの時すでに終わっていたのだ。黙っててくれるか? みんなには……。」

「いいえ…、ありました…!」

「なにがだ?」

「今の状態を正常に戻す手段! そして終わったモノを戻す方法を、僕らは手にしている!」

「……ミナミか。」

「そうです! 彼女の力が本物ならば、死んだ者さえ蘇らせられる! 青いバラの花を使う手段というのも…。」

「………彼女をこれ以上苦しめられない。」

「でも!」

「お前の気持ちは分かっている。だが、こんなことに彼女を巻き込んだのは、そもそも俺に責任があるんだ。そして俺が今この状態なのも、俺の責任だ。その業を、仲間でもないミナミに押しつけるべきではない。」

「だけど……でも…、目の前に救済の可能性があるのに…!!」

「それに…、今の彼女では俺を元に戻すことはできないだろうな。」

「!」

「花京院が言っていたじゃないか。ブルー・ブルー・ローズの力がイタリア全土に広がり、暴走状態だと。そして今のミナミの力(スタンド)は、半分程度しかないとな。そんな状態で蘇生という大技ができるとは思えん。」

「……コロッセオ…。」

「ジョルノ?」

「パソコンの通信からブルー・ブルー・ローズは、僕らにコロッセオに来いと言ってきた。いるんじゃないですか? ……ミナミの力(スタンド)の半分が。もしそうなら、可能性はまだ残されている。」

「ジョルノ…、そこまで…。」

「エゴだって分かっています。でも正直な気持ちなんです。僕はあなたに死んでもらいたくない。生きてください…!」

「ジョルノ…。」

 泣きそうな顔で辛そうに言葉を吐き出すジョルノの様子に、ブチャラティは、しょうがないなぁ…っと、悲しげに微笑んだ。

 

 あとは下り坂にさしかかった時、突如車の前方の窓にカビだらけの死体が降ってきた。

 ドドドドっというような凄まじい音が聞こえてくる。

 横の窓から見上げると、ヘリコプターが飛んでいた。

 落とされた死体から感染したカビが下り坂によって広がろうとしたとき、ブチャラティは、ジョルノとミスタに自分に捕まれと叫び、車から飛び出しスティッキー・フィンガーズでガードレールを掴んだ。

 下り坂の先に、コロッセオが見えた。

 

 スタンドとは、本体の無意識などの無意識の才能。

 だが、このカビのスタンドは、罪悪感の欠片も無い。

 普通の人間ならあるはずの無意識のブレーキという、良心がない。

 カビのスタンドは、罪悪感というブレーキがないゆえに残酷さを楽しみ、それを生きがいにしているからこそ目覚めた能力。

 

「こんなことをするなんて…、こいつはブレーキが無い! コイツは悪の限度がない男だ!」

 カビはローマ中を侵食し、無差別に人を喰らい殺す。

 そこに良心というブレーキなぞない。

 死体から死体へ無制限に広がり続ける。

「ボスは承知の上で、解き放ったのか!? コイツは、ローマを潰しても止まらない! いずれイタリア全土…それ以上に…。しかもマズいぞ! 奴はヘリコプターで俺達より早くコロッセオに行く! コロッセオで待つブルー・ブルー・ローズに接触する気…、いやこの混乱に乗じてボスが先にブルー・ブルー・ローズに接触したら…!?」

 そしてブチャラティは、ミスタに指示を出す。

 必ずヘリコプターを墜落させろと。

「分かってるぜ! 行け、セックス・ピストルズ!」

 そして銃から発射された弾丸がヘリコプターのエンジン部分を狙ったが……。

 それはもうひとりの男により弾かれた。

 茶色の全身を覆うスーツのような奇妙な格好の男は、そのままヘリコプターから飛び降りるとまるでプールに飛び込むように綺麗な態勢で地面にトプンッと飛び込んで姿を消した。

 

 

 カビのスタンド、グリーンデイの使い手、チョコラータ。

 地面をまるで泥のように柔らかくし、潜航する能力を持つスタンド、オアシスの使い手、セッコ。

 

 下へ行けば広がるカビ。

 地面を柔らかくし、下へと沈めるオアシス。

 

 

 これ以上ないほどの組み合わせが、襲いかかる。

 

 

 

 




たぶん、ジョルノはブチャラティに生きていて欲しいって願うでしょうね。もし本当に救う方法が目の前に宙ぶらりんしていたら。

さて……、ここからどうするかな?
7ページ無駄無駄はさせたいし……。(書けないと思うけど)
でも、他の面子も集結する予定だから、みんなでチョコラータ達を追い詰めるか…。


しかし、もしかしたらフーゴがここで敵として登場する予定もあったらしい…というのを大百科とかで見たんですが…。
パープルヘイズは、そもそも麻薬の隠語で、裏切り者として登場する予定だったとか?
でも展開が暗くなるからという理由と、パープルヘイズが強力すぎたとかで途中退場……。
その代わりにできあがったのが、チョコラータだったわけなんだよね?

さて、ウィルスとカビじゃ……、どっちが厄介かな?
パープルヘイズのウィルスは、光に弱く、血清などがあれば浄化できるが、耐性ができるとより凶悪に。
グリーンデイのカビは、下へ行くと繁殖し、上へ行くと治るが、死体を媒介に広がる。
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