仗助に双子の姉がいたらというもしも パート4  第五部へGO!   作:蜜柑ブタ

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これだけ大規模にやったのに、あっさりした終わりかも……。


とりあえず、ジョルノ達sideです。


三部編でミナミの能力により生き残った敵がひとり、味方として駆けつけます。
予定無かったんだけどね。


書物の神は、鎮魂歌を予言する

「あそこだーー!」

 コロッセオの中央に続く周囲の通路で、矢の追跡が行われていた。

 3人目に掌握される前のブルー・ブルー・ローズの力であった、青いバラの花を体内に持っていたナランチャがミナミの救出のため捨て身でブルー・ブルー・ローズに包まれてからというもの、矢の探知ができる役割は青いバラの花を、ヴェネツィアの一件以降お守りとして持っていたトリッシュがしていた。

 残骸のようなほんの少しの力であるが、それがミナミがこの状況を望まず抵抗している証なのか、青いバラの花は矢の位置を教えてくれた。

 矢を移動させている根っこの動きは早くない。だが絶えず動いている。走れば追いつけるが、問題は矢を移動させ、守るように通路を触媒にしながら動いている赤い根っこだ。

「俺がやるぜ! セックス・ピストルズ! 矢を根っこから剥がせ!」

「ダメだ、ミスタ!」

「なんでだよ!?」

「ピストルズが捕まったらどうなる!」

「あっ。」

「くっそー! 時間がねーときに触るとアウトってぇ問題がつきまとう!」

 気合いで、死への誘いをはね除けるのも限界がある。はね除けるたびにゴリゴリ精神力と体力を失うからだ。休憩を挟めばなんとかなるかもしれないが、空の邪視が目を開け始めたため、休憩している場合じゃない。

 ブルー・ブルー・ローズからの攻撃は、ディアボロを潰したときの一撃以降ない。あくまでこちらが手を出したときのみ反撃をしてくるらしい。そもそも触ったらそれだけでカウンターで死の衝撃を受けるのだから、逃げてるだけでいいのだ。

「くっ……、蘇生さえされなければ、まだ勝機はあったかもしれないのに。」

「悔やんでも仕方ありませんよ、ブチャラティ。」

「そうよ! この戦いが終わったら、生き返れたことを喜べば良いのよ! 生き返ったことを喜ばなきゃ…、この力を誰よりも嫌っているミナミが浮かばれないわ!」

「トリッシュ…。そうだな。」

 ブチャラティは、そう納得して頷いた。

「……ブチャラティ…、ブルー・ブルー・ローズは、実体のある植物なのですか?」

 するとフーゴが聞いてきた。

「物質同化しているから実体はある。本物植物かどうかは分からないが…。」

「………命を捨てる覚悟があれば…、矢だけを奪い取れる可能性はあるかもしれない。」

「なに!?」

 全員の視線がフーゴに集まる。

「……パープルヘイズのウィルスですね?」

 ジョルノがそう聞くと、フーゴは頷いた。

 この後、急いでざっくりとだが知らない者達に、パープルヘイズの能力であるウィルスの力を説明。

「この通路は、影が多く、光がほとんど入ってこない…。つまり光による消毒は難しい。」

「誰かがウィルス感染で死を覚悟して矢へ向かい、矢を光の下に放り出す必要性があると?」

「もし…もし…、ブルー・ブルー・ローズに僕のパープルヘイズが通用しなかった場合のこともあります。だから確実とはいえないです。」

「待ってください。なにも確実に死を受け入れる必要はありません。」

「どういうことだ?」

「僕の能力でウィルス感染した周辺の壁とか床の材質でもいい、それを生命に変えてウィルスの抗体を生み出すことが可能です。そうすれば、血清が取れる。成功すれば犠牲者は出さないで済みます。」

 思わぬジョルノからの提案によって、光明が見えた。

 ブチャラティが他の者達を見回すと、言葉にせずとも意見は分かった。

「フーゴ! ジョルノ! 頼むぞ!」

「はい! パープルヘイズ!」

「ゴールド・エクスペリエンス!」

 フーゴがパープルヘイズを出し、それに続いてゴールド・エクスペリエンスが飛び出す。

 逃げるために移動している赤い根っこに向けて、パープルヘイズが拳を振るい、拳についているウィルスカプセルを放った。

 赤い根っこに当たって割れたカプセルからブワッと死のウィルスが撒き散らされる。

 途端、みるみるうちに赤い根っこが死滅していく。

「効果有りだ!」

「俺が行く。」

「シーザー!?」

「……ナランチャとか言ったか。あのガキにばっか良いところ取られちゃかなわない。」

 そう言ってシーザーは、鍛えに鍛え抜いた身体能力で誰よりも早く走り抜き、ブスブスと死滅して矢を床に落としたブルー・ブルー・ローズの中に手を突っ込んだ。途端、ウィルス感染範囲に入ったため、腐食が始まる。しかしそれを気にせず、掴んだ矢を通路の光のある方へと投げた。

「ジョルノ!」

「ゴールド・エクスペリエンス!」

 そしてすぐにジョルノが壁の一部をヘビに変え、そこから血清を取りだし、シーザーに指を突き入れてウィルスを浄化した。

「どうです?」

「ああ…、だいじょうぶだ。」

「おい! 矢に触ってだいじょうぶなのか!?」

 

 

「問題ない。ジョルノ・ジョバァーナ。お前が使うんだ。」

 

 

「えっ?」

「承太郎!?」

 そこへ現れたのは、承太郎と、大きな漫画を抱えた小柄な青年だった。

「トトの予言が正しければ、お前のレクイエムがブルー・ブルー・ローズを倒せる。」

「トトって…、あ、お前!」

「イヘヘヘ……、た、大変なことになってますね…。」

 トト神のスタンドを持つボインゴが顔を青ざめさせたり赤くさせたり忙しく表情を変えていた。

「レクイエム(鎮魂歌)?」

「矢の力で新たな段階へと昇ったスタンドのことだ。どのような力が手に入るかは、大雑把な予言しかできないトト神では、分からないが……、少なくともジョルノ・ジョバァーナが鍵となり、この危険な状況を打破するとなっている。」

「ぼ、僕のトト神は…近い未来しか分からない…。だ、だ、だから…、その先がどうなるかは……。」

「わからないんだろ? とにかく時間がない。すでに空の目が、2分の1ほど開いている。」

「ああ! 本当だ!」

「ん? んんん!? なんだ、俺達の指先が…。」

「あの目が力を発揮し始めている証拠だ。完全に開けば、すべての生命が消えることになる。回避不可能の、痛みも苦痛も無い、絶対的な死をもって。」

 指先が粒子となって少しずつ消え始めていることに気づいた一行。

「ジョルノ。」

「……分かりました。」

 全員の視線が集まる中、ジョルノが光の下に出された矢を拾った。

「スタンドを貫けばいいんですね?」

「そうだ。」

「………ゴールド……エクスペリエンス!!」

 そしてジョルノが、ゴールド・エクスペリエンスを矢で貫いた。

 しかし、直後ボコッとゴールド・エクスペリエンスに穴が空いて、矢が落ちた。

「失敗!? 矢に選ばれなかったのか!」

「ボインゴ! 予言通りなんだよなぁ!?」

「ぼ、ぼぼぼ、僕のトトの予言では…『ジョルノ・ジョバァーナは、矢でスタンドを貫いてレクイエムになり、勝ちましたとさ。』って…なってます。」

「大雑把だな!!」

「だが、この大雑把な予言は、絶対だ。外すことはできない。外そうとすれば手痛いしっぺ返しを喰らう!」

「ああ! 見て! 矢が!」

 落ちた矢がひとりでに浮き上がり、ダラリッと腕を垂らしていたゴールド・エクスペリエンスの腕を伝って頭の方へ移動を始めた。

 そしてボロボロとゴールド・エクスペリエンスの表面がひび割れ、崩れ始める。

 すべてが崩れ落ちたとき、そこに現れたのは矢と一体化したゴールド・エクスペリエンス・レクエイムの姿だった。

「これが…、レクイエム?」

「……なるほど…、だから僕が適任だったわけですか。」

「ジョルノ?」

「………ミナミは必ず救い出します。そして、ナランチャも。」

「ナランチャは…生きているのか!?」

「ええ。まだ肉体が完全には死んでいない。まだ蘇生が間に合います。」

「な、なら、急げよ!」

「分かってます。っ!」

 次の瞬間、コロッセオという建造物ごと破壊するような一撃が来た。中央にいる髑髏がジョルノめがけて攻撃を仕掛けたのだ。

「……なってしまえばすべてが分かる。アナタは、僕には勝てない。アナタが、不完全だからこそ勝つ余地がある。」

 壁や天井を突き破ってきた髑髏の手は、レクイエムの眼前で止まり、すべてが巻き戻されるように元通りになる。

 

 

『これが…、ゴールド・エクスペリエンス・レクエイム! 何人たりとも“真実”にはたどり着けない! このことは、私を操るジョルノ・ジョバァーナでさえも知らない! 不完全なるオマエのレクエムは、私がゼロへと!』

 

 

 ヤメテ……!

 

 

『怖いことは、何もない。オマエの不完全なるレクイエムが、奏でられずに始まる前に戻るだけだ。』

 

 

 ゴールド・エクスペリエンス・レクエイムが巻き戻される時間の中を動き、巻き戻されコロッセオを破壊しようと手を振り上げているブルー・ブルー・ローズに、まるで子供をあやすかのように、優しく触れた。

 

 

 そして、コロッセオを中心に、眩しいが、優しい光がローマを…、いや世界を照らすように輝いた。

 空の邪視は、その優しい光を防ごうとするかのように開きかけていた目を閉じ、粒子となって溶けて消えていった。

 

 

 

 

 

 




フーゴを駆けつけさせるとして…、どういう役回りをさせるか考えて考えて…、結果、殺人ウィルスによるブルー・ブルー・ローズの根っこの駆逐役にしました。
なお、ブルー・ブルー・ローズは、無機物を触媒にしているので本来なら効きませんが、ミナミを内側に取り込んだことで生体に近い状態になっているとか……、色々と後付けするとゴチャになるけど……。

承太郎がボインゴを連れてきたのは、ボインゴだけ行かせるのが危険だったからです。護衛ですね。
大雑把な予言ながら、確定すれば外そうとする大きな痛手を被ることになるトト神の力がどこまで通用するか分かりませんでしたが、今のこの場にいる面子で、不完全なブルー・ブルー・ローズ・レクイエムをゼロへと戻せる素質があるのが誰なのかを知る必要と、確実に矢の力を与えるためにトト神を使ったという感じです。

あくまで不完全な形で奏でられようとしていた3人目のレクイエムを歪んだ進化の前に戻すだけなので、3人目は消えませんし、ブルー・ブルー・ローズ(進化前)も残ります。もちろんミナミもだいじょうぶです。


もしかしたら、このトト神の力は、まだ持ってないけど六部編でも活躍するかも。(2020/03/17現在、頭の中で描いている段階では)



とりあえず、次回でナランチャ側も決着を付ける予定。
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