仗助に双子の姉がいたらというもしも パート4  第五部へGO!   作:蜜柑ブタ

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楽しい内に、どんどん行くよー!



っというわけで、トニオさんのお店編。


提供料理については、医学的な根拠とかは抜きにして、イタリア料理レシピから抜粋しました。


フーゴが一部キャラ崩壊しています。



番外編2  イタリア料理店 トラサルディー

 想像以上に小さな店に、ナランチャとフーゴは驚いた。

「まさに隠れ家的店だね。」

「この店の特徴は、コレ。お客様次第ってことかな。」

「なんだソレ? そんなんでイタリアーノの俺らを満足させられんのかぁ?」

「入れば分かるよ。」

 クスクス笑いながらミナミが店の扉を開けた。

「トニオさーん。予約した、東方です。」

「いらっしゃいませ。ようこそおこしくださいました。」

「うわ、マジでイタリアーノだ!」

 店の奥から現れたシェフの男に、ナランチャがおかしそうに笑う。

「ご友人の方ですか?」

「うん。今日は、二人にご馳走したくて。あっ、もちろん私も食べます。」

「ありがとうございます。では、お好きなお席にどうぞ。」

「席、つーか、テーブル二つしかねーじゃん。」

「オー、申し訳ありません。当店は、私がシェフとウェイターをしていますので、目が行き届く範囲でしかお客様をお迎えできないのです。では、こちらにもうひと席分をご用意します。」

「ありがとうございます。」

 そうしてひとつのテーブルに三つ席を置いて貰った。

「では、皆さん、ミナミさんはご存じですが、改めてご説明させていただきます。当店は、お客様次第でご提供するお料理が変わります。私は手を見れば、お客様の健康状態がすべて分かります。それで料理が決まりますので…、お手数ですが、手をお見せくださいませ。」

「手を見る~? それでなにが…。」

「オウ…、あなたとっても寝不足ですね。2、3日前くらいからまともに寝ていないでしょう。」

「えっ!? なんで分かんの!?」

「それに右手にできかけの鉛筆タコができてて、右手の指が痛いはずです。慣れない勉学で目も疲れていますね。それに寝不足が祟って、胃腸が少し荒れています。」

「なんで、なんで!?」

「鉛筆だこは分かるが…、胃腸の荒れまで分かるんですか?」

「はい。そうです。ああ、あなたの方は、最近、腰がこっていますね。あと、足に軽い水虫があって、切れd…、オウ…!」

「落ち着け、フーゴぉ!!」

 言いかけたトニオを殴ろうとしたフーゴをナランチャがすんでで止めた。

「分かっても口に出すんじゃねーー!! ちったぁ客のこと考えろ、ゴラァ!!」

「それは、誠に申し訳ありません…。」

「次言ったら、ぶち殺す!!」

「ごめんなさい、ごめんなさい!」

 ミナミもフーゴを押させるのに協力しつつ、トニオに謝った。

「申し訳ありません。しかし、これは私の店の方針なので、誠に申し訳ありません。あなたは、少々(?)感情が高ぶりやすいようですね。分かりました。ミナミさんは、肌の艶が少々悪いようですね。それ以外は健康です。」

「じゃ、お願いしまーす。」

「はい。少々お待ちを。」

 ニッコリと笑顔を浮かべたトニオは、店の奥へ行った。

「なぁ…、ミナミ…。だいじょうぶか、この店? なんか怪しくね?」

「最初は怪しいって思ったよ。でも食べたら印象変わった。まあ、まずはお水でも飲んで落ち着いたら?」

「……ったく…。……むっ!? こ、これは…!」

「どうした、フーゴ?」

「な、なんて美味い水だ! 飲んでみてくれ、ナランチャ!」

「えっ? ん? んんん!? うっめーーー! なんだこれ!」

「ビックリするでしょ? ここお水から美味しいんだよ。」

「プッハー! くー、水でこんな美味いんなら、なんか期待できる気がしてきた! ん? なんか目がしょぼしょぼしてきた…。」

「涙が出てるじゃないか。いくら美味しくてもそこまで…。」

「あー…、来たね。早速。」

「えっ?」

「うぇぇ…なんか、涙が、止まらねぇ…、うぅうううう!!」

「な、ナランチャ!? 目が、目がしぼんでるぞ! ミナミ、コレは!?」

「だいじょうぶ、すぐ治まるから。」

「だが…!」

 

「ミナミさんの言うとおりです。」

 

 そこへ料理をワゴンに乗せて運んでくるトニオが現れた。

 目がしぼむほど泣いていたナランチャだったが、急にフッと涙が止まり、みるみるうちに目が治った。

「ナランチャ…? だいじょうぶかい?」

「ハーーー! スッキリした! メッチャ爽快! あんな疲れてた目が治った! メッチャ周りがよく見える気がする!!」

「シェフ! これは、いったい!?」

「そのミネラルウォーターは、5万年前の雪解け水です。眼球内の汚れを洗い流し、睡眠不足と勉強による目の疲れを解消する水です。あなたが飲んでも涙が出ないのは、睡眠時間と目の疲れがないからですよ。」

「り…、理屈は分かるが、異常だぞ!」

「だいじょうぶだって。トニオさんの腕は確かだから。」

「水、お代わり!」

「承知しました。では、前菜の方もご用意しましたので。まずは、こちらを。」

 ナランチャのコップに水を注ぎ、トニオは前菜をワゴンからテーブルに並べた。

「まず、こちらは、季節の野菜バーニャカウダ。そして、こちらは、ナスのホットサラダ。ミナミさんには、ニンジンのイタリアンサラダでございます。」

「なるほど…、客次第で料理が変わるとは言ってたが、三者三様か…。」

「はい。お客様の健康状態に合わせてお作りしますので…、提供する料理がそれぞれ変わることがございます。」

「メッチャ良い匂い!」

「いただきまーす。」

「……。」

 出された前菜は、とても美味しそうだし、実際食べてみればメッチャ美味かった。

「ウンマァァァァイ!! このニンニクの効いたマイルドなソース! 野菜の歯ごたえと甘みつーの!? それと相まって、メッチャうめーーー!!」

「静かに食べれないのかい?」

「本当は、ナランチャみたいに騒ぎたいでしょ? 身体プルプルしてる。」

「うっ…。」

 指摘されてフーゴは、赤面した。

 やがて……。

「ん? なんか右手のタコのとこが…、かゆい…。」

「まさか…。」

 ナランチャは右手を気にし、フーゴは自分の腰を押さえた。

 ミナミは、無言でポリポリと顔を掻いていた。

「か、かゆい…、かゆ、かゆかゆかゆ!!」

「うあぁぁあ! こ、腰の歪みが!?」

 ナランチャは、ボリボリと指を掻き肉をそぐ勢いになる。フーゴは、ひとりでにゴキゴキとなる腰に悶えた。

 そして、しばらくしてそれらの症状が治まった。

「掃除をしますので、少し失礼します。」

「あ、ああ…。」

 ナランチャは、自分の指からそげ落ちた、鉛筆だこだったモノの残骸を唖然として見ていた。

「やはり異常だ! この店はどうなっているんだ!?」

「まあまあ、種明かしは、全部食べてからで良いでしょ?」

「しかしだな!」

「本当は、次の料理が楽しみでしょ?」

「うっ!」

「ビックリするけど、美味いのはマジなんだよな~。こんな美味いイタリア料理なんて、イタリアで5本の指で数えられないほどないんじゃね?」

「確かにそうだが…。」

「トニオさんは、イタリア料理を下地にしてるけど、色んな国で修行して良いところを取り入れてるんだって。このお店も、お客さんに快適に過ごしてもらうためなんだってさ。」

 

「お待たせしました。次の料理です。」

 

 トニオが次の料理を運んできた。

「こちらは、大葉とサルシッチャとズッキーニのパスタ。そして、こちらは、アサリとセロリのスープパスタ。ミナミさんには、塩麹とタコの塩レモン冷製パスタでございます。」

「なあ、トニオさん、ピッツァないの? ピッツァ?」

「申し訳ありません。当店は、料理をお客様次第でお出ししているので…。追加注文でしたら承りますが。」

「ちゃんと喰うからさ。ピッツァくれよ、マルゲリータにキノコ乗せたの!」

「追加注文、承りました。では、ごゆっくりお楽しみください。」

「よく食べるね?」

「へへ。急に食べたくなったんだ。ミナミも喰う?」

「じゃ、一切れ頂戴。」

「オーケー!」

「う……。」

「フーゴ?」

「美味い…美味すぎる!! セロリの癖の強さがアサリの潮の香りと調和して、なによりこのスープの旨味!」

「ふ、フーゴ?」

「なんだい? ナランチャ?」

「な……、なんか雰囲気が……。」

「えっ? どうしたんだい? 変な顔をして。」

「いや! 変なのはフーゴの方だって! そんなキラッキラッ!? 温厚な好青年みたいなオーラ纏ってたっけ!?」

「いやぁ……、今まであれほどに湧き上がってきていた怒気がウソのように晴れやかに消えたんだ…。世界ってこんなに美しかったんだね…。」

「うわああああああ! フーゴが変になったーーー!!」

「たぶん、記憶ごと、この時のことは消えるからだいじょうぶだと思うよ。この手のは効果は持続しないから。」

「俺らの記憶は!?」

「……黙っててあげるのが優しさだよ。」

 フッと遠い目をしてミナミが微笑む。

 

「メインです。」

 

 トニオがメイン料理を運んできた。

「まず、こちらがイタリアンミートボールのトマト煮込み。そして、こちらが、ポテトと豚肉のイタリアンソース和え。ミナミさんには、ミラノ風カツレツです。」

「なんだか、お尻が…熱いなぁ…どうしちゃったんだろう?」

「お、俺も腹がなんか…、グルグルいって…。で、でも美味そうだなぁ…、く、喰うのを止められない!」

「キノコ乗せマルゲリータをもうすぐお持ちしますが、だいじょうぶですか?」

「くれ! すぐくれ!」

「承知しました。」

「うぅうううう!! は、腹が美味さで弾け……、ゲボォ!?」

「うっ!」

 メイン料理を食べたナランチャは腹から腸をぶちまけ、フーゴも食べてから急にテーブルに突っ伏したのだった。

「あーあ…、さすがだわ。もう見慣れたけど。」

 ミナミは、特に症状はなくパクパクと食べたのだった。

「お待たせしました。おや?」

「すみません。回復するまでちょっと待ってくださいね。」

「ええ、分かってますよ。こうなることは、私がよく分かっていますから。」

「トニオさんのスタンド能力は、本当すごいですよね。『パール・ジャム』でしたっけ?」

「ええ。そう名付けました。」

「す…スタンド?」

 ナランチャとフーゴがヨロヨロと起き上がった。

「ええ。私もミナミさんと同じスタンド使いらしいです。この能力は料理修業の時に気づきました。ですが、あくまでも私の料理の薬効効果を高める能力らしいので攻撃性はありませんので。」

「そうそう。今までの現象は、全部薬効効果を高めるスタンド、パール・ジャムの能力だったんだよ。でも料理の味は、トニオさんの腕だから。そこは勘違いしないでね。」

「早く言えよ…。」

「ハ~~、お尻の痛みと不快感がスッキリした。シェフ、とても爽やかな気分です。」

「ありがとうございます。」

「なあ…、フーゴはいつになったら戻るんだ?」

「デザートを食べ終わったときにはスッキリ治っていると思いますよ。では、こちら追加注文のキノコをトッピングしたマルゲリータです。デザートも間もなくお持ちしますので。」

「美味しそう。」

「ミナミも悪ぃヤツだな…。スタンド使いのイタリア料理店って…。」

「だからこそ、名所なんだよ。」

 ミナミは、ピザを一切れ取りながらクスクスと笑っていた。

 そして、フーゴは、デザートの後、普段の状態に戻った。ナランチャがよかった…っと泣いていて、フーゴは不思議がったのだった。

 

 

 

 

 

 




フーゴからキレたら怖いところを抜いたら、キレてる姿を知っているナランチャからしたら、悲鳴モノかな?
もっと気持ち悪くしたかったけど、私の技量ではこの程度です……。

そしてご飯描写ももっと上手くしたかったんだけど、さすがに億泰レベルは無理でした。

次回は、トニオさんの料理で飛行機疲れも取れたことだし、他の名所を回りつつ、億泰達とかに会わせようかな?
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