仗助に双子の姉がいたらというもしも パート4 第五部へGO! 作:蜜柑ブタ
露伴が、パープル・ヘイズのウィルスに興味津々(!)。
露伴の家に来たが、居間にミナミと仗助、ナランチャとフーゴは、露伴の仕事部屋に連れて行かれた。
「んで? 俺らに取材ってなに?」
お茶はそれぞれ出されたが、ナランチャは手をつけない。ムスッとして露伴を睨む。
「ずいぶんと不機嫌だね? ミナミと引き離されたのがよっぽどイヤだったかい? あんなあからさまな視線を受けてて気づかない女に恋するなんて、難儀だね。」
「いいんだよ! あんたにゃ関係ねーだろうが!」
「僕も彼女には興味があるって言ったらどうするんだい?」
「なっ!?」
「いい加減にしてください。ナランチャをからかうのは。」
「なにー!?」
「ふふふ…。単純で頭の悪いヤツほどからかいがいがあるってものでね。つい。」
「てめー!」
「おっと、ここは日本だ。下手に暴力沙汰になったら面倒だろう? 君達のような裏社会の人間が蔓延るイタリアと違ってさ。」
「ぐっ…!」
「さて、これから君達は、僕の作品のモデルになってもらうよ。」
「了承なんてしないが?」
「返事はどうでもいいんだ。どうやっても君達は僕の作品のために役だってもらうからね。」
「! エアロス…。」
「ヘブンズ・ドアー!」
ナランチャとフーゴがハッと気づくよりも早く、露伴のスタンド、ヘブンズ・ドアーが発動し、二人の身体が一瞬にして本や、巻物の紙のようにペラペラにほぐれた。
「は、早い!?」
「なんじゃこりゃー!?」
「ふふふふ…、では、君達の人生を見させてもらうよ。」
「ギャー! やめろー!」
「君は、ナランチャ・ギルガ。17歳。最近学生に戻ったようだが、数ヶ月前まで学校に行かずギャング一筋でブチャラティという人物の下で働いていた。今も学業の合間にギャング稼業をしているようだね。スタンドは、エアロスミス。どんなスタンドなんだい?」
「元に戻せよ!」
「まあいいや、書き込めば早いか。」
ナランチャの言葉など聞かず、本のように開いたナランチャの顔に、字を書き込む露伴。
するとひとりでにナランチャのエアロスミスが出た。
「えっ!?」
「お前! 人の身体を資料に変えるだけじゃなく…書き込みまでできるのか!?」
「ああ、そうさ。これが僕のヘブンズ・ドアーの能力だ。どれ、君の方も拝見させてもらうよ。ふむふむ…、本名はパンナコッタ・フーゴ。16歳? おや、ナランチャ君より年下なんだね。ほうほう、なるほど飛び級で大学まで行ったが、そこで男性教授に言い寄られて…。」
「黙れーーー!!」
「うわ、フーゴ! ダメだ!」
「スタンドは、パープル・ヘイズ。殺人ウィルスを操るが、敵味方問わず巻き込む、本体すら危ない危険極まりないスタンドか。だが、無駄だよ。」
「!?」
怒りの勢いで出してしまったパープル・ヘイズがまったく言うことを聞かず露伴の横に忠実に佇んでいて、フーゴはギョッとした。
「パープル・ヘイズの制御は僕が握ったからね。さて、殺人ウィルスとやらがどの程度の威力なのか調べさせてもらうよ。ちょうど資料のためにと買った、爬虫類のエサ用のハツカネズミがいるんだ。」
「やめろ! こんな日の光が入らない、室内でばらまいたら…。」
「ところで、君達…、これだけ騒いでても居間にいるあの二人が来ないのを不思議に思わないのかい?」
「ハッ!?」
「実は、ちょっとしたことで家が火事になってしまって、その改修の時に改造したんだ。防音だけじゃなく、防弾性も高く、億泰みたいな削り取る系じゃなければ簡単には壊せない室内にしたんだ。直感で異変には気づいているだろうがね。入るのは簡単じゃない。ナランチャ、君のエアロスミスのレーダーなら見えるだろう?」
言われてナランチャは、レーダーで外の呼吸が二つあることに気づいた。間違いなくミナミと仗助だろう。
「さてと、早速だが、殺人ウィルスの威力を…。」
「ダメだって言ってんだろがーーー!! 死にたいのか!? 馬鹿なのか、アホなのか!? 逃げ場のないこんな密室でウィルスをばらまけば、たちまち30秒で溶けて死ぬぞ!?」
「ほう! なるほどなるほど。それは危険だ。だが余計に興味が湧いてきたぞ! この拳にあるカプセルの中にウィルスが…。」
「やめろーーーーーー!!」
ガチャッ
すると、部屋の扉の鍵が開く音がした。
「!」
ギイイッと音を立てて開かれた戸の向こうには、血管浮かせたお怒り仗助と、腕組みしてニコニコ笑顔のミナミ(お怒り)。
「あっ。」
露伴が一瞬ポカンッとした時、ポロリと、パープル・ヘイズの拳にあるカプセルがひとつ落ちた。
「ブルー・ブルー・ローズ!」
ミナミが叫ぶと、床からブルー・ブルー・ローズが生えてカプセルを受け止めるクッションとなり、そのまま窓へと移動して、窓の鍵を開け、ポイッと太陽の下に投げ出した。
途端、カプセルが割れて流れ出たウィルスがスズメやカラスに当たったらしく、ブクブクと口から泡を吹いて落ち、ドロドロに溶けた。
「だ…だいじょうぶだよね…?」
「ああ…、太陽の下なら、じきに消毒される。下に人がいないよな?」
「うん。だいじょうぶ。」
「あっっっぶねぇ~~~~~!! あっっっっっっぶなかった~~~~!!」
「ほっほ~、確かにこれを町中でばらまいたらそんじょそこらのバイオテロなんて目じゃないパンデミックになってただろうね。」
「この野郎! 分かってねぇな! これが太陽のない夜だったら、町は崩壊してたんだぞ!? 住民もペットも草木も全部全滅だ!」
窓の外で死んだ鳥の様子をスケッチする露伴に、フーゴがキレまくる。
「露伴先生…。反省してください。」
「露伴、てめぇ…。」
ミナミは、笑顔で手をゴキゴキとさせてるし、仗助は背後に、ゴゴゴゴゴ…っとクレイジー・ダイヤモンドを出している。
動けないナランチャとフーゴは、同じ事を思った。
これは、終わった、と……。
その後、露伴がどうなったかは、ご想像にお任せします……。でも、死んではいませんし、アンジェロとか、エニグマの少年の末路のようにはなってはいません。
矢についての情報や、ブルー・ブルー・ローズ・レクイエム(不完全)のことを見る前に、パープル・ヘイズに興味を持った露伴でした。
露伴が仗助とのチンチロリンの一件の時に家を焼いちゃった後、色々と魔改造したのは捏造です。
なお、鍵を開けたのは、ブルー・ブルー・ローズです。
たぶん、このあと監視役に来ていたSPW財団員が頑張って念入りに滅菌をします。
う~ん。露伴の漫画に使うための資料探しの執念とかすごいからなぁ。
殺人ウィルス持ちのスタンドだなんて聞いたら、食いつきそうな気がして…この展開にしました。もちろんナランチャの人生にも興味を持つと思います。