仗助に双子の姉がいたらというもしも パート4 第五部へGO! 作:蜜柑ブタ
お見舞いに行く、ナランチャ達。
ナランチャ、ちょっと進展?
翌日。
連続した奇人変人との遭遇で疲れたナランチャはグッスリと眠って朝早く起きた。
フーゴはまだ寝ていた。
ナランチャは、フーゴを起こさないように自分の鞄を探り、勉強道具を取り出す。
ギャング稼業を続けながら、学業をするのは、ずっと学校に行っていなかったナランチャにはかなり大変だったが、苦では無かった。
遅れてしまった学力を補うため必死に勉強し、なおかつ、最近では日本語の勉強も始めていた。
いつかミナミの故郷である日本に行くために始めたことだが、まさか数ヶ月後にこれるとは思わなかった。許可してくれたジョルノやブチャラティに感謝である。
「……朝から勉強とは精が出るね。」
「わっ、起きてたのかよ。」
「今、起きた。」
その時、ホテルの部屋の電話が鳴る。
出ると、ミナミからの電話だった。
「ミナミ? おはよ。どした?」
『……ゴホッゴホ…ッ…。』
「ミナミ? おい?」
『…あのね……、風邪引いちゃった…。』
「えっ!? マジで! だいじょうぶか?」
『……そっちはだいじょうぶ…? 移したかも…。』
「俺らはなんともないよ。それよりそっちは?」
『ゴホッ…ゲホッ…。』
「だいじょうぶじゃねーな…。」
『ごめんね…。というわけだから…、今日会えない…。』
「あ、いいよ。そっちが大変なんだし。無理しちゃダメだぞ?」
『うん……。』
「しっかり水分取って、薬飲んで寝とけよ。」
『…ありがとう。』
そして、もうしんどいだろうから電話を切った。
「で?」
「風邪引いたんだってっさ。」
「残念だったな。」
「そんなこと…ねーよ。」
「文通で家の住所知ってるだろ? お見舞いに行けばいいじゃないか。」
「それは…。」
「やっぱ家族に挨拶しに行くのは緊張する?」
「当たり前だろ!」
「で? 行くのか、行かないか?」
「………………………………………………行く。」
時間置いて、ナランチャは行くと言った。
「やはりそういうと思ったよ。ナランチャ君。」
「って、お前!?」
いつの間にか露伴が部屋に入って来ていた。
「なんの用だよ!?」
「僕は漫画家だ。その都合でどうも相手の体調とかの変化にも敏感に分かってね。ミナミのあの様子だと風邪を引いたと思ったらその通りだったみたいだし、教えてあげようと思ってきたわけだけど? ところでお見舞いに行くなら、オーソンにでも寄ってスポーツドリンクでも買ってあげればいいじゃないのかい?」
「おーそん?」
「コンビニさ。行くんなら善は急げだ。行こうか。」
「なんであんたが先導するだよ!?」
「だいじょうぶだよ。もうなにもしないから。康一君には絶交されたくないしね。」
「……信用できない。」
フーゴがジトリッと露伴を睨む。
「信用するしないは勝手にしろ。とにかく僕はギャングと一般(?)女子校生の恋愛模様を観察したいだけさ。」
「やっぱりそういう目的かよ…。」
露伴の目的は、ナランチャの恋模様を観察することだったらしい。
ハッキリ言って信用ならないが、康一という人物との繋がりを絶たれる方が堪えるようで、フーゴのスタンド、パープル・ヘイズを取材目的に利用しようとしたことをコッテリ怒られてその点だけは反省したらしい。たぶん、本心では反省してないだろうが。
オーソンのような便利店舗がない地域に住むナランチャ達は、仕方なく露伴同伴のもと、近所のオーソンという店でお見舞いの品を買い、東方家の自宅に来た。
ナランチャが緊張でガチガチになっているので、フーゴが家のチャイムを鳴らす。
玄関から現れたのは、ミナミと仗助の母・朋子だった。
「あら、あなた達は…。」
「おはようございます。ミナミさんが風邪を引いたと聞いて…お見舞いに来ました。」
「まあ、ありがとう。あがってあがって。」
「お邪魔します。」
「お…お邪魔します…。」
「お邪魔させてもらいます。」
フーゴとナランチャ、そして露伴が家に上がった。
家に上がって早々、仗助と遭遇し、露伴を見つけた仗助は、なんでお前がいるんだ!?っと叫び、朋子からうるさいと言われていた。
「ミナミさんの風邪の具合は?」
「たぶん普通の風邪らしいわ。近所の病院行ってきたけど、夏風邪じゃないらしいし、食欲もあるしそこまで酷くはならないでしょうね。」
朋子に案内され、ミナミの部屋の前に来た。
「ミナミ。お友達がお見舞いに来たわよ。」
コンコンと戸を叩き、戸を開けた。
女子校生の部屋…にしては、殺風景に思えるシンプルな飾り付けのない部屋で、若者らしいといえば漫画がそこらに転がっていることぐらいだろうか。
ベットの布団の中でモゴモゴとミナミが動く。
「ゴホゴホ……、母さん…誰、来たの?」
「ナランチャ君達よ。」
「えっ!? ちょ、ま…、ゲホゴホ!」
「あーあー、無理すんなよ!」
びっくりした拍子に激しく咳き込むミナミをナランチャが心配した。
「ちょ…なんで?」
むくりとミナミが起き上がる。
シンプルだが胸元が開いたTシャツを着ていて、その胸の辺りが…豊か過ぎるバストで押し上がってて……ブラが…。
「おお…、これは青少年には刺激が強いか?」
露伴がコメント。ナランチャは、ミナミの胸元に釘付けだった。
「ゴホ…、母さん…、ごめん…。ズボン履くから…ちょっと出て行って。」
「まーたあんたはそんな格好で寝てたわけ? 服がキツいのは分かるけど、ちゃんと着ときなさい。じゃ、殿方達はちょっと出て行きましょうね。」
そう言って朋子とは、ナランチャ達を部屋から引っ張り出して戸を閉めた。
「ズボンを履いていなかったということは、普段はもっと薄着で寝ているということですかね?」
「いい歳なのに羞恥心がイマイチないのよね、あの子。危なっかしいたらありゃしないわ。」
「……。」
「ティッシュいる?」
「ば…。」
想像して赤面してしまったナランチャに、フーゴがこっそりと聞いたため、ナランチャは、慌てた。
少しして戸が開き、ミナミが風邪の熱で赤らんだ顔をして部屋にナランチャ達を招いた。
「オーソンってとこで、スポーツドリンクとか飴とか買ってきたからな。早く元気になれよ。」
「ありがと…。」
チャンチャンコを着ているが、まったく隠しきれていない胸元がイヤでも目につく。
始めて出会った当初から、バストが…っと思ってたが、薄着だとこうもすごいのか…っと改めてビックリさせられる。
「そのサイズだと、普通の服屋じゃ入る服がないだろう?」
「あんたデリカシーってもんはないのか?」
ズバッと聞いてきた露伴に、フーゴがすかさずツッコむ。
「うん。ない。だからだいたいは大きいサイズの店とか…、オーダーメイドとか。」
「あっさり答えちゃダメだろ!」
あっさりと言っちゃうミナミもミナミだと、ナランチャがツッコむ。
「ところで、どうして露伴先生まで?」
「ああ、それは……。」
チラッとナランチャを見ると、ナランチャは、ギッと露伴を睨んだ。
「ふーむ、どうやらこう大人数だと、少女漫画のような展開は望めないな。特に何も得られそうにないし、僕は退散するよ。」
「さっさとそうすりゃよかったんだ。」
「まっ、頑張りたまえよ、少年くん。」
「うっせー!」
「?」
ギャーギャー怒るナランチャと、ニヤニヤしながら去って行く露伴。ミナミはひとりだけ分かっていなかった。
「トイレ借りていいかい?」
「うん…。場所分かる?」
「君のお母さんに聞くよ。」
フーゴが立ち上がり、しかしその際に。
「ナランチャ…。」
「なに?」
「いいか? 風邪を早く治す方法は……汗をイッパイかかせることだ。分かるな?」
「!?」
ヒソヒソと囁かれた言葉の意味が分からないほどウブじゃないナランチャはボンッと赤面した。
そしてフーゴは退室した。
残されたナランチャは、唖然として戸を見つめていた。
「ゴホゴホ……。」
「あっ…、しんどいよな? 寝とけよ。」
「…ごめん。」
咳き込んだミナミに、ハッと我に返ったナランチャが心配し、ミナミを寝かせた。
「飴なめるか? スポーツドリンク飲むか?」
「……飴ちょうだい。」
「どれがいい?」
「……パイナップル味ちょうだい。」
「分かった。ほい。」
「ありがとう…。」
ミックス飴の中から、パイナップル味の取り出し、ミナミに渡した。
「うん…、おいし…。」
ミナミは、ムグムグと飴を口に含み、元気ない声で言った。
少し間を置いて、不意に…。
「ねえ、ナランチャ…。前、言ったよね…?」
「なに?」
「『もっとイイ男になるから。待っててくれねぇか』って。」
「あっ…。」
「あれからね……、私なりにいっぱい考えてたんだよ?」
ミナミが寝返りを打った。
「でもね……私…。」
「俺のこと、弟みたいにしか見えてないんだろ? いいよ。」
「仗助の前だから…ああ言っちゃったけど……、本当はね…。」
「えっ?」
思わぬ言葉にナランチャは間抜けな顔をした。
「………でも、私……、誰かを好きになるのが怖いのかも。」
「それって…。ああ…、そっか…。」
ナランチャは、ミナミが危うく殺人鬼と男女関係になりかけた一件の話を思い出した。
「ごめんね……。分かってないわけじゃないんだよ? 弄ぶようなことだってしたいわけじゃない……。答えはちゃんと出さなきゃいけないのにね…。」
「いいんだ。俺は、だいじょうぶだからさ。そんな無理して答えなくていいんだぜ?」
ナランチャは、ベットに近寄り、ミナミの頬を撫でた。
熱があり、しっとり汗ばんだ肌の感触が手に伝わる。
「……ごめんね。」
その手にミナミの手が重ねられる。
ミナミの目から一筋の涙が零れた。
初恋に該当することが、殺人鬼だったという一件はミナミの心に大きな傷となっているのだろう。
しかもナランチャは、ギャングだ。人だって殺している。それが大きな障害となっているのだろう。
「…なあ、ミナミ。」
「……。」
「俺は…後悔なんてしてねぇよ。ミナミのこと好きだってことを。」
「うん…。」
「何年先でもいいよ。もしかしたら一生かかっても出せないかもしれなくってもいいから。だから…、無理だけはしないでくれよ。ミナミが泣いてるのは俺は辛いよ。」
「……。」
「笑ってて欲しい。笑顔が一番だ。」
「……………………………………………ありがとう。」
「……俺…、そろそろホテルに帰るな。」
「もう?」
「ゆっくり寝とけよ。風邪早いとこ治せよ?」
「うん…。」
「じゃあ。」
ナランチャは、そういうと立ち上がり、戸を開けた。
「……フーゴ、分かってたんだぜ?」
「なんだ? 別れ際に口づけでもすればよかったのに。」
「できるか!」
「ウブだな…、ナランチャ。」
「俺のが年上だぞ!?」
「ナーランチャさーん?」
「ハッ!? 仗助!」
「弱ってる姉ちゃんになんかしたか?」
「あっ…、なにも…。だ、だからスタンド引っ込めろよ!」
「問答無用!」
「わーーー!」
「ちょっ…うるさい!」
ミナミの部屋の前でギャーギャー騒ぎになってたら、ミナミが出てきて怒られたのだった。
その後、ミナミは反動で熱が上がったらしいが、翌日には風邪は治ったのだった。
本当は、キスぐらいさせようと思いましたが、それだと仗助が知った時に大惨事になりそうだったのでやめました。
ちなみにミナミは、まだファーストキス未経験です。
ミナミは、あんまり可愛いものとかぬいぐるみとかそういう系統は好みません。嫌いじゃないけど。ただ漫画は好きなので置いてるぐらい。少年漫画系が多いかも。
あと、ブランドが好きな仗助と違って、サイズ重視でブランド物もあんまり好まない。
風邪は治ったので、次回からは再び観光か……、それとも…別の人達に会わせるか……悩む。