仗助に双子の姉がいたらというもしも パート4 第五部へGO! 作:蜜柑ブタ
書ける内に書く!
今回は、夢を通じて、もう行けなくなった、あの小道にナランチャが?
あと、アイツのスタンドだけが登場します。本体はいません。スタンド単体です。
番外編、初の戦闘です。
えーん えーん
「あっ?」
ナランチャは、その子供の泣き声でハッと目を覚ました。
だがそこはホテルじゃ無かった。
ポストがあり、明るい小道だった。
えーん えーん
「誰だ? 泣いてんのか?」
ナランチャが周りを見回すと、ポストの近くに蹲っている子供を見つけた。
「おい? どうした? こんなところで。怪我でもしたか?」
ブルネットの髪の毛をした、小さな女の子だった。格好のせいで一瞬少年に見えそうになったが。
「泣いてちゃ分からないぜ?」
目線を合わせてナランチャが優しく聞く。
『……お兄ちゃん、どこから来たの?』
顔を伏せたまま少女が聞いた。
「どっから…来たって…、これ夢だろ?」
寝ていたホテルの部屋じゃないなら、夢であるはずだとナランチャは思っていた。
『あのね…、さっきまでお姉ちゃんと一緒に寝てたの…。でもね…気がついたらココにいたの。』
「なんでだ?」
『あのね……、噂があるの。絶対に振り返っちゃいけない道があるんだって…。きっとここだよ…。』
「振り返っちゃいけない道? ココが? なんで分かるんだ?」
『分からない…。でも分かるの……。』
「変な奴だな。で? なんで俺達はココにいるわけ?」
『分からない……。きっと力のせい……。』
「ちから? スタンドのことか? じゃあお前もスタンド使いか?」
『私の力は…、お姉ちゃんの力でもあるの…。だから…分からない…。』
「さっきから妙なこと言うな…?」
『お姉ちゃんと間違えて私を連れて行こうとしてるのがいる…! でも帰り方が分からなくって…。』
「それで助けて欲しいのか?」
『うん…。』
「…分かった。俺もここから出てぇからよぉ、一緒に行こうぜ。」
『ありがとう!』
パッと顔を上げた少女の顔立ち…そしてその目の色は…。
「ミナミ?」
『お姉ちゃん、知ってるの?』
「いや…違う! お前…もしかして、3人目か!?」
『さんにんめ?』
3人目の東方の子が首を傾げた。
ナランチャは、なんとなく合点がいった。ココに引っ張り込んだ何者かがミナミとよく似た魂を持っていた3人目をミナミと間違えたのだろう。
チガウ…
「ハッ!?」
『あ…ああ…。』
「振り返らなきゃいいんだろ!? 来い!」
背後に背筋が寒くなる存在が現れたのを感じたナランチャは、3人目を立たせて手を引っ張った。
ミナミ…
チガウ……!
「!」
背後にいた存在が前に回り込んできた。
ネコを彷彿とさせるが、表情が固まったような顔をした人型スタンドだった。
『イヤー!』
「振り返るな! エアロスミス!!」
ナランチャがエアロスミスを出し、立ちはだかる謎のスタンドを撃った。
謎のスタンドは素早く拳で弾丸を防ぎ、ピンッと何かを指で弾くようにナランチャに向けてソレを投げてきた。
100円玉だった。
『危ない!』
「うお!?」
足にしがみついた3人目によって後ろへこけたナランチャの頭上で、100円玉が爆発した。もしそこにナランチャの頭があったら爆発によって顔が吹っ飛んでいただろう。
ナランチャは、それで理解した。この謎のスタンドの能力は、爆発だと。それも100円玉のような小さな物でも触っただけで爆弾に変えてしまえるのだと。
謎のスタンドが、またも何かを投げてきた。小石だった。
「エアロスミス!!」
エアロスミスで小石を撃ち抜こうとした時、謎のスタンドが握りこぶし状態の親指を動かしカチッと鳴らした。
その瞬間、小石が爆発しエアロスミスが巻き込まれた。
「ぐあああああああああ!」
ダメージフィードバックでナランチャの身体に傷が出来る。
夢のはずなのに、痛みが本物だと分かった。このままココで死ねば、おそらく現実の自分は死ぬと感じた。
『お兄ちゃん! あっ…、イヤーー!』
ナランチャが痛みにのたうっていると、謎のスタンドが3人目の腕を掴んで持ち上げていた。
「そ、その手を……放しやがれーーー!!」
ナランチャが立ち上がり、至近距離からエアロスミスを放つ。
謎のスタンドが3人目を掴んでいない方の手で殴ろうと拳を振るった。
拳がエアロスミスに接触する直後、エアロスミスが爆雷を落とした。
「爆弾が…お前だけの特権だと思うなよ!」
ナランチャが叫ぶと同時に爆雷が爆発した。ナランチャを巻き込んで。
ビシビシと謎のスタンドの顔が割れ、3人目を手放す。ナランチャも爆風で転がるがすぐに体勢を整えた。
顔のヒビは、身体にも及んでおり、そして本体がいないためか非常に脆いようで先ほどの一撃で謎のスタンドは崩れかけていた。
しかしそれでも先ほど落とした3人目に手を伸ばそうとする。まるで執着しているように。
「ボラボラボラボラボラボラボラボラボラ!! ボラーレ・ヴィーア(飛んで行きな)!!」
凄まじいエアロスミスの弾丸の嵐が謎のスタンドが3人目を掴む前に降り注ぎ、まるで紙粘土細工が崩れるようにボロボロに崩れていった。
「今だ!」
ナランチャが3人目を抱え上げ、振り返らず走り出した。
その後ろで崩れた謎のスタンドが徐々に形取り戻し追いかけようとしていた。
「うおおおおおおおおおおお!!」
ナランチャは、背後にある怖い気配に臆しそうになる気を奮い立たせ、走り続けた。
そして、ある程度走ったところで目の前が真っ白い光に包まれた。
***
「………チャ、…ナランチャ!」
「……ぅう…。」
「だいじょうぶかい?」
「…フーゴぉ…?」
目を覚ましたナランチャを、フーゴが見おろしていた。
起き上がったナランチャは、慌てて周り見回したが、そこはあの小道ではなく、ホテルの部屋だった。
身体を調べたが、怪我は無かった。
「うなされてたぞ?」
「あ…ああ…、ちょっとイヤな夢見た…。」
「…うなされ方が尋常なくって心配した。なにもないならいいよ。」
そう言ってフーゴは自分のベットに戻り眠り直した。
ナランチャは、汗ばんだ額を抑え…、夢?っと疑問に思った、その時。
アリガトウ
「………どういたしまして。」
脳内に聞こえた、あの少女の声で、あれが夢であって夢じゃ無かったのだと分かり、ナランチャは、やれやれと息を吐いた。
後日、ミナミに『振り返ってはいけない小道』の話を聞いてみて、驚かれたのは別の話である。
3人目については、ミナミに影響は無かったようだ。おそらくきちんと帰れたのだろう。ミナミの身体の内側に。
キラークイーンのみ登場。
幽霊になった吉良吉影から分離して、吉良吉影の生前の心残りだけで動くだけの存在になり果てています。そのため本体がいなくて弱い。
おそらく、ミナミが風邪引いて弱っていたところに付け入って魂を引きずり込もうとしたが、間違えて3人目を引っ張り出してしまい、助けを求めた3人目が夢を通じてナランチャを小道に誘うことに。
健康な状態、あるいはよっぽど不安定な状態でなければ、問題はありません。