仗助に双子の姉がいたらというもしも パート4 第五部へGO! 作:蜜柑ブタ
ナランチャが振り返ってはいけない小道で戦ったのを皮切りに、日常が再び浸食され始める?
あと、3人目の名前は、『愛陽(あいり)』となりました。
Earthwellさま、誠にありがとうございます。
「そういやぁさ、仗助は知ってんのか?」
「なに?」
「……3人目のことだよ。」
「ああ…。」
カフェ・ドゥ・マゴで、ナランチャからそう言われてミナミは、そう言えばっと声を漏らした。
「イタリア旅行が長引いたでしょ? あれの事情説明で、スタンドが使える仗助にだけ、承太郎さんが話したみたい。でも、ナランチャ達の素性については話してないよ。じゃなかったら、仗助が知らないのはおかしいし。」
「そっか…。」
それを聞いてちょっとホッとしたような…。
「で? その後は、どうよ?」
「なにが?」
「3人目はどうなんだ? もう害はないんだろ?」
「……寝てるような、寝てないような…。存在を知ってから感じるようにはなったよ。」
「あーそう。」
「そうそう。いい加減、3人目って呼ぶのもなんだから、最近じゃ名前で呼ぶようにしてるの。」
「へー。なんて名前?」
「母さんから聞いたの。母さんは、お腹の中に3人いたこと知ってるから、もし生まれてたら…って名前の候補は考えてたんだって。で、私のソレをつけるかどうかだいぶ悩んだんだってっさ。だから私がミナミって名前じゃなかったかもしれないの。」
「なんて名前?」
「……愛陽(あいり)。」
「アイリ…。」
「漢字にすると、こう。愛し合うの、愛に、太陽の陽(ひなた)と書いて愛陽なの。」
持ってたスケジュール帳に、ボールペンで漢字を書き表すミナミ。
「……良い名前だな。」
「だよね。」
「そっか…、愛陽か。」
ナランチャは、3人目……愛陽と、夢を通じてではあるが振り返ってはいけない小道で出会い助けたことを話していない。
ナランチャの直感ではあるが、あの小道で遭遇し戦った、あの謎のスタンドのことは話さない方が良いような気がしているのだ。本体らしき存在がいなかったことも気がかりではあるが、なにかミナミと関わらせるとマズいような気がしてならないのだ。
しかし……。
「なんか胸騒ぎがする…。」
「?」
「あっ、独り言だよ。」
ナランチャは、慌てて手を振った。
「そういえば、ナランチャとフーゴが泊まってるホテルって、牛タン料理が美味しいんでしょ? どうだった?」
「ああ、ウメーよ、あれ。メッチャ美味かった。でも、ナイフとフォークとか置いて欲しかったなー。箸むずい。」
「そういうのも旅の醍醐味でしょ? 私だってナイフとフォークに慣れないし、イタリアじゃ結構不便だったんだよ?」
「そっか。そういうもんか。」
「そうそう。」
ナランチャとの会話で、ミナミはニコニコ微笑む。
ナランチャは、やっぱり笑顔の方がいいなぁ…っと思っていた。
その後、ぶらぶらと二人で歩いた。
ところで、なぜミナミとナランチャのみなのかというと……。
フーゴが新生パッショーネと国際電話中で、仗助は急用でいなかったからだ。仗助はミナミをひとりにするのをメチャクチャ嫌がったが、母親にゲンコツをくらい渋々用事のあるところに行ったのだった。
それで二人きりで……デートという形になったわけである。
「あっ…。」
「ん? どうした?」
「ここ…、ここがナランチャが言ってた、振り返っちゃいけない小道だった場所だよ。」
「ここが?」
しかしそこはナランチャが見た小道の面影はなかった。
「色々あって今はその小道はないけど、ちょっと前まで噂はあったんだよ。それと幽霊さんもいたし。」
「ゆーれー!?」
「もう成仏してるよ。とても親切な幽霊さんだったんだよ。」
「あっ…そう……。っ!? ミナミ!」
「えっ? わっ!」
いきなりナランチャが飛びかかってきて押し倒される形でミナミは倒れた。
倒れる直後、ミナミの頭があった場所を、髑髏の模様がある手が何かを掴もうと残像を残していた。
「ど、どうしたの?」
「危なかった…。」
「えっ?」
「ここやべぇ! 早く離れようぜ!」
「ま、待ってよ…。」
ナランチャがミナミの上からどき、急いで立たせようとする。
見つけた
「っ!」
「えっ?」
「振り返るな!」
「わっ…!」
無理矢理立たせた直後、ナランチャには聞き覚えがある声が聞こえて、振り返りかけたミナミを制して、無理矢理手を引っ張って走り出した。
ミナミは何が何だか分からず、けれど引っ張られるまま走らされた。
走って、曲がり角を曲がったとき。
「うお!」
ちょうど曲がり角から現れた男とぶつかった。
「いってー! 前みろやゴラァ!」
「うっせーよ! こっちはそれどころじゃ…。」
「あっ、ミナミさん?」
「はっ?」
「あっ、小林くんだ。だいじょうぶ?」
「あー、ちっとばっかしすりむいたっすわ。こら、ガキ! お前何しやがんだ!」
「あぁ?」
「ごめんね、小林くん、今ちょっと…。」
「えっ? ミナミさんの知り合いっすか? まさか…彼氏!?」
「えっと…。」
「うわー! マジですかい!? コイツは大事件だ!」
「ち、違うよ…。まだ…その…。」
「しっかし、こんなチャラい奴が…、ブゲッ!?」
「うっせーんだよ! ぶん殴るぞ!」
「いや、もう殴ってるし! どうしたのナランチャ?」
「えっ、あっ、そうだ! さっき……、もういないな…。」
ナランチャは小林玉美を殴った後、後ろを確認したが、なにもいなくてホッとした。
「ねーちゃーーん!」
「あっ、いいところに。仗助。ちょっと治してあげて。」
「ゲッ! 二人きりで…、ナランチャ、お前なんかしてねーだろうな!?」
「してねーよ! あらぬ疑いをかけるな!」
「それより、小林くんを…。」
「あっ? なんでコイツがいんだよ?」
「ちょっとぶつかっちゃって…。」
「これぐらいツバつけときゃ治るだろ?」
「ナランチャが殴っちゃったの。そっちが重傷。」
「分かった分かった。ホレ。」
倒れている小林玉美を仗助が治した。
ハッと気がついた小林玉美は、ナランチャに怒鳴りかけるが、仗助がいることに気づいた。
「だいじょうぶ?」
「あ…、だいじょうぶです…。」
ミナミから心配され、小林玉美はヘコヘコと頭を下げた。その頬がほんのり赤らんでいて下心を感じさせたので、仗助がギロリッと睨んだ。
「それよか、彼氏さんと一緒なんてどうしたんです?」
「かーれーし!?」
「違うって! もう!」
「あっ、すんません。それよかずいぶんと急いでたようでしたけど?」
「ナランチャが急にヤバいって言って、私を引っ張って…。」
「どういうことっすか?」
「それは……。」
「あんた、なんか隠してねーか?」
言いにくそうなナランチャに仗助が怪しそうに見て言う。
「いいよ、仗助。」
「でも!」
「言いにくいことを無理矢理聞いても仕方ないよ。もしかしたらナランチャも分からないのかもしれないし。」
「ミナミ…。」
「だいじょうぶだよ。私のためでしょ?」
「!」
ニコッと笑ったミナミの言葉に、ナランチャは目を見開いた。おそらく気づいているのだろう。ナランチャが何か察してあえて言わないでいることを。
「あっ、ミナミさん、もしかして、さっきの小道のあとのところを通ってきたんですかい?」
「えっ? そうだけど?」
「あそこは、気をつけた方が良いですよ…?」
「どうして? 最近全然噂もないのに。」
「いやぁね…、あくまでちびっとだけ小耳に挟んだ話っすけどね…。なんでもいきなりあそこで、女が突然弾けて消滅したって話があるんですよ…、“手”だけ残して。」
「はあ!?」
「まあ、本当かどうかは分からないですよ? 警察は行方不明者として捜索してるって話らしいですけど…、念のため気をつけてくださいね。じゃっ。」
そう言い残して小林玉美は去って行った。
残されたミナミ達は、ぼう然とした。
「……手だけ? なんか……、アイツを思い出すな…。」
「言わないで。」
「ごめん…。」
「どういうことだよ?」
「あんたにゃ関係ねーっすよ。」
「いいや! 関係あるね! もしかしたら俺が見たアレが原因かもしれないから!」
「…あんた何を見たんだよ?」
「……夢だって思ってたけど、違ったかもしれねぇし、それより何があったのか教えてくれよ。そしたら話す。」
「仗助…。いいよ。」
「姉ちゃん……。」
「ミナミ?」
「……殺人鬼がいたの。この町に。その殺人鬼は……、女性の手を好んで殺しを続けてた、スタンド使い。」
「………まさか…?」
「私が…文通をしてた相手だよ…。」
ミナミの言葉に、ナランチャは衝撃を受けた。
文通の末に、ミナミと男女関係になりかけた相手の殺人鬼。
ナランチャがあの夢を通じて出くわした、あの謎のスタンドは、その殺人鬼のスタンドである可能性が浮上したからだ。
前ならブルー・ブルー・ローズが自動で守っていたのに、発動しなかった。
レクイエムによりブルー・ブルー・ローズの成長をゼロに戻したのが、ここで障害となる。
なお、3人目こと……愛陽は、引っ張り出されて振り返ってはいけない小道に連れて行かれたことがショックで、キラークイーンにビビっています。
さあ、ここからどうしようかな!
4部キャラ全部出すのは難しいかも!