仗助に双子の姉がいたらというもしも パート4 第五部へGO! 作:蜜柑ブタ
仗助からその後の状況報告など。
あと、怨霊キラークイーンの特徴など。
「それで? 状況はどうなっている?」
「……最悪っすよ。」
救援に来た承太郎に、ゲッソリした仗助が近況報告。
ナランチャが愛陽を助けて以来だろうか、とにかくキラークイーンは昼夜問わず襲ってきた。
特に問題だったのは、寝ている間に襲われたときだ。
ミナミの中にいる愛陽が悲鳴を上げたため気がつき、迫ってきていたキラークイーンに気がつかねば殺されていただろう。
1度立ち上がれないほど倒してしまえば…、あるいはある程度ダメージを蓄積すれば少しの間は来ないが、しばらくするとまた復活してくるのだ。だがそれまでの時間は微妙で、ハッキリとしていない。
これは、キラークイーンが本来は自動操縦型のスタンドではなく(シアーハートアタックは別にして)、本体を持つスタンドが怨霊として残ってしまった弊害だと思われる。
またキラークイーン自体も学習能力はないらしく、1度退散すると記憶などがリセットされ、サーフィスで邪魔をした間田を殺しには行かなかったなどの特徴が確認できた。ただし倒される前の動いている間だけは一時的な学習はでき、その間だけ邪魔をした者を執拗に殺そうとする特徴もあった。ただし、あくまでも狙いの第一はミナミであり、ミナミがいればそちらを優先する。だがそれを邪魔すれば排除しようとしてくる。しかし邪魔したからといって逃げても追っては来ない。つまり狙いをミナミから逸らすのは難しいのだ。
唯一ミナミから狙いを外させられたのは、間田のサーフィスだけだろう。しかし、追っている最中にサーフィスがミナミじゃないとバレてしまったらお終いだ。
救いだったのは、キラークイーンが倒されても学習したことを蓄積できず、強くなっていくという特性がなかったことだ。
だからといってこのままではイタチごっこだ。
いずれ学校も始まるし、現段階でも日常生活で生き死にがかかっている。四六時中、キラークイーンの襲撃に備えるのは、ミナミにも周囲の味方にも大きな負担であり、このままではミナミや、味方が殺される。
状況を聞いて承太郎は眉間を押さえた。
想像していた以上に状況は悪く、幸いだったのはまだ味方側に死者が出ていないことだけだろうか。
仗助が憔悴している様子からすると、狙われているミナミはもっとゲッソリしているだろう。
「ナランチャのエアロスミスのレーダーにも映らねーし、フーゴって奴の最悪の切り札のパープル・ヘイズのウィルスも、生き物じゃねーっすから効き目が無いし……、頭が悪くても本体がいないってだけで、ここまで厄介なことになるなんて……。」
「すまないな。遅くなって…。」
「来てくれて助かるっす…。それで、誰が救援に?」
「ポルナレフ達には来て貰った。SPW財団の超常現象研究科も今回の件は前例がないとして、かなり困っているらしい。」
「ナランチャから、死んで動き出すスタンドがいたってのは聞いたことあるっす。それとは違うんすか?」
「元々のスタンドがスタンドだ。性質がまったく異なる。キラークイーンの怨霊は、吉良吉影のよっぽどの未練によって生まれた偶然の産物だろう。名のある霊媒師にも依頼はしてみたが、この手の怨霊は未練を晴らさない限り止まらないと言われた。」
「それじゃあ…!」
「分かっている。そんなことはさせん。」
慌てる仗助に承太郎がキッパリと言った。
「除霊能力があるスタンドがいればいいが、相手が相手だ、簡単にはいかんのは分かっている。だが、まったく手段がないなんてことは無いはずだ。」
「分かってるっすよ!」
「焦るな。キラークイーンを倒すにしても、封じるにしても、焦りは禁物だ。」
「姉ちゃん…ずいぶん参ってて…。」
「本当にすまないな。もっと早く来れば…。」
「だいじょうぶですよ。」
仗助はそう言って無理をして笑った。
その後、ミナミとも合流し、そのやつれ具合に承太郎達は本気でヤバい状況だったことを理解して、もっと早く来てやれば…っと後悔したのだった。
ポルナレフに至っては、ごめんなぁ…っと言って涙ぐみ、やつれたミナミを抱きしめていた。
四六時中キラークイーンの危険にさらされていて、あと承太郎達が来てくれて少しホッとして気が抜けたのか、ミナミはそのまま寝てしまい、その場に来ていたナランチャが、ポルナレフにあんたどういう関係!?っとギャーギャー噛みつかれることになるのであった。
怨霊キラークイーンは、倒されても復活する。けどその時間は一定していない。
倒せない敵に、ミナミも仗助達も憔悴……。
さて……、どうやって決着に持ち込もうかな……。
ナランチャにも頑張って貰わないと出番が……。
サーフィスによる囮作戦として間田にも頑張ってもらいたいし……。
シーザーも出したいな。