仗助に双子の姉がいたらというもしも パート4  第五部へGO!   作:蜜柑ブタ

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先の見えない、キラークイーンとの戦いに光明?


5部編でのノトーリアス・Bigとの戦いの決着をヒントに。


番外編13  愛陽(あいり)との対話

 

 怨霊のキラークイーンとの戦いは、絶望的といえるほど先が見えなかった。

 いつ、どこから襲ってくるか分からないこともそうだが、倒しても倒しても復活してくるしぶとさ。呼吸や温度が無いため探知不可能。すでに死んだモノということがこれほどに恐ろしいのかと思い知らされる。

 すっかりミナミも、守っていた仗助達も参っていた。

 

 

 ミナミは、深い眠りの中にいた。

 承太郎達が助けに来てくれたからじゃない。気の休まらない毎日に、とうとう限界が来たのだ。襲ってきた疲労による眠気に抗えず、今キラークイーンが来たら確実に殺されるだろう。なのに諦めにも似た念が脳を支配し始めていた。

 仗助を始めとした味方達への負担を考えると、申し訳なさによる罪悪感に支配され、それが精神を摩擦させた。

 

 

『怖いよー…。怖いよー…。』

 

 

 幼い少女の声が聞こえた。

 愛陽だ。

 怖い気持ちはこちらだって分かる。キラークイーンが…、吉良吉影の亡霊が恐ろしい。

 承太郎や、占い師のアヴドゥルは、4歳で覚醒し成長していたブルー・ブルー・ローズが今まで守っていたからつい最近まで怨霊のキラークイーンの脅威がなかったのだろうと見ていた。だがイタリアのコロッセオでジョルノのレクイエムにより、愛陽と一体化し歪んで進化したブルー・ブルー・ローズの不完全レクイエムをリセットしたため、それまでの成長ごとなかったことになり自己防衛能力が下がってしまい、キラークイーンが愛陽を引きずり出すなどの簡単に手を出してこれるようなってしまった。

 スタンドの成長とは、精神力の成長に繋がる。しかしミナミの場合、3人目の子である愛陽との融合で偶然生まれたスタンドであるブルー・ブルー・ローズであることと、愛陽がブルー・ブルー・ローズの意識とほぼ同化しているため、ミナミの精神と繋がっていながらスタンドが別の精神ともなっているという特殊な事例となっていた。

 愛陽は、ミナミに間違われてキラークイーンに引きずり出され、振り返ってはいけない小道に連れて行かれたショックですっかりキラークイーンに怯えており、それがブルー・ブルー・ローズにも影響してキラークイーンの接近には過敏でも、怯えて出てこないのだ。つまりブルー・ブルー・ローズがミナミを守れない。

 

 

 

「愛陽。」

 

『あっ…ミナミ…。』

 

 薄暗い花畑の中で、膝を抱えて泣いている幼い頃の自分にそっくりの愛陽に、ミナミが話しかける。

 

『ごめんね、ごめんね…。』

「どうして? どうして謝るの?」

『だって、だって…、ワタシが頑張らないとミナミ死んじゃうのに…怖いんだもん…。』

「私だって怖いよ。」

『ミナミが怖いのは、ワタシが守らないからだよ…。ワタシが頑張って守らないと…ミナミ死んじゃう! そんなのやだぁ!』

「……私こそごめんね。」

『えっ?』

「私が弱いばっかりに、愛陽にばっかり負担掛けさせちゃって…。私がもっと強かったら良かったのにね。」

『ミナミのせいじゃないよぉ…。ミナミは、すっごく弱かったんだよ? すぐ死んじゃうかもしれなかったんだよ? ワタシ怨んでないよ?』

「私はね…、守られてばっかりだった。今だってそう…。仗助達に守ってもらって……、逃げることしかできない。」

『ごめんね、ごめんね…。ワタシがもっと頑張れば…。』

「愛陽が悪いわけじゃないよ。」

 ミナミは、愛陽を抱きしめた。

「覚えてる?」

『なぁに?』

「ノトーリアス・Big。」

『……えっと…。』

「少し思い出したの。トリッシュから聞いた話。」

『うん?』

「あなたが邪視を持っていたとき…、レクイエムでリセットされる前……、怨霊のスタンドだったノトーリアス・Bigを、あなたは倒した。いや、消した。」

『えっと……。』

「もうあなたには邪視はない。けれど……、力があるのは確かだと思う。だって、私達は対極のような力を持っていたんでしょう? 私が“生《せい》”を司り、あなたが“死”。今、あなたの力の方が必要なんだと思うの。」

『ワタシの?』

「少しずつでいい。でも確実に……、方法を思いだそう。ノトーリアス・Bigをどうやって消したのか。それさえ分かれば……。もしかしたら……。私達も、みんなも助かるかも知れないから!」

『………うん!』

 泣いていた愛陽は、力強く頷いた。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 一方その頃。

 承太郎は、国際電話でブチャラティから連絡を貰った。

 連絡内容は、こうだ。

 ジョルノのレクイエムによる、怨霊のキラークイーンの消滅させる方法。

 正確には、“真実”に到達できない状況に封印してしまうというかなり強引な方法らしい。

 しかし、パッショーネをまとめたとはいえ、ジョルノがボスの座に座って数ヶ月……、今だ裏の世界は混乱しており、パッショーネ内に反感を持つ人間がいるのは確かであり、ジョルノが今動くのはジョルノの身が危険にさらされるという問題があった。

 

 そして、もうひとつ……、これはブチャラティが実際に目で見たことであるし、確実性はないのだが……。

 

 

 邪視を宿していた頃のブルー・ブルー・ローズが、ブラックホールのような穴を出現させて、怨霊のスタンドだったノトーリアス・Bigを消滅させたことがあったということだ。

 

 

 しかし今となっては邪視は失われ、ブルー・ブルー・ローズ自体があの時と違って弱体化しているため、できるかどうか分からないということだ。

 だがそれを聞いて承太郎は、もしかしたら…っと、思い至る。

 元々、3人目である愛陽には、相手を確実に死に誘う力が宿っていたと考えられている。

 その死に誘う力が、怨霊として残った者をもあるべき場所……つまり死後の世界へと導くものであったのなら……。

 怨霊のスタンドだったノトーリアス・Bigを消滅させた……、否、ブラックホールのような穴であった死後の世界への入り口を開けて導いたのなら、怨霊のキラークイーンも同じようにできるのではないかと。

「……感謝する。」

『ナランチャとフーゴは?』

「ナランチャくんは、寝るのも惜しんでミナミの警護に当たってくれている。事が終われば、二人とも無事にそちらに帰す。」

『……ありがとうございます。』

 

 そして電話を終えた承太郎のもとに緊急報告が。

 

 

「てめぇ、承太郎! ミナミに一大事なら早く言え!」

「ちょうどよかった、あんたを緊急招集する予定だったんだ。シーザーさん。」

「はっ?」

 どこから聞きつけたか駆けつけてくれたシーザーに掴みかかられながら、承太郎はシーザーの肩に手を置いて、安心したように言った。

「ミナミに…、愛陽と話をさせてもらうため、波紋催眠をかけてもらいたい。」

 

 

 

 

 先の見えない闇に、光明が見え始めてきていた。

 

 

 

 

 




3人目である、愛陽(あいり)の死の力は、あらゆる生きとし生けるものを死後の世界へと誘う。
例えそれが強烈な怨念や未練で残った魂であろうとも。あるべき場所(=死後の世界)へ強制連行。

ただ愛陽の成長がブルー・ブルー・ローズ(=ミナミと愛陽の力の融合)ごとリセットされているため、どうやって引き出すか……。

承太郎は、ブチャラティからの話を聞き、シーザーの波紋催眠で愛陽と対話して力を引き出させようと考えたけど、先にミナミが愛陽と会話して方法を見つけていたというオチね。
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