仗助に双子の姉がいたらというもしも パート4  第五部へGO!   作:蜜柑ブタ

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ミナミ、ナランチャと買い物に行かされる。


オリジナル展開かも。


ミナミとナランチャのお買い物

 

「……なあ…。」

「……。」

 話が続かない、というか返事をしてくれない。

 ナランチャは、買い物をしながら、ク~っと、悔しんだ。

 せっかく気になっているミナミと二人きりだというのに、こちらが話しかけてもミナミはまったく返事をしてくれないのだ。

 無理もないとは、頭が余り良くないナランチャでも理解しているつもりだ。故郷に帰れる術を奪われ、無理矢理に嫌いな悪い人(ギャング)と一緒に行動させられることにさせられたのだ、心を許して貰えるだなんて思えない。

「なあ、好きなの買って良いって言われたからさぁ、なんか好きなの買って良いぜ?」

「……。」

「さすがに…傷つくぜ…。」

「っ…。」

「?」

 がっくりと肩を落とすナランチャに、背中を向けていたミナミが微かに反応した。

 お会計の時、ミナミがこっそりとクリープとグラニュー糖、あとインスタントコーヒーを籠に入れた。

「ミナミ、コーヒー好きなのか?」

「……別に。」

 やっと返事してくれた。

「やっと返事してくれたな! 嬉しいぜ!」

「……いいからお会計早くしないと、怒られるよ。」

「えっ? あ、ああ!」

 そしてお会計。

 それから車に荷物を乗せるが……。

「ごめん、ちょっとトイレ行ってくる。」

「えっ?」

「逃げないから安心して。」

「ん…、ああ…。」

 そうどこか切なげに言葉を残して店のトイレを借りに行ったミナミの後ろ姿をナランチャは見送った。

 口説くとか以前の問題だ。彼女は今傷ついている。ボロボロに。日本からの旅行客だったのに、その能力(スタンド)の運命により、嫌いな悪い人(ギャング)の仲間入りを強要されて喜ぶ感性が普通の人はいないだろう。何かしらの信念を持ってギャング入りしたわけじゃないのだから。

 

「ありゃぁ、逃げられるなぁ?」

 

「いや俺は彼女をしんじ…、って、誰だよ!?」

 聞き覚えの無い男の声が聞こえたので、ビックリして振り返ると、ナランチャとミナミが乗っていた車の後部座席に一人の男が座っていた。

「俺の名は、ホルマジオ。組織の一員だぜ。なあ、ナランチャ、お前いつの間にあんな美人さん引っかけたんだ? ポルポの葬儀の場で紹介してくれりゃいいのによぉ。」

「降りろ、テメーー!!」

「なあ、ナランチャ。なんでおめーら幹部の葬儀に来ねーんだ? しかもおめーらの上のだぜ? そうそう聞いたか? ポルポの死体…、火葬屋がどう火葬するか困ってるらしい。あの巨体だぜ? …切り刻まなきゃ! 燃やせねぇなぁーーー!!」

 ウヒャヒャヒャ! アヒャヒャヒャ!っと愉快に腹を抱えて笑う男だったが、それを不気味に思っていたナランチャの眼前に突如スタンドと思しき物が出現してナランチャの右頬を傷つけた。

「しょーがねーなぁ。デート中のところだったのによぉ、わりぃが、色々と喋って貰うぜ!! ポルポが死んだ翌日からいきなり消えた理由と、おめーらが今何をやっているのか色々となぁ!!」

「グググ…! てめぇ…。」

 血があふれ出る頬を押さえ、ナランチャが男を睨む。

 その時、ナランチャの頭上に、小型のプロペラ機が出現した。

「ま、まさかおめーら、全員!?」

「『エアロスミス』!!」

 小型の戦闘プロペラ機の形をしたスタンド、エアロスミスが弾丸を放った。

 ホルマジオは、椅子に隠れ身を守るが、椅子をも貫通しそうな弾丸の嵐に車が瞬く間に破壊されていく。攻撃精度は低いが、しかし小型の戦闘機という機動性も相まって器用に割れた車の窓ガラスから侵入しホルマジオを狙った。

 車の天井へと軌道を変えたエアロスミスが小さな爆弾をホルマジオに向けて落とす。

「うおおおおおおお!!」

 そして爆弾が椅子に落ちて片方の後部扉が破壊されるほどの爆発が起こった。

 ナランチャは、頬を傷つけられた怒りから車が破壊されることもせっかく買った荷物も無視して攻撃をしていた。あと自分自身も車を蹴って激情を露わにしていた。

 やがてナランチャが蹴っている拍子に落とした靴のせいでもろに鋼の車に靴下しかはいてない足で蹴ってしまったため、その傷みで正気付き、車の中を見た。

「い、いねぇ!? 野郎、どこに行きやがったんだ!?」

 

「……ナランチャ?」

 

「ふぇ!?」

「何しているの?」

「み、ミナミぃ?」

「…逃げないって言ったでしょ? 逃げたと思った?」

 腰の後ろに右手を置いているミナミが聞くと、ナランチャは、そんなことない!っと慌てて弁解した。

「それよか、さっき車ん中に、ホルマジオとかいう奴が…。」

「いないよね?」

「あ、ああ…、確かにいたんだけど…、逃げられたかも。わりぃんだけど、ミナミ、俺あいつ探すから…どっか適当にぶらついててくれていいぜ!」

「…分かった。」

 ミナミは、そういうと方向転換する瞬間に右手を前に戻して歩き出し、建物の隙間に入った。

「逃げないって思ってるのかな~? なんか悪い気がする。隠し事って…。」

「だ…だったらよぉ、放してくれねぇか?」

 ミナミの右手には、人形サイズにまで小さくなったホルマジオが握られていた。

 スタンドは出しているが、服から伸びたブルー・ブルー・ローズの根っこに刃を阻まれ身動きが取れなくなっていた。あとミナミの手から伝わるピリピリとした電気に近い感覚に身体の身動きを奪われていた。

「小さくなったのが仇になったね。このままナランチャに渡しても良いんだけど、ちょっと聞きたいことがあって。」

「なんだ~?」

「ナランチャ達って、悪い人?」

「……なんでまたそんなこと聞くんだよ…?」

「ちょっと聞ける人がいなくって。」

「そ~だな~。ギャングの一員だぜ? 心の清い善人がなるか。って話だ。ところで、あんた…まさかとは思うが連中とは無関係なとか言うんじゃね~だろ~な?」

「無関係っちゃ、無関係だけど?」

「なんだそりゃ?」

「私はただの旅行客だよ。パスポート燃やされたけど…。」

「ほー、そりゃ災難だな! ってことは、ブチャラティ達は、あんたを囲ってるってことか?」

「違う。一応言っとくけど、経験は無いから。」

「は~~、そりゃまた! その見てくれでまだってか? 災難続きっぽい見たいだしよぉ、なんだったらうちのチームで保護してやってもいいだぜ?」

「ちーむ?」

「そうだぜ、うちの組織は幹部の下にいくつかのチームを置いてんだ。ブチャラティ達は、元々はポルポって奴の下にいたチームだ。それが指示者のポルポの葬儀に出ず、こんなところでおめーさんみたいな美人囲ってなにやってんだ? あんたソレ知ってんじゃねーのか? 教えてくれよ。」

「そう言われても…。」

「例えば、おめーさん以外の女がいるとかな。」

「そんなこと聞いてどうするの?」

「実はよぉ、俺らのボス…トップに最近娘がいるってことが分かってなぁ。それで色々と調べてる真っ最中なわけだ。」

「パッショーネだっけ? そこだけは聞いた。」

「そりゃ組織の名前だ。けど、誰もボスの正体は知らねー。指示はあっても逆探知もなにもできねーのさ。」

「そのボスに近づきたいの?」

「まあ、早い話がそうだ。」

「ふーん…、なんか色々とあるんだね。」

「おう。そうだぜ。組織も一枚岩じゃないからな。で? その様子じゃ、何も知らされてないって口か?」

「そうだよ。私は、巻き添え食っただけの旅行客だよ? 組織云々のことなんて何も知らない。」

「それだったらよ、俺をこうやって拘束している意味も無いんじゃねーのか?」

「そうだね。そろそろ…。」

「お…おい…。」

「えっ?」

「おめー、無関係じゃなかったのかよーーー!!」

「えっ?」

 

「隠し事は無しだぜ、ミナミぃ。」

 

 アスファルトを伝って建物の壁に生えていたブルー・ブルー・ローズにしがみついた、小さくなったナランチャがエアロスミスを構えていた。

「ナランチャ!」

「『リトル・フィート』!!」

「エアロスミス!!」

 ハッとしたミナミがホルマジオを手放そうとした直後、エアロスミスの弾丸がホルマジオを貫いた。

 そしてあっという間にホルマジオとナランチャがもとの大きさに戻る。ダメージにより能力が解除されたのだ。

「しょ、しょ~がね~な~~~、ナランチャ…、おめーの女にはすっかりダマされたぜ…。」

「わ…私は…。」

「けど…、もうどっちでもいいぜ…、んなこたぁよぉ。知っていようが知っていまいが…。どっちにせよ…、“悪い人”に加担しちまったんだからな? もうマジで逃げられねぇなぁ?」

「っ……。」

「しょおおがねーなああ~~、たかが、買い物くんのもよぉ~、楽じゃあ……なかっただろ? ナランチャ…、これからはもっと…、しんどくなるぜ?」

 ホルマジオは、壁にズルズルと血を残しながら息絶えた。

 ミナミは、その様を見ていて、ガタガタと震えた。

「ミナミ。」

「触らないで!」

「っ…、そいつの言うことなんざ気にすんなよ。ブチャラティは、あんたが思ってるほど悪い奴じゃ…、むしろ俺にとっては…。」

「そんなの…関係ない。私には。」

「ミナミ…。」

「……どーせ逃げられやしないんだから。逃げないよ…。例え、あなた達が死ぬような目に遭っても、関係ない。」

 ミナミは、そう言い捨てると半壊した車の方に歩いて行った。

 ナランチャは、それ以上何も言えず、黙ったまま半壊した車の運転をした。

 そのあとは、尾行を防ぐため、フーゴから言われた手順で車を乗り換え、ブドウ畑の隠れ家に帰るのであった。

 

 

 




ミナミは、生まれつき波紋使いだったが修行も何もしてなかったし、スタンドに素質を持って行かれているため非常に微弱だったが、シーザーから所業をしてもらって波紋が強くなりました。さすがにジョセフレベルじゃないし、ハッキリ言って戦闘潮流までの波紋使いと比較したら圧倒的に弱いですけども。

ホルマジオのような経験豊富な暗殺者でも、ミナミがトリッシュのことを知っていることを見抜けなかったのは、ミナミがトリッシュの置かれている状況について聞き流していたためです。ただお互いに波乱に巻き込まれた者同士という認識しか無いです。

小さくなっていて波紋で拘束された状態のところを、小さくさせられたナランチャのエアロスミスにもろに急所をやられて、ホルマジオ退場。
ナランチャを導いたのは、ブルー・ブルー・ローズであって、ミナミの意思ではありません。
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