「………。」
翼は座ったまま俯き何も喋らず目に光は無かった。
「翼さん…。」
立花が心配しているとアシモフが話し始めた。
「ツバサが目覚めた後から彼女には生気が感じられない。これではミッションに行っても足手まといになるだけだ。彼女には休養が必要だ。そこでだ、ひとまずGVの隠れ家に置いてやってくれないか。」
「それは構わないけど…。」
GVが返事をしたのを確認しアシモフは続けた。
「それと、だ。ヒビキ、お前は確かツバサの知り合いだったよな?知っている顔があると彼女も安心できるだろう。近くに居てやってくれ。」
「はい、分かりました…。」
「二人の了承も得た事だ、今日はここで解散だ。」
そう言いチームシープスとGVら三人は別れた。
ーーーーーーー
隠れ家にて…
「お帰りなさい…GV、その人…誰?」
玄関で三人を迎えたシアンが恐る恐るきいた。
「ただいま、シアン。この人はヒビキ、ボク達の味方さ」
「初めまして、シアンちゃん。私は立花響!よろしくね!」
「よろしくお願いします。」
一通りの挨拶を終えた後シアンは翼を見て言った。
「ねえ…本当にこの人はツバサさんなの?」
「そうだよ、今はこんなのだけどきっとすぐに元気な翼さんに戻るよ。」
シアンの問いに立花は優しく答えた。
「…そう…なのかな…。そうなんだよね。」
シアンは独り合点しGVらを部屋に入れた。
「すっかり遅くなっちゃったね。晩御飯作るよ。」
GVはエプロンを着けキッチンに立った。
「あっ私も手伝います!」
立花もキッチンに入って行った。
「ありがとう、ところでヒビキは料理は出来るよね?」
GVが立花に聴いた
「まあ、出来ますけど…。どうしたんですか?」
「いや…前にツバサをキッチンに立たせたら大変な事になって…。」
「ああー…。」
立花はGVの言葉に納得したように頷いた。
十数分後…
「料理、出来たよ。」
「お待たせ~。シアンちゃん!一緒に食べよう!翼さんも!」
立花は二人に促した。
だがシアンは来たものの翼は座ったまま動かず応えなかった。
「翼さん?」「ツバサ?」
「翼さん!ご飯一緒に食べましょうよ!」
立花は翼の肩を叩いた後言った。
だが翼は応えず見向きもしなかった。
「翼さん!何とか言ってくださいよ!」
立花は肩を掴み、揺すり、叫んだ。
だが翼は動かなかった。
「お願いだから…何か言ってくださいよ…。」
遂には立花は泣き崩れてしまった。
「どうして…?どうして何も言ってくれないんですか!」
立花が泣きGVは何も言えず立ち尽くしている所にいきなりシアンが叫んだ。
「どうしてツバサに何かさせようとさせるの!?ツバサは疲れてるんでしょ!?ツバサにだって何もしたくないときだってあるよ!なのにみんなは何か言って、ご飯食べて、って。ちっともツバサの気持ちを考えてない!」
そこまでシアンが叫んだ所で立花も涙を流しながら叫んだ。
「じゃあどうすればいいの!?シアンちゃんにはそれが分かるの!?」
その問いにシアンは優しく答えた。
「私がポッドの中に居た時歌が聞こえたの。心地よくて、優しくて、カッコいい歌だった。それはツバサの歌だった。…きっとツバサは歌が大好きなんじゃないかな。だから私は歌うよ、ツバサの為に。」
そう言った後シアンは優しく包み込むように歌い始めた。
その場に居た全員が聞き惚れた。
気付けばそこには一匹のモルフォ蝶が飛びそれは女性の姿へ変わりシアンと共に歌を歌い始めた。
その歌声に気付いたのか翼は顔を上げ歌を聴いていた。
歌い終わる頃には翼の目には光が宿り、涙を流していた。
ひな祭りボイスを聞き忘れてしまったので初投稿です。
モルフォちゃん出番あったよ!