神園家保有のジャングルにてーー
三人は運動用のウェアを着て立っていた。
「まずは戦闘の基本、格闘から始めましょう。」
ノワは二人に静かに言った。
「だが何をしろって言うんだ?まさかコイツとやり合えって言うんじゃないだろうな?」
雪音はノワに言った。
「私も最初はそう考えましたがまずは二人の技量を知りたいので私と殴り合って頂きます。」
「んな…あの時アタシはアンタにやられたが正々堂々っていうんなら多分アタシの方が上だぞ?」
雪音は言い放つがノワは平然とした顔で返した。
「どうでしょうか?…ともかく、一度戦ってみないことには分かりません。」
「そうか…ならば頼む。」
アキュラは静かに言い、格闘の体勢を取った。
「ああ…分かったよ、やりゃあいいんだろ?」
雪音もぼやきながら構えた。
「では…行きますッ!」
ノワは二人が構えたのを確認し駆け出した。
「ハアッ!」
「グゥッ!」
アキュラはノワの蹴りを両腕を交わらせ受け止めた、だが…
「隙有りッ!」
「後ろッ!?」
ノワは腕を踏み台にしアキュラの背後に飛び込み背中に体当たりをしアキュラを突き飛ばした。
「ナニッ!?」
「呆けている時間はありませんよッ!」
「チィッ!」
ノワの拳を後ろへ下がりギリギリで回避する。
「なかなかですね。ですがっ!」
「なあッ!?」
ノワの脚が雪音の顔に向かって来るのが見えた、次の瞬間雪音は茂みに突き刺さっていた。
「ウウ…クソっ、アキュラ!同時に叩き込むぞ!」
「気は進まないが…やるぞっ!」
二人は立ち上がりノワに向かって走り出した。
「ウラァ!」「ハァッ!」
雪音が殴りかかり、アキュラが飛び蹴りをする。
「遅いッ!」
だがノワは拳を軽く躱しアキュラは足を掴まれ投げ飛ばされてしまった。
「んのヤロォーッ!」
雪音はノワに殴りかかるが全て躱し、受け止め全て受け流され挙句の果てには投げ飛ばされてしまった。
「ぐああ…」「クソっ…」
「二人のスペックは分かりました。これから私の言うメニューを行って貰います。」
二人が唸っているのをよそにノワは二人に厳かに言った。
・・・・・・
二人はその後ノワに言われたメニューをなんとかクリアしていった。
途中野生動物の捕食や猿の面を付け松明を持ち踊るといったトレーニングもあったがノワに訊いても「これも大切なことです」と言うだけで意味は教えてくれなかった。
数々のトレーニングを乗り越え、最後のメニューをする時にはもう夕暮れだった。
「これで最後です、二人で闘ってください。」
「ああ…そうかよッ!」「決着を…つけるッ!」
二人は互いに走っていき互いに拳をぶつけた。
「ダラァ!」「ハァッ!」
互いに拳を突き出し拳をぶつける、ぶつけ続ける。だが拳に傷が付くだけで進展は無い。
これといった有効打がないと思われたその時アキュラが足を滑らせバランスを崩す。
「貰ったぁ!」
それを見た雪音がアキュラに掴みかかり、柔道の要領でアキュラを叩きつける。が、アキュラはすぐ雪音に蹴りを入れその勢いで起き上がる。
「ゴフッ!」
「ハァッ!」
アキュラは雪音がのけ反った所を殴り、そこからラッシュを叩き込み畳み掛ける。
「ダアッ!」「アガッ!?」
雪音は苦し紛れに足を蹴りアキュラにダメージを与え拳を止めさせる。
「ダラッシャァ!」「させるかッ!」
二人の脚が空中でぶつかり合い止まる。
「ウグッ…。」「ガハッ…。」
二人は次の手を打つ事無く倒れた。
二人が倒れた後ノワが静かに歩いてきて二人に告げた。
「…合格です、二人は無心で拳を打ちつけ合い、そして勝負を終えました。…二人の仲も少しは深まった事でしょう、トレーニングも出来て一石二鳥ですね。」
ノワが平然とそんな事を言うので二人は笑い出しそして呟いた。
「ふう…コイツはやられたな。…でも悔しいけど楽しかった、ありがとな。」
「…ああ、少しではあるがお前のことが分かったような気がする。ありがとう、そしてすまなかった。」
「いいってことよ!」
そして二人はまた笑い出し、ノワは二人を静かに見守っていた。
ちなみに二人はしばらく泥と汗の臭いが取れなかったらしい。
〔二人共、なんだか土の匂いがするよ?〕
「ハ、ハハハー…何でだろうな?」
「さ、さあ?ミチルの気のせいじゃないのか?」
〔そう?…でもなんだか二人共仲も良くなったように見える。〕
「ハァッ!?ここコイツと?いやいや、気のせいだよ!」
「そ、そうだぞ、ミチル!コイツとは…。」
二人が言い訳をしているとミチルはクスッと笑いこう書いた。
〔二人共息ぴったり。まるで夫婦だね!〕
「「何ィ!?」」
…その後一週間程二人が出会う度に顔を赤らめるようになった。
星六素材が全然集まらないので初投稿です。
実はMGS要素を入れてます。気付いた人はスゴイネ!