「ハッ!?」
フェザーの医務室兼通信室で横になっていた翼は比較的小さな銃声で目を覚ました。
「大丈夫よ、多分施設の残党狩りね。ここに被害は無いから安心して。」
飛び起きた翼をモニカが優しくなだめる。
「ごめんなさいね、こんなに狭くて。中々資金が集まらなくてね…移動医療施設もこんなのになっちゃって。」
モニカが自嘲するように笑う。
「い、いや済まない。私こそ騒いでしまって…。そうだ、立花は?」
「大丈夫よ、ちゃんと脈も呼吸もある。…タフな子で良かったわ。何せあのカレラという男は第七波動を無力化出来るトンデモな能力者だもの。あなた達が居てくれて助かったわ。」
モニカが仕事をしながら話す。
「そうか…私に何か出来る事は無いか?」
「大丈夫よ、怪我人は休んでて。」
翼の問いにモニカは微笑みながら返す。
「ふむ…そうか…。ところでモニカ、少しずつではあるが銃声が大きくなってないか?」
「………。確かにそうね。一度オペレーターの仕事に戻るわ。」
翼の言葉を聞いてモニカは備え付けのモニターを見る。それと同時に大きな爆発音とアラート音が響く。
「何だ!?」「何ッ!?」「…!?」
音を聞いてモニカが急いで端末を操作する。
「ジーノ!聞こえる!?ジーノ!」
モニカが叫んでも聞こえるのは騒音と叫び声のみ。
「…ッ…こちらジーノ、敵軍と交戦中…。」
しばらくしてからジーノの声が聞こえるがいつものような元気さが無い。
「ジーノ!?現状を教えて!」
「スメラギの奴ら…残党狩りで消耗したタイミングで攻めて来やがった…。奇襲に対応してはいるがかなり危険だ…。GVもオレと一緒に戦ってくれていたんだがな…。オレがドジ踏んでGV巻き込んじまった…。救援を寄越してくれ…。」
そこまで喋った所で通信は爆音に掻き消される。
「ジーノ!?応答して!…応援なんて…他の部隊はここに来るまでにかなりの時間が要る…。どうすれば…」
「私、戦えます。」「私が出る。」
モニカが作戦を考えている間に立花と翼が同時に返事をする。
「立花!?何を言っている!まだフラついているではないか!」
「大丈夫です。ここは何処ですか?私達ならすぐデータバンク施設に行けます。」
翼の制止も無視してモニカに話しかける。
「待って、ヒビキ!あなたさっき起き上がったばかりじゃない!あなたが行っても足手纏いになるだけ!」
「私は大丈夫です、それよりもみんなが心配です。場所は?」
モニカが困惑したように叫ぶがそれを聞かず訊く。
「だからって…」
「決めたんです、あの時。みんなを救うんだって。それにシアンちゃんを悲しませる訳には行きませんから。」
モニカが止めようとするがそれを半ば強引に止め、説得する。
「……分かったわ、今の場所はここ。施設の場所はそこよ。」
モニカが地図を指差しながら言う。
「ありがとうございますッ!」「感謝するッ!」
モニカの説明を聞いた直後彼女は走り出してしまった。
ーーーーーーーーーーーーーー
「クソッ!奴らどんだけここが好きなんだよ!?」
「馬鹿言ってないで敵を倒して。」
そんな事を叫びながら二人とほんの少しの仲間はスメラギの部隊を迎撃していた。
「た…隊長!アレを!」
「どうした!?なッ!?嘘だろぉっ!?」
隊員が指差した先には炎を纏い、吹きながら飛んでくる二つの物体を指差していた。
「奴らミサイル出すとかどこまでやる気だァッ!?」
「…いや、ジーノ。あれはそんなのじゃない。」
「どーいう事…だ?」
ジーノはGVに言われしばらくソレを見ているとそれは炎を吹くのを止め人の形に変わって行った。
「遅れましたッ!敵はッ!?」
「お前らだったのか!?助かった!俺達が護衛するから奴らを倒してくれ!」
「承知したッ!我が剣が友を救う退路を開くッ!」
翼が叫ぶと兵士達の叫び声が上がり士気が上がったのが見て取れた。
・・・
そうしてスメラギの兵士を無力化し終わったのを確認してフェザーの部隊が帰還しようとしていた頃、一人の男の声が響いた。
「困るねぇ、愛する部下達の愛を否定されては。」
「何者だ!?」
兵士達に銃を向けられているのにも関わらず既に宝剣を使用し装甲を纏っている男は翼の問いに答えた。
「私の名はパンテーラ。そこの少女、強い愛に塗れた質問をありがとう。私も愛を持って礼をしよう!」
そうパンテーラが叫ぶと彼の姿は消え気付けば四人の体は吹き飛ばされ兵士達は致命傷、あるいは死亡していた。
「フハハハハハハッ!これが愛の力だッ!…我が第七波動
「貴様…愛をそんな風に喋るな!」「貴方の言うそれは愛じゃないッ!」
二人は叫びながらパンテーラに走って行った。
「少女の愛への執着、なんと美しい事かッ!受け取ってばかりでは申し訳ないッ!私からも心からの愛をッ!」
ーーー
(止めるッ!これ以上犠牲者を増やさない為にもッ!コイツの狂った愛をッ!)
そう思いながら立花は走っていた。だが次の瞬間立花の視界は逆さになった。
「何コレッ!?」
「私の愛は天地をも覆すッ!無限の愛ッ!」
立花の叫びに答えるようにパンテーラが何処かから叫ぶ。気付けば目の前に居た筈のパンテーラが居なくなっていた。
「何処だッ!?…なッ!?」
辺りを見渡すと翼と立花は複数人のパンテーラに囲まれていた。
「少女の愛…私に届くかい?」
「無理やりにでも届けて見せるッ!」
二人はパンテーラの群れに攻撃をした、だが斬っても殴っても姿が何処かに行くだけで数は一向に減らない。
「時間切れだ…受け取ってくれ!これぞ、愛・絶技ッ!!」
パンテーラの叫びが聞こえたと思ったら周りのパンテーラは全て爆ぜ二人のシンフォギアは解除されていた。
ーーー
「大丈夫か!?」
GVとジーノが駆け寄って来て二人を比較的安全な場所に移しパンテーラの前に立つ。
「おやぁ…?これは何とも美しい少年達だ…君達も私の愛を受け取ってくれるのかい?」
そこまで喋った所でジェット音が響いてきた。
「何だ…これ?」「これは一体何だい?サプライズプレゼントかい?」
三人は動揺していたがしばらくすると赤い大きなミサイルの姿が見え、有り得ない光景も見えた。
「ヒャッハー!アタシ様のお通りだァ!」「………。」
ミサイルの上に少女と少年が乗っているという光景が。
訃堂がどうあがいてもクソジジイだったので初投稿です。
医務室兼医療室ってなんだよ…あと訃堂死ね。