蒼き雷霆は戦姫と共に   作:D・ヒナ

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あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”時間がないよぉぉ…


皇神保有地下施設偵察任務(中)

五人は暗闇を歩く、ひたすら歩く。ほんの少し見えている光を目標にただ歩く。

「ハァ…ハァ…」

ただ、進めば進む程女性「エリーゼ」の歩く速度は遅く、容体は悪くなって行く。

「大丈夫ですか?エリーゼさん。おぶりましょうか?」

「だ、大丈夫です…すみません…。」

だが進めば進むほど彼女の容体は悪くなり遂にはしゃがみ込んでしまった。

「うう…あ…ああ…頭が…頭が痛い…!」

「大丈夫ですか!?」

「クソッ!私が担ぐ!私の機動力ならば…」

翼は彼女を担ごうとしたが目の前の光景を見て足を止め言葉を止めた。

「そ…そうよ…。この先の部屋は……!」

彼女は立ち上がりふらつきながら、しかし確固たる意志を持って歩いていた。

「おい!?何やってんだよ!」

「触るな!」

雪音は心配してエリーゼの肩を掴んだ、だが彼女は手を払い除け雪音を睨みつけた。

「待って!」

GVはエリーゼを呼んだ、だが彼女は声を聞かず走り出してしまった。

「クソッ!追うぞ!」

「うん。」「うん!」「了解!」

四人は彼女を追って走り出した。

 

ーーーーーーー

 

「……………。」

しばらく走った所にある明るく、広い部屋で彼女は静かに目の前の巨大な装置を見つめていた。

「エリーゼ…さん?」

立花はエリーゼに声を掛けた。

「思い…出した!」

彼女は立花らを見ず静かに呟いた。

「「「「!?」」」」

四人はエリーゼの様子が普通の要因のせいではない事を感づいた。

「私…アタシはァ…!」

彼女は静かに呟くと宝剣を取り出し黒いモヤに包まれ装甲を身に纏った。

だがモヤの先に居たのは一人では無かった。

「ふう…やっと出られたわぁ…ちょっとアンタ!何記憶失くしちゃってるのよ!」

一人はもう一人の女性を怒鳴り睨みつけた。

「あうぅ…ごめんなさい…。」

もう一人の女性は静かに涙ぐみながら女性に謝った。

「その姿…スメラギってぇトコの能力者みてえだな?」

雪音が二人に向かって叫ぶ。

「そう…アタシは…“アタシ達”は『エリーゼ』。アタシは使えないその子に代わってアイツらの言いなりになるよう造られた別人格。」

エリーゼは立花らに向かって自己紹介をする。

「別人格がセブンスを媒介にして実体化しているとでも言うのか?」

「ここに居た他のヤロー共はどうしたんだ?」

雪音がエリーゼに向かって言う。

「…あらァ?途中で見なかったかしら?連中の成れの果てーー生ける屍(ゾンビ)を。

「じゃあアイツらは…。」

立花はエリーゼの言葉を聞き青ざめた表情で呟く。

「“絶対の死”すら覆すこの力…フフ…スメラギも欲しがる訳よね。だ・か・ら、叶えてあげたの…アイツ等の願いをーーああいう形でね!

エリーゼがそう叫ぶとエリーゼ達は器用に近くに立っているポールのようなものに飛びつき器用に掴まった。

「さあ、アンタ達も一度殺してアタシの玩具にしてあげるわ!」

エリーゼが叫び終わると同時にエリーゼ達はクナイのような物をGVらに投げつけた。

「やめて!手を取り合える方法がきっとある筈!だから…!」

「嫌よ。アタシはただこの力を使いたいだけ、だってそれがアタシが造られた理由(イミ)だもの。」

立花は叫ぶがエリーゼは笑いながら残酷に返答する。

「あうぅ…すみません…すみません…」

「貴女も何故!」

「フフフ…無駄よ。その子はアタシの言いなり。」

立花はエリーゼに叫ぶがエリーゼが割り込んで返答する。

「その子はねぇ…とっても弱いの。自分じゃ何にも出来ない…。だから虐げられてきた。だから!アタシが代わりにやるの。その子が出来ない事…全部!その子はアタシの言う事さえ聞いていればいいの。」

「…………。」

エリーゼはエリーゼの言葉を聞いてさらに攻撃を激化させる。

「貴様!使えない、何も出来ないなどと言って彼女を従えているが彼女は本当にそれを望んでいるのか?!本当は嫌がっているんじゃないのか?!」

翼はクナイを剣で弾きながらエリーゼに叫ぶ。

「フフフ…その子ったら代わりに苦しい事を受けてくれる存在が出来たと知った途端アタシに従ったわ!彼女は自分の意志でアタシに従っているのよ!」

「うう……。」

「フフ…見てなさい。アンタ達をゾンビにしたら地上の奴らもみんなゾンビにしてあげる。誰もがみんな、化け物になるのよ。そうなればもう誰もアタシ達の事を化け物だなんて呼ばなくなる…。

死という安らぎに満ちた世界でアタシ達は女王(クイーン)になるの!」

「ううぅ…。」

エリーゼは叫びエリーゼは力なく唸った。

「やめろ!無駄に争う気は無い!」

「あははははは!!無駄、無駄!アタシ達はもう止まらない!止められない!」

GVも叫ぶがエリーゼの耳には届かなかった。

「だあああ!さっきからちょっせえ事、うだうだうだうだウッセエんだよ!」

皆が諦めかけていたその時雪音がクナイを撃ち抜きながら叫んだ。

「…アタシは孤児になった時もあった、だから虐げられた時の気持ちは分かる。アタシは大きな力を手に入れた時もあった、だから利用されて、従わされて、恐怖に怯えて、怒りに燃えた。だからアンタの今の気持ちも分かる。」

「何を言い出すかと思えば…だったら分かるでしょう!?その子の気持ちが!」

「だけどな!」

エリーゼの叫びを掻き消し叫んだ。

「だけどな、そういう風に力に溺れて、弱い奴らを踏みにじって、そんな大きな欲望を持ったらお前はきっと死ぬっていうのは知ってる。実際アタシもそうなりかけた。」

「なっ、何を…。」

「アタシはお前らみたいに力だけで欲望を、間違った方法で夢を叶えようとしたし、そんな奴を見ていた。だが…その結果は破滅だった。アタシは死ぬ所だった、だが仲間が…アイツらが止めてくれた。だからアタシは踏みとどまって、生きる事が出来たし正しい方法で夢へ向かっていける。

……アタシはあんたらにそんな悲惨な結末は迎えて欲しくない、だからアタシがアンタらを止めてやる!」

雪音は大量の銃火器を、エリーゼは大量のクナイを持ち戦い始めた。




メックヴァラヌスDに手を付けるまでかなり時間がかかりそうなので初投稿です。
宿題コロスベシ!
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