一行は所々崩れた通路を歩く。目を覚ましたシアンも多少フラついてはいるが一行にしっかりと着いて行っている。
「…なんで、貴方がここに…」
ふとGVが目の前のここに
「皆、ご苦労だった。紫電を倒すとは…お前達こそ、新たなる時代のキングとクイーン、そしてソルジャーに相応しい。」
「何を…言っている…?」
アシモフの言葉に動揺を隠せない翼が問う。
「今の騒動でスメラギは混乱している…今が絶好のチャンスなのだ。」
「アシモフ…?」
[まさか…アンタ…!]
アシモフの言葉から何かを感じ取ったモルフォが敵意をアシモフに向ける。
「GV、お前はフェザーを離れ私が想像した以上に成長したようだ。」
アシモフはそう言い終えた後、ハンドシグナルでそちらに行くよう促し、続ける。
「フェザーに戻って来い、GV。今なら
[駄目よ!アイツの誘いに乗っちゃ駄目!]
アシモフの誘いを必死に止めるが一行はまだその男の考えを分かっていなかった。いや、分かりたくなかった。
「シアンの歌と、この衛星拠点…そしてお前達の力があれば愚かなスメラギや無能力者共をこの世から一掃出来る。」
「「「「!?」」」」
アシモフの言葉で一行はアシモフの考えを理解せざるを得なかった。
「私がフェザーを設立し、この日が来るのをずっと待ち望んできた…」
アシモフは一行を迎え入れるように両手を広げ話し続ける。
「今こそ、我ら能力者が“自由”の名の元に立ち上がる時が来たのだ。さあ来い。皆で共に自由ある世界を勝ち取ろう!」
そう言い終えるとアシモフは静かにこちらに歩み寄ってきた。
「そんなやり方じゃ自由にはなりません!それにフェザーはみんなの共存が目的じゃ無いんですか!?」
立花は叫ぶがアシモフは首を横に振る。
「チッチッチッ…フェザーの目的はあくまで
「そのようなやり方で手に入れた自由など本物の自由では無いしお前のような者がそれを扱えば容易く崩れ去るだろう!私は…私達はお前の言葉に賛同出来ない!」
「ボクは貴方に救ってもらった恩がある!それを忘れるつもりは無い!…だけど!それが…そんなモノが貴方の野望というのなら、貴方は…あの紫電と同じだ!シアンを利用するつもりなら、ボクが止める!」
二人はアシモフに反論し、シアンを庇うようにして前に出る。
「そうか、残念だよ…」
アシモフは腰からリボルバー銃を抜く。アキュラとの戦いで見覚えのある銃だ。
「アキュラの…銃…!」
雪音が銃を見て一番に叫ぶ。
「ここに来る途中に居た無能力者から奪っておいた。奴と争った際に一発掠ってしまったが…驚いたよ。どうやらコイツの弾丸には第七波動を阻害する効果があるらしいな。」
ゆっくりとその銃をGVに向けつつ言う。
「…いかにお前と言えど、無事では済むまい。」
銃口がGVを睨み、引き金は引かれ、弾丸は飛び出す。
「させるか!」
雪音がリボルバーで弾丸に向かって発砲する。
「フン、お前は既に対策済みだ。」
アシモフが呟くと同時に矢と弾丸がギリギリで交わる。
「ゼアアッ!」「セリャアアッ!」
立花と翼が弾丸があるであろう位置に得物を振るう、が弾丸は二人の反応より先にGVに向かって飛んで行く。
「ヤメロオオオッ!」
誰かの叫びが木霊するが弾丸は止まらない。
「グウッ!」
GVの心臓に弾丸が突き刺さる。
「
アシモフがそう言い終えると同時にGVが膝を着き、そして倒れた。
「嫌ッ…そんな…!…GVーーー!」
シアンはGVを抱きかかえ叫ぶがGVはグッタリとしたまま動かない。
「よくも貴様はァーッ!」
翼が剣を振るうが容易く止められ、剣を投げ捨てられてしまう。
「なっ!?」
「反逆者は反逆者らしく向こうでじゃれ合っていろ。」
アシモフは翼の頭に弾丸をぶち込んだ。翼の体がパタリと倒れる。
「うっ…ウワアアアアッ!」
雪音は体を赤黒い何かで覆い、アシモフに襲い掛かる。
「フン、獣と堕ちたか。」
アシモフは弾丸を雪音の両脚に当て、動きを止める。
「自我を失った獣は真っ先に死ぬんだ、こういう風になッ!」
動きが止まった雪音にアシモフは弾丸を放つ。
「デリャアアアアッ!」
立花はアシモフに殴りかかるが寸での所で拳を躱される。
「ハッ!GVの武術に比べれば可愛いモノだッ!」
「ぐあっ!?」
立花は簡単に投げられ地面に打ち付けられる。
「安心しろ、シアンもすぐにそっちに送る。」
アシモフはそう言い放ち、立花の心臓に弾丸を放つ。
「さて、後はお前だ。シアン。」
リボルバー銃をシアンに向け、引き金を引く。…が、弾丸はシアンの顔の横を通り過ぎて行く。
「ッ!?」
「シアンちゃんを…殺させは…しないッ…!」
アシモフの衣服にしがみつく立花を見て一瞬は驚いたアシモフだったがすぐに冷静さを取り戻す。
「心臓を潰してもまだ戦うか、仲間に来てくれなかったのが本当に惜しい。…だが反逆者が殺さねばならない…チャオ。」
アシモフの放った弾丸は立花の頭蓋骨を砕き、脳を抉った。
「…これで終わりだ。…向こうで仲間が待っているぞ。」
アシモフはシアンの左胸に触る。
「アリーヴェデルチ。」
アシモフがそう呟くと周囲が一瞬輝き、直後にはシアンも倒れていた。
初投稿です。
最近BB素材の切り抜きをやってみました。地獄でした。