「んん……ハッ!」
立花は何処かの綺麗なベッドから飛び起きる。
「目が覚めたか…。」
近くで看病をしてくれていたジーノが立花に声を掛ける。
「ここは?」
「フェザー所有の移動拠点だ、安心してくれ。」
ジーノが立花の問いに答える。だがその声にいつものような元気さは無い。
「…そうだッ!GVさんはッ!?」
「……それはちゃんと話す…ロビーで他の二人も待ってる、ついてこい。」
そう言いジーノはスタスタと部屋から出てしまった。
「ちょ、ちょっと待ってくださいッ!」
立花も急いでベッドを抜け出し、ジーノを追いかける。
・・・
「…よう、寝坊助。」
「おはよう、立花。」
入ってきた立花に二人は声を掛ける、がジーノ同様あまり元気は無い。
「おはよう…モニカさんは?」
「…アレ以来部屋に閉じこもっちまった。」
「何かあったんですかッ!?」
「落ち着けよ…ちゃんと話す。」
深呼吸をしてからジーノは話し始めた。
ーーーーーー
「みんな…遅いな。」
昇ってくる朝日を眺めつつ、ジーノは軌道エレベーターの入り口の前で一行を待っていた。
「大丈夫よ、みんなならシアンちゃんを無事に連れて来てくれるわよ。」
モニカは焦るジーノを抑える。
「だけどよ…リーダーは居ないし、みんなは朝日が昇っても帰ってこないし…」
「それは確かにそうだけど…あっ!」
ジーノをさっきと同じように話そうとしてモニカはエレベーターが降りてきているのに気付く。
「帰って来たわ!」
「本当かッ!?…急いで迎えてやんねーとなッ!」
二人はドアの前に立ち、一行を迎える準備をする。
しばらくして、エレベーターが地面に着き、重いドアが開かれる。
「GV!……って、お前…それ…」
「…そ…そんな…」
二人はドアの向こうの光景を理解するのに何秒も時間が掛かった。
三人は地面に倒れ、アシモフは腕を切り落とされ事切れている。そして、その中たった一人静かに立っているGV。パニックを抑える事など出来なかった。
「アシモフ…!?まさか…死ん…で…?」
「……………」
ジーノが目の前の光景を認めないように言葉を発しても、GVは何も言わない。
「…嫌ッ!そんなッ…そんな…アシモフ…」
モニカは涙を流し、叫び、崩れ落ちた。
「……………」
GVは仲間達に何も言わずに立ち去ろうとして、何かを思い出したかのようにジーノの隣に行く。
「急患だ、三人…頼むよ。」
そう言い、GVはまた歩き出した。
「お…おい、GVッ!?何があったってんだッ!?アシモフはどうして…!?なんでみんな倒れてんだッ!?それに…シアンちゃんは!?」
GVに近づこうとしたジーノが、不可視の“何かの力”によって阻まれる。
「……、…………。」
島を出て行こうとしているGVは何かと話していた。だが、それを聞き取る事も出来なかった。
ーーーーーーー
「そっからは…お前達をここに運んで、あんまり傷も無かったけど、手当して…今に至るっつー訳だ…」
「「「…………」」」
ジーノが言葉を発し終えるとその場を静寂が支配した。
「それからGVさんは…?」
「まだ足取りが掴めてねぇ、まぁ見つけたとしてもあのGVだから掴まえられねぇだろうけどな」
ジーノはほんの少し、前のように話した。
「…なぁ?何があったんだ?あの時、あの場所で…何があったってんだ!?」
ジーノは一行に掴みかからんばかりの勢いで訊いた。
「それは…」
三人はアメノウキハシでの事を自身の言い表せる限りの言葉で話した。
「…嘘だろ?だって…アシモフが、そんな…」
「…済まない、私達の力が足りなかったばかりに…」
「いや…謝りたいのはこっちだ。…すまねぇ。」
「「「「…………」」」」
「そうだ、お前達が言ってた並行世界への入り口なんだが…アメノウキハシからちょっと行った所の空間に発見出来た。橋はボロボロだがお前達なら行けるだろ?」
「そう…ですか。」
「我々はひとまず報告の為に帰還する必要があるだろう、準備が出来次第出発するぞ。」
「あと…隠れ家に、忘れモンとか無いか?一応車はある。今すぐにでも行けるぞ?」
「ああ…有難くお借りします。」
・・・・・・
「ぼろぼろになっちゃたけど…お世話になりました。」
一行は壁が砕け、窓も割れている家に一礼する。
「…?…なんか…ポストに入ってねぇか?」
雪音が指を指した先には、あからさまに封筒が突き刺さった郵便受けがあった。
「これは…もしかして…」
「ああ、恐らくGVからのモノだろう。」
「中身は…」
封筒を開けると一枚の手紙が入っていた。
[ この手紙を開けているのが何時から分からないけど、読んでいてくれているのには感謝するよ。この数週間、ボクもシアンも君達と一緒に居れて楽しかった。
ボクはシアンと一緒に旅に出るよ、みんなは気にせず元の世界に帰ってくれ。
ジーノにはボクを探す労力があるなら他に手を回せと伝えておいて。
蒼き雷霆より ]
「なっ…なんで…何でこんな…」
「随分冷てえじゃねえか…!」
「助ける事すら拒否するとは…相当滅入っているな…」
「だからって、助けない訳ないじゃないですか…!」
走り始めた立花を翼が押さえた。
「離してくださいッ!」
「今行ってどうするというんだ、場所も予想も分からない今。」
「そうだ、ひとまず本部へ帰って応援を頼むしか無ぇだろ。」
「………分かりました。」
・・・・・・・・・・
「ここが…出入口だったなんて…」
エレベーターの残骸を跳んでアメノウキハシに到着した一行は宇宙を見て、そこにある入り口を見つめる。
「さて、とっとと応援呼んで、帰ってこなくちゃあな…」
「行くぞッ!」
一行は跳び上がり、入り口へ飛び込んだ。
「…入ってきた時の嫌な感じがしない…」
「今思い返せば、あの感覚は紫電のセブンスと似てたな」
「恐らくそのエネルギーが入り口から漏れ出し、我々を巻き込んだのだろう」
その後一行は何事も無く、本部へ帰還出来た。
・・・・・・
一行は帰還後すぐ他メンバーの手厚い歓迎を受け、風鳴指令に報告を行った。
「…ふむ…そんな事が…」
「装者六名での出撃命令をください!」
「…済まない、こちらもあまり状況は良く無い…これを見てくれ」
指令は数枚の画像を端末に表示し、「棺」の説明をした。
「…許してくれ、こちらも無視できない状況なんだ…」
指令は深々と頭を下げ、謝罪した。
「頭を上げてください…」
「オッサンが謝る事じゃねぇよ」
「…ありがとう。…所で、カルマノイズは無事撃退出来たのか?」
「「「…………あっ」」」
ーーーーーー
アメノウキハシ最奥部にて…
ボロボロの道と呼べるかすら分からない道を一人の足が渡って行く。
行き止まりの辿り着くと、そこにある一つのポッドにその人物は抱きつき、頬擦りをした。
「あの紫電でさえも支配はおろか排除すら出来なかった
なのはコラボが嬉しいけどやる事が多くて手を出しきれるかどうか分からないので初投稿です。
これにて第一部、終了です。
もうちっとだけ続くんじゃ(トークルーム)