~憧れ~
翼が買い物から戻ると、シアンがリビングでテーブルに向かって何かしていた。
「ただいま…」
「…………」
扉の音や人の声に気付かないとなると結構集中しているようだ。
なんとなく気になり背後から覗いてみると、テーブルの上には奇妙な模様が描かれたチラシが数枚あった。
「これは…サインか?」
「うわあっ!?」
翼が何気なく声を出した所でようやくシアンは翼の存在に気付いたのか素っ頓狂な声を上げた。
「い…いつから見てたの…?」
「ん?ついさっきだが…」
「そっ、そう…」
「サイン…懐かしいな。」
「ツバサもサインを描いてたの?」
「ああ。私は私の世界では自分で言うのもなんだが有名なアイドルなんだ、サインを描く機会もよくあった。」
「へぇー…サインも沢山描いた?」
「うーん…最初こそ描いてはいたんだが…どんどん描く回数が減ってな…」
「えっ何で?」
「さぁ…私にも分からん。」
「じゃあ描いてみてよ!」
シアンはそう言い、翼にチラシとペンを差し出す。
「…久しぶりだが、描いてみるか…せやーッ!」
翼は凄い勢いでペンを走らせ、サインを描き上げる。
「どうだッ!」
「えっ」
翼がバンと見せたそのチラシには俗にいうショドーで書かれた自身の名前と何か分からない微妙な模様が描いてあった。
「あー…いいと思うよ!」
「だろう?だが皆は微妙な顔をするんだ…」
その後GVに直球な意見を言われへこんだり、シープスの皆さまに笑われたりするのはまた別のお話。
~伝説のロックスター~
GVがちょっとした野暮用から戻ると、二人はヘッドホンを付け、音楽を聴いていた。
「お帰りだ、GV。」
「…あっ、ごめんなさい。歌を聴いていたの。」
先にGVの存在に気付いた翼が挨拶をし、それに続いてシアンも挨拶をする。
「二人共熱中してたみたいだけど、何の曲を聴いていたの?」
「アオイって…分かる?」
アオイーーGVらが生まれるより大分前にヒットしたロックスターの事をシアンは興奮が収まらない様子で話す。
「やっぱり伝説のロックスターはすごいね…聞き入っちゃった」
「
「それはセブンスの、モルフォの歌だから…私自身が喉を傷めて歌っているワケじゃない。」
「そう言うな、シアン。本格的に聴いた事は無いが…時々歌っている鼻歌…あれはとても綺麗だった。鼻歌でそれなのだから、もしかしたら私よりも上手いかもしれない。」
翼はシアンの肩に手を置き、慰める。
「そっそうかなー…」
それを聴いたシアンは顔を赤らめて照れていた。
「ツバサは何を聴いていたの?」
シアンが訊くと翼は嬉しそうに答えた。
「サイキックラバーというグループの曲でな…歌っているモノはロックなんだが、この曲には何か惹かれるモノがあってな…」
翼が説明をしつつ端末を二人に見せる。画面には所謂ヒーローモノの画像が映っていた。
「ロックと聞いて参考程度に聴いてみたんだが…どうもこの曲が頭から離れなくてな…!」
その後翼は訊いてもいないのに感想を語り始めた。
「そ、そうなんだ…でもボク用事があるし…」
「私も…」
そう言い二人は翼をほっぽり部屋に戻ってしまった。
翼が我に戻ったのは数時間後だった。
~猛犬注意~
家へ帰ると手に包帯を巻いたシアンと執拗にマネキンにクナイを投げ続けている翼が居た。
「えっ…シアン、大丈夫かい?」
「うん、私は大丈夫。手当てもしっかりしてもらったし。」
その返事を聞きGVはほっと胸をなでおろす。
「ちょっとツバサ、訓練をするのはいいけど、シアンに怪我をさせたのは良く無いね。」
「ん何ィ!?」
ちょっと怒った様子で翼に話しかけると、それ以上に鋭い目つきでGVは睨まれた。
「ちっ違うの!ツバサはちゃんと安全にやってるから!翼もそんなに睨まないで!」
シアンは二人の間に割って入り二人を止める。
「実は…私下校途中にワンちゃんに手を噛まれちゃって…」
シアンは包帯を巻いた手を見せつつ話す。
「傷の手当てはツバサがしてくれたんだけど、ツバサったらそいつに文句を言ってやるって言い始めて…」
「私はシアンの情報を基にその家へ行ったんだ…!」
シアンと正気に戻った翼が話す。
「だがッ…あの犬畜生は…!私の影縫いをいとも容易く抜け出し…笑いながら私を吹き飛ばしてきたんだ…!」
「あー…それが悔しくて練習を?」
「そうだ。」
「あのワンちゃん…紫色してたから多分柴犬だと思うんだけど…」
「何を言っているんだ?」
「うーん…その犬は多分…」
「あの犬は赤かったぞ?」
「「えっ?」」
「それって別の犬じゃ…」
「なっ…ではあの犬は…?」
その話はちょっとした都市伝説として有名になった。
最近ツイッターを覗けていないので初投稿です。
シンフォギアの情報が分からないのなんの…これが情報格差か