「くッ…うう…はっ!」
翼が目覚めたのは埠頭にある倉庫の中だった。
「目が覚めた?二人をここに連れてくるのは大変だったんだからね。」
「すまないGV…現状は?」
翼が尋ねるとGVはため息をついたあと話した。
「少女は無事回収完了、追手は振り切った。今アシモフ達との合流を待ってる。」
「そうか…なら良かった…。」
翼は安堵の表情を見せ立ち上がる。
そして彼女は気づいた、潮の匂いとは違う臭いが漂っている事に。
「これは…アアッ!」
翼は思い出してしまった。
自身が人を殺めてしまった事を、その人に言われた事を。
「うわあああああああああ!!!!!!!!!」
倉庫の中に少女の絶叫が響く。
「カザナリ…。」
それをGVはただ静かに見ていた。
少女の叫びが静まった頃チームの仲間が入ってきた。
「落ち着いたか?シープス4.」
「…………。」
翼は暗い表情のまま黙っていた。
「さて…本題に入ろうか。
その言葉を聞き翼は立ち上がり剣を向けた。
だが剣を向け睨むだけで言葉は発しなかった。
それを見たGVが言った。
「出来ません。」
「GV!」
アシモフが叫んだ。
「…この子はあの時の僕と同じなんだ、アシモフに救われた時の僕と。この子もずっと苦しんでいた!」
「その少女がどれ程危険か分かっている筈だ。」
アシモフの言葉にGVが反撃した。
「危険なのはスメラギだ!この子の歌じゃない!」
「…詭弁だな…。」
アシモフが言った直後二人は歯を噛みしめ怒りを押し殺した。
その後GVは雷を纏った。
「マジかよ…。」「二人とも…。」
二人が困惑を見せるが構わずGVは続ける。
「この子が笑顔で歌える方法が必ずある筈なんだ!その可能性を一方的に奪うというのならフェザーもスメラギも同じじゃないか!
…かつて貴方がそうしてくれたように今度はボクがこの子の力になる!」
「それが、お前の選んだ自由か。ガンヴォルト。」
「はい。」
アシモフの問いにGVが頷く。
「いいだろう。ならば今、コードネームGV、シープス4をフェザーから除名する!組織に規律を乱す者は不要。今後もしも我々の障害となるようならば容赦はしない。
覚えておけ、二人共。その少女の自由はより多くの戦いの先にしか無い。
アシモフは除名の宣言をした後踵を返し思考が追いついていない二人を連れ倉庫を出た。
その様子を少女はいつからか静かに見ていた。
GVは三人が去ったのを確認し笑顔で少女を抱きかかえた。
「もう心配ない、行こう?」
その言葉を聞いた少女の目からは涙が溢れていた。
「そうだ…カザナリはどうする?別に離れても構わないけど…」
GVの言葉を遮り翼は叫んだ。
「離れる訳がないだろう!その少女の自由のため、私も仲間に入れて欲しい…頼む。」
翼の様子をみてGVは穏やかに言った。
「分かった。じゃあ一緒に帰ろうか。」
「ありがとう、GV。」
こうして電子の謡精抹殺ミッションは終わり翼の新たな生活が始まった。
XDの完凸が終わらないので初投稿です。
やっぱりGVは女たらしなんやなって…。